JP2559482B2 - Htlvーiペプチド抗原および分析法 - Google Patents

Htlvーiペプチド抗原および分析法

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【発明の詳細な説明】 1.技術分野 本発明は、一般に、ヒトT細胞白血病ウイルスI型
(HTLV−I)に関し、さらに詳細には、HTLV−Iに感染
した個体に存在する抗HTLV−I抗体に対して免疫反応性
を有する組換え体ペプチド抗原に関する。
2.参考文献 Huynh,T.V.ら、“DNA Cloning.Volume 1"D.M.Glover
編、ワシントンD.C.:IRLプレス、1985(チャプター2) Maniatis,T.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Ma
nual,Cold Spring Harbor Laboratory(1982) Matsushita,S.ら、Proc Natl Acad Sci(USA),83:2
672(1986) Miyoshi,I.ら、Nature294:770(1981) Poiesz,B.J.ら、Proc Natl Acad Sci(USA),77:741
5(1980) Popovic,M.ら、Science, 219:856(1983) Seiki,M.ら、Proc Natl Acad Sci(USA),80:3618
(1983) 3.発明の背景 ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)は、3種類の既知
のメンバーの一群のT細胞レトロウイルスである。HTLV
I型(HTLV−I)は、インビトロで形質転換活性を有
し、病因論的に、成人T細胞白血病と関連がある。この
成人T細胞白血病は、世界のいくつかの地域に固有なも
のとして知られている。HTLV−IIはインビトロで形質転
換能を有する、他のレトロウイルスであり、毛様細胞性
白血病にかかった患者のT細胞変種から単離されてい
る。HTLV−IIIは、リンパ節症関連ウイルスとも呼ば
れ、現在ではヒト免疫不全症ウイルス(HIV)として知
られ、ある種のT細胞に対して溶解性を有し、病因論的
には後天性免疫不全症候群(AIDS)に関連している。HT
LV−IおよびHTLV−IIとは異なり、HTLV−IIIは、イン
ビトロでの形質転換活性を有していないことが知られて
いる。
HTLV−Iに対して反応性を有するモノクローナル抗体
(Mab)が、すでに報告されている(Matsushita)。0.5
αと呼ばれるその抗体は、HTLV−Iに感染したT細胞の
細胞膜に結合し、補体の存在下で細胞溶解を起こすIgG1
Mabである。電気ブロット法による研究により、このMab
はHTLV−Iの主要エンベローブタンパクと反応すること
が示されている(Matsushita)。このタンパクはgp46と
呼ばれており、env遺伝子産物の外膜の成分である。プ
ロウイルスHTLV−Iのゲノムが単離され、その全体の配
列が決定されている(Seiki)。競合阻害結合分析法を
用いると、成人T細胞白血病の15名の患者のうちの15名
が、粉砕されたHTLV−IビリオンにこのMabが結合する
のを阻止する抗体を有することが観察された(Matsushi
ta)。この抗体は、HTLV−IIもしくはHTLV−IIIのビリ
オン、または感染細胞には結合しないようである。
上記の研究は、HTLV−I感染症の診断に抗HTLV−I抗
体を用いる可能性を示しているが、この方法には2つの
大きな欠点がある。第1に、分析システムが比較的面倒
であり、HTLV−Iビリオン、感染細胞、もしくは分画さ
れたgp46タンパクの起源と;競合結合分析法フォーマッ
トに組み合わせた抗HTLV−I Mabとの両者が必要であ
る。第2に、全ビリオンまたはその分画されたタンパク
でさえも、1を超える数のエピトープ特異的抗HTLV−I
抗体と反応するようであり、そのため、この試験法の感
度と特異性とが低下する。
4.発明の要旨 従って、T細胞白血病に感染した患者を含むHTLV−I
に感染したすべての患者に存在することが知られている
抗体と免疫反応性であり、HTLV−I感染症のある段階の
病状を特異的に示す1またはそれ以上のHTLV−Iペプチ
ド抗原を提供することは、HTLV−I感染症を診断するの
に有用である。このような抗原は、HTLV−I感染症の病
状を示す抗体を迅速に測定するための、単純な固相抗体
結合分析法もしくは均一系抗体結合分析法に使用され得
る。本発明のひとつの一般的な目的は、HTLV−I関連T
細胞白血病にかかっている患者に存在する抗HTLV−I抗
体に特異的なHTLV−Iペプチド抗原を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、そのような抗原を用いる、簡単
かつ迅速で比較的安価な免疫分析法を提供することにあ
る。
本発明には、(a)HTLV−Iエンベロープタンパクgp
46由来で、(b)T細胞白血病の個体中に存在する抗HT
LV−I抗体と免疫反応性の組換え体ペプチド抗原が含ま
れる。この抗原はグリコシル化されておらず、そして、
好ましくは、次のアミノ酸配列を含む:Leu−Leu−Val−
Asp−Ala−Pro−Gly−Tyr−Asp−Pro−Ile−Trp−Phe−
Leu−Asn−Thr−Glu−Pro−Ser−Gln−Leu−Pro−Pro−
Thr−Ala−Pro−Pro−Leu−Leu−Pro−His−Ser−Asn−
Leu−Asp−His−Ile−Leu−Glu−Pro−Ser。
本発明の他の態様では、この抗原は、好ましくは、T
細胞白血病の個体を含むHTLV−Iに感染した個体の血清
中に存在する抗体と免疫反応性である。
本発明にはまた、被検個体中のHTLV−I感染症を検出
するシステムと方法とが含まれる。その方法を実施する
際には、上記のタイプの抗原を、被検個体由来の血清と
反応させ、次いで結合した抗体の存在が試験される。そ
の分析システムは固相式であってよく均一系であっても
よい。上記固相式においては、抗原が固体支持体に保持
されており、上記均一系においては、抗原がレポーター
と結合し、抗原に結合する抗体がレポーターシグナル
(これが検出される)を変化させる。
さらに他の態様においては、本発明には、T細胞白血
病に対して個体を免疫化するワクチンが含まれる。この
ワクチンは、薬学的に受容され得るアジュバント中に上
記のタイプの組換え体ペプチドを含有している。
本発明の上記およびその他の目的と特徴は、本発明の
下記の詳細な説明を添付図面を参照して読めばより充分
に理解されるであろう。上記図面のAにおいては、HTLV
−Iゲノムの一部分が示され、Bにおいては、本発明の
3種のペプチド抗原をコードするヌクレオチド配列に対
応するゲノムの拡大領域(expanded regions)が示さ
れ、そしてCにおいては、この3種のペプチド抗原の遺
伝子配列とそれに対応するアミノ酸配列とが示されてい
る。
発明の詳細な説明 I.HTLV−Iペプチド抗原の調製 この項では、HTLV−I関連T細胞白血病の個体に見出
される抗HTLV−I抗体と免疫反応性を有するHTLV−Iペ
プチド抗原の調製について述べる。この抗原は、適切な
発現ベクターにクローン化され次に免疫反応性ペプチド
の発現について抗体で選択された、長さが100〜300塩基
対のランダムHTLV−I遺伝子配列を用いて調製される。
A.HTLV−Iゲノムライブラリー HTLV−Iのゲノムライブラリーは、HTLV−Iプロウイ
ルスゲノムを含有する細胞DNAから、従来の方法で調製
される。二本鎖DNAは、HTLV−Iウイルスに感染してい
ることが知られている患者から単離されたT細胞または
既知の細胞系を含む、HTLV−I感染細胞から調製され
る。上記既知の細胞系としては、例えば、HUT102−B2
(Poiesz)、MT−2(Miyoshi)、およびMJ−腫瘍(Pop
ovic)細胞(これらはすべてHTLV−Iウイルスを産生す
ることが知られている。)がある。ウイルスのゲノムが
これらの細胞の宿主DNAに組み込まれている。HTLV−I
ゲノムを含有する細胞系の調製法は前記文献に詳細に記
載されている。
上記細胞系由来の全宿主ゲノムDNAは、15〜20キロ塩
基の大きさの範囲の部分消化断片を産生する条件下で、
Hae IIIまたはAlu Iのようなフリークエントカッター
(frequent cutter)で部分的に消化され、得られた消
化産物を、例えば、スクロース勾配遠心分離法で分画し
て15〜20キロ塩基の断片が単離される。得られた断片
は、次いで適切なクローニングベクター、好ましくは15
〜20キロ塩基の挿入物を有効に組み込むことができるフ
ァージのクローニングベクター,にクローン化される。
好ましい方法においては、単離された断片は、EcoRIメ
チラーゼで処理され、次にそれらの末端に、標準条件下
(Maniatis)で、EcoRIリンカーが連結され、次いで、
唯一のEcoRI挿入部位を有するλシャロン4aのようなフ
ァージベクターにクローン化される。
得られたクローン化ゲノム断片は、全コピーHTLV−I
ゲノムの,選択された配列に相補的はプローブでスクリ
ーニングされる。選択された配列のための、放射能標識
された合成オリゴヌクレオチドプローブの調製法と同様
に、HTLV−Iの配列も公知である(Seiki)。さらに、
特定の配列の合成オリゴヌクレオチドは、Synthetic Ge
netics,Inc.(カリフォルニア州、サンジエゴ)により
提供されるような商業的サービスにより調製され得る。
このようなオリゴヌクレオチドプローブを用いて、HTLV
−I配列を含む分子クローンは、標準的なハイブリダイ
ゼーション法(Maniatis,322頁)によって、上記ライブ
ラリーから単離される。このクローンは、まず、制限部
位分析法により分析され、全ウイルスゲノム配列が存在
することが確認される。その存在は、組み込まれたウイ
ルスゲノムに隣接する長い直接末端重複部分の存在によ
り示される。同定された分子クローンは、適切なエンド
ヌクレアーゼで消化され、全コピーウイルスゲノムが放
出される。この目的のために好ましいエンドヌクレアー
ゼはSac Iであり、これは長い末端重複部分(LTR)中の
ウイルスゲノムを、ウイルスのコード配列のどちらかの
末端を切断するが、内部切断を起こさない。クローンの
HTLV−Iゲノムが、3番目の内部Sac I部位を有する変
異体である場合には、適切な制限酵素を選択することに
より、全長のゲノムが単離される。精製した全コピー配
列は、約9.5キロ塩基の断片である。あるいは、env遺伝
子配列だけを示すゲノムの断片を精製することにより発
現ライブラリーが調製され得る。
あるいは、全コピーHTLV−I二本鎖DNAを含有するク
ローニングベクターが報告されており(Seiki)、実施
例Iに示すように、その研究者から直接入手することが
できる。
所望のHTLV−Iゲノムライブラリーを調製するため
に、全コピーHTLV−I挿入物を、例えばSac Iで完全消
化することによって、上記クローニングベクターから切
出して、実施例Iに述べるようにして、9.5キロ塩基の
断片が単離される。単離された全コピー断片は消化され
て、DNA断片、好ましくは主として約100から300塩基対
の間の大きさのランダム断片が調製される。実施例は、
このような断片のDNアーゼ消化法による調製が述べられ
ている。約30から100の間のアミノ酸からなるペプチド
抗原を得ることが望ましいので、消化断片はサイズ分画
を行うのが好ましく、例えば、ゲル電気泳動法によって
約100から300塩基対の間の大きさの範囲の断片が選択さ
れる。
ゲノム消化断片は、適切なクローニングベクターであ
って、好ましくは適切な宿主中でコードされたペプチド
を発現できる発現ベクターに挿入される。1つの好まし
い発現ベクターはλgt11であり、このベクターは,β−
ガラクトシダーゼ遺伝子の翻訳終止コドンの53塩基対上
流に、唯一のEcoRI挿入部位を有する。したがって、こ
の挿入された配列は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子のN
末端部の大部分、その非相同ペプチド、およびβ−ガラ
クトシダーゼ遺伝子のC末端領域の少なくとも一部分を
含有するβ−ガラクトシダーゼ融合タンパクとして発現
される。またこのベクターは、例えば32℃の許容温度で
ウイルスの溶原化を起こし、例えば42℃の高温ではウイ
ルスが溶解するに至る、温度感受性レプレッサー(cI85
7)を産生する。このベクターの利点は次の通りであ
る:(1)高効率での組換え体の生成;(2)許容温度
では宿主細胞の増殖に基づいて溶原化した宿主細胞を選
択でき、非許容温度ではこのような選択ができないとい
う性能;および(3)組換え体融合タンパクの高レベル
の産生。さらに、非相同の挿入物を有するファージは、
不活性β−ガラクトシダーゼ酵素を産生するので、挿入
物を有するファージは、β−ガラクトシダーゼ呈色基質
反応で容易に同定することができる。
発現ベクターに挿入するために、ウイルス消化断片
は、従来の方法により、Eco RIリンカーのような選択さ
れた制限部位リンカーを含むように、必要に応じて修飾
される。実施例Iは消化断片をλgt11中にクローン化す
る方法を例示しており、この方法には、断片の平滑末端
化、Eco RIリンカーの付加、およびこの断片をEco RIで
切断されたλgt11と連結させる工程が含まれる。得られ
たウイルスゲノムライブラリーをチェックし、比較的大
きな(代表的な)ライブラリーが産生されていることが
確認される。この確認は、λgt11ベクターの場合には、
適切な細菌宿主を感染させて、その細菌をプレートし、
次いで、β−ガラクトシダーゼ活性の損失についてプラ
ークを検査することによって実施され得る。実施例Iに
記載の方法を用いると、約60%のプラークが酵素活性の
損失を示した。酵素活性の損失を示すバックグラウンド
ファージのレベルは、実施例Iに見られるように比較的
低い。
B.ペプチド抗原の発現 上記で形成されたゲノムライブラリーは、問題のヒト
抗HTLV−I抗体と免疫反応性を有するペプチド抗原(融
合タンパクとして発現される)を調製するためにスクリ
ーニングされる。HTLV−I感染症を診断するのに特に重
要な1つの抗体は、0.5α抗体であり、これは前記のよ
うにHTLV−I感染症に関連するT細胞白血病の患者に存
在している。この抗体は,EBVで形質転換されたBリンパ
球細胞系〔ATCC寄託番号HB8755(実施例II参照)〕で産
生され、HTLV−Iのgp46エンベロープタンパクと反応す
ることが示されている(Matsushita)。この細胞系は、
HTLV−Iに感染した患者に由来するヒトB細胞クローン
であり、Epstein−Barrウイルスで永久増殖性となって
いる。この細胞系は、メリーランド20852ロックビル、
パークローンドライブ12301のアメリカンタイプカルチ
ャーコレクションに寄託されている。
好ましいスクリーニング法では、ファージライブラリ
ーベクターが感染した宿主細胞を上記のようにプレート
し、次にこのプレートをニトロセルロースフィルターで
ブロットし、細胞で産生された組換え体抗原をフィルタ
ーに転移させる。次にそのフィルターを、抗HTLV−I抗
体と反応させ、洗浄して未反応の抗体を除去し、レポー
ターで標識された抗ヒト抗体と反応させる。その結果こ
の抗体は、抗HTLV−I抗体を介してサンドイッチ形でフ
ィルターに結合する。
典型的には、問題の組換え体抗原の産生によって同定
されるファージプラークは,抗体反応性タンパクの産生
について,比較的低密度で再試験される。実験例IIに記
載のスクリーニング法がその例である。免疫反応性組換
え体抗原を産生したいくつかの組換え体ファージのクロ
ーンをこの方法で同定した。
上記のようにして同定された1種もしくはそれ以上の
ライブラリーベクーターは,塩基対配列決定法で分析し
て,HTLV−Iゲノム内のペプチドをコードする領域の位
置を決定するのが好ましい。非相同挿入物(必要に応じ
て,融合タンパクの隣接コード配列を含む)を選択され
たライブラリーのベクターから切り出して,切り出され
た断片を精製し配列決定する方法は,実施例IIIに述べ
るような公知の方法で一般に行われる。0.5α抗体に対
して免疫反応性であることが見い出され,3種のペプチド
のコード配列が図面に示されている。この3種の非相同
配列は,HTLV−Iの公知の配列(Seiki)と一致した。に
おいてより充分に考察されているが,全配列が,HTLV−
Iのエンベロープタンパクgp46をコードする遺伝子中の
HTLV−Iゲノムの5565〜5895の塩基対(図のA部分)の
範囲内に入り,5664および5790の塩基対の間(図のB部
分)に重複コード配列(図中,2つの矢印で示す)を有す
る。図から分かるように,C部分の重複配列が,下記のア
ミノ酸配列を有する41のアミノ酸ペプチドの抗原をコー
ドしている: Leu−Leu−Val−Asp−Ala−Pro−Gly−Tyr−Asp−Pro−
Ile−Trp−Phe−Leu−Asn−Thr−Glu−Pro−Ser−Gln−
Leu−Pro−Pro−Thr−Ala−Pro−Pro−Leu−Leu−Pro−
His−Ser−Asn−Leu−Asp−His−Ile−Leu−Glu−Pro−
Ser。
さらに一般的に,この発明のペプチドは,(a)HTLV
−Iエンベロープタンパクgp46から誘導され,かつ
(b)T細胞白血病の個体に存在する抗HTLV−I抗体と
免疫反応性である。ここで,“〜由来の”という用語
は,その組換え体ペプチドの合成が,ここで同定された
5664から5790の塩基対間の,HTLV−Iエンベリープタン
パクgp46をコードする領域の大部分と,コドンの配列が
実質的に同一のコード配列によって行われることを意味
する。
大規模生産用には,組換え体タンパクを精製するため
に,選択されたクローンが用いられる。大規模生産は,
すでに報告されている次のような各種の方法のうちのひ
とつを用いて実施される:(a)イー.コリのような適
切な宿主を,選択されたλgt11組換え体で溶原化し,
(b)生成した形質導入細胞を高レベルの非相同ペプチ
ドが得られる条件下で培養し,(c)溶解細胞から組換
え体抗原を生成する方法。
上記λgt11クローニングベクターを含む好ましい方法
では,高産生性のイー・コリ宿主BNN103を,選択された
ライブラリーファージに感染させ,そして,2枚のプレー
トにレプリカプレートする。これらプレートの1枚を,3
2℃で培養すると,この温度ではウイルスの溶原化が起
こる。他方のプレートを42℃で培養すると,感染してい
るファージが溶菌状態になるので細胞の増殖が阻止され
る。従って,低温では増殖するが高温では増殖しない細
胞は,溶原化が成功していると考えられる。
溶原化された宿主細胞は,次に,ウイルス挿入物を含
有する融合タンパクを大量に生産するのに好都合な液体
培養条件下で培養され,次いで急速凍結によって溶菌し
て所望の融合タンパクを放出させる。これらの方法は,
以下の実施例IVおよびVで詳述する。
C.ペプチドの精製 組換え体ペプチドは,示差沈澱法,分子ふるいクロマ
トグラフィー,イオン交換クロマトグラフィー,焦点電
気泳動法,ゲル電気泳動法およびアフィニティークロマ
トグラフィーを含む標準的なタンパク精製法で精製され
得る。上記のようにして調製したβ−ガラクトシダーゼ
融合タンパクのような融合タンパクの場合には,タンパ
ク単離法は,天然タンパクの単離に用いる方法のなかか
ら選択して適用され得る。したがって,β−ガラクトシ
ダーゼ融合タンパクを単離するには,そのタンパクは,
その表面に抗β−ガラクトシダーゼ抗体を結合させて有
する固体支持体上を,細胞溶解物質を通過させることに
よる,簡単なアフィニティークロマトグラフィーによっ
て容易に単離され得る。この方法は,そのウイルスペプ
チドの配列を図面に示してあるMTA4/Bβ−ガラクトシダ
ーゼ融合タンパクの精製を行う実施例VIで用いられてい
る。
II.有用性 この項では,本発明の抗原ペプチドの,HTLV−I感染
症を診断する用途,およびHTLY−I感染症に対する強力
なワクチンとしての用途について述べる。
A.診断上の用途 ペプチド抗原の3種の基本的な診断上の用途について
述べる。第1図の用途は,ペプチドによる,補体を介す
る抗体依存性細胞溶解の阻害に基づくものである。この
方法では,被検個体由来の血清が,補体の保存(preser
ve)下でHTLV−Iに感染したT細胞クローンと反応す
る。抗HTLV−I抗体の存在は,例えばトリパンブルー色
素排除法で判断する細胞溶解によって証明される。細胞
溶解が観察された場合には,HTLV−Iペプチドに対する
抗HTLV−I抗体の特異性が,まず血清の過剰のペプチド
と反応させ,次にその血清を補体の存在下で細胞と混合
することによって証明される。抗体の特異性は,細胞溶
解が顕著に減少することによって示される。この方法は
実施例VIIに記載されている。またこの方法は,血清を
ペプチドの増加量について滴定し,次に,細胞溶解の程
度について顕著な効果が最初に観察された場合にそのペ
プチドの濃度を測定することにより,被分析物である血
清中の抗体力価を定量するのに利用できる。
第2の一般的分析法は固相免疫分析法である。この方
法では,表面に結合したペプチドを有する固相試薬を,
抗体を試薬上のペプチドの結合させる条件下で,被分析
物である血清と反応させる。固相試薬を洗浄して未結合
の血清成分を除いた後,この試薬をレポーターで標識し
た抗ヒト抗体と反応させて,リポーターを,固相支持体
に結合した抗HTLV−I抗体の量に比例して該試薬に結合
させる。この試薬を再び洗浄して,未結合の標識抗体を
除き,そして,試薬と結合したレポーターの量を測定す
る。典型的には,実施例VIIIに記載した系のように,レ
ポーターは,適切な螢光分析もしくは比色分析用基質の
存在下で固相試薬をインキュベートすることによって検
出される酵素である。
上記分析法で用いられる固相面を有する試薬は,タン
パク物質を,ポリマービーズ,浸漬スティックまたはフ
ィルター材のような固体支持材料に結合させる公知の方
法で製造される。一般にこれらの結合法には,タンパク
を支持体(例えば,実施例VIIIに述べるフィルター支持
体)に非特異的に吸着させる方法,またはタンパクを,
代表的には遊離のアミン基を介して固体支持体上の化学
反応性基,例えば活性化されたカルボキシル基,水酸基
もしくはアルデヒド基に共有結合させる方法がある。
第3の一般的な分析法は均一系分析法である。この方
法では,固体支持体に結合している抗体は,反応媒体中
である種の変化を起こし,その変化はその媒体中で直接
検出することができる。既知の一般のタイプの均一系分
析法には次の方法が包含される:(a)スピン標識レポ
ーター法;この方法では,抗原に結合する抗体が,レポ
ーターの移動度の変化で検出される(スピン分裂のピー
クの幅が広くなる);(b)螢光レポーター法;この方
法では,結合は螢光効率の変化で検出される;(e)酵
素レポーター法;この方法では,抗体の結合は酵素/基
質の相互作用で行われる;および(d)リポソーム結合
レポーター法;この方法では,結合によって,リポソー
ムが溶解して封入されたレポーターが放出される。これ
らの方法をこの発明のペプチドに適用する際には,均一
系分析法の試薬の通常の製造法が利用される。
上記の3種の一般的な各分析法では,試験個体由来の
血清を抗体と反応させ,結合した抗体の存在について抗
原の試験が行われる。第1の分析法では,試験は,抗体
が,ペプチドに結合するときに,抗体を介する細胞溶解
が減少するのを観察することによって行われる。固相分
析法では,試験は,標識抗ヒト抗体を,被検体に結合さ
せ,そして,個体支持体に結合したレポーターの量を測
定して行われる。第3の検定法では,試験は,均一系分
析法の試薬に結合する抗体の作用を観察することによっ
て行われる。
B・ペプチドのワクチン 本発明のペプチド抗原は,ワクチンとしても用いられ
得,細胞毒性の抗HLTV−I抗体を誘発する。ここでは,
0.5αモノクローナル抗体が,補体の存在下で,HTLV−I
ウイルスに感染したT細胞に対して細胞毒性になること
に留意することが大切である。このペプチドは,適切な
担体/アジュバンドによって製剤化され,細胞毒性抗HT
LV−I抗体の有意な力価が血清中に検出されるまで,所
定の間隔をおいて注射される。このワクチンは,初期の
HTLV−I感染症に対して,抗体を介する細胞毒性によっ
て防御を行う。
上記の説明から,本発明により,いかに種々の目的と
特徴が達成されるかが理解されるであろう。本発明のペ
プチド抗原は,成人のT細胞白血病の症状を示す抗HTLV
−I抗体と特異的に反応するので,T細胞白血病の迅速で
安価な分析法に用いられる。同時に,このペプチド抗原
は,既存の0.5αモノクローナル抗体によって行われる
細胞毒性抗体反応を誘発する。
下記の実施例は,本発明の種々の態様を例示するが,
本発明の範囲を限定するものではない。
材料 以下の実施例で使用された材料は、次の通りであっ
た。
酵素:DNアーゼIおよびアルカリホスファターゼをBoe
hringer Mannheim Biochemicals(BMB、インディアナ
州、インディアナポリス)より得た。EcoRI、EcoRIメチ
ラーゼ、DNAリガーゼおよびポリメラーゼIをNew Engla
nd Biolabs(NEB,マサチューセッツ州、ベヴァリー)よ
り得た。RNアーゼをSigma(ミズーリ州、セントルイ
ス)より得た。
他の試薬:EcoRIリンカーをNEBより得た。そしてニト
ロブル−テトラゾリウム(NBT)、5−ブロモ−4−ク
ロロ−3−インドリルホスフェート(BCIP)、5−ブロ
モ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピ
ラノシド(X−gal)、およびイソプロピルβ−D−チ
オガラクトピラノシド(IPTG)をSigmaから得た。
実施例 1 HTLV−Iゲノムライブラリーの調製 ゲノム材料のライブラリーソース:HTLV−Iゲノムに
由来する全コピーDNA挿入物を含有するバクテリオファ
ージを合衆国国立衛生研究所のthe Laboratory of Tumo
r Cell Biology(メリーランド州、ベテスダ)のDr.R.
C.GalloおよびDr.F.Wong−Staalより得た。バクテリオ
ファージをSacIで完全に消化し、ウイルスゲノム挿入物
を放出させた。消化された材料を標準10%アガロースゲ
ルで電気泳動にかけ、電気溶離によって得られた9.5キ
ロ塩基の断片をエタノール沈澱前に、フェノール/クロ
ロホルムで抽出した。
DNA消化:精製ゲノムDNAを標準消化バッファー(0.5M
Tris HCl.pH7.5;1mg/ml BSA;10mM MnCl2)に懸濁し、
約1mg/mlの濃度とし、室温で約5分間DNアーゼ1で消化
した。これらの反応条件は、較正のために前もって研究
で決定され、主として100〜300塩基対の断片を製造する
のに必要なインキュベートの時間が決定された。上記消
化物を、エタノール沈澱前に、フェノール/クロロホル
ムで抽出した。
EcoRIリンカーの付加:上記のゲノム断片を、標準条
件(Huynh)下でDNA Pol Iで平滑末端にし、次いでフェ
ノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈澱させ
た。平滑末端にされた材料を標準条件下でEcorRIリンカ
ーで連結し(Maniatis,pp396.397)、その後、EcoRIで
消化し、余剰のリンカー末端を取り除いた。これをその
後、アガロースゲル分画し、非連結リンカーを取り除
き、サイズ選択を行った(以下を参照)。
サイズ選択:上記の工程で得られた断片をΦX174/Hae
IIIおよびλ/Hind IIIサイズマーカーを用いて、1.2%
アガロースゲル電気泳動(5〜10V/cm)で分析した。10
0〜300bpの画分をNA45ストリップ(SchleicherおよびSc
huell)に溶出し、その後、溶離溶液(1M NaCl,50mMア
ルギニン,pH9.0)で1.5mlマイクロチューブに入れ、30
〜60分間67℃でインキュベートした。DNA(溶液中に存
在する)を、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタ
ノールで沈澱させた。ペレットを、20μl TE(0.01M Tr
is HCl,pH7.5,0.001M EDTA)中に再び懸濁させた。
λgt11への連結およびインビトロでのパッケージ λgt11ファージベクター(Huynh)を、Promega Biote
c(ウィスコンシン州マジソン)より得た。このクロー
ニングベクターは、β−ガラクトシダーゼ翻訳終止コド
ンの53塩基対上流に唯一のEcoRIクローニング部位を持
つ。上記のゲノム断片を、0.5〜1.0μgのEcoRI−切断g
t11、0.5〜3μlの上記HTLV−Iゲノム断片、0.5μl
のリガーゼ(200単位)および蒸留水5μlを混合する
ことで、EcoRI部位に導入した。混合物を、標準方法(M
aniatis,pp.256−268)により、一晩、14℃でインキュ
ベートし、インビトロパッケージを行った。
パッケージされたファージは、DNAX(カリフォルニア
州パロアルト)のDr.Kevin Mooreより得たE.Coli,KM392
株を感染させるのに、使用された。または、アメリカン
タイプカルチャーコレクション(ATCC#37197)より入
手可能なE.Coli,Y1090株も使用され得る。感染したバク
テリアをプレートし、生じたコロニーを、標準X−gal
基質プラークアッセイ方法(Maniatis)を用いて、X−
galの存在下でβ−ガラクトシダーゼ活性−−(クリア
ープラーグ)の欠失を検査した。下記の表1に、EcoRI
末端HTLV−I断片(列1)の挿入で得られた組換え体
(クリアー)プラークの数を示す。EcoRIリンカーの対
照(列2)およびバックグラウンドを持たない対照(列
3)も、実施された。表1からわかるように、約50%の
ファージプラークが、酵素(組換え体)の欠失を示し
た。EcoRIリンカーが存在するもしくはしないバックグ
ラウンドレベルは、15%未満であった。プラークの約60
%が、酵素活性の欠失を示した。ファージ材料は、約10
6プラーク形成ユニット(pfu)/mlを含有していた。
実施例 II gp46コード挿入物のスクリーニング モノクローナル抗体:ヒト細胞系(ATCC HB8755)に
由来する精製した0.5α抗体を、合衆国国立衛生研究所
のthe National cancer Institute(メリーランド州、
ベテスダ)のDr.Samuel Broaderより得た。アルカリホ
スファターゼと結合した状態で誘導された(covalently
derivatized with alkaline phosphatase)マウス抗ヒ
トIgG抗体を、Promega Biotec(ウィスコンシン州、マ
ジソン)から得た。
組換え体gp46の同定:実施例1からの約104pfuのファ
ージストックで感染したKM392細胞のローン(lawn of K
M392 cells)を、150mmプレートで調製し、37℃で約5
〜8時間にわたりインキュベートし、表返した。ローン
に、ニトロセルロースシートを敷き、プラークから紙へ
分泌されたHTLV−I組換え体タンパクを転移させた。プ
レートおよびフィルターは、対応するプレートおよびフ
ィルター位置にあわせるために、印を付けた。
フィルターを、TBSTバッファー(10mM Tris,pH8.0,15
0mM NaCl,0.05%Tween20)で2回洗浄し、AIB(1%ゼ
ラチンを含むTBSTバッファー)でブロックし、TBSTで再
び洗浄し、0.5αモノクローナル抗体(AIBで1〜2μg/
mlに希釈;12〜15ml/プレート)を加えた後、一晩、イン
キュベートした。TBSTでシートを2回洗浄し、その後、
酵素標識抗ヒト抗体と接触させ、0.5α抗体で認識され
る抗原を含むフィルター部位に標識抗体を付着させた。
最終洗浄の後、フィルターを、5mlのアルカリホスファ
ターゼバッファー(100mM Tris,9.5,100mM NaCl,5mM Mg
Cl2)中の16μl BCIP(5℃に維持された50mg/mlのスト
ック溶液)と混合した32μl NBT(5℃に維持された50m
g/mlのストック溶液)を含有する基質媒体中で発色させ
た。抗原産生点(0.5x抗体で認識される)では、紫色が
現れた。
二次プレーティング:前記工程で決定された抗原産生
領域を、82mmプレートに、約100〜200pfuで再びプレー
トした。上記工程、つまり、まず、5〜8時間インキュ
ベートし、NBT/BCIPによる発色の工程を、0.5α抗体と
反応し得る抗原を分泌するプラークを同定するために、
繰り返した。同定されたプラークを、取り上げ、ファー
ジバッファーで溶出した(Maniatis,p.443)。抗体反応
性ペプチドを分泌する組換え体ファージプラークのうち
の3つを、実施例3の方法による配列決定のために選択
した。対応する感染したファージは、MTA4,MTA1およびM
TA5と命名された。
実施例 III ファージ精製およびDNA抽出 ファージMTA4,MTA1およびMTA5を、感染したE.coli Y1
088バクテリアのプレート培養物より単離した。これら
の細胞は、ATCC(ATCC#31195)より入手可能である。
プレートで生産された物質を、低速遠心分離法によりバ
クテリア破砕物より精製し、上清をSW27チューブに注い
だ。RNアーゼおよびDNアーゼを1mg/miのストック溶液か
ら各1μg/mlの濃度でそれぞれ加えた。試料を37℃で30
分間インキュベートし、20%m.w.8000PEG,5.8g NaCl,2.
0g MgSO4・7H2O,1M TrisCl,pH7.5,および2%ゼラチン
を含むポリエチレングリコール(PEG)溶液を等容量加
えた。試料を1時間氷浴に置き、ファージ粒子を沈澱さ
せ、その後、4℃で約20分間10kで遠心分離により単離
した。
上清をデカンテーションによって除き、ペレットを0.
6mlPDBバッファー(5.8g NaCl,2.0g MgSO4・7H2O,50ml
1M Tris Cl,pH7.5,および5ml 2%ゼラチン)中に再び懸
濁させ、1.5mlのポリプロピレンマイクロチューブに移
した。5μl 10% SDS,5μl 0.5M EDTA,および2.5μl
プロテイナーゼK(20MG/ML)を加え、試料を15分間50
℃でインキュベートした。
洗浄剤および酵素処理された材料を、等量のフェノー
ル/クロロホルムで抽出し、遠心分離して相の分離を確
実にした。水相を新しいチューブに移し、抽出/遠心分
離工程をクロロホルムとイソアミルアルコールとの混合
物を用いて繰り返した。等容量のイソプロパノールを加
え、試料を数回逆にして混合し、−70℃で20分間冷却し
た。試料を5分間遠心分離にかけ、上清をデカンテーシ
ョンで除いた。ペレットを70%エタノール中で洗浄し、
37℃ヒートブロックで簡単に乾燥し、100μl TEバッフ
ァー,pH7.5に再び懸濁させた。
単離したファージDNAをKpn IおよびSac Iで消化し、
その後、Kpn I/Sac Iで切断したプラスミドベクターpGE
M−3(Promega Biotec)と結合させ、所望の挿入物を
有するプラスミド組換え体を単離した。HTLV−I挿入物
を、その後、標準ジデオキシ配列決定法を用い、EcoRI
挿入部位に隣接するλgt11配列の前後のプライマーを用
いて配列決定した。
図は、試験された3つの融合ペプチドのそれぞれにつ
いて、コード配列、および上記の方法によって形成され
た融合タンパクの一部分であり、上記コード配列に対応
するアミノ酸配列を示す。3つの各挿入配列で与えられ
たβ−gal遺伝子の末端G塩基および隣接するenv遺伝子
のCC塩基は、GCC(Ala)コドンを生じ、通常、3つの全
てのHTLV−I env挿入物においてそののコドン位置で生
じるSerコドンを置換する。示されるように、MTA4の挿
入物は、HTLV−Iコード領域の5565塩基から5790塩基ま
で延びている225塩基対配列を含み、これは、gp46配列
の129から203位のアミノ酸(74個のアミノ酸)に対応す
る。MTA1挿入物は、HTLV−Iコード領域の5664塩基から
5807塩基まで延びている143塩基対配列を含み、これ
は、gp46配列の162から209位のアミノ酸(47個のアミノ
酸)に対応する。MTA5ファージの挿入物もまた、5664塩
基で始まり、5895塩基まで延びている。この231塩基対
配列は、gp46タンパクの162から239位のアミノ酸(77個
のアミノ酸)をカバーする。
5664から5790の挿入物の重なりの領域は、天然のgp46
タンパクの161から203位のアミノ酸の41アミノ酸配列を
含む。3つのペプチドのアミノ酸の数は、中断された
5′末端Serコドン(転写された組換え体コード配列に
おいては、Alaコドンによって置換されている)を含む
が、3′末端の中断されたコドン(組換え体ペプチドに
おいては、翻訳されない)を含まずに計算される。従っ
て、ここに開示されるペプチドは、(a)長さが約80個
を下まわるアミノ酸であり、そして(b)ATCC番号HB87
55で特徴付けられる細胞系によって製造される抗ヒトHT
LV−I抗体と免疫反応性のアミノ酸配列Leu−Leu−Val
−Asp−Ala−Pro−Gly−Tyr−Asp−Pro−Ile−Trp−Phe
−Leu−Asn−Thr−Glu−Pro−Ser−Gln−Leu−Pro−Pro
−Thr−Ala−Pro−Pro−Leu−Leu−Pro−His−Ser−Asn
−Leu−Asp−His−Ile−Leu−Gle−Pro−Serによって形
成される免疫原性の領域を含む。
実施例 IV 溶原菌の構築 E.coli C600株を、スタンフォード大学(カリフォル
ニア州、スタンフォード)のDr.R.Davisより得た。また
は、E.coli Y1089(ATCC#37196)も使用し得る。一晩
培養し、飽和した1mlの細胞培養物を、実施例IIIの3つ
のファージのひとつで感染させた。上記感染は、一晩培
養したバクテリア培養物50μlに、溶出したプラークス
トックを10μl吸着させることにより行った。感染バク
テリアを、LB寒天プレート(Maniatis,p.440)にまき、
32℃でインキュベートした。個々のコロニーを、つまみ
上げ、2つの別々のプレートの対応するグリッドに付与
した。プレートの一方を32℃でインキュベートし、他方
を42℃でインキュベートした。低い方の温度で増殖した
(ファージレプレッサータンパクの存在で産生された溶
原状態を示した)が、高い方の温度では(細胞溶解のた
め)増殖しなかった細胞は、溶原性であると推定され
た。3つの各ファージのタイプから多くの溶原性のコロ
ニーが見い出された。
実施例 V 溶原菌からの組換え体抗原の誘導 本実施例は、MTA4ファージを用いて実施例IVで調製さ
れたλgt11溶原菌からHTLV−Iエピトープを含む組換え
体タンパクの誘導を説明する。上記で示されるように、
抗原は、ファージβ−galタンパクのN末端部分を含む
β−ガラクトシダーゼ融合タンパクの形で製造される。
スーパーブロスを、35gバクトトリプトン、2gバクト
イーストエクストラクト、5g NaClおよび5ml 1N NaOH
を、11の蒸留水中に含有させて調製した。500mlのスー
パーブロスに、上記の実施例で調製された一晩培養した
E Coliλgt11溶原菌の飽和培養物を1:100で接種した。
この培養物を、激しくエアレーションを行ないながらA
600が、約0.4〜0.5となるまで培養した。
タンパクの製造を最大にするために、培養物の温度を
43〜44℃に上げた。そのことにより、温度感受性のβ−
ガラクトシダーゼリプレッサー遺伝子が不活性化され
た。温度を、65℃の水槽中でエアレーションを行いなが
ら15分間にわたり43℃に維持した。更にタンパクの製造
を増加させるために、IPTGをブロスに加えた。このIPTG
は、拮抗的にβ−galリプレッサーに結合することでβ
−ガラクトシダーゼ発現を誘発する。培養物を、約1時
間38℃のシェーカーに戻した。細胞をその後、37℃で15
分間6,000xgでペレット化し、溶解バッファー(10mM Tr
is,pH7.4,2% TritonX−100,1% aprotinin,50μg PMS
F)中に再懸濁し、そして、その後すぐに、液体N2に投
入した。溶解は、冷凍試料の解凍で完了した。
実施例 VI 融合タンパクの精製 前記実施例で得られた細胞溶解物を解凍し、37℃に暖
めた。10μlのDNアーゼ(1μg/ml)を加え、混合物を
粘性が減少するまでインキュベートした。溶解物を氷で
急冷し、マイクロフュージ中で5分間4℃にて清澄化
し、Sepharose 4B(Pharmacia)に結合した抗β−ガラ
クトシダーゼの6mlのカラムに負荷した。カラムを1〜
2時間平衡化し、7容量(カラム容積量)のTXバッファ
ー(10mM Tris,pH8.0,2% Triton X−100,50μg/ml PMS
F)で洗浄し、5mM3,5−ジョードサリチル酸を含むTXバ
ッファー2容量で洗浄した。融合タンパクをその後、35
mM3.5−ジョードサリチル酸を含むTXバッファーでカラ
ムから溶離した。タンパクの大部分は、最初の3〜4容
量で溶離され、除去は、実質的に7容量で完了した。
溶離試料を脱塩し、Amiconフィルター(マサチューセ
ッツ州Danvers)を用いて濃縮した。
実施例 VII 補体を介する細胞溶解の阻害 HUT102−B2細胞をDr,R.C.Gallo,LTCB,NIHから得た。
これは、HTLV−Iを製造することが知られている長期培
養T−細胞系である。
0.5α抗体(約5μg/ml IgG)もしくはアイソタイプ
の、適合したヒトIgGの対照を、MTA4組換え体ペプチド
もしくは無関係な組換え体とともに30分間、室温でプレ
インキュベートした。50μlのこれらの混合物を、その
後、96ウェルマイクロタイタープレート中の5x105のHUT
102B2に加え、室温で30分間インキュベートした。ウェ
ル当り、30μlのウサギの補体を加え、37℃で1時間イ
ンキュベートした。細胞の生存を、顕微鏡観察で決定し
た。細胞溶解は、MTA4ペプチド抗原の添加で明らかに阻
止されたが、無関係な組換え体ペプチド抗原とのプレイ
ンキュベーションでは、阻止されなかった。組換え体抗
原もしくは無関係な組換え体ペプチド抗原とのプレイン
キュベーション後の、アイソタイプの対応ヒトIgGは、H
UT102−82生存に効果はなかった。
実施例 VIII 固相アッセイ 精製MTA4ペプチド抗原を実施例IVの様に調製し、ニト
ロセルロースフィルターにドットプロットした。次い
で、これをT−細胞白血病の患者(HTLV−I感染の6人
の患者)の血清抗体のアッセイに用いた。各場合とも、
被検個体からの0.1mlの様々な血清希釈溶液を、1:100か
ら1:50,000の範囲で、フィルターに加え、30分間室温で
反応させた。フィルターをその後、TBSTバッファー(実
施例II)で2回洗浄し、実施例IIの様にアルカリホスフ
ァターゼと結合した抗ヒト抗体とともにインキュベート
した。抗体の存在は、実施例IIと同様に、NBTおよびBCI
Pでの発色で決定された。
本発明を、特定の実施態様、構築方法および使用につ
いて説明してきたが、本発明から逸脱することなく、様
々な変化および改変がなされ得ることは、当業者には明
らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:19) (56)参考文献 特開 昭62−244393(JP,A) GENE(Amsterdam),48 (2−3)(1986),P.183−193 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,80(12),(June. 1983),P.3618−3622

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】HTLV−Iエンベロープタンパク質gp46に由
    来する、約80個を下まわるアミノ酸を有し、アミノ酸配
    列: Leu−Leu−Val−Asp−Ala−Pro−Gly−Tyr−Asp−Pro−
    Ile−Trp−Phe−Leu−Asn−Thr−Glu−Pro−Ser−Gln−
    Leu−Pro−Pro−Thr−Ala−Pro−Pro−Leu−Leu−Pro−
    His−Ser−Asn−Leu−Asp−His−Ile−Leu−Glu−Pro−
    Ser を含むペプチドからなる群から選択される、ペプチド抗
    原。
  2. 【請求項2】前記アミノ酸配列の41個のアミノ酸を有す
    る、請求項1に記載のペプチド抗原。
  3. 【請求項3】組換え融合タンパク質の一部である、請求
    項1に記載のペプチド抗原。
  4. 【請求項4】被検個体のHTLV−I感染症を検出する方法
    であって、該方法は次の工程を包含する: 被検個体由来の血清と、HTLV−Iエンベロープタンパク
    質gp46に由来する、約80個を下まわるアミノ酸を有し、
    アミノ酸配列: Leu−Leu−Val−Asp−Ala−Pro−Gly−Tyr−Asp−Pro−
    Ile−Trp−Phe−Leu−Asn−Thr−Glu−Pro−Ser−Gln−
    Leu−Pro−Pro−Thr−Ala−Pro−Pro−Leu−Leu−Pro−
    His−Ser−Asn−Leu−Asp−His−Ile−Leu−Glu−Pro−
    Ser を含むペプチドからなる群から選択される、ペプチド抗
    原とを反応させる工程、および 結合した抗体の存在について抗原を試験する工程。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の方法であって、前記提供
    された抗原が固体支持体に付着し、前記反応がそのよう
    な血清と支持体との接触を包含し、前記試験が支持体お
    よび結合した抗体とレポーター標識抗ヒト抗体との反応
    を包含する、方法。
  6. 【請求項6】HTLV−Iに対する抗体の存在を確かめるた
    めのキットであって、該キットは、その表面にペプチド
    抗原が結合した固体支持体、およびレポーター標識抗ヒ
    ト抗体とを含有し、 該ペプチド抗原はHTLV−Iエンペロープタンパク質gp46
    に由来する、約80個を下まわるアミノ酸を有し、アミノ
    酸配列: Leu−Leu−Val−Asp−Ala−Pro−Gly−Tyr−Asp−Pro−
    Ile−Trp−Phe−Leu−Asn−Thr−Glu−Pro−Ser−Gln−
    Leu−Pro−Pro−Thr−Ala−Pro−Pro−Leu−Leu−Pro−
    His−Ser−Asn−Leu−Asp−His−Ile−Leu−Glu−Pro−
    Ser を含むペプチドからなる群から選択される。
  7. 【請求項7】T細胞白血病に対して個体を免疫化するワ
    クチンであって、該ワクチンは、薬理学的に受容され得
    るアジュバンド中に組換え体ペプチドを有し、該ペプチ
    ドは、HTLV−Iエンベロープタンパク質gp46に由来し、
    約80個を下まわるアミノ酸を有する、アミノ酸配列: Leu−Leu−Val−Asp−Ala−Pro−Gly−Tyr−Asp−Pro−
    Ile−Trp−Phe−Leu−Asn−Thr−Glu−Pro−Ser−Gln−
    Leu−Pro−Pro−Thr−Ala−Pro−Pro−Leu−Leu−Pro−
    His−Ser−Asn−Leu−Asp−His−Ile−Leu−Glu−Pro−
    Ser を含むペプチドからなる群から選択される。
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