JP2558738C - - Google Patents

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JP2558738C
JP2558738C JP2558738C JP 2558738 C JP2558738 C JP 2558738C JP 2558738 C JP2558738 C JP 2558738C
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、半導体集積回路素子の配線などに用いられるアルミニウムなどの金
属の表面に存在する酸化物等を除去する表面処理方法に関する。 (従来の技術) 半導体集積回路素子の製造工程において一般に素子間の配線形成には第2図に 示すような工程が用いられる。すなわち、第2図(a)に示すようにシリコン等
の基板(21)上にアルミニウムなどの金属薄膜(22)を堆積した後、第2図
(b)に示す如く、その上に所望のレジストパターン(23)を形成する。 次に、第2図(c)の如く、このパターン(23)をマスクとして反応性イオ
ンエッチング(RIE)等を用いた微細加工によって金属薄膜にパターンを転写
する。その後、プラズマ灰化によりレジスト(23)を除去する。レジスト除去
後の金属薄膜(24)表面には、第2図(d)に示すように残存した金属薄膜の
端から垂直に立った残留物が形成されている。これは、RIEの際にイオン衝撃
のためにスパッタされたアルミニウムがレジストの側壁に再付着したものが残存
したものであり、レジスト中の炭素やプラズマ灰化の雰囲気ガスの酸素と反応し
て安定な化合物を形成している。このような残留物は脆くはがれやすいため工程
が進むにつれウエハ全体に再付着したゴミとなり集積回路素子の特性を著しく悪
化させる原因となる。 また、多層配線工程では、アルミニウムなどの第一層の配線を第4図(a)の
ように形成した後、第4図(b)のように酸化シリコンなどを層間絶縁膜(43
)として形成した後、コンタクトホール(45)を形成し、さらに第4図(c)
のように第二層目の配線材料(44)を堆積させる。その際、下地のアルミニウ
ム表面に存在する自然酸化膜が配線抵抗を増大させる原因となっている。 従ってこれらの酸化物や炭化物は、なんらかの洗浄工程で除去する必要がある
。従来、その除去方法として用いられているのは、希ふっ酸等の溶液を使って溶
かす方法である。しかしアルミニウム自身は酸化物や炭化物よりいっそう酸に溶
解しやすく一部が腐食される問題があった。とくに配線の寸法が微細になると洗
浄の際の流水圧との相乗効果のため配線がはがれる問題があった。また塩素や三
塩化棚素などハロゲンを含むガスをグロー放電や光照射によって活性化してドラ
イエッチングにより除去する方法も考えられるが、残留化合物とガスのあいだの
反応生成物である塩化アルミニウムの常温における蒸気圧が小さいため加熱が必
要となる。又、酸化物や炭化物よりハロゲンと反応しやすいアルミニウム自身が
特にこのような高温では急速に腐食されるため実用的ではない。またアルゴンな
どの不活性ガスイオンを用いてスパッタ除去する方法も試みられているが、下地
の 素子に強い電界がかかるため特性が劣化する問題があった。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、反応性が高く腐食しやすいアルミニウム等の金属配線を損な
わずに、表面に付着した酸化物や炭化物を除去する方法を提供することである。 〔発明の構成〕 (問題点を解決するための手段) 本発明ではまず、金属もしくは表面の全体または一部が金属薄膜で覆われた披
処理基体を真空容器中に配置し、すくなくともハロゲンを含む処理ガスを導入し
放電または光照射による化学反応促進手段を用いて該披処理基体上に金属ハロゲ
ン化物を一旦形成する。その際披処理基体の温度は、該金属ハロゲン化物の蒸発
または昇華温度以下に保持し、反応が金属内部まで進行するのを防止する。つぎ
に該処理ガスを排気したのち金属ハロゲン化物を除去する事によって清浄な金属
面を得るものである。ここで、金属ハロゲン化物を除去する方法としては、披処
理基体を該金属ハロゲン化物の蒸発または昇華温度以上に加熱し蒸発または昇華
させるか、披処理基体に紫外線等の放射線照射を行ない溶発させることにより行
なう。 (作用) 表面に酸化物や炭化物が付着した金属をハロゲンと反応させることによってこ
れらは比較的蒸気圧の高い金属ハロゲン化物に変化する。その際、金属自身もハ
ロゲンと反応するがその際の温度は、金属ハロゲン化物の蒸発または昇華温度以
下のため表面に残る金属ハロゲン化物が反応が金属内部まで進行するのを防止す
る。次に金属ハロゲン化物を除去する事によって清浄な金属面を得る。この除去
工程はハロゲンを排気した後に行なうので腐食は生じない。 (実施例) 本発明の実施例について図面を用いながら説明する。第1図は本発明の一実施
例で用いた表面処理装置の模式図を示す。この装置には、真空容器(11)内に
は、ヒータ(13)を内蔵したサセプタ(12)が設けられ、前記容器には、導
入ガスを排気するための排気口管(14)と、ガスを放電せしめる放電管(15
)が取りつけられている。ここで、前記放電管(15)と接続されたガス導入口
(1 6)より反応性ガスを導入しながら真空排気をおこなう事により、所定の圧力が
保持され、放電管(15)に導波管(16)を介して周波数2.45GHzのマ
イクロ波を印加することにより無電極放電を誘起してプラズマを誘起することが
できる。放電部で生成したハロゲンを含むラジカルや原子などの活性種は真空容
器(11)内に輸送されサセプタ(12)上の試料(19)と反応する。 第2図及び第3図を用いて本発明による一実施例を示す。まず、前述したよう
にシリコンウエハ(21)上に厚さ1μmのアルミニウム薄膜(22)をスパッ
タ法等により形成する(第2図(a))。つぎに前記薄膜(22)上に形成した
フォトレジストを用いて配線パターンに対応したマスク(23)を形成した。つ
ぎに反応性イオンエッチング(RIE)法によってアルミニウム薄膜(22)を
エッチングした(第2図(b))。エッチングに用いたガスは塩素(Cl2)で
あり、圧力は5Pa、カソード印加した高周波電力の密度は1W/cm2である
。次に酸素ガス中でプラズマ灰化法によりレジストマスク(27)を除去すると
、第2図(d)に示すようにアルミニウム配線の端部から垂直に立った残存物(
24)が残る。 その後、このような残存物に対して本発明を適用した例を第3図に示す。まず
残存物(24)の生じたアルミニウム配線(22)を有する試料を第1図の真空
容器(11)のサセプタ(12)にのせ、0.0001Paまで排気した。つぎ
にガス導入口(16)より三塩化ホウ素(BCl3)ガスを流量50cc/mi
nの割合で導入しながら真空容器内の圧力に設定し、放電管(15)に導波管(
16)を介して200Wのマイクロ波を印加して放電を発生させた。1分間の処
理の後、BCl3の供給をとめ、再び0.0001Paまで排気した。この処理
により酸化アルミニウム(アルミナ)などの残存物(24)はつぎの反応により
塩素との化合物に変化する。 Al23+2BCl2→B23+2AlCl3 同時にアルミニウム自身もBCl3と反応するため最表面にはAlCl3層が形
成されるが同時にこれが保護膜となって内部には反応は進まない(第3図(b)
)。次に、第1図のヒータ(13)に通電して試料をAlCl3層が昇華する2
00℃まで加熱した状態で3分間保持したのち室温に戻し試料を真空容器 (11)より取り出した。これを走査電子顕微鏡で観察したところ、残存物(2
4)が除去されていることが確認された(第3図(c))。 次に本発明方法を多層配線工程に応用した例を先に用いた第4図により説明す
る。まずさきの実施例と同様にアルミニウム(42)の第一層の配線を第4図(a)
のように形成した。つぎに化学気相成長法(CVD)を使って酸化シリコン(4
3)を層間絶縁膜として堆積した後、RIEを用いてコンタクトホールをあけた
(第4図(b))。つぎに、第二層目の配線材料(44)を堆積させるまえに、
アルミニウム(42)表面に存在する自然酸化膜を除去するため、さきの実施例
と同一の条件で処理をおこなった。さらに大気中に取り出すと再び自然酸化膜が
生じるため同一容器内で第2層目のアルミニウム(44)を堆積し、第一層と第
二層の配線の間の抵抗を測定した。その結果、接触抵抗は0.1Ω/μm2以下
であった。これに対し自然酸化膜の除去を行なわなかった場合は2Ω/μm2
ありこの実施例により形成された配線の接触抵抗は1/20以下に低減できるこ
とが確認された。 このように本発明を用いれば金属自体の腐食を伴わずに表面の薄い金属酸化物
や炭化物を除去することができる。本発明を集積回路素子の製造に応用すればゴ
ミの発生量が低下して良品率が向上する、また多層配線の配線間の抵抗が低減さ
れ素子の性能が向上する。 本実施例では金属配線材料としてアルミニウムを用いたが、タングステンやチ
タン、モリブデンなどあらゆる金属および各種の合金に対しても有効である。ま
た反応ガスとしてBCl3以外に、塩素やフッ素などのハロゲンを含む各種のガ
スが利用できるが、酸化物を有効にハロゲン化するにはジボランなどホウ素を含
むことが望ましい。さらに反応ガスを活性化する手段としては、放電以外に紫外
線などの放射線を用いてもよい。またハロゲン化金属化合物を除去する手段とし
て加熱以外にエキシマレーザなどの系外線を照射して溶発させてもよい。 〔発明の効果〕 本発明により、金属自体の腐食を伴わずに表面の薄い金属酸化物や炭化物を除
去することができる。本発明を集積回路素子の製造に応用すれば良品率の向上、
素子の性能向上が可能である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の実施例に適用される表面処埋装置の模式図、 第2図は、従来例を説明するための工程断面図、第3図及び第4図は、本発明
の実施例を説明するための工程断面図である。 11…真空容器, 12…サセプタ, 13…ヒータ, 14…排気口, 15…放電管, 16…ガス導入口, 17…導波管, 18…マイクロ波電源 19…蒸着源, 21…シリコン基板, 22…アルミニウム, 23…レジスト, 24…残存物, 31…シリコン基板, 32…アルミニウム, 33…残存物, 34…AlCl3, 41…シリコン基板, 42…アルミニウム, 43…2酸化シリコン, 44…2層目のアルミニウム。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 金属もしくは表面の全体または一部が金属薄膜で覆われた被処理基体
    を真空容器中に配置したのち、該真空容器にすくなくともハロゲンを含む処理ガ
    スを導入し該被処埋基体の温度を該金属と該ハロゲンの化合物の蒸発または昇華
    温度以下に保持し、該処理ガスを活性化して該被処理基体上の該金属の最表面に
    形成された金属化合物と反応せしめ金属ハロゲン化物を形成する第一の工程と、
    一旦該処理ガスを排気したのち該金属ハロゲン化物を除去する第二の工程よりな
    る表面処理方法。 (2) 前記処理ガスを活性化する手段として放電または光励起化学反応を用
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の表面処理方法。 (3) 前記処理ガスは前記真空容器とは分離された領域で活性化されたのち
    前記真空容器中に導入されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の表面
    処理方法。 (4) 前記処理ガスとしてハロゲン化ホウ素または、すくなくともホウ素を
    含むガスとすくなくともハロゲンを含むガスの混合ガスを用いることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の表面処理方法。 (5) 前記金属ハロゲン化物を除去する手段として前記被処理基体を該金属
    ハロゲン化物の蒸発または昇華温度以上に加熱することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の表面処理方法。

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