JP2557887B2 - 車両の速度測定装置 - Google Patents

車両の速度測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はITVカメラを用いることにより当該ITVカメラ
の被撮像体たる車両の走行速度を検出する車両の速度測
定装置に関する。
(従来の技術) 近年、交通管制のための種々の情報を得る手段とし
て、ITV(Industrial Television)カメラを用いた通路
交通状況監視システムが広く利用されている。
特に、高速自動車道などのトンネルには、複数台のIT
Vカメラを配置して成る大規模な監視システムが導入さ
れており、この監視システムを流用して当該トンネル内
を走行する車両の速度を測定しようとするシステムも実
用化されている。
この種の速度測定システムでは、車両がトンネル内を
走行する際にはテールランプが点灯されることを前提と
し、このテールランプの移動状況を追跡監視することに
より当該車両の速度を測定するようにしている。
例えばこの種の速度測定システムにおいて、トンネル
内に配置されるITVカメラの撮像画は、第4図に示すよ
うなものとなる。
また、このITVカメラの撮像出力を適当なスレッショ
ルドレベルで2値化するとき、当該スレッショルドレベ
ルの値如何によっては上記撮像出力から車両10のテール
ランプのような高輝度のものだけを端点として抽出する
ことができる。
そこでこの端点の2次平面上における時間当りの移動
量を求め、更にこの移動量を実際の路面上における車両
10の移動量に変換すれば、このときの車両10の速度の算
出が可能となる。
このときの速度換算処理のためパラメータとしては、
速度測定対象となる車両10のテールランプの路面からの
高さが必要となる。
このパラメータは、大型車と小型車では当然異なる値
となるが、一般には、前述の処理により得た端点間の距
離(テールランプ間の幅)を車幅として認識し、当該車
幅にもとづき大型車であるか小型車であるかを区別して
いる。
ところで一般にトンネル内は、常時、照明用ランプ20
で照明されていたり、後続の車両が走行していたりする
ことから、これら照明用ランプ20や後続の車両のフロン
トランプの照射等により速度測定対象となる車輌10にテ
ールランプと同一程度の輝度を有する光の反射が発生す
るケースが少なくない。
このような反射発生部3(第5図参照)からの反射光
を含むITVカメラの撮像出力を処理することにより得た
2値化データでは、速度測定上の基準となる車両10のテ
ールランプ以外にも、これら反射発生部30に相当する部
分が同様に端点として抽出されることになる。
このように不要な端点が混在する状況下では、どれが
テールランプかを特定できず大型車か小型車かの区別を
誤り易いため、パラメータ(車種別のテールランプの路
面からの高さ)を正確に設定して、対象となる車両の速
度を精度良く測定することが困難であった。
(発明が解決しようとする問題点) このように上記従来の車両の速度測定装置では、トン
ネル内の照明用ランプによる車体からの反射光等のいわ
ゆる外乱光がITVカメラの撮像出力を処理して得る2値
化データ中に不要な端点として抽出されるため、車両の
速度測定精度が著しく低下するという問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、車体
からの反射光等の外乱光の影響を受けず対象となる車両
の速度を精度よく測定することのできる車両の速度測定
装置を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明の車両の速度測定装置は、速度測定対象となる
車両の走行状態を撮像する撮像手段と、該撮像手段の撮
像出力を所定のスレッショルドレベルで2値化する2値
化手段と、該2値化手段から出力される2値化データに
もとづき前記車両の特定部分を前記撮像手段の撮像平面
上の端点の座標データとして抽出する端点抽出手段と、
該端点抽出手段から出力される前記端点の座標データを
記憶する座標データ記憶手段と、該座標データ記憶手段
に記憶された前記座標データから前記端点の幅データを
検出してこの幅データを累積し、該累積された幅データ
のうちのもっとも発生頻度の高い幅データにもとづき前
記端点を特定するとともに、該端点に関して求めた前記
撮像平面上における時間当たりの移動量を実際の路面上
における前記車両の移動量に換算することにより当該車
両の走行速度を算出する走行速度算出手段とを具備して
構成される。
(作用) 本発明の車両の速度測定装置では、端点抽出手段によ
り抽出される端点の座表データから前記端点の幅データ
を検出してこの幅データを累積し、そのうちのもっとも
発生頻度の高い幅データにもとづき速度測定対象たる車
両の特定部分に対応する端点を特定することで、ITVカ
メラの撮像出力中における外乱光に伴う不要な端点を除
去するようにしたものである。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづいて詳細
に説明する。
第1図は、本発明に係る車両の速度測定装置の一実施
例を示すブロック図であり、ITVカメラ1,2値化回路2、
同期分離回路3、タイミング発生回路4、端点抽出回路
5、座標記憶回路6、マイクロコンピュータ7を具備し
て構成されている。
本発明の車両の速度測定装置は、トンネル内では車両
10がテールランプを点灯して走行することを前提とし、
ITVカメラ1による撮像画(第4図参照)に対応した撮
像信号中における前記テールランプの移動状況を追跡監
視することにより当該車両10の速度を測定するものであ
り、以下の様に動作する。
第1図において、ITVカメラ1から得られるトンネル
内の撮像画(第4図参照)に対応した撮像信号は、2値
化回路に入力され予め設定されたスレッショルドレベル
により2値化される。
ここで前記スレッショルドレベルは、速度測定上の基
準となる特定部分として車両10のテールランプを追跡監
視するという本発明装置の処理の都合上、前記撮像信号
のうちの前記車両10のテールランプの輝度相当の信号が
白データとして、また該テールランプより低い輝度の信
号が黒データとしてそれぞれ判定されるような値に設定
されている。
一方、前記撮像信号中の同期信号は、前述した2値化
処理と同時に同期分離回路3に入力され、水平同期信号
(HD)と垂直同期信号(VD)とに分離された後、それぞ
れタイミング発生回路4に入力される。
タイミング発生回路4は、前記同期分離回路3から入
力される水平および垂直同期信号にもとづきクロックパ
ルスを発生し、外クロックパルスを端点抽出回路5に入
力する。
そして端点抽出回路5は、このクロックパルスに同期
して2値化回路2から2値化データを取込み、その端点
を抽出する。
ここでいう端点とは、クロックパルスとは別にタイミ
ング発生回路4から入力するXYアドレスによりITVカメ
ラ1の撮像平面に対応して設定されたXY座標上における
前記2値化データのうちの白データの座標データのこと
である。
こうして端点抽出回路5により抽出された前記端点の
座標データは、一定時間間隔t秒毎に座標記憶回路6に
記憶される。
このとき座標記憶回路6にも、タイミング発生回路4
から与えられるXYアドレスにもとづき端点抽出回路5と
同様のXY座標が設定されている。
次いでマイクロコンピュータ7は、前記座標記憶回路
6に記憶された端点の座標データにもとづき当該端点の
前述したXY座標上におけるtxn秒間(tは任意の値)の
移動量を求め、更に該移動量を実際の路面における車両
10の走行距離に変換することにより当該車両10の走行速
度を算出する。
このとき上記端点として車両10のテールランプに対応
する端点のみが存在するものとすれば、当該端点の幅か
ら車種(車幅)を認識し、路面からテールランプまでの
高さに関するパラメータとして大型車と小型車とでそれ
ぞれ異なる値を設定しつつ上記演算処理を実行すること
により車両10の正確な走行速度を測定することができ
る。
ところがITVカメラ1により撮像される実際のトンネ
ル内の状況下では、速度測定対象である車両10のテール
ランプと同程度の輝度を有する要素として例えば照明用
ランプ20や後続の車両のフロントランプを光源とする車
両10の反射発生部30(第5図参照)からの反射光等があ
り、これらの各要素はITVカメラ1の撮像信号に含ま
れ、車両10のテールランプとともに白データとして2値
化され端点として抽出されるケースが少なくない。
今、例えば第4図に示す如くのITVカメラ1の撮像画
に対し同図に示す如くのXY座標を設定するものとすれ
ば、前述した各要素を含む撮像信号に対する端点抽出回
路5の端点抽出イメージは第2図に示される如くとな
る。
第2図では、黒点が端点として示されており、a1,a2
領域が速度測定対象となる車両10のテールランプにb1,b
2,b3領域が車両10の反射発生部30からの反射光にそれぞ
れ対応したものである。
このように車両10のテールランプに対応する端点
(a1,a2領域)とともに、前述した種々の外乱光に伴な
う端点(b1,b2,b3領域)が混在する状況下では、テール
ランプを特定することができず、ひいては車両10の走行
速度を正確に測定することが困難となる。
そこで本発明の車両の速度測定装置では、前述の如く
t秒毎にサンプリング周期で座標記憶回路6に記憶した
端点の座標データからその幅データを検出し、当該端点
の幅データをその都度マイクロコンピュータ7に累積す
るようにしている。
そしてマイクロコンピュータ7は、n回路のサンプリ
ング終了後、それまでのサンプリングにより得られた最
も発生頻度の高い幅データを選んで車両10の走行速度の
算出処理を行なう。
係る処理の結果、車両10の走行速度を算出する時点に
おける端点抽出回路5の端点抽出イメージは、外乱光に
伴なう不用な端点が混在する第2図に示す如くそれまで
の態様から、これらの不用な端点が除去され車両10のテ
ールランプに対応する端点のみが含まれる第3図に示す
如くの態様に改められることになる。
この端点抽出イメージは、そのまま車両10のテールラ
ンプの抽出イメージとなるため、このときの当該テール
ランプの幅データにもとづき認識した車種(大型車また
は小型車)毎に最適なパラネメータ(路面からテールラ
ンプまでの高さ)を設定してやれば、車両10の走行速度
の算出に正確を期すことができるようになる。
〔発明の効果〕
以上したように本発明の車両の速度測定装置によれ
ば、端点抽出手段により抽出される端点の座表データか
ら前記端点の幅データを検出してこの幅データを累積
し、そのうちのもっとも発生頻度の高い幅データにもと
づき速度測定対象たる車両の特定部分に対応する端点を
特定するようにしたため、外乱光の影響を受けにくく車
両の走行速度を精度よく測定することができるという優
れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る車両の速度測定装置の一実施例を
示すブロック図、第2図および第3図はそれぞれ第1図
に示した車両の速度測定装置の端点抽出回路における端
点抽出イメージを示す概念図、第4図はITVカメラによ
るトンネル内の撮像画の一例を示す概念図、第5図は同
撮像画中に混在する外乱光の発生要因を強調して示す車
両の概念図である。 1……ITVカメラ、2……2値化回路、3……同期分離
回路、4……タイミング発生回路、5……端点抽出回
路、6……座標記憶回路、……マイクロコンピュータ、
10……速度測定対象となる車両、20……照明用ランプ、
30……反射発生部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】速度測定対象となる車両の走行状態を撮像
    する撮像手段と、 該撮像手段の撮像出力を所定のスレッショルドレベルで
    2値化する2値化手段と、 該2値化手段から出力される2値化データにもとづき前
    記車両の特定部分を前記撮像手段の撮像平面上の端点の
    座標データとして抽出する端点抽出手段と、 該端点抽出手段から出力される前記端点の座標データを
    記憶する座標データ記憶手段と、 該座標データ記憶手段に記憶された前記座標データから
    前記端点の幅データを検出してこの幅データを累積し、
    該累積された幅データのうちの最も発生頻度の高い幅デ
    ータにもとづき前記端点を特定するとともに、該端点に
    関して求めた前記撮像平面上における時間当たりの移動
    量を実際の路面上における前記車両の移動量に換算する
    ことにより当該車両の走行速度を算出する走行速度算出
    手段と を具備することを特徴とする車両の速度測定装置。
  2. 【請求項2】撮像手段は、ITVカメラであることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項記載の車両の速度測定
    装置。
  3. 【請求項3】特定部分は、トンネル内を走行する際に点
    灯される前記車両のテールランプであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項または第(2)項記載の車
    両の速度測定装置。
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