JP2556822B2 - 魚釣り用擬似餌 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は魚釣り用擬似餌に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】魚釣りを行うにあたっては生きた魚や魚
の切り身、或いは環虫類等が主として用いられる。しか
し、これらの餌は魚が食いつく度に取られたり或いは外
されたりするので、その都度餌を付けなくてはならない
と言う手間がある。そこで、上記餌に代わるものとして
乾燥した魚皮、乾燥魚皮に金属蒸着を施したもの、
生ゴムシートや着色プラスチックシート等を擬似餌と
して用いることが行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】 乾燥した魚皮は多くの鱗が剥離してしまって、鱗の光
反射による集魚効果が不充分であり、又乾燥した魚皮
に金属蒸着を施したものは魚皮表面の凹凸が微細すぎる
ため、光沢が鈍く十分な金属光沢面が形成されていな
い。又、これらは必要な強度が得られるものとならな
い。これに対し生ゴムシートや着色プラスチックシー
トは必要な強度が得られるものの、餌としての柔軟性に
乏しく優れた喰いつき効果の得られるものとならない。
本発明は上記問題点を解決せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は合成樹脂フィル
ムや同不織布及び織物布地等の芯材の片面若しくは両面
に対し、高吸水性ポリマーのフィルム原料に赤、黄、
青、紫、緑等の食用色素や、螢光色顔料及び金属粉或い
は真珠光沢顔料その他着色繊維等を練り込んだり、練り
込まないものとした高吸水性ポリマーの肉厚１０〜２０
００μとしたフィルムを貼着し、魚が好む餌の形状に適
宜切断するのであり、使用に当っては水液中に予め一定
時間浸漬して膨潤状態となさしめることを特徴とする。

【０００５】

【作用】芯材として強鞭な合成樹脂フィルムや同不織布
及び織物布地等を使用しており、該芯材の片面若しくは
両面に対し高吸水性ポリマーで肉厚１０〜２０００μの
フィルムを貼着してあることにより、上記高吸水性ポリ
マーが水により３〜１００倍に膨潤し、魚に好まれる形
状や大きさ及び柔らかさの擬似餌が得られるものとな
る。この際、高吸水性ポリマーのフィルム製造の際に予
め赤、黄、青、紫、緑等の食用色素や螢光顔料及び金属
粉或いは真珠光沢顔料その他着色繊維等を練り込ませた
り、或いは各種魚に於ける嗅覚、味覚等を刺激するため
の液中に５分〜１２時間程度浸漬したものを使用するこ
とにより、魚の喰い付きをより良くすることを可能に出
来る。

【０００６】

【実施例】図１は本発明で使用する芯材１の切断した形
状例であって、肉厚２０〜２００μのナイロン、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の強鞭なフィ
ルム、或いはゴムや不織布又は織物布地等の無印刷若し
くは適宜な色に印刷若しくは染色したもので適宜な大き
さ及び形状に切断されてなる。即ち、図ａはさなぎ状
に、図ｂはゴカイ状に、図ｃは小エビ状に、図ｄは貝状
に形成したものを示す。この他、魚の切身や海藻、野菜
類等各種の魚の好みの形状のものを自由に作成する。

【０００７】図２は高吸水性ポリマーで肉厚１０〜２０
００μとしたフィルムシート２であり、この際高吸水性
ポリマーの成分としては専らポリアクリル酸塩系のもの
が一般的に知られているが、フィルムに成形し易いもの
として架橋ポリエチレンオキシド単独或いは前者との混
合使用とする。海魚用としては特に耐多価金属イオン性
を改良して海水に対する膨潤性が損われないものを選定
する。現今、これがための最適な市販の商品としては日
本触媒株式会社製造の「アクアリックＣＳ（商標名）」
や、住友精化株式会社製造の「アクアコーク（商標
名）」等がある。

【０００８】上記フィルムシートは水及び海水中で凡そ
３〜１００倍に膨潤するものとなるのであり、本発明で
上記フィルムシートの肉厚を凡そ１０〜２０００μの範
囲に選定したこととは、次述する芯材との接着性及び膨
潤後に魚の喰付き易いものとなる大きさを数多くの実験
結果から選定したのである。

【０００９】図３は上記フィルムシート２を図１の芯材
１の形状に適合するようにして切断し、芯材１の片面或
いは両面に対し接着剤を使用して接着させたものを示し
ており、図示例ではゴカイ１’の表裏面に接着したもの
を示す。この際、使用する接着剤は耐水性のもので市販
品では食品包装のボイルレトルト用のドライラミネーシ
ョン用接着剤が良く、例えば武田薬品工業株式会社製造
の「タケラックＡ３２１０、タケネートＡ３０７２（商
標名）」等である。しかして、上記接着剤は夫々れ単独
で使用しても良いが、両者を適宜な割合に混合した混合
液にして使用しても差し支えない。尚、接着剤は芯材面
に凡そ１０μ程度塗布し、あと凡そ５０°Ｃで乾燥後に
貼着させるのであり、貼着後は一定時間のエージングが
行われる。

【００１０】上記実施例では芯材１を予め種々な餌の形
状に切断形成したものの片面や両面に対し高吸水性ポリ
マーのフィルムシート２を同様形状に切断して貼着する
ものについて説明したが、平面シート状の芯材１の片面
或いは両面に対し上記接着剤を塗布した後、高吸水性ポ
リマーのフィルムシートを貼着して一体化させ、あと各
種の餌の形状にトムソンカッターで打抜き切断して作成
することも差支えなく、この方が生産性良く製造出来る
ものとなる。

【００１１】本発明では高吸水性ポリマーのフィルムシ
ート製造に際し、各種魚の視覚を刺激するべくその原料
に対し赤、黄、青、紫、緑等の食用色素や螢光顔料、及
び金属粉（ブロンズ粉、アルミ粉等）或いは真珠光沢顔
料（三酸チタン被覆雲母粉）その他赤、緑など着色繊維
（長さ０．５ｍｍ〜２ｍｍ、太さ２デニール〜１００デ
ニール）等を練り込んでおくと良く、このものでは該フ
ィルムシートが３〜１００倍に膨潤すると、これら着色
材が内部からの立体的な色彩として顕出されるものとな
り、可及的に天然餌に近付いたものとなる。

【００１２】又、魚の嗅覚や味覚を刺激するべく各種魚
の好む臭気や味のついた液中に上記作成の擬似餌を使用
前の凡そ５分から１２時間程度浸漬したりしておくと、
餌の喰い付きてより優れた効果が得られるものとなる。
これらの液としては、オキアミ、海老、環虫類、貝類、
蟹類や小魚類をすり潰し、これに若干の水を加えたもの
や、魚の油（イカナゴ油、イワシ油、イカナゴ油に味醂
を添加したもの）を水に分散させるべく食品添加乳化剤
（グリセリン、脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル）
等を一定割合（例えば２：１）で混ぜ合わせたもの、或
いは合成品のリジンやアスパラギン酸、イノシン酸、ジ
メチルサルファイド等で調合したもの等が考えられる。

【００１３】図４は上記構成の擬似餌３を釣針４に取り
付けた状態を示すものであり、釣針は芯材１を突刺され
ると共に、その周囲が天然餌と同様の立体的な膨みのあ
るものとなっている。この際、膨みの度合いは高吸水性
ポリマーのフィルムシートの肉厚と高吸水性ポリマーの
吸水倍率の異なる原料を適宜変えることにより希望する
太さと柔らかさのものが容易に得られるものとなる。

【００１４】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成するものであっ
て、芯材として強鞭な合成樹脂フィルムや同不織布及び
織物布地等が使用してあることから、天然餌と同様の膨
みや大きさ及び軟らかさを持つ優れた擬似餌とすること
の出来るものである。又、魚の色彩感覚、嗅覚、味覚等
にも好適な対応を図って餌の喰い付きをより一層優れた
ものとなすことの出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】芯材を各種の擬似餌形状に切断した数例を示
す。

【図２】本発明で使用する高吸水性ポリマーのフィルム
シートを示す。

【図３】上記芯材（ゴカイ）の表裏面に対し高吸水性ポ
リマーのフィルムシートを貼着した例を示す。

【図４】釣針に突刺した使用状態例を示す。

【符号の説明】

１ 芯材 ２ 高吸水性ポリマーのフィルムシート ３ 擬似餌 ４ 釣餌

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂フィルムや同不織布及び織物布
   地等の芯材の片面若しくは両面に対し、高吸水性ポリマ
   ーで肉厚１０〜２０００μのフィルムを貼着し、魚の好
   む餌の形状に適宜切断してなる魚釣り用擬似餌。
2. 【請求項２】 高吸水性ポリマーのフィルム原料に赤、
   黄、青、紫、緑等の食用色素や、螢光色顔料及び金属粉
   或いは真珠光沢顔料その他着色繊維等を練り込んである
   ことを特徴とする請求項１記載の魚釣り用擬似餌。
3. 【請求項３】 使用に先立ち魚の嗅覚、味覚を刺激する
   ための液中に予め一定時間に浸してなる請求項１又は２
   記載の魚釣り用擬似餌。