JP2554726B2 - 金属表面処理用水溶液又は分散液及び表面処理方法 - Google Patents

金属表面処理用水溶液又は分散液及び表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属の保護及び(又は)装飾のための表面
処理の分野に関する。
〔本発明の要約〕
本発明は、金属物品の表面処理に有用な多価フェノー
ル化合物の新規な誘導体を含む。本発明は、新規な表面
処理水溶液又は分散液、及びそれらの水溶液又は分散液
を使用する方法も含む。
本発明によれば、新規な組成物、水溶液及び分散液、
及びその使用方法が、保護又は装飾金属表面処理を行な
う際に用いるものとして与えられる。これら処理には、
まだ処理されていない裸の金属表面の処理、燐酸塩化又
は転化被覆(conversion coated)金属表面の後処理、
ペイント又は他の装飾用被覆又は膜の適用等が含まれ
る。本発明は、更に、アルミニウム、鋼及び亜鉛金属表
面を含む種々の金属表面を処理するのに特に有用な組成
物及び方法を含む。本発明の組成物、水溶液及び分散
液、及び使用方法は、金属表面が前以て転化被覆されて
いてもいなくても、その表面の腐食抵抗及びペイント付
着特性を改善するのに有効な被覆を金属表面上に与え
る。本発明についての更に一層詳細な理解は、次の記述
から得られるであろう。全ての部及び%は、特に指示し
ない限り重量による。
〔従来の技術〕
腐食抵抗及びペイント付着特性を改善するために、金
属表面に保護被覆を適用することが必要であることは、
金属仕上げ技術及び他の金属技術の分野でよく知られて
いる。伝統的に、金属表面は、金属燐酸塩及び(又は)
金属酸化物転化被覆を金属表面上に形成し、その腐食抵
抗及びペイント付着性を改良する化学物質で処理されて
いる。転化被覆金属表面は、一般に、腐食抵抗及びペイ
ント付着性を一層よくするために六価クロム化合物を含
む溶液ですすぐか又は後処理もされている。
六価クロムの毒性のために高価な排水処理施設を用い
て、プラント流出物から残留クロム酸塩を除去し、環境
基準に適合するようにし、河、流れ、及び飲料水源の品
質を改善するようにしなければならない。従って、転化
被覆金属表面の腐食抵抗及びペイント付着特性は、六価
クロムを含む後処理溶液によって一層よくすることがで
きるが、近年におけるこれらの欠点のため、六価クロム
を含む後処理溶液の使用に代わる有効なものを発見する
ため多くの研究及び開発努力が払われてきた。六価クロ
ムの使用に代わる一つの方法には、ポリビニルフェノー
ルの如き多価フェノール化合物の誘導体を使用すること
が含まれる。適当な誘導体及び適当な処理溶液は、初期
のリンダート(Lindert)による米国特許第4,517,028号
(1985年5月14日)、リンダートによる第4,376,000号
(1983年3月8日)、及びリンダートによる第4,433,01
5号(1984年2月21日)、及びリンダートその他による
第4,457,790号(1984年7月3日)に記載されている
(これらは参考として特にここに含めてある)。本願と
同じ譲り受け人に譲渡された同じ日に出願された「多価
フェノール化合物による金属の処理及び後処理」と題す
る米国特許出願Serial No.及び「炭水化物変性多価フェ
ノール化合物による金属の処理及び後処理」と題する米
国特許出願Serial No.の二つも参照されたい(両方共、
参考として特にここに含めてある)。
〔本発明の詳細な記述〕
本発明を用いた典型的な金属表面保護処理操作では、
処理すべき金属を科学的又は物理的方法によって最初清
浄にし、次に水で濯ぎ、表面からグリース及び汚れを除
去する。次に金属表面を本発明の処理溶液と接触させ
る。別法として、好ましくは清浄化直後に本発明の処理
溶液と金属表面とを接触させる代わりに、転化被覆溶液
を従来のやり方で金属表面に適用するか、又はさもなけ
れば金属表面を前処理し、転化被覆を形成させるのに用
いる。次に転化被覆表面を水ですすぎ、その金属表面を
本発明の処理溶液と接触させる。
本発明の水溶液及び(又は)分散液は、処理された又
は未処理金属表面に効果的に適用することができるが、
一般的に言って本発明は、金属表面が予め転化被覆され
ている場合に特に有用であり、従って、本発明は後処理
として用いられる。従って、ここで用いられる用語「後
処理」とは、裸でない金属、好ましくは、従来の転化被
覆工程で予め処理された金属表面を処理することを意味
する。そのような転化被覆は、よく知られており、例え
ば、金属ハンドブック(Metal Handbook)第8版、第2
巻、第529−547頁(American Society for Metals)及
金属仕上げガイドブック及び指針(Metal Finishing
Guidebook and Directory)(1972)第590−603頁に記
載されている(それら両方の内容は参考として特にここ
に含めてある)。
本発明の組成物及び方法は、燐酸鉄、燐酸マンガン、
燐酸亜鉛、及びカルシウム、ニッケル又はマンガンイオ
ンで変性された燐酸亜鉛の如き適当な転化被覆で転化被
覆されている表面を有する金属を含めた広い範囲の金属
表面を処理するのに有用である。適当な金属表面の例に
は、亜鉛、鉄、アルミニウム、及び冷間圧延、研摩、酸
洗い、熱間圧延した鋼及びメッキした鋼表面が含まれ
る。ここで用いられる用語「金属表面」には、未処理金
属表面及び転化被覆金属表面の両方が含まれる。
本発明の多価フェノール化合物は、重合体材料1及び
2、それらの塩、及びそれらの混合物である。本発明の
処理組成物は、有効な量の可溶性又は分散性処理化合物
(重合体材料)を、表面処理に適したキャリヤー、即ち
選択された重合体材料を、金属の表面に付着させるか又
は他の方法で置けるようにするキャリヤー中に入れたも
のからなる。本発明で用いられる可溶性又は分散性化合
物は、次の重合体材料1又は2(下で特徴を記載する)
のいずれか一種類、それら重合体材料の水溶液又は分散
液、それらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択
される。塩には、それらの酸及びアルカリ塩が含まれ
る。
本発明の方法は、金属表面とここに記載する処理組成
物と接触させることを含んでいる。
重合体材料1及び2は次の通りである。
重合体材料1 重合体材料1は、次の式を有する少なくとも一つの単
位を有する単独重合体又は共重合体化合物又は材料から
なる: R1〜R3は、水素、1〜約5個の炭素原子を有するアル
キル基、又は約6〜約18個の炭素原子を有するアリール
基から、繰り返し単位の各々に対し独立に選択される; Y1〜Y4は、水素、Z、−CR4R5OR6、−CH2C1、又は1
〜18個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基か
ら、繰り返し単位の各々に対し独立に選択される。但し
Y1〜Y4単位の一つの少なくとも一部分はZである; Zは、 R4〜R12は、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシ
−アルキル、アミノ−アルキル、メルカプト−アルキ
ル、又はホスホ−アルキル部分、又は−O(-1)又は−OH
から、繰り返し単位の各々に対し独立に選択される。但
しZの少なくとも一部はアミンオキシド又はヒドロキシ
ルアミンであるか、又はそれらを形成する。好ましくは
R1又はR4〜R12は、化合物が水の如き適当な表面処理キ
ャリヤー中にもはや溶けたり或は分散したりしなくなる
長さまでの炭素鎖長さをもつ。
W1は、水素、アシル、アセチル、ベンゾイル、3−ア
リルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−ベンジ
ルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−アルキル
ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−フ
ェノキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−アルキル
フェノキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−ブトキ
シ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−アルキルオキシ
−2−ヒドロキシ−プロピル−、2−ヒドロキシオクチ
ル−、2−ヒドロキシ−2−アルキル−、2−ヒドロキ
シ−2−フェニル エチル−、2−ヒドロキシ−2−ア
ルキル フェニル エチル−、イソプロペニル−、プロ
ペニル−、ベンジル−、メチル−、エチル−、プロピル
−、アルキル、アリル−、アルキルベンジル−、ハロア
ルキル−、ハロアルケニル、2−クロロ−プロペニル
−、ナトリウム、カリウム、テトラアリールアンモニウ
ム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホス
ホニウム、テトラアリールホスホニウム、又はエチレン
オキシド、プロピレンオキシド又はそれらの混合物又は
共重合体の縮合生成物からなる群から、繰り返し単位の
各々に対し独立に選択される; 少なくともW1の一部分が“Z"を含む最終的材料、及び
(又は)最終的材料がビニル部分、αメチルビニルフェ
ノール部分、及びそれらの混合物に基づくのが特に好ま
しい。例えばビニルフェノール、イソプロペニルフェノ
ール及びそれらの誘導体を用いてもよい。
上記式は、本発明の化合物又は材料を特徴付ける繰り
返し単位を表していることは認められるであろう。末端
単位は描かれていない。本発明の重合体の描かれていな
い末端基は、当分野で開示されている技術に基づいて当
業者によって選択することができる。例えば、重合体の
末端基は、用いられた特定の重合方法、又は重合体の特
性を変えるために意図的に用いられた特定の重合方法か
ら生じたものでよい。例えば、末端基は、水素、ヒドロ
キシル、反応開始部分、鎖移行剤、不均化基、又は成長
する重合体鎖を止めるための他の同様な方法によるもの
でよい。
本発明のアルケニルフェノール部分は、重合に用いら
れた方法及び条件により、共重合体及び三元重合体内に
無作為的に分布していてもよく、或は合成されてブロッ
ク配向重合体を構成してもよい。
重合体材料2−縮合重合体 用語「縮合重合体」とは次のものを意味する: 縮合重合体は、重合体材料1の縮合可能な変性形のも
の(下に述べるように縮合可能なように変性されてい
る)を、フェノール(好ましくはフェノール、アルキル
フェノール、アリールフェノール、クレゾール、レゾル
シノール、カテコール、ピロガロール)、タンニン(加
水分解可能なもの及び縮合されたもの両方)、ノボラッ
ク樹脂、リグニン化合物、又はそれらの混合物からなる
群から選択された化合物と、アルデヒド、ケトン、又は
それらの混合物と縮合し、重合体材料2のプレポリマー
である縮合樹脂プレポリマー生成物、を生成させる材料
である。変性された出発材料を、縮合を開始させる前に
“Z"部分を最初含まないようにすることにより変性す
る。出発材料を縮合可能にするための付加的な変性は、
Y1からY4をZ、−CR11R5OR6、又は−CR4R5OR6すること
はできない点で必要なものとして認められるであろう。
その場合、“Z"部分(上述の如きもの)は、後で縮合プ
レポリマー樹脂を、(1)アルデヒド、ケトン又はそれ
らの混合物、及び(2)第二アミンと再び反応させるこ
とによってこれらの縮合プレポリマーへ付加し、酸と反
応することができ且つ(又は)過酸化水素と反応してア
ミンオキシドを発生することができ、水又は有機溶媒で
用いることができる付加物を生成させる。
この縮合生成物は、便宜上連続的反応によって製造さ
れるものとして記載されているが、これらの材料は、ど
のような順序でも又は同時的に必要な工程を行なうこと
によっても製造できることは、認められるであろう。し
かし、記載した順序が好ましい。
本発明の表面処理溶液は、重合体材料1、2、又はそ
れらの混合物を含み、それらは金属の表面上に重合体材
料を付着させるか又はさもなければ置くために、即ち金
属表面処理、金属表面後処理、ペイント、保護膜とし
て、又はそれらのいずれかの一成分として適したキャリ
ヤー中に溶解又は分散されているのが好ましい。
本発明のこれらの重合体材料は、水又は有機溶剤型キ
ャリヤー中に溶解又は分散出来るようにしてもよい。従
って、それらは、水、又は例えばエタノールの如き有機
溶剤に溶かした場合、処理溶液として用いてもよい。し
かし、選択された重合体材料はキャリヤーとして水性溶
液にして用いるのが好ましい。
従って、選択された重合体材料の水溶性又は水分散性
を与えるか又は改良するのが極めて望ましい。アミンオ
キシド部分を用いる外に、これは、その“Z"部分の中和
及び(又は)錯体化のために用いられる酸によって行な
われるのが好ましい(もしそれが必要なら)。そのよう
な酸は有機でも無機でもよい。この目的に有用で好まし
い酸には、炭酸、酢酸、クエン酸、蓚酸、アスコルビン
酸、フエニルホスホン酸、クロロメチルホスホン酸、モ
ノ−、ジ−、トリ−クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、硝
酸、燐酸、フッ化水素酸、硫酸、硼酸、塩化水素酸、六
フッ化珪酸、六フッ化チタン酸、六フッ化ジルコン酸等
が含まれる。これらは、単独で、又は互いに組み合わせ
て用いてもよく、慣用的酸・塩基反応又は錯体化によっ
て中和してもよい。極めて好ましい態様として、上述の
中和した、又は過度に中和した、又は部分的に中和した
処理化合物に水を添加することにより、金属処理に有用
な重合体の水可溶性又は分散性溶液又はエマルジョンが
得られる。
別法として、本発明の最終的重合体材料化合物は、フ
ェノール基を有機又は無機塩基で中和することにより、
水可溶性又は分散性にすることができる。この目的は適
切な塩基には、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸
化テトラアリールアンモニウムの如き水酸化テトラアル
キルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等が含まれる。
極めて好ましい態様として、最終的重合体材料は、
“Z"部分の充分な量又は部分がアミンオキシドであり、
従って中和を必要としないように、製造することができ
る。
そのような材料内のいずれか一つの単量体対他の単量
体の比は、約1:99〜約99:1にすることができ、好ましく
は約5:1〜約1:5であり、一層好ましくは1.5:1〜約1:1.5
である。
本発明で特許請求される誘導体の製造で用いられる多
価フェノールの分子量は、二量体でもよいが、約360〜
約30,000又はそれ以上の範囲の分子量をもつ低分子量オ
リゴマー又は樹脂状重合体であるのが好ましい。表面処
理組成物に有用な材料の分子量の上限は、一般に、それ
からの誘導体が選択されたキャリヤー中に可溶性である
か又は分散性でなければならないと言う機能的限界によ
って決定される。上に記載した式で得られる誘導体は、
典型的には、約2,000,000までの分子量をもち、約700〜
約70,000の範囲内の分子量が好ましい。
水溶液のpHは、約0.5〜約14の範囲内で変わるのが典
型的である。一般に、水溶液はその溶液の安定性及び処
理される金属表面に最良の結果を与えることの両方のた
め、約2.0〜約12のpHをもつであろう。
本発明の組成物及び処理溶液は、種々の材料、特に金
属及びプラスチックの表面、又は“プラスチック様の”
表面を処理するのに用いることができるように考えられ
ている。好ましい金属表面には、鉄−、亜鉛−及びアル
ミニウム−基金属が含まれる。好ましい“プラスチック
様の”材料表面には、熱可塑性及び熱硬化性材料及び天
然ゴム、これら材料の混合物等を含めた樹脂又は重合体
材料が含まれる。
適用される被覆は、性質が保護又は装飾のためのもの
でよく、或は他の処理のための表面の調整のためのもの
でもよい。それは、一度に幾つかの機能を果してもよ
い。
最終的乾燥又は硬化した被覆の厚さは、その目的又は
機能に依存し、典型的には、約0.001ミル〜約25ミル又
はそれ以上の範囲にあるであろう。典型的な好ましい金
属表面処理(転化型保護/ペイント型被覆の如き)は、
約0.05ミル以下、一層好ましくは約0.0001ミル〜約0.05
ミルの範囲にある。ペイント又は装飾性及び保護性表面
として働く場合、得られる被覆の厚さは約0.05ミル以上
であり、好ましくは約0.05〜約25ミル、一層好ましくは
約0.05〜約10ミルである。
本発明の処理化合物は、一般に、広い濃度範囲に亘っ
て表面処理組成物中に用いられるように更に意図されて
いる。利用範囲又は有用な範囲の水準は、当業者によく
知られた多くの因子によって変わることは認められるで
あろう。キャリヤー中に溶解又は分散される本発明の組
成物の有用な水準は、最終的用途に依存して、約0.001
%〜約80%の範囲にあるであろう。例えば、金属表面の
前−又は後−処理として用いられる場合、有用な水準は
典型的には約0.001〜約20重量%、好ましくは約0.001〜
約10重量%、更に一層好ましくは約0.001〜約5重量%
の中程度の濃度まで希釈剤を含む。実際的に言って、0.
0025〜1%の濃度が金属表面処理(特に鉄−、亜鉛−、
又はアルミニウム−基金属表面のための組成物)に好ま
しい。しかし、ある条件(例えば、溶液を移動又は保存
する場合、又はそれを適所乾燥“dry−in−place"系で
用いる場合)では、濃い溶液が好ましいであろう。処理
組成物がペイント系の一部をなしている場合、一層高い
水準(例えば、80重量%位の高さ)も用いられるであろ
う。
勿論本発明の処理溶液は、重合体化合物の外に、他の
同様な処理組成物(例えば、転化被覆組成物)に典型的
に見出だされる成分を含むこともできる。例えば、処理
溶液は、任意に本発明による処理化合物の有効な量と、
約0.001%〜約3.0%の金属イオンを含んでいてもよい。
本発明の多価フェノールと一緒にして金属処理に有用な
金属イオンには、一般に、第1列の遷移金属、一般に第
IV B族金属、鉄、ニッケル、コバルト、バナジウム、ク
ロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウ
ム、イットリウム、ランタン、及びそれらの各ランタノ
イド及びアクチノイド金属、及びモリブデン及びタング
ステンが含まれる。更に、使用中の処理溶液の効果又は
性能の両方を改善するため、錫、珪素、及びアルミニウ
ム化合物、特にそれらの酸化物を本発明の材料と組み合
わせて用いることができる。そのような材料は、金属表
面に処理溶液を適用する時間を、コイル被覆線で要求さ
れることがあるような約2〜5秒位の短い時間まで減少
させることもできる。錯体フッ化物材料を用いてもよ
い。例えば、適当な錯体フッ化物材料には、BF4 (-1)、N
H4HF2、六フッ化物等が含まれる。
金属イオンの添加は、重合体・金属イオンキレート化
合物の形成をもたらすことがあることは認められるはず
である。
本発明の重合体材料は、上述のもの以外の表面処理組
成物及び表面処理方法に用いてもよい。例えば、本発明
の重合体材料は、適所乾燥系、ペイント系の一成分とし
て、又は架橋剤を必要とする系の添加剤として用いても
よい。
例えば、本発明の重合体材料は、顔料を含むフイルム
形成性組成物に用いてもよく、即ちペイントとして用い
てもよい。それらは、ペイント系の他の重合体材料と一
緒に添加成分として用いられてもよい。本発明の重合体
材料は、陰極電気被覆表面処理組成物に特に有用であ
る。そのような保護的、機能的及び(又は)装飾的表面
処理溶液は、典型的な電気被覆/電着添加物をそれらの
分野で確立された水準で用いるのが好ましい。本発明の
重合体材料は、電気被覆ペイント中、可溶化用重合体及
び(又は)結合剤として用いられてもよい。従って、そ
れらは、単独で又は他の結合剤樹脂と一緒にして用いら
れてもよい。例えば、そのようなペイント組成物は、任
意に顔料(有機及び無機の両方);フイルム形成性樹
脂;エポキシ、油、アルキッド、アクリル、ビニル、ウ
レタン、フェノール系、等の結合剤;及び炭化水素、塩
素化脂肪族及び芳香族、アルコール、エーテル、ケト
ン、エステルを含めた溶剤;硝化した材料;及び粒状亜
鉛を含んでいてもよい。
従って、本発明の組成物及び材料は、表面上の重合体
被覆として他の樹脂と一緒に、又は単独で用いることが
できる。これらの被覆は、架橋するか又はそれ自身架橋
し、メラミン−ホルムアルデヒド、又は尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂、及びフェノール系樹脂、エポキシ樹脂、
イソシアネート及びブロックされたイソシアネートの如
き、他の架橋剤と一緒に用いることができる。マンニッ
ヒ付加物も、アルキッド樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂
等中のジアリルメラミン、ブタジエン、多官能アクリル
オリゴマー、不飽和脂肪酸の如き、樹脂中に存在するよ
うなビニル官能基と架橋するために使用することができ
る。
本発明の処理組成物を処理工程で金属又は他の希望の
表面に適用することは、慣用的方法で行なうことができ
る。金属表面は、転化被覆金属表面であるのが好ましい
であろうが、別法として処理工程は、別に未処理の金属
表面上に、腐食抵抗及びペイント付着性を改良するため
に行なうことができる。
例えば、処理組成物は、スプレー被覆、ローラー被覆
又は浸漬によって適用することができる。適用される溶
液の温度は、広い範囲に亘って変えることができるが、
好ましくは70゜F〜160゜Fである。処理溶液を金属表面
に適用した後、表面をすすぐことは任意であるが、良好
な結果は、処理後にすすぎをせずに得ることができる。
すすぎは、ある最終用途に対し、例えば、電気被覆ペイ
ント適用の際には、好ましいであろう。
処理した金属表面は任意に乾燥する。例えば、循環空
気又は炉乾燥により乾燥を行なうことができる。室温乾
燥を用いることができるが、必要な乾燥時間の長さを短
くするため上昇させた温度を使用するのが好ましい。
乾燥(もし望むならば)後、処理された金属表面を次
に直ちにペイント塗布(本発明の重合体材料を用いて
も、或は用いなくても)等に用いる。電気メッキと同
様、刷毛塗り、スプレー塗り、静電被覆、浸漬、ローラ
ー被覆の如き、適当な標準的ペイント又は他の被覆適用
方法を用いてもよい。本発明の処理工程の結果として、
転化被覆表面は、改良されたペイント付着及び腐食抵抗
特性を有する。
実施例1 平均分子量MW=5000を有するポリ−4−ビニルフェノ
ール樹脂80g(0.67モル)を、1樹脂フラスコ中で高
速撹拌器を用いて160mlのプロパゾルP(コネチカット
州ダンベリーのユニオン・カーバイド社から得られたプ
ロポキシル化プロパノール溶剤)中にゆっくり溶解し
た。樹脂フラスコには羽根型撹拌器、還流擬縮器及び窒
素導入器が取り付けてあった。次に樹脂溶液に51gの2
−N−メチル−アミノ−エタノール及び160mlの脱イオ
ン水を入れた。60℃への緩やかな加熱を開始し、次にホ
ルムアルデヒドの37%水溶液54.3gを45分間に亙って添
加した。次に反応を5時間80℃へ加熱し、その時にホル
ムアルデヒドの水準は0.1%より低く低下し、反応が完
了したことを示していた。次に反応混合物を、40℃の温
度に到達するまで冷却した。次に、ポリ−4−ビニルフ
ェノールの上記マンニッヒ付加物に、950gの脱イオン水
及び30%過酸化水素溶液85g(0.75モル)を添加し、温
度を40℃に保ちながら一晩反応させた。
この方法によって形成されたマンニッヒ付加物のアミ
ンオキシドは、更に、中和するこことなく水溶性であっ
た。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−207972(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量360〜2,000,000の重合体材料1及び
    その塩からなる群から選択された少なくとも一種類の化
    合物からなる単独重合体又は共重合体の金属表面処理用
    水溶液又は分散液、但し; 重合体材料1は、次の式を有する少なくとも一つの繰返
    し単位を有する材料からなり、 R1〜R3は、水素、1〜約5個の炭素原子を有するアルキ
    ル基、又は約6〜約18個の炭素原子を有するアリール基
    から、前記繰り返し単位の各々に対し独立的に選択され
    る; Y1〜Y4は、水素、Z、−CR4R5OR6、−CH2C1又は1〜18
    個の炭素原子を有するアルキル又はアリール基から、前
    記繰り返し単位の各々に対し独立的に選択され、但しY1
    〜Y4単位の一つの少なくとも一部分はZである; Zは、 R4〜R12は、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシ−
    アルキル、アミノ−アルキル、メルカプト−アルキル、
    ホスホ−アルキル部分、−O(-1)又は−OHから、前記繰
    り返し単位の各々に対し独立的に選択される;但しZの
    少なくとも一部はアミンオキシド又はヒドロキシルアミ
    ンである; W1は、水素、アシル、アセチル、ベンゾイル、3−アリ
    ルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−ベンジル
    オキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−アルキルベ
    ンジルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−フェ
    ノキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−アルキルフ
    ェノキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−、3−ブトキシ
    −2−ヒドロキシ−プロピル−、3−アルキルオキシ−
    2−ヒドロキシ−プロピル−、2−ヒドロキシオクチル
    −、2−ヒドロキシ−2−アルキル−、2−ヒドロキシ
    −2−フェニル−エチル−、2−ヒドロキシ−2−アル
    キル−フェニル エチル−、イソプロペニル−、プロペ
    ニル−、ベンジル−、アルキル、アリル−、アルキルベ
    ンジル−、ハロアルキル−、ハロアルケニル、2−クロ
    ロ−プロペニル−、ナトリウム、カリウム、テトラアリ
    ールアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、テト
    ラアルキルホスホニウム、テトラアリールホスホニウ
    ム、又はエチレンオキシド、プロピレンオキシド 又は
    それらの混合物又は共重合体の縮合生成物からなる群か
    ら、前記繰り返し単位の各々に対し独立的に選択され
    る。
  2. 【請求項2】分子量360〜2,000,000の重合体材料2及び
    その塩からなる群から選択された少なくとも一種類の化
    合物からなる単独重合体又は共重合体の金属表面処理用
    水溶液又は分散液、但し; 重合体材料2は、請求項1の重合体材料1の縮合可能な
    形のものを、フェノール、タンニン、ノボラック樹脂、
    リグニン化合物からなる群から選択された化合物と、ア
    ルデヒド、ケトン、又はそれらの混合物と一緒に縮合
    し、得られる縮合プレポリマー樹脂生成物を(i)アル
    デヒド又はケトン及び(ii)第二アミンと反応させて、
    付加物を生成させ、その付加物を過酸化水素と反応さ
    せ、アミンオキシドを形成させた縮合重合体である。
  3. 【請求項3】金属表面に、請求項1又は2に記載の水溶
    液又は分散液を適用することを特徴とする表面処理方
    法。
  4. 【請求項4】水溶液又は分散液が架橋剤を含む請求項3
    に記載の表面処理方法。
  5. 【請求項5】水溶液又は分散液が、フィルム形成性樹
    脂、顔料、結合剤、粒状亜鉛、又はそれらの混合物から
    なる群から選択されたペイント系添加物を含む請求項3
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】水溶液又は分散液がホスフェートを含む請
    求項3に記載の表面処理方法。
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