JP2553289Y2 - 生理用ナプキン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は生理用ナプキンに係るものであって、装着し
たナプキンのズレを防止し、横漏れを生じることのない
ようにするため、ショーツ外面への折返しフラップを設
けて成るものである。

従来の技術 従来、ショーツに止着して装着を行う生理用ナプキン
には、吸収層の両側位置に突出した折返しフラップのシ
ョーツへの接触両側に、外面貼着部を設け、また折返し
フラップ間の防漏シートには、内面貼着部を設け、折返
しフラップをショーツ外面に折返し貼着可能としたもの
が存在する。

この従来のナプキンは、不使用時に他の部分に接触す
るのを防止するため、外面貼着部と内面貼着部とを、離
型紙で被覆する事が行われている。この被覆方法は、一
枚の離型紙で両者を同時に被覆したり、各々別個に複数
枚の離型紙で被覆する事が行われている。

しかしながら、どちらの方法も、離型紙の使用量が多
く、コストが高くなり不経済である。

また、パルプから製造する離型紙の使用量が多いと、
パルプの原料となる木材の消費量が多くなり、資源を有
効に利用する事が困難となり、好ましくない。

また、離型紙を多く用いると、離型紙がトイレの中に
散乱したり、水洗の詰まりを生じたりする欠点を有して
いた。

考案が解決しようとする課題 本考案は上述のごとき課題を解決しようとするもので
あって、ショーツ外面に折返しフラップを止着する生理
用ナプキンに於て、貼着部を被覆する目的の離型紙の使
用量を少なくして、資源の有効な利用と廉価な生産を行
い、トイレの汚染等も防止しようとするものである。

課題を解決するための手段 本考案は上述のごとき課題を解決するため、透水性の
表面シートと非透水性の防漏シートとの間に、表面シー
トおよび防漏シートよりも小面積の体液吸収性の吸収層
を介装するとともに吸収層の両側位置に、折返しフラッ
プを突出し、この折返しフラップのショーツへの接触面
側に、外面貼着部を設けるとともに折返しフラップ間の
防漏シートに内面貼着部を設け、折返しフラップをショ
ーツ外面に折返し貼着可能としたものに於て、折返しフ
ラップを外面貼着部の内側縁から内方に折曲した時に、
折返しフラップの内方に位置して外面貼着部に対応する
外側離型面を形成し、この外側離型面で外面貼着部を剥
離可能に被覆して成るものである。

また、折返しフラップは、防漏シートの両側を折返し
て吸収層の両側表面を被覆する両側片を設け、この両側
片の対向方向の内方に突出して形成しても良い。

また、内面貼着部は、一枚の離型紙により被覆しても
良い。

また、折返しフラップは、外面貼着部に対応する裏側
に内側離型面を設け、外面貼着部を外側離型面にて被覆
後、更に折返しフラップを内面貼着部側に折返す事によ
り、内側離型面で内面貼着部を被覆可能にしても良い。

作用 本考案は上述のごとく構成したものであるから、ナプ
キンを装着するには、防漏シートに設けた内面貼着部
を、離型紙または他の被覆手段から剥離する。そして股
下まで降ろしたショーツ等の下着の内面に内面貼着部を
貼着し、この貼着状態のまま、ショーツを引き上げて着
用する。次に折返しフラップの外面貼着部をショーツ外
面に貼着するには、ショーツの股部両側から突出する折
返しフラップを、内側縁を介して外方に展開し、外面貼
着部から外側離型面を剥離する。そして折返しフラップ
を、基端部を介して内方に折返し、外面貼着部をショー
ツの外面貼着部に貼着すれば、ナプキンをショーツに止
着した状態で装着できる。

このようにナプキンを装着する場合に、外面貼着部か
ら剥離する外側離型面は、折返しフラップを外面貼着部
の内側縁から内方に折曲した時に、折返しフラップ上で
外面貼着部と対応する位置に形成している。

したがって、外面貼着部を被覆するための離型紙が不
要となり、離型紙を剥離したり捨てる手間が不要とな
る。また、従来品に比し離型紙の使用量が少ないので、
ゴミの発生を防止してトイレの汚染を防止するとともに
廉価で経済的な製造が可能となる。また離型紙の製造に
必要なパルプの使用量が少ないものであるから、パルプ
の原料となる木材の消費量も少なく、資源の有効な利用
が可能になる。

また、折返しフラップには、防漏シートの両側を折返
して吸収層の両側表面を被覆する両側片を設け、この両
側片の対向方向の内方に突出して形成すれば、経血を多
量に吸収した場合にも、両側片が経血の横漏れを防止し
て、下着等への汚染防止が可能になる。

また、内面貼着部を、一枚の離型紙により被覆すれ
ば、離型紙の使用量が多くなるものの、折返しフラップ
に設けた外面貼着部を考慮することなく、内面貼着部の
寸法、形状等を決定できる。したがって、生理用ナプキ
ンの設計上の自由度が高くなる利点を有している。

また、折返しフラップは、外面貼着部に対応する裏側
に内側離型面を設け、外面貼着部を外側離型面にて被覆
後、更に折返しフラップを内面貼着部側に折返す事によ
り、内側離型面で内面貼着部を被覆可能とする。このよ
うに構成すれば、離型紙が完全に不要となり、さらに廉
価で経済的な製造が可能となる。また、離型紙を必要と
しないので、資源の節約による有効利用が可能に成るも
のである。

実施例 以下本考案の実施例を図面に於いて説明すれば、
（１）は吸収層で、コットン、パルプ等の体液吸収性の
吸収材により形成し、表面側を、メッシュシート、不織
布等の透水性の表面シート（２）で被覆し、裏面側を、
ポリエチレン等の非透水性の防漏シート（３）で被覆し
ている。またこの防漏シート（３）および表面シート
（２）を、吸収層（１）よりも大きな面積で形成し、防
漏シート（３）および表面シート（２）とから成る外周
フラップ（４）を、吸収層（１）の外周に突設する。

また、この外周フラップ（４）は、第１図に示す如
く、吸収層（１）の両側に折返しフラップ（５）を直接
突出している。この折返しフラップ（５）は、ショーツ
への接触面側に、ホットメルト等の貼着剤を塗布して設
けた外面貼着部（６）を形成している。

また、この外面貼着部（６）を、不使用時に被覆する
外側離型面（７）を形成する。この外側離型面（７）
は、第２図に示す如く、折返しフラップ（５）を外面貼
着部（６）の内側縁（８）から内方に折曲した時に、外
面貼着部（６）に対応するよう折返しフラップ（５）の
内方に形成する。そして折曲状態の折返しフラップ
（５）を、内側縁（８）から外方に展開する事により、
外面貼着部（６）から外側離型面（７）を剥離可能とし
ている。

この外側離型面（７）の形成方法は、シリコン、フッ
素等を防漏シート（３）に塗布して形成する事ができ
る。また他の形成方法としては、ポリエチレン等から成
るリリーステープを防漏シート（３）に止着して形成す
る事が可能である。

また、折返しフラップ（５）（５）間の防漏シート
（３）には、ホットメルト等の塗布により内面貼着部
（10）を形成し、ショーツ内面への貼着を可能とする。
またこの内面貼着部（10）が、不使用時に他のものに付
着しないように、内面貼着部（10）を一枚の離型紙（1
1）で剥離可能に被覆する。

上述の如く構成したものに於て、ナプキン（12）を装
着するには、防漏シート（３）に設けた内面貼着部（1
0）を、離型紙（11）から剥離する。そして股下まで降
ろしたショーツ等の下着の内面に内面貼着部（10）を貼
着し、この貼着状態のまま、ショーツを引き上げて着用
する。次に折返しフラップ（５）の外面貼着部（６）を
ショーツ外面に貼着するには、ショーツの股部両側から
突出する折返しフラップ（５）を、内側縁（８）を介し
て外方に展開し、外面貼着部（６）から外側離型面
（７）を剥離する。そして折返しフラップ（５）を、基
端部（13）を介して内方に折返し、外面貼着部（６）を
ショーツの外面に貼着すれば、ナプキン（12）をショー
ツに止着した状態で装着できる。

このようにナプキン（12）は、外面貼着部（６）を被
覆するための離型紙が不要となり、離型紙を剥離したり
捨てる手間が不要となる。また、従来品に比し離型紙の
使用量が少ないので、廉価で経済的な製造が可能とな
る。また、離型紙の製造に必要なパルプの使用量が少な
いものであるから、パルプの原料となる木材の消費量も
少なく、資源の有効な利用が可能になる。

また、上記実施例では、折返しフラップ（５）を、外
周フラップ（４）から直接突出して形成したが、異なる
実施例に於ては、折返しフラップ（５）は、第３図、第
４図に示す如く、防漏シート（３）の両側を折返して吸
収層（１）の両側表面を被覆する両側片（14）を設け、
この両側片（14）の対向方向の内方に突出する。

この場合、不使用時の折返しフラップ（５）は、内側
縁（８）を折返して外面貼着部（６）を外側離型面
（７）で被覆し、表面シート（２）側に位置する。そし
てナプキン（12）の装着を行う場合には、折返しフラッ
プ（５）を、第５図、第６図に示す如く基端部（13）を
介して防漏シート（３）側に折曲する。

このようにナプキン（12）を装着すると、吸収層
（１）の両側表面を被覆する両側片（14）が立ち上が
り、経血を多量に吸収した場合にも、両側片（14）が経
血の横漏れを防止して、下着等への汚染防止が可能にな
る。

また、上記実施例では、内面貼着部（10）を、一枚の
離型紙（11）により被覆したが、他の異なる実施例に於
ては、折返しフラップ（５）は、第７図に示す如く、外
面貼着部（６）に対応する裏側に内側離型面（15）を設
け、外面貼着部（６）を外側離型面（７）にて被覆後、
更に折返しフラップ（５）を内面貼着部（10）側に折返
す事により、内側離型面（15）で内面貼着部（10）を被
覆可能としている。

このように形成すれば、不使用時には内面貼着部（1
0）を、内側離型面（15）で被覆でき、離型紙が完全に
不要となるので、さらに廉価で経済的な製造が可能とな
る。また、離型紙を必要としないので、資源の節約によ
る有効利用が可能に成るものである。

考案の効果 本考案は上述のごとく構成したものであるから、ショ
ーツ外面に折返しフラップを止着する生理用ナプキンに
於て、ナプキンを使用する場合に、外面貼着部を被覆す
るための離型紙が不要となり、離型紙を剥離したり捨て
る手間が不要となる。また、従来品に比し離型紙の使用
量が少ないので、廉価で経済的な製造が可能になる。

また、離型紙の製造に必要なパルプの少量使用によっ
て、資源の有効な利用が可能になるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図はナ
プキンの裏面の平面図、第２図は外面貼着部を外側離型
面で被覆した状態の拡大断面図、第３図は異なる実施例
の平面図、第４図は第３図のＡ−Ａ線拡大断面図、第５
図は異なる実施例の使用状態を示す平面図、第６図は第
５図のＢ−Ｂ線拡大断面図、第７図は他の異なる実施例
の裏面側を示す平面図、第８図は他の異なる実施例の使
用状態を示す拡大断面図である。 （１）……吸収層、（２）……表面シート （３）……防漏シート、（５）……折返しフラップ （６）……外面貼着部、（７）……外側離型面 （８）……内側縁、（10）……内面貼着部 （11）……離型紙、（14）……両側片 （15）……内側離型面

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透水性の表面シートと非透水性の防漏シー
   トとの間に、表面シートおよび防漏シートよりも小面積
   の体液吸収性の吸収層を介装するとともに吸収層の両側
   位置に、折返しフラップを突出し、この折返しフラップ
   のショーツへの接触面側に、外面貼着部を設けるととも
   に折返しフラップ間の防漏シートに内面貼着部を設け、
   折返しフラップをショーツ外面に折返し貼着可能とした
   ものに於て、折返しフラップを外面貼着部の内側縁から
   内方に折曲した時に、折返しフラップの内方に位置して
   外面貼着部に対応する外側離型面を形成し、この外側離
   型面で外面貼着部を剥離可能に被覆して成る事を特徴と
   する生理用ナプキン。
2. 【請求項２】折返しフラップは、防漏シートの両側を折
   返して吸収層の両側表面を被覆する両側片を設け、この
   両側片の対向方向の内方に突出して形成した事を特徴と
   する請求項１記載の生理用ナプキン。
3. 【請求項３】内面貼着部は、一枚の離型紙により被覆す
   る事を特徴とする請求項１記載の生理用ナプキン。
4. 【請求項４】折返しフラップは、外面貼着部に対応する
   裏側に内側離型面を設け、外面貼着部を外側離型面にて
   被覆後、更に折返しフラップを内面貼着部側に折返す事
   により、内側離型面で内面貼着部を被覆可能として成る
   事を特徴とする請求項１記載の生理用ナプキン。