JP2528090Y2 - 生理用ナプキン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は生理用ナプキンに係るものであって、貼着層
によりナプキンを下着に止着し、使用時のズレや体液の
横漏れを防止しようとするものである。

従来の技術 従来、ショーツに止着して装着を行う生理用ナプキン
には、下着と接触する防漏シートの外面にホットメルト
等の貼着層を形成し、この貼着層を使用時まで剥離紙で
被覆する事が行われていた。

そして、ナプキンをショーツに貼着して使用する場合
に、剥離紙を貼着層から剥離するが、この剥離紙が静電
気により使用者の手にまつわり付いたりする不快感があ
り、また剥離紙がそのまま放置されて便所内を汚した
り、水洗を詰まらせる等の問題を生じていた。

考案が解決しようとする課題 本考案は上述のごとき課題を解決しようとするもので
あって、ショーツへの止着を可能とするナプキンに於
て、剥離紙を不要とする事により、ナプキンを使用する
場合に、ゴミの発生を防止して、使用者に余分な手間や
不快感を生じさせないようにしようとするものである。

課題を解決するための手段 本考案は上述のごとき課題を解決するため、透液性の
表面シートと非透液性の防漏シートの間に、体液吸収性
の吸収層を介装したものに於て、防漏シートの外面に基
材テープの固定片を固定し、この基材テープの固定片の
外方を固定片に対向して折曲する事により折曲片を設
け、この折曲片の内側と防漏シートへの固定片部分の外
側に折曲対向面を各々形成し、この折曲対向面の少なく
とも一方に貼着層を形成するとともに貼着層に対応する
剥離層を折曲対向面の少なくとも他方に形成して成るも
のである。

また、他の異なる考案は、透液性の表面シートと非透
液性の防漏シートの間に、体液吸収性の吸収層を介装し
たものに於て、防漏シートの外面に基材テープの固定片
を固定し、この基材テープの固定片の外方を固定片に対
向して折曲する事により折曲片を設け、この折曲片を、
防漏シートに固定した固定片部分よりも幅広に形成して
幅広部を設けるとともに幅広部以外の折曲片の内側と、
防漏シートへの固定片部分の外側とに折曲対向面を各々
形成し、この折曲対向面の少なくとも一方に貼着層を形
成するとともに貼着層に対応する剥離層を折曲対向面の
少なくとも他方に形成し、また幅広部に対応する防漏シ
ートに貼着層を形成し、この貼着層を折曲片に設けた剥
離層で被覆可能として成るものである。

また、一対の折曲対向面は、貼着層を一方の折曲対向
面の全体に形成し、この貼着層に対応する剥離層を、他
方の折曲対向面の全体に形成しても良い。

また、一対の折曲対向面は、一方の折曲対向面に貼着
層と剥離層とを隣接して交互に形成し、この一方の折曲
対向面の貼着層に対応する剥離層と、剥離層に対応する
貼着層を他方の折曲対向面に形成しても良い。

また、基材テープは、防漏シートの長手方向側に折曲
片の折曲部を位置して設けても良い。

作用 本考案は、上述のごとく構成したものであるから、使
用前のナプキンは、基材テープの折曲対向面に形成した
貼着層を剥離層で被覆し、他のものへの貼着層の貼着を
防止している。

そして、使用者の局部にナプキンを装着するには、基
材テープの折曲片を外側に展開し、折曲対向面に形成し
た貼着層から剥離層を剥離する。次に腰から引き下げた
ショーツの股部内面に、使用者側に表面シートを対向さ
せてナプキンを位置する。そして、ショーツを引き上げ
て着用し、基材テープの折曲片をショーツの股部の外面
に貼着し、ショーツにナプキンを止着固定する。

このように、貼着層を被覆する剥離層は、基材テープ
の折曲対向面に形成され、ナプキンと離れる事がないの
で、剥離層は使用時にゴミとなって、使用者の邪魔にな
るような事がなく、便所内に散乱して水洗を詰まらせた
りする事もない。

また、一対の折曲対向面を、貼着層を一方の折曲対向
面の全体に形成し、この貼着層に対応する剥離層を、他
方の折曲対向面の全体に形成すれば、貼着層と剥離層の
形成を、手数を要する事なく基材テープに形成する事が
できる。

また、一対の折曲対向面を、一方の折曲対向面に貼着
層と剥離層とを隣接して交互に形成し、この一方の折曲
対向面の貼着層に対応する剥離層と、剥離層に対応する
貼着層とを、他方の折曲対向面に形成すれば、ショーツ
の内面および外面の両面に貼着層を貼着する事が可能と
なり、安定したナプキンの装着が可能となる。

また、基材テープを、折曲片を防漏シートへの固定部
分より幅広に形成し、防漏シートに直接形成した貼着層
を、剥離層を設けた幅広部で被覆する。この折曲片の剥
離層の隣接部に貼着層を設け、この貼着層に対応する固
定部分に剥離層を形成すれば、ショーツの内面および外
面に貼着層を貼着して安定したナプキンの装着が可能に
なる。また、基材テープの少ない使用により、廉価な製
造が可能になる。

また、基材テープを、防漏シートの長手方向側に折曲
片の折曲部を位置して設ければ、貼着層をショーツの外
面に位置させる事なく、内面の前後に位置して止着する
事が可能となる。そのため、外面側に貼着層を折り返す
事ができないタイツ、レオタード等の着用時や、また折
曲片を折り返すと外部に露出して好ましくないような場
合に、便利な装着が可能になるものである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に於いて説明すれば、
（１）は吸収層で、コットン、パルプ等の体液吸収性の
吸収材により形成し、表面側を不織布等の透液性の表面
シート（２）で被覆し、裏面側をポリエチレン等の非透
液性の防漏シート（３）で被覆する。

また、この表面シート（２）と防漏シート（３）を吸
収層（１）の外周に突出して固定し、フラップ（４）と
している。また、防漏シート（３）の外面に、ポリエチ
レンフィルム等による基材テープ（５）を一対若しくは
一連に連結して設けている。この基材テープ（５）は、
第２図、第３図に示す如く、防漏シート（３）に固定す
る固定片（６）と、この固定片（６）に対向して外方を
折曲部（７）で折曲した折曲片（８）とを設けている。

そして、固定片（６）の内面に、貼着層（10）を設
け、この貼着層（10）を介して基材テープ（５）を防漏
シート（３）の外面に固定している。また、この基材テ
ープ（５）は、折曲片（８）の内側と固定片（６）の外
側に、折曲対向面（11）（12）を各々一対で形成する。
そして、折曲片（８）側の折曲対向面（11）に、ホット
メルト等を塗布して、貼着層（13）を全体に形成してい
る。また固定片（６）側の折曲対向面（12）全体には、
離型作用を有するシリコン等を塗布して剥離層（14）を
形成している。

また、折曲片（８）の外面には、剥離層（15）を形成
しているが、これは基材テープ（５）の製造工程で長尺
状の基材テープ（５）を、ロールに巻き付けるときに、
固定片（６）の内側の貼着層（10）と、この貼着層（1
0）に接触する折曲片（８）の外面との固着を防止する
ためのものであって、ナプキン（16）としての構成上は
必ずしも必要ではない。

上述の如く構成したものに於て、使用前のナプキン
（16）は、第３図に示す如く基材テープ（５）の折曲対
向面（11）に形成した貼着層（13）を、折曲対向面（1
2）に設けた剥離層（14）で被覆し、他のものへの貼着
を防止する。

そして、使用者の局部にナプキン（16）を装着するに
は、基材テープ（５）の折曲片（８）を外側に展開し、
折曲対向面（11）の貼着層（13）から折曲対向面（12）
の剥離層（14）を剥離する。次に、腰から引き下げたシ
ョーツ（17）の股部内面に、使用者側に表面シート
（２）を対向させてナプキン（16）を位置する。そし
て、ショーツ（17）を引き上げて着用し、基材テープ
（５）の折曲片（８）を、ショーツ（17）の股部の外面
に貼着し、ショーツ（17）にナプキン（16）を止着固定
する。

また、異なる実施例に於て、一対の折曲対向面（11）
（12）を、第６図に示す如く一方の折曲対向面（11）に
貼着層（13）と剥離層（14）とを隣接して交互に形成
し、この一方の折曲対向面（11）の貼着層（13）に対応
する剥離層（14）と、剥離層（14）に対応する貼着層
（13）を他方の折曲対向面（12）に形成する。このよう
に形成すれば、ショーツ（17）の内面および外面の両面
に貼着層（13）を貼着する事が可能となり、安定したナ
プキン（16）の装着が可能となる。

また、更に異なる実施例に於て基材テープ（５）を、
第７図に示す如く折曲片（８）を固定片（６）よりも幅
広に形成し、防漏シート（３）に直接形成した貼着層
（18）を、折曲片（８）の幅広部に設けた剥離層（20）
で被覆する。この折曲片（８）の剥離層（14）の隣接部
に貼着層（13）を設け、この貼着層（13）に対応する固
定片（６）に、剥離層（14）を形成する。このように形
成する事により、第８図に示すごとくショーツ（17）の
内面および外面に貼着層（13）（18）を貼着して安定し
たナプキン（16）の装着が可能になるとともに基材テー
プ（５）の少ない使用により、廉価な製造が可能にな
る。

また、基材テープ（５）を、上記実施例の如くショー
ツ（17）の外面に折曲する事なく、異なる実施例では第
９図に示す如く、防漏シート（３）の長手方向側に折曲
片（８）の折曲部（７）を位置して形成する。このよう
に形成する事により、貼着層（13）をショーツ（17）の
外面に位置させる事なく、内面の前後に位置して止着す
る事が可能となる。そのため、外面側に貼着層（13）を
折り返す事ができないタイツ、レオタード等の着用時
や、また折曲片（８）を折り返すと外部に露出して好ま
しくないような場合に、便利な装着が可能になるもので
ある。

考案の効果 本考案は上述のごとく構成したものであるから、ナプ
キンを使用する場合に、貼着層を被覆する剥離層は、ナ
プキンと離れる事がないので、剥離紙が使用者の手にま
つわり付いて不快感を生じる事がない。

また、使用者は剥離層を捨てる手間が不要であるか
ら、便所内に剥離層が捨てられたり、捨てられた剥離層
によって、水洗を詰まらせる事もなく、衛生的で便利な
使用を可能にするものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は斜
視図、第２図は基材テープの拡大断面図、第３図は第１
図のＡ−Ａ線断面図、第４図、第５図はショーツへの生
理用ナプキンの装着の過程を示す断面図、第６図は他の
異なる実施例の基材テープの拡大断面図、第７図は更に
異なる実施例の断面図、第８図は第７図に示す実施例の
ショーツへの装着状態を示す断面図、第９図は他の異な
る実施例の平面図である。 （１）……吸収層 （２）……表面シート （３）……防漏シート （５）……基材テープ （６）……固定片 （８）……折曲片 （11）……折曲対向面 （12）……折曲対向面 （13）……貼着層 （14）……剥離層 （18）……貼着層 （20）……剥離層

Claims (5)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性の表面シートと非透液性の防漏シー
   トの間に、体液吸収性の吸収層を介装したものに於て、
   防漏シートの外面に基材テープの固定片を固定し、この
   基材テープの固定片の外方を固定片に対向して折曲する
   事により折曲片を設け、この折曲片の内側と防漏シート
   への固定片部分の外側に折曲対向面を各々形成し、この
   折曲対向面の少なくとも一方に貼着層を形成するととも
   に貼着層に対応する剥離層を折曲対向面の少なくとも他
   方に形成した事を特徴とする生理用ナプキン。
2. 【請求項２】透液性の表面シートと非透液性の防漏シー
   トの間に、体液吸収性の吸収層を介装したものに於て、
   防漏シートの外面に基材テープの固定片を固定し、この
   基材テープの固定片の外方を固定片に対向して折曲する
   事により折曲片を設け、この折曲片を、防漏シートに固
   定した固定片部分よりも幅広に形成して幅広部を設ける
   とともに幅広部以外の折曲片の内側と、防漏シートへの
   固定片部分の外側とに折曲対向面を各々形成し、この折
   曲対向面の少なくとも一方に貼着層を形成するとともに
   貼着層に対応する剥離層を折曲対向面の少なくとも他方
   に形成し、また幅広部に対応する防漏シートに貼着層を
   形成し、この貼着層を折曲片に設けた剥離層で被覆可能
   とした事を特徴とする生理用ナプキン。
3. 【請求項３】一対の折曲対向面は、貼着層を一方の折曲
   対向面の全体に形成し、この貼着層に対応する剥離層
   を、他方の折曲対向面の全体に形成した事を特徴とする
   請求項１記載の生理用ナプキン。
4. 【請求項４】一対の折曲対向面は、一方の折曲対向面に
   貼着層と剥離層とを隣接して交互に形成し、この一方の
   折曲対向面の貼着層に対応する剥離層と、剥離層に対応
   する貼着層を他方の折曲対向面に形成した事を特徴とす
   る請求項１記載の生理用ナプキン。
5. 【請求項５】基材テープは、防漏シートの長手方向側に
   折曲片の折曲部を位置して設けた事を特徴とする請求項
   １または２記載の生理用ナプキン。