JP2552748B2 - 陰極析出型電着塗料組成物 - Google Patents

陰極析出型電着塗料組成物

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JP2552748B2
JP2552748B2 JP2056254A JP5625490A JP2552748B2 JP 2552748 B2 JP2552748 B2 JP 2552748B2 JP 2056254 A JP2056254 A JP 2056254A JP 5625490 A JP5625490 A JP 5625490A JP 2552748 B2 JP2552748 B2 JP 2552748B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性、耐クレゾール性低温硬化性の優れ
た陰極析出型電着塗料組成物に関する。
(従来の技術) 塩基性基を有する樹脂を、酸基で中和または乳化し
て、水溶液または乳化液にしたのち、電着塗装を行うと
陰極に樹脂が析出する。陽極析出型電着塗料は被塗物金
属の溶出およびそれに起因するところの金属の劣化、塗
料の安定性等の問題点を有する。
また、通常の陰極析出型電着塗料の硬化方法としては
アミノ樹脂やブロックイソシアネートあるいは樹脂自体
の酸化重合による方法が多用されている。しかしなが
ら、アミノ樹脂を用いる硬化方法では、アルコール、水
の脱離の問題、反応により形成された結合の熱安定性、
耐溶剤性等の問題がある。また、ブロックイソシアネー
ト化合物を用いる方法では、同じく、ブロック剤の離脱
に伴う作業環境の汚染、耐熱時反応のブロック剤の離
脱、ウレタン結合の切断等に伴う塗膜の膜厚減少、熱溶
剤による溶出の問題がある。酸化重合による硬化方式で
は、実用的な塗膜を得るために高温、長時間を必要とす
る。また、低温で硬化可能な酸化重合法(特開昭56−15
1777号公報)も、反応により形成された結合の熱安定
性、耐溶剤性に難点を有する。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は重付加反応により比較的低温で硬化し、しか
も得られた塗膜が耐熱性および耐溶剤性(特に、耐クレ
ゾール性)の高い陰極析出型電着塗料組成物を提供する
ことを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは種々研究した結果、反応性の高いアクリ
ル(メタクリル)性二重結合の導入と金属ドライヤーの
導入により、比較的低い温度で硬化させると共に、プロ
パギル化合物の導入により、オレフィン化合物と加熱に
よる重付加反応を利用し、高分子量体を与えることで、
耐熱性および耐クレゾール性を有する陰極析出型電着塗
料が作成できることを見い出した。即ち、本発明は (A)(1)500〜5000の分子量で50〜500のヨウ素価の
炭素−炭素二重結合およびオキシラン酸素を3〜12重量
%有する高分子化合物、 (2)該高分子化合物100g当り30〜300ミリモルの、一
般式 [式中、R1およびR2はその一部がヒドロキシル基で置換
されていても良い炭素数1〜20の炭化水素を表わし、た
だしR1とR2は環構造を取ることができ、環構造中には不
飽和基を含むことができる。] で表わされるアミン化合物および (3)前記(1)の高分子化合物100g当り0〜200ミリ
モルの一般式 [式中、R3およびR4は水素原子またはメチル基を表わ
す。] で表わされるα,β不飽和カルボン酸あるいは分子量10
0〜350で炭素−炭素共役二重結合を10重量%以上含む不
飽和脂肪酸あるいはそれらの混合物の反応生成物100重
量部、 (B)一般式 [式中、R5、R6は水素原子またはメチル基、nは0ない
し20好ましくは1ないし10の整数を表わす] で示されるジグリシジル化合物と該ジグリシジル化合物
1分子当り1.9〜2.1モルの、一般式 [式中、R3およびR4は水素原子またはメチル基を表わ
す。] で表わされるα,β不飽和カルボン酸あるいは分子量10
0〜350で炭素−炭素共役二重結合を10重量%以上含む不
飽和脂肪酸あるいはそれらの混合物の反応生成物10〜20
0重量部、 (C)式 [式中、R7はC6〜C7の脂環族基またはベンゼン、ナフタ
レン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルスル
ホンから選ばれる芳香族基(これらは低級アルキル基、
ハロゲン、ニトロ、低級アルコキシル基およびシアノ基
からなる置換基をしていてもよい。)を示し、nは1〜
4の数を示す。] で表わされるプロパルギル化合物、および (D)水溶性の有機酸金属塩0.005〜20重量部(金属量
として) を必須成分として含有する陰極析出型電着塗料組成物を
提供する。
本発明の(A)成分の出発原料である500〜5000の分
子量で50〜500のヨウ素価の炭素−炭素二重結合を有す
る高分子化合物は従来公知の方法で製造される。
すなわち、アルカリ金属または有機アルカリ金属化合
物を触媒として炭素数4〜10の共役ジオレフィン単独、
あるいはこれらのジオレフィン同志、あるいは共役ジオ
レフィンに対して50モル%以下の量の芳香族ビニルモノ
マー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエンまたはジビニルベンゼンとを0〜100℃の温度で
アニオン重合または共重合させる方法が代表的な製造方
法である。この場合、分子量を制御し、ゲル分などの少
ない、淡色の低重合体を得るためにはベンジルナトリウ
ムのような有機アルカリ金属化合物を触媒とし、アルキ
ルアリール基を有する化合物、例えばトルエンを連鎖移
動剤とする連鎖移動重合法(米国特許第3,789,090号)
あるいはテトラヒドロフラン溶媒中でナフタリンのよう
な多環芳香族化合物を活性剤とし、ナトリウムのような
アルカリ金属を触媒とするリピング重合法(特公昭42−
17485号、同43−27432号)あるいはトルエン、キシレン
のような芳香族炭化水素を溶媒とし、ナトリウムのよう
なアルカリ金属の分散体を触媒とし、ジオキサンのよう
なエーテル類を添加して分子量を制御する重合法(特公
昭32−7446号、同38−1245号、同34−10188号)などが
好適な製造方法である。また8族金属、例えばコバルト
またはニッケルのアセチルアセトナート化合物およびア
ルキルアルミニウムハロゲニドを触媒とする配位アニオ
ン重合によって製造される(特公昭45−507号、同46−8
0300号)低重合体も用いることができる。
本発明の(A)成分は前記不飽和化合物を過酸化水
素、過酸等の過酸化物を用いて公知の方法でエポキシ化
しオキシラン酸素基を酸素として3〜12重量%導入した
後、一般式 [式中、R1およびR2は前記と同じ] で表わされるアミン化合物を溶媒の存在下あるいは不存
在下で50〜200℃の温度で反応させた後、一般式 [式中、R3およびR4は前記と同じ] で示されα,β不飽和カルボン酸あるいは分子量100〜3
50で炭素−炭素共役二重結合を10重量%以上含む不飽和
脂肪酸あるいはそれらの混合物を100〜200℃で反応させ
ることによって製造される。
反応に用いられるアミンの例としては、ジメチルアミ
ン、ジエチルアミンなどの脂肪酸アミン類、メチルエタ
ノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノール
アミン類、モルホリン、ピペリジンなどの環状アミン類
などを挙げることができる。
付加させるアミン量はエポキシ化高分子化合物100g当
り30〜300ミリモル、好ましくは50〜200ミリモルであ
る。
α,β不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、
メタクリル酸およびクロトン酸を挙げることができる。
分子量100〜300で炭素−炭素共役二重結合を10重量%
以上含む不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、支那桐油
脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸および脱水ヒマシ油脂肪酸等
があり、又、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸等を異性化
することにより、共役化した共役化脂肪酸を用いること
もでき、又、精製したエレオステアリン酸、共役リノー
ル酸も用いることができる。又、10重量%以下の炭素−
炭素共役二重結合を有する不飽和脂肪酸に共役二重結合
の多い不飽和脂肪酸を混合して、共役二重結合の合計を
10重量%以上とした混合物も用いることができる。中で
も脱水ヒマシ油は工業的に容易に入手できるので有利で
あり好ましい。
付加させるα,β不飽和カルボン酸および前記不飽和
脂肪酸の合計量がエポキシ化高分子化合物100g当りカル
ボン酸量として50〜150ミリモルになるように用いるこ
とが好ましい。
本発明の(B)成分すなわち一般式 [式中、R5およびR6は水素原子またはメチル基、nは0
ないし20の整数を表わす] で表わされるジグリシジル化合物1分子当り、一般式 [式中、R3およびR4は水素原子またはメチル基を表わ
す。] で表わされるα,β不飽和カルボン酸あるいは分子量10
0〜350で炭素−炭素共役二重結合10重量%以上含む不飽
和脂肪酸あるいはそれらの混合物を1.9〜2.1モル反応さ
せて製造した化合物を添加すると耐食性が著しく改善さ
れる。
成分(B)の含有量は、樹脂(A)の100重量部に対
し、10〜200重量部、好ましくは30〜100重量部の範囲で
ある。
成分(B)の含有量がこれより少ないと、耐食性の改
善が十分でなく、これより多いと、水分散性を悪化させ
る。
上記成分(B)の化合物を得るには、一般式 [式中、R5およびR6は前記と同じ] で示されるジグリシジル化合物を原料に用いる。このジ
グリシジル化合物は通常アルカリの存在下でビスフェノ
ールをエピクロルヒドリンでエーテル化することによっ
て作ることができる。このようなビスフェノール化合物
としては、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)イソブタ
ン、などである。多くの場合上記のジグリシジルエーテ
ルをビスフェノールなどと更に反応させ、次いで、この
生成物をエピクロルヒドリンと更に反応させると幾分高
い分子量を有するジグリシジル化合物が合成され、これ
らを使用することができる。
上記ジグリシジル化合物に温度0〜200℃、好ましく
は50〜150℃で一般式 [式中、R3およびR4は水素原子またはメチル基を表わ
す。] で示されるα,β不飽和モノカルボン酸あるいは分子量
100〜350で炭素−炭素共役二重結合10重量%以上含む不
飽和脂肪酸あるいはそれらの混合物をジグリシジル化合
物1モルに対して実質的に2モル(1.9〜2.1モル)反応
させることによって成分(B)は製造できる。
反応を行うにあたっては副反応を防止するため、ハイ
ドロキノン、メトキノン、N−フェニル、N′−イソプ
ロピル−P−フェニレンジアミンなどのラジアル重合禁
止剤を0.01〜1.0%添加し、第三級アミン類や第四級ア
ンモニウム塩類などの適当な触媒を用いることが好まし
い。また溶媒の存在下、非存在下で反応を行うことがで
きるが、溶媒を使用する場合には反応に対して不活性で
あり、電着塗料に使用できる溶媒、例えば酢酸エチルセ
ロソルブ、MIBKなどを適量使用し、反応後除去すること
なく、そのまま(A)成分および(C)成分と混合して
電着塗料に利用することが実用上有利である。
本発明において上記ジグリシジル化合物のエポキシ基 が実質的に残存しないようにカルボン酸基と反応して に変換されることが好ましい。
が多量に残存するならば、この基は、後に酸を加えて水
溶化する際に樹脂(A)の有する塩基性基と不都合な反
応をし、ゲル化を起こす結果、粘度が高くなりすぎて水
溶化に支障をきたす。例えば水溶化ができた場合でも水
溶液が経時変化を起こし、一定の電着特性、あるいは電
着塗膜が得られないなどの欠点が生じる。
本発明の(C)成分、すなわち、一般式 [式中、R7はC6〜C7の脂環族基またはベンゼン、ナフタ
レン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルスル
ホンから選ばれる芳香族基(これらは低級アルキル基、
ハロゲン、ニトロ、低級アルコキシル基およびシアノ基
からなる置換基を有していても構わない。)を示し、n
は1〜4の数を表わす。但し、nは必ずしも整数とは限
らない。)] で表わされるプロパルギル化合物は R7−(NH2 (II) (式中、R7およびnは前記と同様) で表わされるアミン化合物1モルとプロパギルハライド
2〜6モルとを、好ましくは水−有機溶剤の媒体中、相
間移動触媒の存在下に反応させ、反応生成物をカラム分
離精製する方法が好適に使用せられる。
反応原料として用いられる(II)で表わされるアミン
化合物は、各種のものが知られており、例えば下記のも
のが好適に使用せられる。
芳香族系:一般式、 H2N−R−NH2 (式中、Rは二価の有機基) で表わされるジアミン化合物、例えば、4,4′−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルス
ルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル]スルホン、ビス[4−(2−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテ
ル、ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)メタン、
ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、ビス
(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタン、3,3′−
ジアミノフェニルスルホン、4,4′−ジアミノフェニル
スルホン、4,4′−ジアミノフェニルスルフィド、3,3′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノフェ
ニルエーテル、4,4′−ジアミノフェニルエーテル、4,
4′−ジアミノフェニルメタン、2,4′−ジアミノトルエ
ン、メタフェニレンジアミン、2,2′−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2′−ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフ
ルオロプロパン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサ
フルオロプロパン、2,2′−ビス(3−ヒドロキシ−4
−アミノフェニル)プロパン、2,2′−ビス(3−ヒド
ロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、9,9′−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロ
−アントラセン、オルトトリジンスルホン、さらには3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラアミン、3,3′,4,4′−テ
トラアミノジフェニルエーテル等の多価アミン化合物の
一部使用も可能である。4,4′−ジアミノ2,3,5,6,2′,
3′,5′,6′オクタフルオロビフェニル、3,9−ビス(3
−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラスピロ[5,5′]
ウンデカン等などが挙げられる。
プロパルギルハライドとしては、プロパルギルブロマ
イド、プロパルギルクロライド等が用いられる。
これら化合物は単に無溶剤で加熱反応せしめることも
可能であるが、水−有機溶剤の混合媒体中、脱ハロゲン
化水素剤−第4アンモニウム塩からなる相間移動触媒
(例えばNaOH−テトラブチルアンモニウムブロマイド)
の存在下に反応せしめることが有利である。また既に述
べた如く、反応生成物中に式(I)で表わされるジ置換
体化合物の存在を必須とするため、原料化合物のアミン
化合物(式(II))1モルに対し、プロパルギルハライ
ドは1.1モル以上、好ましくは2〜6モルを反応させる
ことが望ましい。反応生成物から式(I)で表わされる
ジ置換体を分離する場合には、例えば生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより単離し、適当な溶剤
を用い、再結晶を行う等の手段により精製することがで
きる。
得られた本発明のプロパルギル化合物は、モノ置換体
に比し、プロパルギル基の反応性が極めて高く、また、
オレフィン化合物との共反応性も高いため、ジエン重合
反応性、酸化カップリング反応性、3,4量化反応性等に
おいて極めてすぐれ、光、熱、電気エネルギーで容易に
反応が進行し、そのまま、あるいは所望により他の高分
子結合剤との併用で、各種基材の被覆材および封止剤と
して有用である。
本発明において成分(C)の含有量は、樹脂(A)の
100重量部に対し10〜200重量部、好ましくは20〜100重
量部の範囲である。成分(C)の含有量が10重量部より
少ないと、耐熱性、耐溶剤性の改善が十分でなく、200
重量部を越えると水分散性を悪化させる。
本発明の成分(D)すなわち、有機酸の金属塩の金属
種としてはマンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等
が挙げられる。また、有機酸としてはギ酸、酢酸、乳酸
等が挙げられる。水溶性の有機酸の金属塩は1種ないし
はそれ以上を混合して用いることができる。
本発明の成分(D)の組成物への添加量は、金属量と
して0.005〜20重量部、好ましくは0.01〜10重量部であ
る。0.005重量部より少ないと硬化性を促進する硬化が
小さく、高温での硬化が必要となる。また、20重量部よ
り多すぎると、硬化性は良いが、塗膜外観、耐水性、耐
食性を低下させるので好ましくない。
本発明において成分(A)、成分(B)、成分(C)
および成分(D)からなる組成物を水溶化または水分散
化するためには成分(A)、成分(B)および成分
(C)をあらかじめ混合した後、成分(A)のアミノ基
に対して0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.0モル当量の蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの水溶性の有機酸で
中和し、水溶化することが好ましい。
成分(D)は水溶性であるので成分(A)、成分
(B)および成分(C)の混合物を水溶化するのに用い
る水にあらかじめ溶解して添加するあるいは成分
(A)、成分(B)および成分(C)の混合物の水分散
液に後から添加するなどの方法で添加することができ
る。
本発明の組成物(A)、(B)および(C)を水に溶
解または分散させるにあたり、溶解または分散を容易に
し、水溶液の安定性を向上させ、樹脂の流動性を改善
し、塗膜の平滑性を改善するなどの目的で、水溶性であ
りしかも各樹脂組成物を溶解しうるエチルセロソルブ、
プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジアセトンアルコール、4−メトキシ−4
−メチルペンタノン−2、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤を各樹脂組成物100重量部当り10〜100重量部使用
することが好ましい。
本発明の陰極析出型電着塗料組成物には、さらに適当
な顔料を配合することができる。例えば酸化鉄、酸化
鉛、ストロンチウムクロメート、カーボンブラック、二
酸化チタン、タルク、珪酸アルミニウム、硫酸バリウム
の如き顔料の1種またはそれ以上を配合することができ
る。
これらの顔料はそのまま本発明の組成物に添加できる
が、あらかじめ、成分(A)を中和した水に分散または
水溶液化したものの一部分に多量の顔料を加えて混合
し、ペースト状のマスターバッチとしたものを得、この
ペースト状の顔料を組成物に添加することができる。
更に本発明に、四フッ化エチレン化合物を配合するこ
とができる。この場合は耐摩耗性を著しく向上させるこ
とが可能である。
(実施例) 実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、
実施例の塗膜の物性テストは、JIS−K−5400に準じて
行うとともに耐摩耗性に関しては、スラスト式摩耗試験
法より行った。
製造例1 日石ポリブタジエンB−2000(数平均分子量2000、1,
2結合65%)を過酢酸を用いてエポキシ化し、オキシラ
ン酸素含有量64%のエポキシ化ポリブタジエン(E1)を
製造した。このエポキシ化ポリブタジエン(E1)1000g
およびエチルセロソルブ354gを2オートクレーブに仕
込んだ後、ジメチルアミン62.1gを加え、150℃で5時間
反応させた。未反応アミンを留去した後、120℃まで冷
却しアクリル酸72.3g、ハイドロキノン7.6gおよびエチ
ルセロソルブ26.4gの混合物を添加し、さらに120℃で3
時間45分反応させて本発明の成分(A)の樹脂溶液を製
造した。このもののアミン価は85.2ミリモル/100g、酸
価は100ミリモル/100gそして固形分濃度は75.0重量%で
あった。
製造例2 ビスフェノールAとエピクロルヒドリンをアルカリ触
媒の存在下で反応させて得た下記化合物 として、エポキシ当量950を持つビスフェノールタイプ
エポキシ樹脂[商品名エピコート1004油化シェルエポキ
シ(株)製]1000gをエチルセロソルブ247.4gに溶解
し、アクリル酸77.5g、ハイドロキノン10gおよびN,N−
ジメチルアミノエタノールを5g添加し、105℃に加熱し
て5時間反応させ、本発明の成分(B)の樹脂溶液を合
成した。このものの固形分濃度は81重量%であった。
製造例3 攪拌機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器
に、p,p′−ジアミノジフェニルメタン99.12g(0.5モ
ル)、NaOH84.21g、イオン交換水180g、ジクロロエタン
180gおよびテトラアンモニウムブロマイド1.6gを仕込
み、プロパルギルブロマイド249.81g(2.1モル)を攪拌
下、80℃で5時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃に
昇温し、6時間反応を継続した。反応終了後、分液ロー
トによりジクロロエタン層、水層を分別し、数回イオン
交換水で洗浄した。分別後、エバポレーターにより未反
応物、溶媒を除去した。生成物をシリカゲルカラムクロ
マト(ワコーゲルC−200)により単離精製し、N,N,
N′,N′−テトラプロパルギル−p,p′−ジアミノジフェ
ニルメタンを得た。収率89%であった。本発明の(C)
成分を合成した。なお、このものの固形分濃度は99%で
あった。
製造例4 攪拌機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器
に、p,p′ジアミノジフェニルスルフィン124.35g(0.5
モル)、NaOH63.15g、イオン交換水180g、ジクロロエタ
ン180gおよびテトラアンモニウムブロマイド1.6gを仕込
み、プロパルギルブロマイド190.34g(1.6モル)を攪拌
下、80℃で5時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃に
昇温し、6時間反応を継続した。反応終了後、分液ロー
トによりジクロロエタン層、水層を分別し、数回イオン
交換水で洗浄した。分別後、エバポレーターにより未反
応物、溶媒を除去した。生成物をシリカゲルカラムクロ
マト(ワコーゲルC200)により単離精製し、N,N,N′−
トリスプロパルギル−p,p′−ジアミノジフェニルメタ
ンを得た。収率89%であった。本発明の(C−200)成
分を合成した。なお、このものの固形分濃度は99%であ
った。
製造例5 製造例3と同様な反応装置を用いプロパルギルブロマ
イド190.33g(1.6モル)の配合量に変えて同様な条件で
反応させた。収率は75%であった。本発明の(C)成分
を合成した。収率89%であった。なお、このものの固形
分濃度は99%であった。
実施例1 製造例1で製造した(A)400g、製造例2で製造した
(B)200g、製造例3で示した(C)200gを均一になる
まで80℃で混合したのち、あらかじめ用意した脱イオン
水1075gに酢酸8g、酢酸マンガン2g、酢酸コバルト2g、
酢酸ニッケル4gを溶かした水溶液中に添加し、高速回転
ミキサーで1時間攪拌後、更に脱イオン水を加え固形分
濃度が20重量%になる水溶液を調整し電着塗料液とし
た。
上記電着塗料を用いて、ステンレス製容器を陽極と
し、リン酸亜鉛処理鋼板(JIS G 3141 SPCC−SDのサー
フダインSD5000処理)を陰極として、陰極型電着塗装を
行った。テスト結果を表−Iに示す。
実施例2 実施例1で示した電着塗料溶液1000gに対し、更にフ
ルオンティスバージョンAD−1(旭ガラス社製)を35g
加え新たな電着塗料溶液を作成した。上記塗料を同様に
陰極型電着塗装を行った。テスト結果を表−Iに示す。
実施例3 製造例1で製造した(A)400g、製造例2で製造
(B)200g、製造例4で製造した(C)200gを実施例1
と同様にして電着塗料溶液を作成した。この塗料を同様
に陰極型電着塗装を行った。テスト結果を表−Iに示
す。
実施例4 製造例1で製造した(A)400g、製造例2で製造した
(B)200g、製造例5で製造した(C)200gを実施例1
と同様にして電着塗料溶液を作成した。この塗料を同様
に陰極型電着塗装を行った。テスト結果を表−Iに示
す。
実施例5 製造例1で製造した(A)550g、製造例2で製造した
(B)200gを、製造例3で製造した(C)50gを実施例
1と同様にして電着塗料溶液を作成した。この塗料を同
様に陰極型電着塗装を行った。テスト結果を表−Iに示
した。
1.P−クレゾール溶液100℃×7日間浸漬後の塗膜の状態 ◎変化無し、○やや膨潤、室温放置後元に戻る、△や
や軟化、×膨潤軟化室温放置後元に戻らず。
2.150℃の温度下での鉛筆硬度。
3.スラスト摩耗試験機で、平方cm当り4kgの荷重をの
せ、無潤滑状態で1分間500r.p.mの回転数で所定時間作
動後の塗膜状態に基づき次のように判定。
◎20時間で1μ以下、 ○20時間で1μ〜5μ以下、 △20時間で5μ〜15μ以下、 ×20時間で15μ〜素地到達。
4.東洋ボールドウイン社性自動粘弾性測定機 RHEOVIBR
ONN DDV−II−EA型使用 測定条件、昇温2℃/min、周波数11Hz。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(1)500〜5000の分子量で50〜500
    のヨウ素価の炭素−炭素二重結合およびオキシラン酸素
    を3〜12重量%有する高分子化合物、 (2)該高分子化合物100g当り30〜300ミリモルの、一
    般式 [式中、R1およびR2はその一部がヒドロキシル基で置換
    されていても良い炭素数1〜20の炭化水素を表わし、た
    だしR1とR2は環構造を取ることができ、環構造中には不
    飽和基を含むことができる。] で表わされるアミン化合物および (3)前記(1)の高分子化合物100g当り0〜200ミリ
    モルの一般式 [式中、R3およびR4は水素原子またはメチル基を表わ
    す。] で表わされるα,β不飽和カルボン酸あるいは分子量10
    0〜350で炭素−炭素共役二重結合を10重量%以上含む不
    飽和脂肪酸あるいはそれらの混合物の反応生成物100重
    量部、 (B)一般式 [式中、R5、R6は水素原子またはメチル基、nは0ない
    し20好ましくは1ないし10の整数を表わす] で示されるジグリシジル化合物と該ジグリシジル化合物
    1分子当り1.9〜2.1モルの、一般式 [式中、R3およびR4は水素原子またはメチル基を表わ
    す。] で表わされるα,β不飽和カルボン酸あるいは分子量10
    0〜350で炭素−炭素共役二重結合を10重量%以上含む不
    飽和脂肪酸あるいはそれらの混合物の反応生成物10〜20
    0重量部、 (C)式 [式中、R7はC6〜C7の脂環族基またはベンゼン、ナフタ
    レン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルスル
    ホンから選ばれる芳香族基(これらは低級アルキル基、
    ハロゲン、ニトロ、低級アルコキシル基およびシアノ基
    からなる置換基をしていてもよい。)を示し、nは1〜
    4の数を示す。] で表わされるプロパルギル化合物、および (D)水溶性の有機酸金属塩0.005〜20重量部(金属量
    として) を必須成分として含有する陰極析出型電着塗料組成物。
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