JP2552555B2 - ヒートポンプの作動方法 - Google Patents

ヒートポンプの作動方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はヒートポンプの作動方法、特に蒸気取出凝縮
器における冷媒凝縮液の過冷却度を大ならしめ、成績係
数及び交換熱量を増大させる上記ヒートポンプの作動方
法に関するものである。
(従来の技術) 高沸点冷媒を使用する高温側ヒートポンプサイクルと
低沸点冷媒を使用する低温側ヒートポンプサイクルとを
組合わせ、高温の熱出力を高温側ヒートポンプサイクル
から、一方、低温の熱出力を低温側ヒートポンプサイク
ルから取り出すようにした、いわゆる2元ヒートポンプ
は広く知られており、特開昭62−52376号公報、同62−5
3377号公報、実開昭57−2364号公報及び実開昭63−2053
号公報などにより開示されている。
この2元ヒートポンプの基本的なサイクル構成は例え
ば第4図に示す如くであり、高温側サイクルとして圧縮
機(1)、凝縮器(2)、膨張弁(3)、アキュムレー
タ(5)が順次、接続配管されていると共に、一方の低
温側サイクルは、圧縮機(6)、膨張弁(7)、蒸発器
(8)、アキュムレータ(9)、が順次、接続配管され
ていて、これら、低温側サイクルの凝縮器と高温側サイ
クルの蒸発器とがカスケードコンデンサ(4)によって
熱的に結合されて両サイクルはその凝縮器(2)では被
加熱水入口(10)より供給される被加熱水、例えば水が
冷媒と対向流で熱交換させて蒸気として出口(11)より
取出され、一方、蒸発器(8)では入口(12)より供給
される熱源水が冷媒と熱交換されて冷水として出口(1
3)より取出され得る構成となっている。
そして、通常、上記高温側サイクルにはフロンR−11
3,R−114等の高沸点冷媒が、一方、低温側サイクルには
R−12,R−22等の低沸点冷媒が用いられている。
ところが、上記の如き2元ヒートポンプにおけるヒー
トポンプの成績係数及び到達温度は、冷媒が決まってい
る場合、通常、 (イ)圧縮機、凝縮器、蒸発器などの機器 (ロ)凝縮時において、相互に熱交換する二流体である
高温冷媒と被加熱流体(水)の入口温度、流量 (ハ)蒸発条件(蒸発側で相互に熱交換する二流体の流
量、温度) などの条件によって決まる。
従って成績係数及び到達温度は冷媒、圧縮機、蒸発器
を同等とし、蒸発条件(流量、温度)が一定の場合、凝
縮器側の熱交換条件で決まることとなる。
ところが、前記従来の2元ヒートポンプの冷凍サイク
ルは一般的に温度勾配では第5図(イ)に示すように高
温冷媒の凝縮器入口(圧縮機出口)(a)で過熱ガス状
態に保持された冷媒は凝縮器内部(b)〜(c)におい
て飽和ガス状態より飽和液状態へと温度を変化させ、凝
縮器出口(膨張弁入口)(d)において過冷却液状態へ
と変化する動作状態を示しており、一方、モリエル線図
では第5図(ロ)の如く、先ず圧縮機(1)で加圧圧縮
される過程(a→b)でエンタルピはi1′からi2′の状
態へ変化し、次いで、凝縮器で被加熱流体との熱交換に
よって冷却されて(b→c)圧力一定のままで液化し、
飽和液線位置i3′を通り越して過冷却状態(c→d)に
なってi4′へ至る状態を示している。
なお、(tw1),(tw2)は被加熱水入口温度と出口温
度、(e),(f)は低温冷媒の蒸発器入口及び出口で
ある。
このように、従来の冷凍サイクルにおいては、膨張弁
を異常なく動作させるために過冷却度を確保することが
行われているが、現状として膨張弁を正常に動作させる
のに必要な過冷却度は通常3〜5℃程度にされている。
これについては又、従来のヒートポンプの凝縮器は冷
媒の飽和域における熱伝達率が最も大きく、加熱域およ
び過冷却域においてはそれ程、大きな熱伝達特性を得ら
れないために凝縮器のサイズが大きくなり、経済性が損
なわれるとの判断、また大きさの故の圧力損失の増大に
よる成績係数の低下を防ぐために過冷却度を大きくとる
のは得策とは考えられていないことがある。
しかも、従来のヒートポンプにおける熱交換器の形成
としては、シエル・アンド・チューブや並行流の熱交換
器のように完全対向流でない熱交換器を採用する場合が
多く見られ、このような場合、最低の入口水温により冷
媒液の冷却が出来ないため充分に冷媒液を冷却できな
い、例えば並行流れの熱交換器であれば出口水温を90℃
とすると冷媒液は90℃以下にはできないという問題があ
る。
また、たとえ、対向流の熱交換器であったとしても、
被加熱水を循環しながら次第に温度を上昇させる方法を
とった場合、冷媒液を冷却する入口水温が時間と共に上
昇し高くなる。即ち、入口水温を90℃とすると冷媒液は
90℃以下にはできない。更に循環水の流量が大きいと出
入口温度差が交換熱量が同一の場合、小さくならざるを
得ない。従って同一の出口温度の場合、入口温度が大き
くなり冷媒液を十分冷却することはできないという問題
が残る。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上述の如き従来のヒートポンプのもつ種々の
課題に着目し、特に凝縮器の設計ならびにその作動状態
を考慮することにより、上記問題を解決し、ヒートポン
プについて成績係数の増大をはかり、かつ質の高いエネ
ルギーである高温度の蒸気又は熱水を得ることを目的と
するものである。
即ち、本発明は質の高いエネルギーである100℃又は
それ以上の高温度蒸気または熱水等の熱ならびに比較的
高温度(70〜100℃)の温水等の熱を得ることのできる
ヒートポンプの運転方法を目的とする。特に、本発明は
被加熱流体の出口と入口の温度差が最大110℃〜80℃か
ら50℃までであるような高温度流体を取り出すことので
きるヒートポンプの運転方法を提供することを目的とす
る。しかもその目的を構成するのに、凝縮器のサイズを
大きくしたり、複数個の凝縮器を使用することなく単一
の凝縮器によって実現することを意図するものである。
(課題を解決するための手段) しかして、本発明では前記目的を達成するために理論
的アプローチを試みて、過冷却度のめやすを与える次
式: により定義される冷媒温度効率というフアクターを考慮
に入れて、その場合、冷媒飽和温度と被加熱流体入口温
度との温度差をできるだけ大きくする一方で、過冷却度
を従来よりもずっと大きく取ることの可能性ならびにそ
れを可能にする凝縮器の条件を種々検討することによ
り、凝縮器の過冷却域を有効利用できることが可能とな
り、本発明に至ったものであり、その結果、質の高い高
温度流体を大温度差で取り出すことを可能としたのであ
る。
即ち、上記目的に適合する本発明の特徴は、 (イ)完全対向流、貫流型の熱交換方式を採用する。
(ロ)凝縮器入口水温を低くし、凝縮出口冷媒液の温度
以下とする。
(ハ)被加熱流体の流量を可及的小さくする。
ということを基体とし、これをふまえて発明されたもの
であり、先ず、第1に圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸
発器を含む冷媒回路からなるヒートポンプの運転作動方
法において、凝縮器として内管内に被加熱流体が貫流さ
れ、内外両管の間隙に前記被加熱流体に対し対向して冷
媒が通される、同軸的に2重管対向流構造の熱交換器を
使用し、凝縮器入口水温を低くし、凝縮器出口冷媒液の
温度以下となすと共に被加熱流体の流量を可及的小さく
して、該凝縮器における冷媒飽和温度と冷媒出口温度と
の差に等しい過冷却度を冷媒飽和温度と被加熱流体入口
温度との差に対し20%より大なる条件で運転することで
あり、第2としては上記同軸的に内外2重管構造からな
る凝縮器の内管を被加熱流体貫流経路として該凝縮器を
蒸気取り出し用とする高温側ヒートポンプサイクルと、
蒸発器内に被冷却水貫流経路を貫設して該蒸発器を冷水
取り出し用とする低温側ヒートポンプサイクルとを高温
側ヒートポンプサイクルの蒸発器と、低温側ヒートポン
プサイクルの凝縮器とが熱交換するカスケードコンデン
サによって結合すると共に前記高温側ヒートポンプサイ
クルの凝縮器における冷媒と被加熱流体及び前記低温側
ヒートポンプサイクルの蒸発器における冷媒と被冷却流
体ならびにカスケードコンデンサにおける熱交換される
冷媒の流れを夫々対向流となした完全対向流方式の2元
ヒートポンプサイクルを使用し、凝縮器入口水温を低く
し、凝縮器出口冷媒液の温度以下となすと共に被加熱流
体の流量を可及的小さくして、高温側ヒートポンプサイ
クルの凝縮器における冷媒飽和温度と冷媒出口温度の差
に等しい冷媒凝縮液の過冷却度を冷媒飽和温度と入口被
加熱流体との温度差に対し20%より大なる条件で運転作
動させることにある。
(作用) 上記の如く作動することにより本発明におけるヒート
ポンプサイクルは基本的に圧縮機にて冷媒高温高圧のガ
スとなり、凝縮器において対向して流れる被加熱流体に
熱を与えて冷媒液として液化し、その後、膨張弁を通っ
て気液混合状態として蒸発器に戻るが、このとき、冷媒
側の過冷却度を従来の3〜5℃に止まらず、冷媒飽和温
度、例えば高沸点冷媒R114として112℃位であるから入
口被加熱体の温度を常温、例えば19.1℃とすれば となり、18.58℃以上の過冷却度をとることにする。
このようにすれば成績係数は過冷却度を大きくするに
従って大きくなり、成績係数の向上は明らかとなる。
そして高温冷媒の凝縮器内部の飽和状態と出口の過冷
却状態位置とのエンタルピー差が従来より大となり、被
加熱流体の出入口温度差が大きくなり、効率よく冷媒凝
縮器飽和温度以上の高温の蒸気、熱水を得ることを可能
とする。
即ち、凝縮器は対向流で、かつ貫流式であるため被加
熱流体の出口は冷媒過熱域であり、従って被加熱流体は
冷媒飽和温度以上に保持された過熱域と熱交換され冷媒
飽和温度以上となる。
(実施例) 以下、更に本発明の実施例について説明する。
第1図(イ),(ロ)は第4図(イ),(ロ)に比較
した本発明ヒートポンプ作動方法における動作状態とし
ての温度勾配及び冷媒R114モリエル線図を示す。
同図より明らかなように温度勾配は本発明においては
高温冷媒の凝縮器入口(A)で過熱ガス状態に保持され
た冷媒(R114)は凝縮器内部(B)〜(C)において、
飽和ガス状態より飽和液状態へと温度を変化させている
が、この状態は従来の第5図(イ)に示す場合と殆ど変
わりない。しかし、凝縮器出口(D)において過冷却状
態に変化する態様は従来に比し変化が認められ、従来僅
かの過冷却度であったものが、第1図(イ)においては
大幅に変化し大きな過冷却状態に至ること及び水側で被
加熱流体の出入口温度差(tw2),(tw1)が第5図
(イ)に比し大きくなっていることが示されている。
又、第1図(ロ)のモリエル線図では凝縮器入口
(A)においてエンタルピi1は飽和ガス状態になると共
にi2の状態に変動し更に凝縮器内部(B)〜(C)で被
加熱流体との熱交換によって冷却されて圧力一定のまま
液化し飽和液線に到達してi3となった後、更に凝縮器出
口(D)で過冷却状態としてi4に至るが従来の第5図
(ロ)に示す図に比較し本発明に係る第1図(ロ)では
i3〜i4間が延びており、過冷却度の増大を示している。
なお、(E),(F)は低温冷媒の蒸発器入口及び出
口である。
しかして上記ヒートポンプ作動に用いられるヒートポ
ンプの具体例としては第4図に示すと同様の圧縮機
(1)、被加熱流体貫流経路をもつ凝縮器(2)、膨張
弁(3)及びアキュムレータ(5)が順次接続配管され
た高温側サイクルと、圧縮機(6)、膨張弁(7)、被
加熱流体貫流経路をもつ蒸発器(8)、及びアキュムレ
ータ(9)が順次接続配管された低温側サイクルが、低
温側サイクルの凝縮器と、高温側サイクル蒸発器をカス
ケードコンデンサ(4)によって熱交換可能に結合され
た2元ヒートポンプが一般に用いられるが低温側サイク
ルを除いた高温側サイクルのみであっても同様に用いら
れる。
しかし何れの場合においても高温側サイクルの凝縮器
における冷媒と、被加熱流体入口(10)よりの同流体と
は互いに対向して熱交換され出口(11)より蒸気として
取り出されることが必要であり、また、2元ヒートポン
プにおいては更に低温側サイクルの蒸発器における冷媒
と被熱源水入口(12)より供給される冷却流体の流れ、
カスケードコンデンサにおける高温側と低温側の各サイ
クルの冷媒の流れも対向流であることが肝要である。
第2図は上記ヒートポンプに用いられる凝縮器の詳細
であり、コルゲート付ワイヤーフインチューブ(20)を
使用した2重管からなっており、冷媒はフイン(23)を
有する内管(22)と外管(21)の管隙を上から入って通
過し被加熱流体は内管(21)内を下から入って通過す
る。
下記第1表に同凝縮器の具体的仕様の1例を、また第
2表に同凝縮器を運転して得られた試験結果を示す。
但し、第2表において 過冷却度=冷媒飽和温度−冷媒液出口温度 交換熱量=水流量 ×(被加熱水出口温度−被加熱水入口温度) 次に第1図(ロ)及び第5図(ロ)に対応し本発明と
従来の場合とのモリエル線図比較による具体例を掲げ
る。
上記第3表及び第4表より本発明においては冷媒液の
過冷却のエンタルピ差が大きくなっていることが理解さ
れる。
更に上記本発明のヒートポンプにおける高温サイクル
側の高沸点冷媒(R114)凝縮器の過冷却度と成績係数の
関係について示せば下記第5表の通りである。
但し、試験条件は次の通りである。
(1)飽和圧力 Pc 18.2kgf/cm2 (2)飽和温度 Tc 112.0℃ (3)被加熱水入口温度 Twl 19.1℃ (4)圧縮機入口エンタルピー i6 145.4Kcal/kg (5)圧縮機出口エンタルピー i1 148.8Kcal/kg なお、上表中、温度効率,成績係数及び過冷却度は夫
々下記に拠った。
(3)過冷却度=Tc−T4=112−T4 以上は高沸点冷媒(R114)凝縮器の場合であが、次に
低沸点冷媒(R12)について凝縮器の具体的使用ならび
に同凝縮器を運転して得られた試験結果を引き続き第6
表,第7表に示す。
なお、第3図(イ),(ロ)は上記低沸点冷媒(R1
2)について冷凍サイクルの温度勾配、及びモリエル線
図を示す。
図中、(trs)は飽和温度、(tw3)は被加熱水液域出
口温度、(tw4)被加熱水飽和域出口温度を表す外は第
1図におけると同様である。
(発明の効果) 以上、説明したように、本発明は高温側ヒートポンプ
サイクルにおいて、凝縮器の熱交換方式を対向流とし、
冷媒飽和温度と入口流体との温度差の20%以上、冷媒凝
縮液の過冷却度をとれるように作動するものであり、冷
媒液の過冷却のエンタルピ差が大きく被加熱流体の出入
口温度差が大きいことから、流量と被加熱流体の出入口
温度差によって決まる交換熱量が流量が小さくても大き
くなり、熱交換効率を高めることが出来ることはもとよ
り、出口水温をより一層高める顕著な効果が期待され
る。
また、上記の如く過冷却度が大きくなり、過冷却域及
び過熱域でのエンタルピ差の増大の結果、対向流方式と
相俟ってCOP(成績係数)を向上させ、取得熱水(蒸
気)温度のより一層の高温化を可能とし、質の高いエネ
ルギーである高温度(蒸気,熱水)を得る上に頗る実効
を発揮する。
また、請求項2記載の冷水,熱水同時取出し可能な2
元ヒートポンプに適用した場合には流量が少なくて済む
ことから圧縮機の容量を小さくし装置コストを低減する
ことは勿論、被冷却流体の冷却効率にも好結果を与え、
より実用性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るヒートポンプ作動の動作状態図で
(イ)は温度勾配、(ロ)はモリエル線図である。第2
図(イ),(ロ),(ハ)は本発明におけるヒートポン
プに使用される高温側サイクルの凝縮器の1例を示す平
面図,側面図及び一部拡大図、第3図(イ)(ロ)は本
発明に係るヒートポンプ作動の動作状態図で(イ)は低
沸点冷媒について冷凍サイクルの温度勾配図、(ロ)は
同じくモリエル線図を示す。第4図は2元ヒートポンプ
の基本的なサイクル系統図、第5図(イ)(ロ)は上記
サイクルにもとづく従来の動作状態図で、(イ)は温度
勾配図、(ロ)はモリエル線図である。 (1),(6)……圧縮機、 (2)……凝縮機、 (3),(7)……膨張弁、 (4)……カスケードコンデンサ、 (5),(9)……アキュムレータ、 (10)……被加熱流体、 (11)……蒸気出口、 (12)……熱源水入口、 (13)……冷水出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井本 泰造 大阪府東大阪市岩田町6丁目2番6号 (72)発明者 藤島 征雄 大阪府堺市新桧尾台4丁16番6―406 (72)発明者 波多野 泰弘 大阪府堺市三原台3丁33番2号 (72)発明者 緒方 正実 大阪府枚方市田口山2丁目26番9号 (72)発明者 浦田 幸敏 大阪府高槻市深沢町2丁目29番14号 (72)発明者 石川 保 京都府綴喜郡田辺町字天王小字下垣内29 (72)発明者 川端 政行 大阪府枚方市池之宮2丁目11番6号 (56)参考文献 特開 昭60−38561(JP,A) 特開 平2−195162(JP,A) 実開 昭61−71865(JP,U) 日本冷凍協会編「上級テキスト冷凍空 調技術」日本冷凍協会発行(昭63−1− 20)P.103

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を含
    む冷媒回路からなるヒートポンプの運転作動方法におい
    て、凝縮器として内管内に被加熱流体が貫流され、内外
    両管の間隙に前記被加熱流体に対し対向して冷媒が通さ
    れる、同軸的に2重管対向流構造の熱交換器を使用し、
    凝縮器入口水温を低くし、凝縮器出口冷媒液の温度以下
    となすと共に被加熱流体の流量を可及的小さくして、該
    凝縮器における冷媒飽和温度と冷媒出口温度との差に等
    しい冷媒凝縮液の過冷却度を冷媒飽和温度と被加熱流体
    入口温度との差に対し20%より大なる条件で作動するこ
    とを特徴とするヒートポンプの作動方法。
  2. 【請求項2】同軸的に内外2重構造からなる凝縮器の内
    管を被加熱流体貫流経路として該凝縮器を蒸気取り出し
    用とする高温側ヒートポンプサイクルと、蒸発器内に被
    冷却水貫流経路を貫設して該蒸発器を冷水取り出し用と
    する低温側ヒートポンプサイクルとを高温側ヒートポン
    プサイクルの蒸発器と、低温側ヒートポンプサイクルの
    凝縮器とが熱交換するカスケードコンデンサによって結
    合すると共に前記高温側ヒートポンプサイクルの凝縮器
    における冷媒と被加熱流体及び前記低温側ヒートポンプ
    サイクルの蒸発器における冷媒と被冷却流体ならびにカ
    スケードコンデンサにおける熱交換される冷媒の流れを
    夫々対向流となした完全対向流方式の2元ヒートポンプ
    サイクルを使用し、凝縮器入口水温を低くし、凝縮器出
    口冷媒液の温度以下となすと共に被加熱流体の流量を可
    及的小さくして、高温側ヒートポンプサイクルの凝縮器
    における冷媒飽和温度と冷媒出口温度の差に等しい冷媒
    凝縮液の過冷却度を冷媒飽和温度と入口被加熱流体との
    温度差に対し20%より大なる条件で作動することを特徴
    とするヒートポンプの作動方法。
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