JP2551548B2 - 半導体封止用成形材料のタブレット製造装置 - Google Patents

半導体封止用成形材料のタブレット製造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生産性、汎用性に優れ
た半導体封止用成形材料のタブレット製造装置およびタ
ブレット製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子は、エポキシ樹脂組成物の樹
脂成形材料をトランスファー成形、マルチポット成形、
圧縮成形等の方法によって樹脂封止される。この場合に
は、樹脂成形材料を円柱状、直方体状に圧縮成形したタ
ブレットが用いられる。
【0003】タブレットは、エポキシ樹脂組成物の顆粒
状物或いは粉末を、臼と 2本の杵を用いて加圧し圧縮成
形する方法で製造されている。従来、この 2本の杵は、
エポキシ樹脂組成物との接触面を研磨したものが用いら
れており、樹脂の組成によってはタブレット成形の際、
その接触面にエポキシ樹脂組成物が付着し、タブレット
の重量バラツキ、外観不良が発生し、生産性を著しく低
下させていた。
【0004】近年、半導体成形封止方法が自動化される
一方、半導体の軽薄短小化に伴って、産業廃棄物として
の成形カル、ランナー等を極力減らすこと等による封止
材料の使用効率向上が進められている。またそれに伴い
半導体封止用材料に対する信頼性向上の要求の他に、製
造コスト低減要求が一層顕在化してきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような事情に
より、従来の半導体封止用成形材料のタブレットの製造
方法およびその装置では、特に生産性面での対応に限界
が生じていた。具体的には、付着物の発生防止のため
に、時間当りの打錠サイクルの低減や杵表面への付着物
の除去等に多大な労力と時間を費やさなければならず、
そのために生産性が著しく低下していた。また、複雑な
機械機構を用いて打錠の際の杵表面への封止用成形材料
の付着を防止する製造方法および装置では、装置自体の
製造コストと維持コストが高くなり、汎用性がないとい
う欠点があった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、杵表面への封止用成形材料の付着を防止した、タ
ブレットの重量バラツキや成形品の外観不良がなく、生
産性、汎用性に優れた、従来技術を超えた信頼性の高い
半導体封止用成形材料のタブレットの製造装置および製
造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成しようと鋭意研究を進めた結果、半導体封止用
成形材料の杵への付着を防止するため、杵との接触面を
粗面化することによって、上記目的を達成できることを
見いだし、本発明を完成したものである。
【0008】即ち、本発明は、金型の臼に半導体封止用
成形材料を入れ上下の杵で圧縮成形するタブレット製造
装置において、杵の一方もしくは両方における半導体封
止用成形材料との接触面の一部又は全部が表面粗さRma
x : 2〜100 μm であることを特徴とする半導体封止用
成形材料のタブレット製造装置である。また、この製造
装置を用いたタブレットの製造方法である。
【0009】本発明に用いる臼および杵等の金型の材質
については特に制限されるものではなく、従来の周知の
超硬材質等のものを使用することができる。また、その
表面をコーティング、メッキ処理してもよく、特に限定
するものではない。最も重要なことは、杵の半導体封止
用成形材料との接触面の一部または全部を、Rmax :2
〜100 μm に粗面化することである。この粗面が 2μm
未満では、半導体封止用成形材料の充填剤のシリカ等に
より、打錠を繰り返すうちに摩耗が進行し、実質上粗面
にした効果が持続せずに付着が生じやすく好ましくな
い。また、粗面が100μm を超えると充填剤の粒子等が
粗面の隙間の中に入り込み、加圧に伴い杵にマイクロク
ラックが生じ実用上好ましくない。杵の半導体封止用成
形材料との接触面については、半導体封止用成形材料の
種類や、タブレットの大きさによってその一部を粗面
化、又は全部を粗面化する等粗面化の部分については任
意に変更することができる。粗面化の方法については特
に限定されるものではなく、いずれの方法でもよい。こ
れらの中でも放電加工等の機械加工が好ましく使用さ
れ、表面粗さの程度を調整することができる。
【0010】本発明に用いる半導体封止用成形材料とし
ては、熱硬化性、熱可塑性のいずれでもよく、タブレッ
トを打錠するものであればいずれでも適応することがで
きる。
【0011】次に、図面を用いて説明する。
【0012】図1は、本発明のタブレットの製造方法の
一実施例を説明するための模式断面図を、図2は、本発
明のタブレットの製造装置を示す概略斜視図を示す。
【0013】図2に示した製造装置は、円柱状ブロック
の中央部を貫通して例えば円柱状タブレットの穴があけ
られている臼3と、穴の上下から穴に挿入する杵1、2
とを有し、杵1、2が臼3内のタブレットと接触する接
触面5、6は粗面化されている製造装置(金型)であ
る。粗面化の程度はRmax : 2〜 100μm で、タブレッ
ト化する半導体封止用成形材料4の種類、形状や大きさ
に応じて粗面化の程度を任意に変えることができる。タ
ブレットの形状や大きさは顧客の要求に応じて打錠する
ことができる。ここでの金型は円柱状のタブレットを成
形するものを示したがどのような形状でもよいが自動化
ラインに乗りやすく、シンプルなものがよい。本発明の
タブレットの製造方法は、図1に示したように臼3の穴
に顆粒状や粉末状の半導体封止用成形材料4を充填す
る。その際、半導体封止用成形材料4の種類、形状や大
きさによって粗面化の程度を選択し、臼3の表裏から杵
1、2を挿入加圧打錠して、必要な形状、大きさのタブ
レットを成形することができる。
【0014】
【作用】本発明の半導体封止用成形材料のタブレット製
造装置およびタブレットの製造方法によれば、杵の半導
体封止用成形材料との接触面を所定粗さに粗面化するこ
とによって、タブレットの加圧打錠の際の杵の接触面へ
の半導体封止用成形材料の付着を防止でき、タブレット
の重量バラツキや外観不良をなくすことができる。ま
た、杵表面への付着物の除去や杵表面の研磨作業がなく
なり大幅な生産性向上、コスト低減に寄与できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0016】実施例1〜3 表1に示した組成を常温で混合し、さらに70〜90℃で混
練および冷却・粉砕して半導体封止用成形材料を得た。
この半導体封止用成形材料を用いて、上述した粗面化程
度 5〜10μm の装置を用いて、タブレットサイズφ13mm
× 4.0g 、充填率90%の条件でタブレットを成形した。
【0017】比較例1〜3 表1に示した組成を常温で混合し、さらに70〜90℃で混
練および冷却・粉砕して半導体封止用成形材料を得た。
この半導体封止用成形材料を用いて、杵の粗面化されて
いない装置(粗面化程度 1μm 以下)を使用し、タブレ
ットサイズφ13mm× 4.0g 、充填率90%の条件でタブレ
ットを成形した。
【0018】実施例1〜3および比較例1〜3で製造し
たタブレットに関して、杵表面への付着、外観の試験を
行った。その結果を表1に示したが本発明に係るタブレ
ットは杵表面への付着や外観に優れており、本発明の効
果を確認することができた。
【0019】
【表1】 *1 :◎印…良好、×印…不良。
【0020】
【発明の効果】以上の説明および表1から明らかなよう
に、本発明のタブレットの製造装置およびタブレットの
製造方法によれば、半導体封止用成形材料の金型への付
着を防止し、タブレットの重量バラツキや成形品の外観
不良がなくなり、製造工程を大幅に短縮した生産性、汎
用性に優れ、信頼性の高いタブレットを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタブレットの製造方法の一実施例を説
明する模式断面図である。
【図2】本発明のタブレットの製造装置を示す概略斜視
図である。
【符号の説明】
1,2 杵 3 臼 4 半導体封止用成形材料 5,6 半導体封止用成形材料と杵との接触面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型の臼に半導体封止用成形材料を入れ
    上下の杵で圧縮成形するタブレット製造装置において、
    杵の一方もしくは両方における半導体封止用成形材料と
    の接触面の一部又は全部が表面粗さRmax : 2〜100 μ
    m であることを特徴とする半導体封止用成形材料のタブ
    レット製造装置。
  2. 【請求項2】 金型の臼に半導体封止用成形材料を入れ
    上下の杵で圧縮成形するタブレット製造方法において、
    杵の一方もしくは両方における半導体封止用成形材料と
    の接触面の一部又は全部が表面粗さRmax : 2〜100 μ
    m である杵を用いて圧縮成形することを特徴とする半導
    体封止用成形材料のタブレット製造方法。
JP30679494A 1994-11-16 1994-11-16 半導体封止用成形材料のタブレット製造装置 Expired - Fee Related JP2551548B2 (ja)

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