JP2550786B2 - 液晶配向膜の作製方法 - Google Patents
液晶配向膜の作製方法Info
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Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Liquid Crystal Substances (AREA)
Description
【産業上の利用分野】本発明は液晶デバイスに係り、特
に液晶を配向させる為の液晶配向膜の作製方法に関す
る。近年、従来の液晶配向膜作製過程で必要なラビング
処理が不要な配向膜作製技術が望まれている。このた
め、LB法による配向膜作製技術が期待されている。
に液晶を配向させる為の液晶配向膜の作製方法に関す
る。近年、従来の液晶配向膜作製過程で必要なラビング
処理が不要な配向膜作製技術が望まれている。このた
め、LB法による配向膜作製技術が期待されている。
【従来の技術】従来の液晶素子においては、回転塗布あ
るいはフレキソ印刷による透明電極上に液晶配向膜材料
を塗布した後、液晶配向膜材料表面をナイロンブラシ等
で擦る(ラビング処理)ことにより、液晶配向膜を形成
する。ラビング処理の必要な従来の液晶配向膜と比較し
て、LB法により形成した液晶配向膜は累積時に分子が
配向しており、ラビング処理が不要である。このことか
ら、LB法はラビング処理に伴うゴミの発生などのない
配向膜作製技術として、特にセルギャップの小さい表面
安定化強誘電性液晶の配向膜作製技術として重要な技術
である。一般に、LB法(垂直浸漬法)は(1)水相表
面に所望の分子を含む展開溶液を展開、(2)展開溶媒
の揮発、(3)水相表面上の分子を所望の表面圧まで圧
縮、(4)水相表面上単分子膜を均一化する定圧アニー
ル(5)基板の昇降により水相表面上単分子膜の基板へ
の移し取り、の5工程がある。一般に、LB法における
高分子の配向は(5)の水相表面上に形成した単分子膜
を基板への移し取る過程で基板の昇降方向に分子の主鎖
方向が配向し、この配向性により液晶分子を配向させる
ことが可能である(日本化学会誌1987(11)P.2174〜2179
参照)。
るいはフレキソ印刷による透明電極上に液晶配向膜材料
を塗布した後、液晶配向膜材料表面をナイロンブラシ等
で擦る(ラビング処理)ことにより、液晶配向膜を形成
する。ラビング処理の必要な従来の液晶配向膜と比較し
て、LB法により形成した液晶配向膜は累積時に分子が
配向しており、ラビング処理が不要である。このことか
ら、LB法はラビング処理に伴うゴミの発生などのない
配向膜作製技術として、特にセルギャップの小さい表面
安定化強誘電性液晶の配向膜作製技術として重要な技術
である。一般に、LB法(垂直浸漬法)は(1)水相表
面に所望の分子を含む展開溶液を展開、(2)展開溶媒
の揮発、(3)水相表面上の分子を所望の表面圧まで圧
縮、(4)水相表面上単分子膜を均一化する定圧アニー
ル(5)基板の昇降により水相表面上単分子膜の基板へ
の移し取り、の5工程がある。一般に、LB法における
高分子の配向は(5)の水相表面上に形成した単分子膜
を基板への移し取る過程で基板の昇降方向に分子の主鎖
方向が配向し、この配向性により液晶分子を配向させる
ことが可能である(日本化学会誌1987(11)P.2174〜2179
参照)。
【発明が解決しようとする問題点】しかるに、従来のL
B法に於ては高分子の配向性(配向方向、配向規制力)
をコントロールすること、更に基板内に複数の配向性の
異なる部分を形成することは不可能である。本発明は、
上記の点を鑑みなされたもので、配向性のコントロール
が可能な液晶配向膜の作成方法を提供することを目的と
する。
B法に於ては高分子の配向性(配向方向、配向規制力)
をコントロールすること、更に基板内に複数の配向性の
異なる部分を形成することは不可能である。本発明は、
上記の点を鑑みなされたもので、配向性のコントロール
が可能な液晶配向膜の作成方法を提供することを目的と
する。
【問題を解決するための手段】本発明の上記目的は、液
晶配向材料として、主鎖に一つ以上のSi−Si結合を
有するポリイミド前駆体を用い、LB法により累積を行
なうときに、水相上の同一の展開分子の表面圧を変化さ
せることにより液晶の配向性の異なる液晶配向膜を形成
することを特徴とする液晶配向膜の作製方法を提供する
ことにより達成できる。また、それに加え水相上の同一
の展開分子の表面圧を変化させると共に、基板の昇降を
繰り返すことにより、配向性の異なる部分を基板内で且
つ基板昇降方向に複数混合させる液晶配向膜の作製方法
も有効である。
晶配向材料として、主鎖に一つ以上のSi−Si結合を
有するポリイミド前駆体を用い、LB法により累積を行
なうときに、水相上の同一の展開分子の表面圧を変化さ
せることにより液晶の配向性の異なる液晶配向膜を形成
することを特徴とする液晶配向膜の作製方法を提供する
ことにより達成できる。また、それに加え水相上の同一
の展開分子の表面圧を変化させると共に、基板の昇降を
繰り返すことにより、配向性の異なる部分を基板内で且
つ基板昇降方向に複数混合させる液晶配向膜の作製方法
も有効である。
【作用】基板内に複数の配向性の異なる部分を形成する
ためには、水相上の膜を基板に累積する過程で配向性を
変化させる手法が必要になる。そこで、上記手段により
本発明では配向性のコントロールが可能な分子として主
鎖にSi−Si結合を有するポリイミド前駆体を用い、
且つ該ポリイミド前駆体を表面圧を変えて累積したの
で、同一材料で配向性の異なる膜が形成できる。また、
基板内(基板昇降方向)に複数の配向性の異なる部分を
形成する手法として、累積中に表面圧を変化させること
により、基板の昇降方向あるいは昇降方向と垂直方向に
配向した部分を基板内(基板昇降方向)に複数混合でき
る。
ためには、水相上の膜を基板に累積する過程で配向性を
変化させる手法が必要になる。そこで、上記手段により
本発明では配向性のコントロールが可能な分子として主
鎖にSi−Si結合を有するポリイミド前駆体を用い、
且つ該ポリイミド前駆体を表面圧を変えて累積したの
で、同一材料で配向性の異なる膜が形成できる。また、
基板内(基板昇降方向)に複数の配向性の異なる部分を
形成する手法として、累積中に表面圧を変化させること
により、基板の昇降方向あるいは昇降方向と垂直方向に
配向した部分を基板内(基板昇降方向)に複数混合でき
る。
【実施例】LB膜を形成する基板として1.25cm2
の透明電極を設けた30×40×1tmmのガラス基板
を用いた。また、LB膜の配向方向の測定には10×5
0×1tmmの合成石英基板を用いた。LB膜累積材料
として、下記化学構造式3のポリイミド前駆体を用い
た。
の透明電極を設けた30×40×1tmmのガラス基板
を用いた。また、LB膜の配向方向の測定には10×5
0×1tmmの合成石英基板を用いた。LB膜累積材料
として、下記化学構造式3のポリイミド前駆体を用い
た。
【化3】 展開溶媒としてジメチルアセトアミド,ベンゼン1:1
溶液を用い、0.33mmol/lの展開溶液を作製し
た。展開溶液300μmを20.5℃の純水上展開した
後、5分放置した。放置後バリア速度0.5mm/sで
展開分子を圧縮し、累積表面圧(25mN/m,40m
N/m)に達した後、20分放置した。放置後基板引き
上げ方向から5mm/minの基板昇降速度で累積を行
なった。累積後、250℃で1時間加熱し、下記化学構
造式4のポリイミドLB膜を得た。
溶液を用い、0.33mmol/lの展開溶液を作製し
た。展開溶液300μmを20.5℃の純水上展開した
後、5分放置した。放置後バリア速度0.5mm/sで
展開分子を圧縮し、累積表面圧(25mN/m,40m
N/m)に達した後、20分放置した。放置後基板引き
上げ方向から5mm/minの基板昇降速度で累積を行
なった。累積後、250℃で1時間加熱し、下記化学構
造式4のポリイミドLB膜を得た。
【化4】 10×50×1t mmの合成石英基板に累積表面圧2
5mN/m及び40mN/mで21層累積し、加熱イミ
ド化を行なった。偏光UV吸収スペクトルに於ける26
5nmの吸収強度と偏光方向から、累積表面圧25mN
/m及び40mN/mでのポリイミドLB膜の配向方向
を比較した。25mN/mでは基板の昇降方向にポリイ
ミドの主鎖が配向した膜が得られ、40mN/mでは基
板の昇降方向と垂直にポリイミドの主鎖が配向した膜が
得られた。1.25cm2 の透明電極を設けた30×4
0×1t mmのガラス基板に累積表面圧25mN/m
及び40mN/mで垂直浸漬法により3層累積し、加熱
イミド化を行なった基板2枚を用い、一方の基板表面に
平均粒径1.6μmのシリカビーズをスペーサ材として
分散させ、2枚の基板をアンチパラレルの向きで張り合
わせた。このパネルに強誘電性液晶のZLI−4237
−100を注入し、一度I層にした後、2℃/minの
割合で降温した。この液晶パネルについて、偏向顕微鏡
を用いて液晶分子の配向方向を観察した結果、累積表面
圧25mN/m及び40mN/mとも配向膜であるポリ
イミドの主鎖方向と平行な配向であった。上記と同様の
ガラス基板を用い、LB法による累積時に、表面圧を2
5mN/mにした後基板を5mm上昇(あるいは降
下)、バリアによって水相上の分子膜を圧縮し、表面圧
を40mN/mにした後、基板を5mm上昇(あるいは
降下)、バリアによって水相上の分子膜を拡張し、表面
圧を25mN/mにした後、5mm上昇(あるいは降
下)を繰り返し、3層累積することにより、基板内(基
板昇降方向)に複数の配向性の異なる部分を形成した基
板を作製した。このようにして作製した基板2枚を上記
の方法で液晶パネルにした。この時、同じ表面圧で累積
た部分が向き合うように位置合わせを行なった。この液
晶パネルについて、偏光顕微鏡を用いて液晶分子の配向
方向を観察した結果、累積表面圧25mN/mの部分及
び40mN/mの部分とも配向膜であるポリイミドの主
鎖方向と平行な配向に液晶分子が配向し、基板の昇降方
向あるいは昇降方向と垂直方向に配向した部分を基板内
(基板昇降方向)に複数混合させることを可能にした。
図1は化学構造式3のポリイミド前駆体の表面圧−占有
面積特性(SURFACE PRESSURE-AREA)を示す。該図より明
らかな通り、本実施例においては(a)の領域から
(b)の領域に圧縮することにより、累積時における主
鎖の配向方向が変化する高分子材料に有効である。ポリ
アミド酸として、上記化学構造式1とアルキル鎖長が1
6以上のアルキルアミンより合成したポリイミド前駆体
に有効である。尚、上記化学構造式1における芳香族A
rの一例として4種類を化学構造式5に、アルキルアミ
ンの一例として4種類を化学構造式6に示す。
5mN/m及び40mN/mで21層累積し、加熱イミ
ド化を行なった。偏光UV吸収スペクトルに於ける26
5nmの吸収強度と偏光方向から、累積表面圧25mN
/m及び40mN/mでのポリイミドLB膜の配向方向
を比較した。25mN/mでは基板の昇降方向にポリイ
ミドの主鎖が配向した膜が得られ、40mN/mでは基
板の昇降方向と垂直にポリイミドの主鎖が配向した膜が
得られた。1.25cm2 の透明電極を設けた30×4
0×1t mmのガラス基板に累積表面圧25mN/m
及び40mN/mで垂直浸漬法により3層累積し、加熱
イミド化を行なった基板2枚を用い、一方の基板表面に
平均粒径1.6μmのシリカビーズをスペーサ材として
分散させ、2枚の基板をアンチパラレルの向きで張り合
わせた。このパネルに強誘電性液晶のZLI−4237
−100を注入し、一度I層にした後、2℃/minの
割合で降温した。この液晶パネルについて、偏向顕微鏡
を用いて液晶分子の配向方向を観察した結果、累積表面
圧25mN/m及び40mN/mとも配向膜であるポリ
イミドの主鎖方向と平行な配向であった。上記と同様の
ガラス基板を用い、LB法による累積時に、表面圧を2
5mN/mにした後基板を5mm上昇(あるいは降
下)、バリアによって水相上の分子膜を圧縮し、表面圧
を40mN/mにした後、基板を5mm上昇(あるいは
降下)、バリアによって水相上の分子膜を拡張し、表面
圧を25mN/mにした後、5mm上昇(あるいは降
下)を繰り返し、3層累積することにより、基板内(基
板昇降方向)に複数の配向性の異なる部分を形成した基
板を作製した。このようにして作製した基板2枚を上記
の方法で液晶パネルにした。この時、同じ表面圧で累積
た部分が向き合うように位置合わせを行なった。この液
晶パネルについて、偏光顕微鏡を用いて液晶分子の配向
方向を観察した結果、累積表面圧25mN/mの部分及
び40mN/mの部分とも配向膜であるポリイミドの主
鎖方向と平行な配向に液晶分子が配向し、基板の昇降方
向あるいは昇降方向と垂直方向に配向した部分を基板内
(基板昇降方向)に複数混合させることを可能にした。
図1は化学構造式3のポリイミド前駆体の表面圧−占有
面積特性(SURFACE PRESSURE-AREA)を示す。該図より明
らかな通り、本実施例においては(a)の領域から
(b)の領域に圧縮することにより、累積時における主
鎖の配向方向が変化する高分子材料に有効である。ポリ
アミド酸として、上記化学構造式1とアルキル鎖長が1
6以上のアルキルアミンより合成したポリイミド前駆体
に有効である。尚、上記化学構造式1における芳香族A
rの一例として4種類を化学構造式5に、アルキルアミ
ンの一例として4種類を化学構造式6に示す。
【化5】
【化6】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の主鎖に一つ
以上のSi−Si結合を有するポリイミド前駆体を表面
圧を変えて累積を行なうことにより、従来のLB膜と違
い同一の材料で配向性の異なる液晶配向膜を得ることが
可能となる。さらに、累積中に表面圧を変化させて累積
することにより、基板の昇降方向あるいは昇降方向と垂
直方向に配向した部分を基板内(基板昇降方向)に複数
混合させることが可能となる。
以上のSi−Si結合を有するポリイミド前駆体を表面
圧を変えて累積を行なうことにより、従来のLB膜と違
い同一の材料で配向性の異なる液晶配向膜を得ることが
可能となる。さらに、累積中に表面圧を変化させて累積
することにより、基板の昇降方向あるいは昇降方向と垂
直方向に配向した部分を基板内(基板昇降方向)に複数
混合させることが可能となる。
【図1】本発明の一実施例で用いたLB膜形成材料の表
面圧−面積特性曲線の一例である。
面圧−面積特性曲線の一例である。
Claims (4)
- 【請求項1】 液晶配向材料として、主鎖に一つ以上の
Si−Si結合を有するポリイミド前駆体を用い、 ラングミュア・ブロジェット法(以下LB法)により累
積を行なうときに、水相上の同一の展開分子の表面圧を
変化させることにより液晶の配向性の異なる液晶配向膜
を形成することを特徴とする液晶配向膜の作製方法。 - 【請求項2】 水相上の同一の展開分子の表面圧を変化
させると共に、基板の昇降を繰り返すことにより、配向
性の異なる部分を基板内で且つ基板昇降方向に複数混合
させることを特徴とする請求項1記載の液晶配向膜の作
製方法。 - 【請求項3】 ポリイミド前駆体を合成するポリアミド
酸として、下記化学構造式1(Ar:芳香族)の材料を
用いることを特徴とする請求項1或いは2記載の液晶配
向膜の作製方法。 【化1】 - 【請求項4】 ポリイミド前駆体として、ポリアミド酸
が下記化学構造式2からなり、且つアルキル鎖長が16
以上のアルキルアミンより合成したポリイミド前駆体を
用い、18mN/m〜30mN/mの表面圧と、40m
N/m〜50mN/mの表面圧で異なる配向性の分子膜
を累積するLB膜累積方法を用いて形成することを特徴
とする請求項1或いは2記載の液晶配向膜の作製方法。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3027330A JP2550786B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | 液晶配向膜の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3027330A JP2550786B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | 液晶配向膜の作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06136155A JPH06136155A (ja) | 1994-05-17 |
JP2550786B2 true JP2550786B2 (ja) | 1996-11-06 |
Family
ID=12218060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3027330A Expired - Lifetime JP2550786B2 (ja) | 1991-02-21 | 1991-02-21 | 液晶配向膜の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550786B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6507837B2 (ja) * | 2014-08-29 | 2019-05-08 | Jsr株式会社 | 液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、液晶表示素子、並びに位相差フィルム及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-02-21 JP JP3027330A patent/JP2550786B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06136155A (ja) | 1994-05-17 |
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