JPH05307179A - 単分子膜の製造方法及び単分子累積膜の製造方法 - Google Patents

単分子膜の製造方法及び単分子累積膜の製造方法

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JPH05307179A
JPH05307179A JP5244692A JP5244692A JPH05307179A JP H05307179 A JPH05307179 A JP H05307179A JP 5244692 A JP5244692 A JP 5244692A JP 5244692 A JP5244692 A JP 5244692A JP H05307179 A JPH05307179 A JP H05307179A
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film
monomolecular
monomolecular film
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JP5244692A
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Kenji Sano
健二 佐野
Shigeru Machida
茂 町田
Yasushi Mori
寧 森
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Toshiba Corp
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板に対する分子の結合力が強く、しかも分子
が同一方向に配向した単分子膜及び単分子累積膜を製造
する。 【構成】基板の表面を処理して反応性を与え、長さが1
5オングストローム以上である剛直な分子骨格の両端に
2つの官能基を有する分子を用い、これら2つの官能基
のうち一方を基板の表面と反応させて第1層の単分子膜
を形成し、更に長さが15オングストローム以上である
剛直な分子骨格の両端に2つの官能基を有する分子を用
い、これら2つの官能基のうち一方を下層の単分子膜を
構成する分子の他方の官能基と反応させて上層の単分子
膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単分子膜の製造方法及び
単分子累積膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、単分子膜を製造するのに優れた方
法として、LB法が知られている。この方法は、親水性
基と疎水性基とを有する直線状分子を気液界面に展開
し、圧縮して単分子膜を生成させ、この単分子膜に基板
を接触させて単分子膜を基板に移し取るものである。ま
た、基板の上下を繰り返すことにより、単分子膜を累積
することができる。
【0003】しかし、LB法では基板に単分子膜が物理
吸着しているだけであり、その力は極めて弱いため、L
B膜は極めて弱い膜である。また、LB法では、ゴミな
どにより膜に欠陥が生じないように、クリーンルームが
必要であるほか、使用する材料の洗浄、精製に細心の注
意を払わなければならない。
【0004】更に、LB法によりY膜を形成する場合、
単分子膜を累積する際に分子が反転するので、例えばダ
イポールモーメントが同一方向に配向した累積膜を得る
ことはできない。一方、LB法によりX膜を形成する場
合、分子の配向を制御できる可能性があるが、実際には
完全なX膜を形成することは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基板
に対する分子の結合力が強く、しかも分子が同一方向に
配向した単分子膜及び単分子累積膜を製造できる方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の単分子膜
の製造方法は、基板の表面を処理して反応性を与える工
程と、長さが15オングストローム以上の剛直な分子骨
格の両端に少なくとも1つの官能基を有する分子を用
い、前記官能基を前記基板の表面と反応させる工程とを
具備したことを特徴とするものである。
【0007】本発明の単分子累積膜の製造方法は、基板
の表面を処理して反応性を与える工程と、長さが15オ
ングストローム以上の剛直な分子骨格の両端に2つの官
能基を有する分子を用い、前記2つの官能基のうち一方
を前記基板の表面と反応させて第1層の単分子膜を形成
する工程と、長さが15オングストローム以上の剛直な
分子骨格の両端に2つの官能基を有する分子を用い、前
記2つの官能基のうち一方を下層の単分子膜を構成する
分子の他方の官能基と反応させて上層の単分子膜を形成
する工程とを具備したことを特徴とするものである。
【0008】本発明の方法を図1(a)〜(c)を参照
して説明する。なお、図1では分子中の官能基をA〜D
で表示している。まず、(a)に示すように、基板1の
表面を処理して、処理層2に反応性を与える。次に、
(b)に示すように、剛直な分子骨格の両端に官能基
A、Bを有する分子3を反応させて第1層の単分子膜を
形成する。単分子膜を製造する場合には、この段階で終
了する。単分子累積膜を製造する場合には、(c)に示
すように、剛直な分子骨格の両端に官能基C、Dを有す
る分子4を反応させて第2層の単分子膜を形成する。更
に、必要に応じ(c)の操作を繰り返して単分子累積膜
を製造する。以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】本発明において、基板としては種々の材質
のものを用いることができるが、その表面に官能基が規
則正しく高密度に存在するものが適当である。このよう
な官能基としては、−OH基が最も一般的である。−O
H基は、ガラス、シリコン、ゲルマニウム、金属などか
らなる基板の表面を酸などを用いて処理することによ
り、容易に発生させることができる。したがって、素子
として電子回路に組み込んで使用することを考慮して、
任意の基板表面にAlの真空蒸着やAuのスパッタリン
グなどにより、導電性の金属薄膜を形成したものを基板
として用いることもできる。これらの金属を用いる場
合、例えば表面に高エネルギービームを照射することに
より、活性点を発生させてもよい。
【0010】ただし、例えばSiの表面における−OH
基は20平方オングストローム当りに1個という密度で
存在するにすぎないことが知られている(Z.anor
g.allg.Chem.,389,92(197
2))。したがって、−OH基と有機分子の官能基とを
反応させて単分子膜を形成しようとしてもパッキングが
十分ではないと考えられる。
【0011】そこで、さらに基板の表面を処理して反応
性を与える、すなわち基板表面の官能基をより高密度に
することが好ましい。本発明において、基板の表面を処
理して反応性を与えるためには、以下のような種々の方
法を用いることができる。
【0012】例えば、前述したような基板を酸処理して
−OH基を発生させた後、四塩化ケイ素またはトリアル
コキシシラン、テトラアルコキシシランなどのシランカ
ップリング剤などを用いて基板の表面を処理する。これ
らのうちでは、反応により塩化水素が発生することのな
い、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランが
より好ましい。また、イソシアネート基を2つ以上有す
るイソシアネート化合物(テトライソシアネートシラ
ン、ヘキサメチレンジイソシアネート、p−ジイソシア
ネートベンゼンなど)またはイソチオシアネート基を2
つ以上有するイソチオシアネート化合物を用いてもよ
い。これらの化合物を用いる場合、官能基の一部を保護
して基板と反応させた後、保護基をはずしてもよい。
【0013】なお、表面処理剤として用いられるテトラ
アルコキシシランのうち従来汎用されている濃度2〜5
wt%程度のテトラエトキシシラン水溶液によって基板
を処理した場合、基板表面を十分に処理して官能基を高
密度に発生させるためには24時間以上の長時間を要す
るという問題がある。一般に表面処理剤の濃度を高める
と基板の処理時間は短縮できるが、テトラエトキシシラ
ン水溶液では高濃度になると自己重合して流動性が失わ
れ、使用できなくなるおそれがある。
【0014】そこで、本発明ではテトラメトキシシラン
を水とアセトンなどの有機溶媒との混合溶液に溶解させ
た溶液を用いることが好ましい。アセトンなどの有機溶
媒は、テトラメトキシシランの溶解度を向上させる作用
を有する。また、この溶液には酢酸などの酸を添加して
pHを調整することが好ましい。溶液中のテトラメトキ
シシランの濃度は20wt%以上であることが好まし
い。この理由は、20wt%未満では反応が遅く、官能
基の密度を高くするには処理時間が長くなるためであ
る。20wt%以上の濃度では、テトラメトキシシラン
の自己重合がある程度促進されるが、処理時間を短縮で
きる。濃度が高くなるにしたがって、処理時間は短くな
る。ただし、高濃度になればなるほど、短時間のうちに
自己重合が起こりやすくなるため、一度に大量の基板を
処理することが好ましい。さらに、50wt%以上の濃
度ではわずかに振動を与えるだけでも自己重合が起こる
ので、濃度は20〜50wt%、さらには20〜30w
t%の範囲とすることがより好ましい。また、テトラメ
トキシシラン溶液のpHは4以下とすることが好まし
い。pHが4を超える場合、特に5以上の場合には、反
応が遅くなる。
【0015】また、基板の表面に反応性を与えるため
に、基板の表面にポリマーまたはポリマー前駆体などの
有機物を形成してもよい。ポリマーの例としては、官能
基として−OH基を有するポリマーとして、ポリビニル
アルコール、ポリビニルフェノール、フェノール樹脂な
ど、エポキシ基を有するポリマーとしてエポキシ樹脂な
どが挙げられる。具体的なポリマーの形成方法は、基板
表面に前記のポリマーまたはその前駆体を塗布する方
法、基板表面にポリビスアセチレンのように活性点が等
間隔で並んだポリマーを塗布する方法、官能基を有する
ジアセチレン化合物、ビスオレフィン化合物を基板上に
エピタキシャル成長させ、これを光反応させて活性点が
等間隔で並んだポリマーを形成する方法、基板表面に形
成されたポリマーに高エネルギービームを照射すること
により、活性点を発生させる方法などが挙げられる。さ
らに、これらのポリマー自体を基板として用いてもよ
い。このように本発明では少なくとも表面がポリマーか
らなる基板を用いることができるので、基板の選択の自
由度が大幅に広がる。
【0016】本発明において、単分子膜を構成する分子
中の剛直な分子骨格は、長手方向の長さが15オングス
トローム以上のものである。分子骨格の長手方向の長さ
が15オングストローム以上に限定されるのは、これ未
満だと基板上での分子配向の制御が困難となるためであ
る。ここで剛直な分子骨格とは、結合の自由回転によっ
て結合角度、骨格の長さが変化しない部分を意味し、例
えば末端に自由回転の可能な結合を含む官能基を有する
ような場合には、その部分を含まない。剛直な分子骨格
の長手方向の長さは50オングストローム以上、さらに
100オングストローム以上であることがより好まし
い。剛直な分子骨格は、分子の長手方向の80%以上を
占めることが望ましく、大きければ大きいほどよい。
【0017】剛直な分子骨格の例としては、液晶分子の
メソーゲンに相当する、5員環もしくは6員環の芳香
環、炭化水素環、ヘテロ環もしくはこれらの縮合環など
の環構造、またはこれらを直線状に結合したものが挙げ
られる。結合部位としては、シッフ塩基結合、エステル
結合、ジアゾ結合、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三
重結合などが挙げられる。
【0018】具体的には、剛直な分子骨格の構成要素と
なる環構造および結合部位として、ビフェニル、トリフ
ェニル、ビピリジン、ビピラジン、フェニルピリミジ
ン、フェニルピリダジン、ベンゼン、ピリジン、ピリダ
ジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、テトラジ
ン、1,4−ジオキサジン、1,4−チアジン、チエノ
チオフェン、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフ
ラン、フラン、オキソラン、1,3−ジオキソラン、チ
オラン、ピロリジン、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、
2−イミダゾリン、オキサン、1,4−ジオキサン、チ
アン、ピペリジン、1,4−ジチアン、ピペリジン、ピ
ペラジン、ピロール、チオフェン、ピラゾール、イミダ
ゾール、トリアゾール、1H,1,2,4−トリアゾー
ル、1H−テトラゾール、イソオキサゾール、オキサゾ
ール、フラザン、イソチアゾール、チアゾール、2H−
ピラン、4H−ピラン、ベンゾチオフェン、インドー
ル、インドリン、イソインドール、イソインドリン、イ
ソインドリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾ
ール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベン
ゾオキサジアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾ
リン、プリン、2H−クロメン、4H−クロメン、クロ
マン、イソクロマン、キノリン、イソキノリン、4H−
イソキノリン、4H−キノリジン、シンノリン、キナゾ
リン、キノキサリン、フタラジン、1,8−ナフチリジ
ン、プテリジン、ジベンゾフランカルバゾール、キサン
テン、ジベンゾチオピラン、アクリジン、チアントレ
ン、フェナジン、フェノキサイン、フェノキサジン、フ
ェノチアジン、フェナントリジン、フェナントレン、
1,10−フェナントリロン、フェナゾン、ピレン、ナ
フタレン、キヌクリジン、ポリピロール、ポリ(N−置
換ピロール)、ポリ(3,4−ジ置換ピロール)、ポリ
チオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリアニリ
ン、ポリピリジン、ポリアズレン、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリセレノフェン、ポリ(N−置換カルバゾー
ル)、ポリフラン、ポリ(2,5−フリレンビニレ
ン)、ポリベンゾチオフェン、ポリ(フェニレンビニレ
ン)、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、ポリベン
ゾフラン、ポリ(パラフェニレン)、ポリインドール、
ポリイソチオナフテン、ポリピリダジン、ポリアセチレ
ン、ポリジアセチレン類などが挙げられる。
【0019】また、剛直な分子骨格として、ステロイド
骨格、ポルフィリン骨格、ポリアミド、タンパク質、糖
類、シクロデキストリン類、核酸、DNAなども挙げら
れる。これらのうち、ポリアミドは高次構造を形成でき
るモノマー単位を有するものを意味し、オリゴマーを含
む。ポリアミドの典型例として、単独でα−ヘリックス
構造を形成するポリアミノ酸がある。α−ヘリックス構
造は、水素結合により維持されているため、非常に剛直
である。例えばポリアラニン、ポリアスパラギン酸エス
テル、ポリグルタミン酸、ポリグルタミン酸エステル、
ポリロイシン、ポリリシン、ポリフェニルアラニン、ポ
リチロシンが挙げられる。また、単独ではα−ヘリック
ス構造を形成しないポリアミノ酸を、単独でα−ヘリッ
クス構造を形成するポリアミノ酸と併用してもよい。こ
のようなポリアミノ酸としては、ポリバリン、ポリイソ
ロイシン、ポリアセチルセリン、ポリセリン、ポリs−
メチルシステイン、ポリo−アセチルトレオニン、ポリ
トレオニン、ポリプロリンなどが挙げられる。
【0020】本発明において、基板表面に形成される第
1層の単分子膜を構成する分子中の基板の表面と反応す
る官能基は、前述した基板の処理に応じて、所望の反応
が生じるように適宜選択される。
【0021】例えば、基板表面の金属に対して反応する
官能基としては、−COOH基などの酸基、−OH基、
ハロゲンなどが挙げられる。基板と単分子膜を構成する
分子との結合に関しては、−COOH基を用いた場合に
は塩が生成し、−OH基を用いた場合にはアルコキシ結
合が生成し、ハロゲンを用いた場合には有機金属結合が
生成する。また、基板表面に反応させたシランカップリ
ング剤、厳密にはこれから誘導されるヒドロキシシラン
と反応する官能基としては、−OH基、−COOH基、
−NH2 基、ハロゲン、−CHO基、−COOCl基、
スルホン酸基、−SH基、エポキシ基、グリニャール試
薬の活性部分、イリド、ベンザイン、イソシアネート
基、イソチオシアネート基などが挙げられる。また、基
板表面に塗布されたエポキシ樹脂の前駆体に対して反応
する官能基としては、アミノ基、ヒドロキシル基などが
挙げられる。この場合、硬化剤とともに反応させて同時
に重合を起こさせる。
【0022】単分子膜を構成する分子中の他方の官能基
は特に限定されない。単分子膜を製造する場合には、他
方の官能基は反応性を有する必要はない。単分子累積膜
を製造する場合には、他方の官能基は第2層の単分子膜
を構成する分子の官能基に応じて適宜選択される。な
お、この場合他方の官能基を保護して基板の表面と反応
させた後、保護基をはずすことも可能である。さらに、
第2層以降の単分子膜を構成する分子の官能基も同様に
適宜選択される。また、後述するように、応用しようと
する素子において要求される特性に応じて種々の官能基
を有する分子が選択される。
【0023】本発明の方法を用いれば、前述したように
表面がポリマーからなる基板を使用した場合でも、この
基板上に単分子膜を形成することができる。ここで、分
子レベルで見れば、ポリマーの表面は無数のボイドが存
在するほか、ポリマー分子の配列も緻密なネットワーク
ではないため、極めて起伏の大きな構造を持っていると
考えられる。このような表面において、LB膜を形成し
物理吸着をもって分子配向を達成しようとしても、基板
と膜の接着が均一にはならないため、事実上成膜するこ
とができない。これに対して、本発明では、基板表面に
対して分子を化学反応させて化学結合により固定するた
め、成膜が可能になる。したがって、十分な反応条件を
設定した場合には、強固な膜を形成することができる。
【0024】さらに、基板表面のポリマー分子を処理す
れば、基板の平滑性を向上させ上記目的を容易に達成す
ることができるようになる。例えばシランカップリング
剤であるテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
などの材料はポリマー分子の間隙を埋め、これらの材料
自身が新たなシランポリマーのネットワーク層を形成す
るため、表面を平滑にする効果が期待できる。最上層に
形成された新たなシランポリマーのネットワークは、溶
液中のSi(OH)4 と平衡状態にあり、平面から突出
した部分が脱離するため、常に平滑な面が存在する。す
なわち、反応を止めた時点で、ある層数のシランポリマ
ーの平面が得られる。
【0025】以上のようなポリマー平面の上へのさらに
有効な単分子膜の形成方法は、平面のラフネスに対して
十分に大きな巨大分子を反応させることである。これに
よって事実上平面のラフネスを無視することができれ
ば、表面の粗いポリマーの上でも単分子膜を形成するこ
とができる。これには法線方向に十分な長さのスペーサ
を備えた構造の表面処理剤を用いることでさらに有効性
が増す。このようなスペーサは適当に柔軟性を持ち、基
板の理想平面に対して目的分子を配列させる働きがある
と考えられる。さらに上記のような作用を組み合わせる
ことにより、ポリマー基板の上においても、有効な分子
配列の制御を達成できる。
【0026】また、単分子累積膜を形成する場合に、上
述したように繰り返し行われる単分子膜を形成する工程
の間でテトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン
を用いれば、下層の単分子膜表面の官能基をより高密度
にすることができる。この場合は上層と下層の単分子膜
間に−O−Si−O−の層が存在することになる。な
お、このようなテトラアルコキシシラン、トリアルコキ
シシラン等を基板の表面処理に用いるかわりに、あらか
じめ単分子膜を構成する分子の官能基と反応させた後
に、反応物の溶液に基板を浸漬しても、全く同様に単分
子膜を形成することが可能である。
【0027】本発明において、剛直な分子骨格の両端に
少なくとも1つの官能基を有する分子を含有する反応液
中に基板を沈めて、官能基を基板の表面と反応させる際
には、基板を沈める速度を10cm/min以下とする
ことが好ましい。基板を沈める速度が10cm/min
を超えると、所望の配向性が得ることが困難になる。さ
らに、反応液中に基板を沈める速度を4cm/min以
下とすれば、反応液の拡散が抑えられ、より好適であ
る。
【0028】本発明の方法によって形成される単分子膜
を構成する分子の分子骨格は、柔軟性がなく、かつ平面
性を有する。このような分子骨格が重なり合うと、自由
エネルギーが低くなり、結晶性の分子集団を形成する。
したがって、本発明の方法により基板の表面に単分子膜
を形成すれば、基板との結合力が強く、かつ高い配向性
を持ったバルク結晶に相当する分子集団を形成でき、例
えばダイポールモーメントを基板の法線方向に揃えるこ
とができる。このような単分子膜は、SHG、THGな
どの非線形光学素子の導波路;側鎖発色基の配向による
光導電性の付与;側鎖にホトクロミック基を導入するこ
とによる光情報記録材料および生体材料の光制御への応
用;コレステリック液晶性を利用したノッチフィルタ
ー;発色基の固定による分子素子への応用;など種々の
応用が考えられる。
【0029】本発明の単分子膜、単分子累積膜に使用さ
れる分子は、応用される素子に応じて異なる。例えば、
第2高調波を発生する非線形光学素子に応用する場合に
は、単分子膜が形成された状態で、π電子系の両端に、
シアノ基、ニトロ基、エステル基、ケトン基、カルボン
酸基などの電子吸引性基と、アミノ基、置換アミノ基、
アルコキシル基などの電子供与性基とが存在するような
分子が用いられる。なお、これらは中心対称性があり結
晶状態ではSHG不活性となるものでもよく、超分子分
極率βの大きい分子であればよい。また、EL素子に応
用する場合には、適当な官能基を有するアルミキノリン
錯体、2,5−ビススチリルピラジン、2,6−ビス
[2−(1−ナフチル)ビニル]ピリジンなどの分子が
用いられる。光導電性材料に応用する場合には、適当な
官能基を有するアゾ類、ビスアゾ類、フタロシアニン
類、ナフタロシアニン類などの染料、顔料が用いられ
る。
【0030】さらに、本発明の方法を用いれば、比較的
複雑な構造の素子を製造することもできる。例えば、非
線形光学素子では第2高調波を高効率で得るために、入
射波と高調波との間での位相整合が重要になる。ただ
し、完全な位相整合条件を満たすことは不可能である。
そこで、反転ドメイン構造を利用して準位相整合を実現
することが検討されている。反転ドメイン構造とは、周
期的に形成されたドメインごとに、発生する非線形分極
波の符号が交互に反転するような構造である。このよう
な構造では、ドメインごとに第2高調波の出力が重ね合
わされるため、見かけ上の位相整合を実現できる。従
来、無機材料では、反転ドメイン構造の導波路が形成さ
れている。一方、有機材料の単分子膜を用いて分子の配
向が制御された反転ドメイン構造を形成させる技術は確
立されていない。例えば、LB法では、原理的に反転ド
メイン構造を形成することは極めて困難である。
【0031】本発明の方法では、基板表面の第1の領域
を選択的に第1の表面処理剤で処理して反応性を与える
工程と、ポリアミドのC末端を前記第1の表面処理剤の
官能基と反応させて基板上に単分子膜を形成する工程
と、基板表面の前記第1の領域以外の第2の領域を選択
的に第2の表面処理剤で処理して反応性を与える工程
と、ポリアミドのN末端を前記第2の表面処理剤の官能
基と反応させて基板上に単分子膜を形成する工程とによ
り、反転ドメイン構造の非線形光学素子を製造できる。
【0032】また、基板表面の第1の領域を選択的に第
1の表面処理剤で処理して反応性を与える工程と、ポリ
アミドのC末端を前記第1の表面処理剤の官能基と反応
させて基板上に下層の単分子膜を形成する操作、および
ポリアミドのC末端を前記下層の単分子膜を構成するポ
リアミドのN末端と反応させて上層の単分子膜を形成す
る操作を繰り返す工程と、基板表面の前記第1の領域以
外の第2の領域を選択的に第2の表面処理剤で処理して
反応性を与える工程と、ポリアミドのN末端を前記第2
の表面処理剤の官能基と反応させて基板上に下層の単分
子膜を形成する操作、およびポリアミドのN末端を前記
下層の単分子膜を構成するポリアミドのC末端と反応さ
せて上層の単分子膜を形成する操作を繰り返す工程によ
り、累積膜を構成要素とし、かつ反転ドメイン構造の非
線形光学素子を製造できる。
【0033】この場合、基板表面の第1の表面処理剤で
選択的に処理される第1の領域を画定するには、第1の
領域以外の領域(第2の領域)にマスクを形成する方法
が用いられる。具体的には、通常の半導体装置の製造と
同様にフォトレジストのパターンを形成する方法、弾性
体などを密着させる方法、シルクスクリーン印刷などの
印刷技術を用いる方法などが用いられる。また、基板表
面の第2の表面処理剤で選択的に処理される第2の領域
を画定するには、前記のマスクを除去して新たに第2の
領域を露出させる。第1および第2の領域はストライプ
状のパターンをなすように形成するのが一般的である。
【0034】基板表面を処理するために用いられる第1
および第2の表面処理剤としては、官能基を有するシラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤などが好まし
い。このようなカップリング剤を用いた場合、カップリ
ング剤中に存在するアルコキシ基が基板と反応し、前記
官能基がポリアミドのC末端またはN末端と反応する。
ポリアミドのC末端と反応するものとしては、例えば一
級アミノ基を有するシランカップリング剤が挙げられ
る。ポリアミドのN末端と反応するものとしては、例え
ばイソシアナート基、イソチオシアナート基、または−
COOH基を有するシランカップリング剤が挙げられ
る。これらのカップリング剤は単独で用いてもよいし、
組み合わせて用いてもよい。
【0035】より具体的には、まず基板表面にマスクを
形成し、所望の領域を露出させて選択的に表面処理剤で
処理してポリアミドのC末端またはN末端に対する反応
性を与える。次に、ポリアミドのC末端またはN末端を
前記表面処理剤の官能基と反応させて基板上に単分子膜
を形成する。さらに、前記マスクを除去し、露出された
領域を選択的に表面処理剤で処理してポリアミドのN末
端またはC末端に対する反応性を与える。次いで、同一
種のポリアミドのN末端またはC末端を前記表面処理剤
の官能基と反応させて基板上に単分子膜を形成する。
【0036】多層膜を形成する場合には、第1、第2の
領域でそれぞれポリアミド(下層のポリアミドと同一種
または別種)のC末端またはN末端を下層のポリアミド
のN末端またはC末端と反応させて上層の単分子膜を形
成するという操作を繰り返す。なお、上層の単分子膜を
構成するポリアミドは第1の領域でも第2の領域でも同
一である。
【0037】このような方法により基板の表面にポリア
ミドの単分子膜を形成すれば、基板との結合力が強く高
い配向性を持ったバルク結晶に相当する分子集団を形成
しながら、基板の法線方向にダイポールモーメントを揃
えることができ、しかも反転ドメイン構造を形成でき
る。したがって、このような単分子膜からなる導波路を
有する非線形光学素子では、高効率で第2高調波を得る
ことができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 [実施例1]
【0039】食塩結晶からなる厚さ5mmの基板の表面
に膜厚100nmのAlを蒸着して基板を処理した。ま
た、4−シアノ−4´−ヒドロキシトリフェニルを乾燥
ジクロロメタン/アセトン(100:25)混合溶媒に
溶解した0.2モル/lの溶液を調製した。
【0040】0℃、窒素気流下において、ディップコー
ターを用いて4mm/minの速度で基板を溶液に垂直
に沈めた。この状態で6時間放置した後、基板を引上
げ、アセトンで洗浄してそのまま乾燥させた。
【0041】この基板についてIRスペクトルを測定し
たところ、2025cm-1にCNの伸縮振動に基づく吸
収が観察された。このことから、基板に前記分子がアル
コキシ結合を介して結合していると推定される。
【0042】得られた基板について、図2に示す装置で
SHGを測定した。図2において、試料21は回転可能
なサンプルステージ15上に設置される。YAGレーザ
11から放射されるレーザ光(波長1064nm)のう
ちプリズム12への入射面で反射されたものは、フォト
ダイオード13により基本波長信号に変換され、デジタ
ルオシロスコープ20に入力される。YAGレーザ11
から放射されるレーザ光のうちプリズム12を透過した
ものは、レンズ14を通して、試料21に単分子膜側か
ら入射される。試料21からの透過光は、レンズ16、
IRカットフィルタ17を介して分光器18に入射さ
れ、波長532nmの第2高調波が分光される。第2高
調波は光電子増倍管19により検出波長信号に変換さ
れ、デジタルオシロスコープ20に入力される。
【0043】この装置を用い、サンプルステージ15を
回転させながら、波長532nmのSHG強度が最大と
なる位置を調べた。この場合、試料21表面に対して約
15度傾いた角度から入射された光で最大のSHG光が
観察された。ただし、強度を測定できるだけのSHG光
は得られなかった。SHG光が観察されたことから、4
−シアノ−4´−ヒドロキシトリフェニルのシアノ基が
同一方向に配向していることが確認された。これらの事
実から、この分子が単分子膜を形成していると結論でき
た。なお、試料21表面に対してある角度から光が入射
された場合に最大のSHG光が観察されることから、前
記分子は多少チルトしていることが推定される。
【0044】以上のことから、本発明の方法は非線形光
学素子を形成する手段となり得ることが確認された。ま
た、基板上での選択的な単分子膜形成により、導波路を
形成できる可能性もある。 [実施例2]
【0045】厚さ2mmのコルツの基板の表面に膜厚1
00nmのAlを蒸着して基板を処理した。次に、実施
例1と同様にして、4,4´−ジヒドロキシトリフェニ
ルからなる第1層の単分子膜、4,4´−トリフェニル
スルホニルクロライドからなる第2層の単分子膜、4−
シアノ−4´−ヒドロキシトリフェニルからなる第3層
の単分子膜を順次形成した。この試料について、実施例
1で用いたのと同一の装置を用い、SHGを測定したと
ころ、SHG活性であることが確認された。
【0046】この試料の電子線回折を測定した結果、分
子軸方向をc軸とした場合にab面に由来すると考えら
れる対象性のパターンが観測され、分子が基板に対して
ほぼ垂直に結合していることが推定された。 [実施例3]
【0047】よく洗浄したプレパラートガラスに四塩化
ケイ素を反応させて表面処理した。この表面処理によ
り、表面にケイ素−塩素の官能基が高密度に露出し、し
かもこの官能基は法線方向に配向していることが予想さ
れる。これを4−シアノ−4´−ヒドロキシトリフェニ
ルの乾燥塩化メチレン溶液に浸し、実施例1と同様にし
て単分子膜を形成した。この試料について、実施例1で
用いたのと同一の装置を用い、SHGを測定したとこ
ろ、SHG活性であることが確認された。
【0048】この試料の電子線回折を測定した結果、分
子軸方向をc軸とした場合にab面に由来すると考えら
れる対象性のパターンが観測され、分子が基板に対して
ほぼ垂直に結合していることが推定された。
【0049】また、四塩化ケイ素で処理されたプレパラ
ートガラスに、4,4´−ジヒドロキシトリフェニル及
び4,4´−トリフェニルスルホニルクロリドを順次反
応させて6層の単分子累積膜を作製した。この試料の電
子線回折を測定した結果、均一な膜であることが確認さ
れた。 [実施例4]
【0050】基板としてSi−ATRプリズムを用意
し、蒸留水流で1時間洗浄し、塩化メチレンで5分間超
音波洗浄し、フロンで蒸気洗浄した。また、25ccの
蒸留水および1ccの酢酸にN−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(東芝シ
リコーン社製シランカップリング剤、商品名TSL−8
345)1.25gを混合して撹拌し、pH4の表面処
理液を調製した。この表面処理液に前記Si−ATRプ
リズムを半分の面積だけ浸漬し、室温で2時間放置した
後、アセトン、蒸留水、アセトンの順で洗浄して乾燥し
た。
【0051】一方、25ccの乾燥THF(テトラヒド
ロフラン)にリトコール酸(東京化成社製)2gを溶解
して0℃に保持し、DCC(ジシクロヘキシルカルボジ
イミド)1.4gを加えて15分間反応させた。リトコ
ール酸はコレステロール骨格を有するため、剛直であ
り、結合の自由回転によって屈曲することができない。
分子模型によると、リトコール酸の長手方向の長さは1
5オングストローム以上である。この反応溶液に表面処
理されたSi−ATRプリズムを2cm/minの速度
で沈めた。この溶液の温度をゆっくりと室温まで上昇さ
せ、そのまま1時間反応させた。反応終了後、アセト
ン、水で洗浄し、副生成物および過剰のリトコール酸を
除去した。
【0052】Si−ATRプリズムの半分の単分子膜が
形成されている領域をATR法により観察したところ、
1510cm-1にN−Hの吸収が確認できた。また、偏
光板を用いて観察したところ、大きな角度依存性が認め
られ、配向性が高いことが確認された。
【0053】さらに、Si−ATRプリズムの半分ずつ
2つの領域にそれぞれ水を滴下し、接触角を測定した。
その結果、接触角は、単分子膜が形成されていない領域
では41度、リトコール酸の単分子膜が形成されている
領域では54.5度であり、リトコール酸のコレステロ
ール骨格に起因してこの領域が非常に疎水的になってい
ることがわかった。
【0054】比較のために、反応溶液にSi−ATRプ
リズムを沈める速度を10cm/min以上にして単分
子膜を形成した。前記と同様に接触角を測定したとこ
ろ、接触角は45度以上にはならず、疎水化の程度が小
さいことがわかった。
【0055】さらに、シランカップリング剤による処理
およびリトコール酸反応溶液との反応を繰り返し、単分
子累積膜を形成したところ、20層を超えても最初の状
態と全く変わらない均一な膜が得られた。
【0056】これに対して、反応溶液にSi−ATRプ
リズムを沈める速度を10cm/min以上にして単分
子累積膜を形成した場合、4層目から膜に欠陥が生じや
すくなり、STMによる観察結果から膜の均一性も劣る
ことがわかった。 [実施例5]
【0057】基板としてプレパラートガラスを用意し、
蒸留水流で1時間洗浄し、アセトンで5分間超音波洗浄
し、フロンで蒸気洗浄した。その後、実施例4と全く同
様にしてプレパラートガラスの半分の面積を表面処理し
た。
【0058】次に、実施例4で用いたのと同一の反応溶
液に表面処理されたプレパラートガラスを4cm/mi
nの速度で沈めた。この溶液の温度をゆっくりと室温ま
で上昇させ、そのまま1時間反応させた。反応終了後、
アセトン、水で洗浄し、副生成物および過剰のリトコー
ル酸を除去した。
【0059】得られた単分子膜の上にTN液晶(メルク
ジャパン社製、商品名TE−T515)を滴下し、この
上に予めポリイミドのラビング膜を形成したガラス基板
を設置した。さらに、これらの両面を2枚の偏光板で挟
み、蛍光灯の光を照射して観察した。その結果、クロス
ニコル状態で均一なノーマリーホワイトが観察され、プ
レパラートガラス表面の単分子膜が配向制御能を有する
ことが確認された。なお、未処理またはシランカップリ
ング処理のみを行ったプレパラートガラスでは、このよ
うな配向制御能が全くないことが確認されている。
【0060】比較のために、反応溶液にプレパラートガ
ラスを沈める速度を10cm/min以上にして単分子
膜を形成した。前記と同様にTN液晶の配向制御能を調
べたところ、クロスニコル状態でノーマリーホワイトが
観察されたが、明るさが劣り、均一性にも欠けることが
わかった。
【0061】さらに、シランカップリング剤による処理
およびリトコール酸反応溶液との反応を繰り返し、5層
の単分子累積膜を形成した。この単分子累積膜の厚さを
エリプソメトリーにより測定したところ、120オング
ストロームを超えていた。また、前記と同様に液晶分子
の配向能を調べたところ、前記と同様な結果が得られ
た。 [実施例6]基板としてSi−ATRプリズムを用意
し、実施例4と同様に洗浄処理、およびシランカップリ
ング剤による処理を行った。
【0062】一方、50ccの乾燥m−クレゾールにポ
リ−L−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル(PBL
G、シグマ社製、分子量15万)3gを溶解して0℃に
保持し、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)
1.4gを加えて20分間反応させた。この溶液に表面
処理されたSi−ATRプリズムを沈め、この溶液の温
度をゆっくりと室温まで上昇させ、そのまま1晩反応さ
せた。反応終了後、アセトン、水で洗浄し、副生成物お
よび過剰のPBLGを除去した。このようにして形成さ
れた単分子膜の膜厚は、分子が全て基板面に対して垂直
に立っているとすれば、約100nmと見積もられる。
【0063】Si−ATRプリズムの半分の単分子膜が
形成されている領域をATR法により観察したところ、
1630cm-1にアミドカルボニルの吸収を確認でき
た。また、偏光板を用いて観察したところ、大きな角度
依存性が認められ、配向性が高いことが確認された。
【0064】さらに、Si−ATRプリズムの半分ずつ
2つの領域にそれぞれ水を滴下し、接触角を測定した。
その結果、接触角は、単分子膜が形成されていない領域
では22度、PBLGの単分子膜が形成されている領域
では54.5度であり、PBLGの分子骨格に起因して
この領域が非常に疎水的になっていることがわかった。
【0065】また、基板としてアルミニウムを用い、前
記と全く同様にしてPBLGの単分子膜を形成した。X
PS法により基板表面の被覆率を測定したところ、基板
としてSi−ATRプリズムを用いた場合よりは表面の
被覆率が低いものの、N原子が確認され、CとNの比は
12:1でPBLGの組成比と一致していた。
【0066】また、基板としてプレパラートガラスを用
い、前記と全く同様にしてPBLGの単分子膜を形成し
た。この試料について、図2に示す装置でSHGを測定
した。サンプルステージ15を回転させながら、波長5
32nmのSHG強度が最大となる位置を調べた。この
場合、試料21表面に対して約65度傾いた角度から入
射された光で最大のSHG光が観察された。SHG光が
観察されたことから、PBLGが同一方向に配向してい
ることが確認された。
【0067】さらに、基板としてSi−ATRプリズ
ム、アルミニウムおよびプレパラートガラスを用い、前
記と同様にシランカップリング剤による処理およびPB
LG反応溶液との反応を繰り返し、単分子累積膜を形成
した。これらの試料について前記と同様な測定を行った
ところ、前記と同様にSHG光が観察され、PBLGが
同一方向に配向していることが確認された。また、この
うち、プレパラートガラス上に形成された単分子累積膜
についてのSHG特性図を図3に示す。図3に示される
ように、この場合、入射光に対して約65〜70度の角
度で最大のSHG光が観測された。これは、前記PBL
G単分子膜の場合よりもさらに配向が強くなっているこ
とを示している。 [実施例7]
【0068】基板としてコルツ基板を用意し、塩化メチ
レンおよびアセトンで洗浄した後、水を滴下し接触角を
測定したところ62度であった。続いて、アセトン:水
=20:50の混合溶媒中にテトラエトキシシラン(東
芝シリコーン社製シランカップリング剤、商品名TSL
−8124)を加えて撹拌し、pH3のテトラエトキシ
シラン5wt%溶液を調製した。この後、この溶液を用
いて前記基板の表面を1時間処理して、接触角を測定し
たところ、接触角は22度であり基板表面が非常に親水
的になっていた。この結果より、基板の表面処理前で
は、塩酸処理をしていないことに基づき、基板表面の−
OH基密度は低かったが、テトラアルコキシシランによ
る処理を施すことにより、基板表面の−OH基密度が著
しく高められていることが確認された。
【0069】次いで、前述したようなテトラエトキシシ
ランによる表面処理の施された基板を実施例4と同様の
表面処理液でさらに表面処理した後、実施例4で用いた
のと同一の反応溶液に浸漬したところ、実施例4と同様
にリトコール酸の単分子膜を形成することができた。 [実施例8]
【0070】基板としてプレパラートガラスを用意し
た。このプレパラートガラスの水に対する接触角は6度
であった。これを、蒸留水流で1時間洗浄し、塩化メチ
レンで5分間超音波洗浄し、フロンで蒸気洗浄した。こ
の上に、ポリビニルアルコールを0.1μmの厚さにス
ピンコートして乾燥させ、表面が−OH基を有するポリ
マーよりなる基板を得た。
【0071】また、25ccの蒸留水および1ccの酢
酸に、アミノ基を有するシランカップリング剤(東芝シ
リコーン社製、商品名TSL−8345)1.25gを
混合して撹拌し、pH4の表面処理液を調製した。この
表面処理液に前記基板を浸漬し、室温で24時間放置し
た後、アセトン、蒸留水、アセトンの順で洗浄して乾燥
した。
【0072】一方、塩化メチレンに、分子量51000
のポリ−L−グルタミン酸γ−ベンジルエステル(PB
LG、シグマ社製)3gを溶解して0℃に保持し、DC
C(ジシクロヘキシルカルボジイミド)0.1gを加え
て15分間反応させた。この溶液に表面処理された基板
を浸漬し、この溶液の温度をゆっくりと室温まで上昇さ
せ、そのまま7日間反応させた。反応終了後、塩化メチ
レン、水−アセトンで洗浄し、副生成物および過剰のP
BLGを除去した。この後、このような反応を行った基
板の表面に水を滴下したところ、PBLGの単分子膜が
製膜されたことに起因して接触角が66度と疎水的であ
った。
【0073】次いで、図2に示すように、この試料を回
転可能なサンプルステージ上に設置し、YAGレーザか
ら放射される波長1064nmのレーザ光を試料に単分
子膜側から入射し、波長532nmの第2次高調波を検
出した。さらに試料を設置したサンプルステージを回転
させて、この操作を繰り返した。その結果、試料へのレ
ーザ光の入射角に依存してSHG強度が増減する顕著な
メーカーフリンジパターンを示した。これは、PBLG
のダイポールモーメントが、基板に対して法線方向に配
向していることによるものである。したがって、表面に
ポリビニルアルコールが形成された基板上でPBLGが
配向していることが確認された。 [実施例9]
【0074】分子量12万のPBLGを用いた以外は実
施例8と同様にして第2次高調波を検出した。その結
果、実施例8と同様に顕著なメーカーフリンジパターン
が観測され、しかもSHG強度は実施例8の4倍であっ
た。 [実施例10]
【0075】実施例8の試料を、再び分子量51000
のPBLG3gおよびDCC0.1gを含む塩化メチレ
ン溶液と7日間反応させてPBLGの2層膜を形成し
た。この試料について、実施例8と同様にして第2次高
調波を検出した。その結果、実施例8と同様に顕著なメ
ーカーフリンジパターンが観測され、しかもSHG強度
は実施例8の3.5倍であった。 [実施例11]
【0076】まず、テトラメトキシシラン(東芝シリコ
ーン製、商品名TSL−8114)1g、水25g、ア
セトン25g、酢酸1gの混合溶液を調製した。この溶
液中のテトラメトキシシラン濃度は1.9wt%であ
る。未処理の状態で水に対する接触角が60度であるA
l基板をこの混合溶液に浸漬し、接触角の経時変化を調
べた。その結果、24時間で接触角が21度まで減少し
た。
【0077】また、テトラメトキシシラン(東芝シリコ
ーン製、商品名TSL−8114)5g、水25g、ア
セトン25g、酢酸1gの混合溶液を調製した。この溶
液中のテトラメトキシシラン濃度は8.8wt%であ
る。未処理の状態で水に対する接触角が78度であるA
l基板をこの混合溶液に浸漬し、接触角の経時変化を調
べた。その結果、12時間で接触角が24度まで減少し
た。
【0078】さらに、テトラメトキシシラン(東芝シリ
コーン製、商品名TSL−8114)7g、水10g、
アセトン10g、酢酸1gの混合溶液を調製した。この
溶液中のテトラメトキシシラン濃度は25wt%、pH
は3である。未処理の状態で水に対する接触角が78度
であるAl基板をこの混合溶液に浸漬し、接触角の経時
変化を調べた。その結果、6時間で接触角が24度まで
減少した。このようにテトラメトキシシランの溶液で
は、濃度を20wt%以上まで上げても自己重合を生じ
ず、基板の処理時間を短縮することが可能であった。
【0079】次に、アミノ基を有するシランカップリン
グ剤(東芝シリコーン製、商品名TSL−8114)4
g、水200g、酢酸8ccを混合したpH4の水溶液
を調製した。この後、濃度25wt%のテトラメトキシ
シランの溶液によって表面が処理された前記基板をこの
水溶液に12時間浸漬して反応させた。
【0080】さらに、分子量12万のポリ−L−グルタ
ミン酸γ−ベンジルエステル(PBGL)3g、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(DCC)0.08gを溶解
した塩化メチレン溶液を調製し、前記基板にこの溶液を
反応させてPBLG単分子膜を形成した。
【0081】RASスペクトルにより基板に対して垂直
方向に配向した官能基の吸収を測定した。その結果、1
660cm-1にカルボニル基の吸収がシャープに観察さ
れた。
【0082】一方、Al基板の代わりにSi基板を用
い、前記とまったく同様な操作によりPBGL単分子膜
を形成した。S偏光を照射してATRスペクトルを測定
した。その結果、カルボニル基の吸収が消失した。これ
らの結果から、PBLG単分子膜においてPBLG分子
は基板に対して垂直方向に配向していることが確認され
た。 [実施例12]
【0083】基板としてガラス上にCrを蒸着したもの
を用意し、塩化メチレンで5分間超音波洗浄し、フロン
で蒸気洗浄した。また、10ccの乾燥塩化メチレンに
テトライソシアネートシラン2gを混合して撹拌した。
この表面処理液に前記基板を浸漬し、1時間静置した
後、乾燥塩化メチレンで洗浄して乾燥した。
【0084】一方、10ccの乾燥塩化メチレンにPB
LG(シグマ社製、分子量5万)3gを溶解した。この
溶液に表面処理された基板を沈め、12時間静置して反
応させた。反応終了後、塩化メチレンで繰り返し洗浄
し、乾燥させた。
【0085】この試料について、RASスペクトルを測
定したところ、1731、1650、1549cm-1
エステルとアミドのカルボニルの吸収が観測された。こ
れをPBLGがランダムに配向している試料のスペクト
ルと比較すると、1650cm-1のカルボニルのピーク
が増大していた。このことから、基板に対して垂直方向
にPBLGの分子軸が存在する、すなわち基板の法線方
向にPBLGが配向していることがわかった。 [実施例13]
【0086】実施例12と同様に、基板を洗浄し、テト
ライソシアネートシランで表面処理した後、PBLGと
の反応を繰り返して5層構造のPBLG単分子累積膜を
形成した。
【0087】この試料について、図2に示す装置でSH
Gを測定した。その結果、無処理のガラス基板と比較し
て約20倍の強度のSHGが観測された。このことか
ら、基板の法線方向にダイポールモーメントが揃ってお
り、PBLGの配向が制御されていることがわかった。 [実施例14]
【0088】基板として20mm×5mmのプレパラー
トグラスを用意した。このプレパラートグラスの水に対
する接触角は22度であった。このプレパラートグラス
を蒸留水流で1時間洗浄し、塩化メチレンで5分間超音
波洗浄し、フロンで蒸気洗浄した。この基板上にフォト
レジストを塗布し露光・現像することにより、所定領域
(第2の領域)上に、プレパラートグラスの長手方向の
断面で見て幅100μm、間隔100μm、100周期
のストライプ状のレジストパターンを形成した。
【0089】また、25ccの蒸留水および1ccの酢
酸に、アミノ基を有するシランカップリング剤(東芝シ
リコーン社製、商品名TSL−8345)1.25gを
混合して撹拌し、pH4の表面処理液を調製した。この
表面処理液に前記プレパラートグラスを浸漬し、マスク
されていない部分を室温で8時間処理した。その後、ア
セトン、蒸留水、アセトンの順で洗浄して乾燥した。
【0090】一方、50ccの乾燥塩化メチレンに、分
子量2万のポリ−L−グルタミン酸γ−ベンジルエステ
ル(PBLG、シグマ社製)3gを溶解して0℃に保持
し、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)1.4
gと20分間反応させた。この溶液に前記プレパラート
グラスを浸漬し、この溶液の温度をゆっくりと室温まで
上昇させ、そのまま1晩反応させた。反応終了後、アセ
トン、水で洗浄し、副生成物および過剰のPBLGを除
去した。この反応により、PBLGのC末端がプレパラ
ートグラス表面のマスクされていないドメイン(第1の
領域)に結合して単分子膜が形成される。次に、レジス
トパターンを除去し、プレパラートグラス表面の新たに
露出した領域(第2の領域)をイソシアナート基を有す
るシランカップリング剤(チッソ社製)を含む表面処理
液で処理した。次いで、分子量2万のPBLG3gおよ
びDCC1.4gを含む乾燥塩化メチレン50ccに前
記プレパラートグラスを浸漬して、前記と同様に反応さ
せた。この反応により、PBLGのN末端がプレパラー
トグラス表面の新たに露出されたドメイン(第2の領
域)に結合して、単分子膜が形成される。以上のように
して、PBLG単分子膜からなる反転ドメイン構造の導
波路を形成した。
【0091】このようにして形成されたPBLG単分子
膜の膜厚は、分子がすべて基板面に垂直な方向に配向し
ているとすると、約13nmと見積もられる。このPB
LG単分子膜の水に対する接触角は51度となり、PB
LGの分子骨格に起因して疎水的であることがわかっ
た。また、XPS法により基板表面の炭素と窒素との比
を求めたところ、約12:1であった。この値はPBL
Gの組成とよく一致している。
【0092】この試料について、図4に示すような装置
で第2高調波を測定した。基板31上の単分子膜32の
両端にプリズムカプラ33、34が設置される。2つの
プリズムカプラ33、34の位置は、これらの間におけ
る光の伝送距離が15mmとなるように設定される。光
は単分子膜32中においてストライプ状の2種のドメイ
ンを交互にそれらの幅方向に沿って伝送される。入射光
35としては、Nd−YAGレーザの基本波(波長1.
064μm、強度20mJ)を用いた。この入射光を一
方のプリズムカプラ33から単分子膜に入射し、他方の
プリズムカプラ34から出射させた。この出射光36に
含まれる第2高調波38を赤外線カットフィルタ37に
より分離し、その強度を測定した。
【0093】その結果、20mJの入射光強度に対して
5mJの第2高調波が得られた。反転ドメイン構造を持
たないPBLG単分子膜の場合に観測された第2高調波
の強度が0.1mJであったのと比較すると、この値は
非常に大きな値である。 [実施例15]
【0094】まず、実施例14におけるPBLG溶液の
調製に準じて、ポリ−β−ベンジル−L−アスパルテー
ト(PBLA)の溶液を調製した。この後、第1の領域
においてPBLG単分子膜のN末端にPBLAのC末端
を反応させる工程を付加し、さらに第2の領域において
PBLG単分子膜のC末端にPBLAのN末端を反応さ
せる工程を付加した以外は実施例14と同様にして、2
層構造でかつ反転ドメイン構造を有する導波路を形成し
た。XPS法により表面の炭素と窒素との比を求めたと
ころ、上層のPBLAの組成とよく一致した値が得られ
た。
【0095】この試料について、実施例14と同様に図
4に示す装置を用いて第2高調波の強度を測定した。そ
の結果、20mJの入射光強度に対して、実施例14よ
りさらに強い7mJの第2高調波が得られた。
【0096】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法を用い
れば、基板に対する分子の結合力が強く、しかも分子が
同一方向に配向した単分子膜及び単分子累積膜を製造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明方法を工程順に示す説
明図。
【図2】本発明の実施例において用いられたSHG光測
定装置の構成図。
【図3】本発明の実施例で得られた単分子累積膜のSH
G強度を示す特性図。
【図4】本発明の実施例で得られた単分子膜を構成要素
とする反転ドメイン構造の導波路のSHG光測定装置の
構成図。
【符号の説明】
1…基板、2…処理層、3、4…分子、11…YAGレ
ーザ、12…プリズム、13…フォトダイオード、1
4、16…レンズ、15…サンプルステージ、17…I
Rカットフィルタ、18…分光器、19…光電子増倍
管、20…デジタルオシロスコープ、21…試料、31
…基板、32…単分子膜、33、34…プリズムカプ
ラ、35…入射光、36…出射光、37…赤外線カット
フィルタ、38…第2高調波。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/18 9267−4F C09D 5/00 PPF 6904−4J 125/18 PFB 9166−4J 129/04 PFL 6904−4J C09K 3/00 C 8517−4H C23C 14/24 7308−4K // C09K 11/00 A 9159−4H (31)優先権主張番号 特願平3−309249 (32)優先日 平3(1991)11月25日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−316400 (32)優先日 平3(1991)11月29日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面を処理して反応性を与える工
    程と、長さが15オングストローム以上の剛直な分子骨
    格の両端に少なくとも1つの官能基を有する分子を用
    い、前記官能基を前記基板の表面と反応させる工程とを
    具備したことを特徴とする単分子膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板の表面を処理して反応性を与える工
    程と、長さが15オングストローム以上の剛直な分子骨
    格の両端に2つの官能基を有する分子を用い、前記2つ
    の官能基のうち一方を前記基板の表面と反応させて第1
    層の単分子膜を形成する工程と、長さが15オングスト
    ローム以上の剛直な分子骨格の両端に2つの官能基を有
    する分子を用い、前記2つの官能基のうち一方を下層の
    単分子膜を構成する分子の他方の官能基と反応させて上
    層の単分子膜を形成する工程とを具備したことを特徴と
    する単分子累積膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板の少なくとも表面が、官能基を有す
    るポリマーからなることを特徴とする請求項1記載の単
    分子膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板の少なくとも表面が、官能基を有す
    るポリマーからなることを特徴とする請求項2記載の単
    分子累積膜の製造方法。
JP5244692A 1991-03-15 1992-03-11 単分子膜の製造方法及び単分子累積膜の製造方法 Pending JPH05307179A (ja)

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JP25647191 1991-10-03
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JP30924991 1991-11-25
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