JP2550464Y2 - 自転車駐車場の屋根構造体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は自転車駐車場に設置し
て風や雨などを防ぐために用いる屋根構造体に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術及び解決しようとする課題】従来、このよ
うな目的のために用いる屋根構造体には様々なものがあ
ったが、それらは外観において重量感がありすぎて見栄
えがあまり良くないものが多かった。この外観を軽量感
のある見栄えの良いものとするために細い鉄骨材料を用
いたり少ない部材で構成すると、構造的に強度が不足し
てしまうという不都合があった。また、これらは設置現
場での組立てによる鉄骨構造物であり、その施工におい
ては安全性や耐久性はもとより美観という点からも比較
的高い組立精度や据付け精度が要求されることから、こ
の設置作業を高効率化することが望まれていた。本考案
は上記のような技術や現状に着目してなされたものであ
り、外観の見栄えが良く、且つ安全性や耐久性が高く、
また、施工が容易な自転車駐車場の屋根構造体を提供せ
んとするものである。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本考案に係る自転車駐車
場の屋根構造体は上記のような課題を解決するために、
地中埋設の土台に立設した略Ｌ字形状を呈する複数の柱
部材と、この柱部材間を連結する下胴縁および上胴縁
と、柱部材および上・下両胴縁で区画された開口部に嵌
め込まれた半透明の樹脂製板材と、そして土台上部およ
び地面を覆うコンクリート床面部とから成るものであっ
て、土台は複数の柱部材を単一で固定する共通のもので
あり、柱部材は基端部分に土台との結合用の補強リブ付
き底板を備えた基部と、この基部に連続する立上がり部
と、立上がり部に連続する湾曲部と、湾曲部に連続する
斜め上方の延長部とから成り、且つ立上がり部、湾曲部
および延長部の両側面に板材の縁部を受ける受け部材を
備えており、下胴縁および上胴縁は、各々基部の最上部
分同士および延長部の先端部分同士を連結し、且つ各々
板材の縁部を受け入れる断面Ｕ字形状の受け金具を対向
状態で備えており、板材は断面が柱部材と同様の略Ｌ字
形状を呈し左右の縁部が柱部材に備えられた受け部材に
載置され、且つ柱部材にビス止めする止め金具と受け部
材との間に挟まれて固定され、上下の縁部が上・下各胴
縁に備えられた受け金具に受入れられた状態で固定さ
れ、そしてコンクリート床面部は、土台上部に固定され
た補強リブ付き底板および基部の基端部分を埋め込み、
且つ全板材の幅および奥行きサイズに相応する地面の所
定部分を少なくとも覆い自転車を載置する床面を形成す
るものである。

【０００４】

【作用】本考案の自転車駐車場の屋根構造体において
は、板材が受け部材と受金具および止め金具によって取
付けられ、それぞれが上・下各胴縁や柱部材と一体感の
あるものとなっていることから、外観において見栄えを
良くすることができる。また、複数の柱部材を単一の土
台で共通して固定することにより、設置現場での組立て
精度や据付け精度を高めることができると共に、土台の
埋設作業や柱部材の固定作業などが容易となり設置作業
の効率を向上させることができる。更に、柱部材の基部
に設けた補強リブ付き底板および基部の基端部分がコン
クリート床面部に埋め込まれていることから、このコン
クリート床面部が風などによる屋根構造体の倒壊を防ぐ
安定化重量部材として機能することにより、全体の強度
を向上させることができる。また、実際の使用において
は補強リブが障害物とならないため自転車の移動や人の
歩行が容易となり、使い勝手が良くなると共に外観が簡
素化され見栄えを良くすることができる。

【０００５】

【実施例】以下、本考案の実施例を図に基づいて説明す
る。図１は本考案の自転車駐車場の屋根構造体１を示す
ものであり、地中に埋設した土台２に略Ｌ字形状を呈す
る複数の柱部材３を立設しこの柱部材３間を下胴縁４お
よび上胴縁５で連結し、柱部材３および上・下両胴縁
４、５で区画された開口部に半透明の樹脂製板材６を嵌
め込み、そして土台２の上部および地面をコンクリート
床面部７で覆って構成したものである。

【０００６】土台２は複数の柱部材３を単一で固定する
共通のものとなっており、この実施例では６本の柱部材
３を一定の間隔で一列に並べて立設しているものであ
る。このような構造とすることにより、土台２を地中に
埋設する際には土台２の長さ分の溝を一つだけ掘れば良
く、また、位置決め作業についても一回で済ませること
ができることから埋設作業の効率を高めることができ、
且つ土台２の据付け精度を向上させることができる。更
に、土台２の所定の位置に各柱部材３の取付け部を予め
正確に定めておくことができ、土台２に対する各柱部材
３の取付け精度を向上させることができると共に固定作
業を容易とすることができる。

【０００７】柱部材３は、図２に示すように基端部分８
に土台２との結合用の補強リブ付き底板９を備えた基部
１０と、この基部１０に連続する立上がり部１１と、立
上がり部１１に連続する湾曲部１２と、湾曲部１２に連
続する斜め上方の延長部１３とから成っている。そして
図３に示すように立上がり部１１、湾曲部１２および延
長部１３の両側面には板材６の縁部を受ける受け部材１
４が備えられている。

【０００８】下胴縁４および上胴縁５は、図４および図
５に示すように各々基部１０の最上部分１５同士および
延長部１３の先端部分１６同士を連結しているものであ
り、各々板材６の縁部を受け入れる断面Ｕ字形状の受け
金具１７を対向状態で備えている。

【０００９】板材６は、図１に示すように断面が柱部材
３と同様の略Ｌ字形状を呈した半透明の樹脂製であり、
柱部材３および上・下両胴縁４、５で区画された開口部
に嵌め込まれている。より詳しくは図３〜５に示すよう
に板材６の左右の縁部が柱部材３（１１、１２、１３）
に備えられた受け部材１４に載置され、且つ柱部材３に
ビス止めする止め金具１８と受け部材１４との間に挟ま
れて固定されており、更に上下の縁部が上・下各胴縁
４、５に備えられた受け金具１７に受入れられた状態で
固定されている。尚、Ｐはパッキン、Ｃはキャップであ
りそれぞれ防水と外観の向上のために設けられているも
のである。尚、下胴縁４以下の開口部には板材６を嵌め
込まず素通しの状態としており、強風時に風圧を緩和さ
せるための風抜きとしている。

【００１０】そして、コンクリート床面部７は、土台２
の上部に固定された補強リブ付き底板９および基部１０
の基端部分８を埋め込んでいると共に、板材６の全幅お
よび全奥行きサイズに相応する地面の所定部分を覆って
自転車を載置する床面１９を形成している。このような
構造とすることにより、コンクリート床面部７がその重
量により土台２および基端部分８に対する安定化重量部
材として機能し、風などで屋根構造体１が倒壊すること
を防止でき、屋根構造体１全体の強度を向上させること
ができる。また、自転車を載置したり格納する際には、
補強リブが床面１９から突出した状態とならず障害物と
ならないため、自転車の移動や人の歩行が容易となり使
い勝手が良くなるほか、外観が簡素化され見栄えを良く
することができる。

【００１１】尚、コンクリート床面部７の形状について
は、この例に限らず例えば板材６の全幅および全奥行き
サイズ以上の大きさとしたり、あるいは隣接する他の床
と連続させても良いものである。

【００１２】

【考案の効果】本考案による自転車駐車場の屋根構造体
は以上説明してきた如き内容のものであって、設置現場
での組立て精度や据付け精度を高めることができ、且つ
土台の埋設作業や柱部材の固定作業などの施工が容易と
なり、設置作業の効率を向上させることができる。ま
た、コンクリート床面部が風などによる屋根構造体の倒
壊を防ぐ安定化重量部材として機能することにより、全
体の強度を向上させることができ、安全性や耐久性を高
めることができる。更に、実際の使用においては補強リ
ブが障害物とならないため自転車の移動や人の歩行が容
易となり、使い勝手が良くなると共に外観が簡素化され
見栄えを良くすることができる。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る自転車駐車場の屋根構造体の実
施例を示す斜視図である。

【図２】図１に示す実施例の断面図である。

【図３】図１中の矢示Ａ−Ａ線に沿う断面図である。

【図４】図１中の矢示Ｂ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図５】図１中の矢示Ｃ−Ｃ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ … 自転車駐車場の屋根構造体 ２ … 土台 ３ … 柱部材 ４ … 下胴縁 ５ … 上胴縁 ６ … 板材 ７ … コンクリート床面部 ８ … 基端部分 ９ … 補強リブ付き底板 １０ … 基部 １１ … 立上がり部 １２ … 湾曲部 １３ … 延長部 １４ … 受け部材 １５ … 最上部分 １６ … 先端部分 １７ … 受け金具 １８ … 止め金具 １９ … 床面

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 地中埋設の土台に立設した略Ｌ字形状を
   呈する複数の柱部材と、この柱部材間を連結する下胴縁
   および上胴縁と、柱部材および上・下両胴縁で区画され
   た開口部に嵌め込まれた半透明の樹脂製板材と、そし
   て、土台上部および地面を覆うコンクリート床面部と、
   から成る屋根構造体であって、 上記土台は、複数の柱部材を単一で固定する共通のもの
   であり、 上記柱部材は、基端部分に土台との結合用の補強リブ付
   き底板を備えた基部と、この基部に連続する立上がり部
   と、立上がり部に連続する湾曲部と、湾曲部に連続する
   斜め上方の延長部とから成り、且つ立上がり部、湾曲部
   および延長部の両側面に板材の縁部を受ける受け部材を
   備えており、 上記下胴縁および上胴縁は、各々基部の最上部分同士お
   よび延長部の先端部分同士を連結し、且つ各々板材の縁
   部を受け入れる断面Ｕ字形状の受け金具を対向状態で備
   えており、 上記板材は、断面が柱部材と同様の略Ｌ字形状を呈し左
   右の縁部が柱部材に備えられた受け部材に載置され、且
   つ柱部材にビス止めする止め金具と受け部材との間に挟
   まれて固定され、上下の縁部が上・下各胴縁に備えられ
   た受け金具に受入れられた状態で固定され、 そして、コンクリート床面部は、土台上部に固定された
   補強リブ付き底板および基部の基端部分を埋め込み、且
   つ全板材の幅および奥行きサイズに相応する地面の所定
   部分を少なくとも覆い自転車を載置する床面を形成する
   ものである自転車駐車場の屋根構造体。