JP2549625B2

JP2549625B2 - カラ−受像管用シヤドウマスクの温間成形装置

Info

Publication number: JP2549625B2
Application number: JP61114199A
Authority: JP
Inventors: 正則井垣; 茂夫米山; 義道堀; 隆行佐藤
Original assignee: Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1986-05-19
Filing date: 1986-05-19
Publication date: 1996-10-30
Anticipated expiration: 2011-10-30
Also published as: CN1005598B; KR870011670A; DE3787205T2; EP0246838A2; DE3787205D1; CN87103713A; US4792318A; EP0246838B1; KR900004337B1; EP0246838A3; JPS62270225A

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の目的〕（産業上の利用分野）本発明は、カラー受像管用シャドウマスクの成形加工
を用いるカラー受像管用シャドウマスクの温間成形装置
に関する。

（従来の技術）一般に、カラー受像関は色選別機能を持つシャドウマ
スクを内蔵しており、電子銃から射出された赤、緑、青
用の３本の電子ビームを、シャドウマスクの規則正しく
配列された微細な透孔を通してパネルの内面に被着され
た赤、緑、青に発光する蛍光体に正しく射突発光させる
ことにより、カラー映像を映出する。

また、シャドウマスクは、微細な透孔を性格に穿設す
ること、パネル内面と相似の曲面状に形状歪を生じるこ
となく成形することが重要である。

そして、シャドウマスクは前述のように、電子銃から
の電子ビームを透孔を通してパネル内面の蛍光体を射突
させるものであるが、透孔を通るのは電子ビーム全体の
1/3以下であり、残りはシャドウマスクに射突し、シャ
ドウマスクを加熱する。

従来、シャドウマスクの素材としては、一般にアルミ
キルド脱炭鋼が用いられている。このアルミキルド脱炭
鋼は熱膨張係数が比較的大きく、上述した加熱により熱
膨張して変形し、シャドウマスクの透孔を通る電子ビー
ムのミスランディングが発生する。そこで、このような
問題点を解決すべく、たとえば特公昭42−25446号公報
に示されるように、シャドウマスクの素材として熱膨張
係数の小さい、たとえばアンバー材を用いることが記載
されている。

しかしながら、シャドウマスク用素材として鉄−ニッ
ケン系合金を主成分とするアンバー合金を用いた場合、
特開昭59−200721号公報に示される如く、成形加工に大
きな影響を与える降伏点強度が29〜30kg/mm²と、従来の
アルミキルド脱炭鋼の約20kg/mm²に比べはるかに大き
い。このため鉄−ニッケル系合金を主成分とするアンバ
ー合金からなる薄板材によって矩形の形状をしたシャド
ウマスクを形成する場合、プレス形成のみによっては、
多数の透孔を有する曲面状の主面部と矩形状の周縁部と
を正しく形成するのがきわめて困難である。これはプレ
ス成形後にアンバーの板材がスプリングバックする傾向
があるためである。

そこで、鉄−ニッケル系合金を主成分とするアンバー
合金からなる薄板材に多数の透孔を穿設し、焼鈍した
後、温間成形により降伏点強度を低下させ、変形のない
高精度のシャドウマスクを得ている。ここで温間成形と
は、金属薄板材を塑性加工する際、その再結晶温度によ
り低い温度に加熱して行なう成形加工のことである。

ところで、上述した温間成形はプレスにより行なう
が、加熱を伴うため成形装置自体に熱膨張に基因する問
題が生じる。

次に、従来例の温間成形装置を第３図に参照して説明
する。

第３図において、11は上部マニホールドで、図示しな
い駆動機構により上下方向に駆動され、この上部マニホ
ールド11の下面にはパンチ12が一体的に取り付けられて
おり、このパンチ12の外周に板押え13が上下方向に摺動
可能に設けられている。また、上部マニホールド11、パ
ンチ12および板押え13は、上部金型31を構成している。
さらに、上部マニホールド11と板押え13との間には上ピ
ストン14が設けられ、この上ピストン14は板押え13を上
下方向に駆動する。そして、上部マニホールド11から上
下に向ってガイドピン15が植設されており、このガイド
ピン15は板押え13に設けたガイドブッシュ16と摺動可能
に嵌合し、板押え13を上下方向に案内する。

また、18は下部マニホールドで、この下部マニホール
ド18の上方には下ピストン19を介してパンチ12と対向す
るノックアウト20が上下動可能に設けられている。さら
に、ノックアウト20の外周に上下方向に沿ってダイ22が
摺動可能に設けられており、このダイ22の下端内側の隅
部33はノックアウト20の下端に設けられた外方への突部
34と係合する。したがって、ダイ22の下降動作はノック
アウト20の突部34により係止される。また、下部マニホ
ールド18、ノックアウト20およびダイ22は、下部金型32
を構成している。さらに、下部マニホールド18上にスペ
ーサ25とともにガイドピン23が設置され、ダイ22に設け
たガイドブッシュ24と摺動可能に嵌合し、ダイ22の上下
方向に案内する。そして、スペーサ25は下部マニホール
ド18上に設置され、ダイ22の下降を一定範囲に規制す
る。

一方、27は前述したアンバー合金からなる被成形材と
しての薄板材で、この薄板材27は透孔を形成されたの
ち、パンチ12、板押え13およびこれらに対向するノック
アウト20、ダイ22等によって構成される金型によりシャ
ドマスクとして成形される。

そして、上述の温間成形装置で温間成形を行なう場
合、少なくともパンチ12、板押え13、ノックアウト20お
よびダイ22には電熱ヒータ35を内蔵させ、成形される薄
板材27を加熱している。そして、たとえばダイ22とスペ
ーサ25との間に温度差が生じ、このためダイ22とスペー
サ25とに熱膨張の差が生じて、ダイ22に固定されている
ガイドブッシュ24とスペーサ25に固定されているガイド
ピン23とにピッチ誤差が生じる。そして、このピッチ誤
差によりくいつきが発生し、金型としての所定の動作が
困難になる。

また、金型と接しているプレス機械の図示しないスラ
イド部にも熱が伝達され、このスライド部にも熱膨張が
生じる。このためスライド部とその摺動を支える固定ガ
イドとのクリアランスが変化し、所定の精度での動作が
困難になる。特に、長時間昇温した金型をプレス機械に
取り付けておくとスライド部の熱膨張は一層大きくな
り、固定ガイドとの間にくいつきが発生し、所定の動作
が困難となる。

さらに、温間成形のために加熱して昇温しなければな
らない部分は、薄板材27と接触する部分であるが、他の
部分まで広範囲に熱が伝達されるため、熱効率が非常に
低くなり、加熱するエネルギーも必要以上に提供しなけ
ればならない。

（発明が解決しようとする問題点）上述のように、従来の温間成形装置においては、金型
を加熱するとその熱が各部に伝達され、各部の熱膨張率
の違いによりくいつき等が生じ、円滑な動作が困難にな
るとともにエネルギーも必要以上に提供しなければなら
ず、不経済である。

本発明の目的は、温間成形のために金型を加熱しても
常に円滑に動作し、所定の製品精度が得られるカラー受
像管用シャドウマスクの温間成形装置を提供することに
ある。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段）本発明のカラー受像管用シャドウマスクの温間成形装
置は、多数の透孔が穿設された薄板材を加熱して所定の
シャドウマスク形状に成形する装置であって、前記薄板
材の主面部を押圧、成形するパンチとこれと対向して主
面部を押圧、成形し中央付近に凹部を有するノックアウ
ト、及び前記薄板材の周縁部を押圧、成形する板押えと
これと対向するダイとからなる金型を備えたカラー受像
管用シャドウマスクの温間成形装置において、前記金型
の各部は薄板材を押圧し薄板材に接する内側部分と前記
薄板材に接しない外側部分とに分割されており、前記内
側部分の薄板材に接する押圧面の近傍には多数の温間成
形用の熱を供給する加熱手段を有し、前記内側部分およ
び外側部分の分割境界部には断熱材が介在されているも
のである。

（作用）本発明では、温間成形のための熱は金型の構成部分の
うち薄板材に接する内側部分の加熱によって供給され、
この熱は薄板材に接しない外側部分との分割境界部に設
けた断熱材により広範囲に伝達されることはない。した
がって、熱が広範囲に伝達されることにより生じた熱膨
張率の違いにより可動部のくいつき等が生じず、常に円
滑な動作が可能となり、加熱のためのエネルギーも少な
くてすむ。さらに、金型の内側部分は、薄板材に接する
に充分な面積の押圧面であるため薄板材を効率よく昇温
できるとともに、加熱手段を内蔵するに充分な小容量で
あるため加熱のためのエネルギーもより少なくてすむ。
また、加熱手段が内側部分の薄板材と接する押圧面の近
傍に押圧面全体に亘って多数配置されているので、この
押圧面の温度の均一性を保つことができ、薄板材をより
精度良く成形できる。

（実施例）以下、本発明の一実施例を第１図および第２図を参照
して説明する。

第１図および第２図において、カラー受像管用シャド
ウマウクの温間成形装置としての基本的構成は第３図で
示した従来のものと同じであり、対応する部分には同一
符号を付して詳細な説明は省略する。

第１図および第２図に示すように、金型を構成する少
なくともパンチ12および板押え13と、これらパンチ12お
よび板押え13に対向するノックアウト20およびダイ22と
を、多数の透孔が穿設されたアンバー合金からなる被成
形材としての薄板材27に直接接する内側部分となる第１
パンチ部12a、第１板押え部13a、第１ノックアウト部20
aおよび第１ダイ部22aと、それ以外の外側部分となる第
２パンチ部12b、第２板押え部13b、第２ノックアウト部
20bおよび第２ダイ部22bとに分割している。

そして、これらの分割境界部にはそれぞれ断熱材29を
介在させている。また、上述した薄板材27を直接接する
各第１パンチ部12a、第１板押え部13a、第１ノックアウ
ト部20aおよび第１ダイ部22aには温間成形用の熱を供給
する加熱手段としての加熱装置、たとえば電熱ヒータ35
をそれぞれ設ける。これら各内側部分はシャドウマスク
の素材である薄板材27に接する面積と、電熱ヒータ35を
内蔵するために必要な最小限のスペースとを確保したで
きるだけ小容量の形状とする。なお、第１板押え部13a
と第１ダイ部22aとは加工の容易さを考慮して２分割以
上に分けてもよい。また、断熱材29としては、所定の加
熱温度に耐え、金型の押圧力にも大きく形状が変化しな
いもの、たとえば加圧成形したグラスウールを使用す
る。

次に、上記実施例の動作について説明する。

薄板材27をシャドウマスクとして成形する場合は、ま
ず、多数の透孔を設けた薄板材27を準備して、この薄板
材27を上部金型31、下部金型32間に挿入し、上部マニホ
ールド11を下降させ、薄板材27の周縁部を第１板押え部
13aと第１ダイ部22aとの間で挟圧する。

次に、多数の透孔を設けた主面部は第１パンチ部12a
と第１ノックアウト部20aとの間で押圧され、所定の曲
面に成形される。この状態において、第２ダイ部22bは
スペーサ25上まで下降して止まるが、第１ノックアウト
部20aは第１パンチ部12aに押されてさらに下降するの
で、シャドウマスクのスカート部が第１パンチ部12aと
第１ダイ部22aとの関係において絞り成形される。

ここで、パンチ12、板押え13、ノックアウト20および
ダイ22の各内側部分はそれぞれ電熱ヒータ35により所定
温度に加熱され、薄板材27を温間加工するが、この熱の
他の部分への伝達は分割境界部に設けた断熱材29により
防止される。たとえば、ダイ22の第１ダイ部22aを100℃
に昇温しても第２ダイ部22bは20〜30℃程度の室温に近
い温度に抑えることができる。このため、ガイドブッシ
ュ24とガイドピン23との摺動部におけるくいつきを防止
でき、第１ダイ部22aを正常に動作させることができ
る。このことは板押え13の第１板押え部13aについても
同様である。

また、金型と接しているプレス機構のスライド部分の
下面の温度は30℃程度にしか上昇していないため、従来
問題のあったスライド部分とその固定ガイドとの摺動部
でのくいつきを防止でき、プレス機械の精度を劣化する
ことなく正常な動作が可能となる。

次に、上部マニホールド11が上昇し、ノックアウト20
が押し上げられ、成形された薄板材27が取り外され、シ
ャドウマスクの成形が完了する。

本実施例によれば、温間成形のために加熱される範囲
は従来に比べ重量比で1/5〜1/10と小さく、それだけ電
熱ヒータ35の容量を小さくでき、エネルギーを節約でき
る。このことは電熱ヒータ35の容量に余裕を持たせるこ
とにもつながり、金型を所定の温度まで昇温する時間を
短縮して生産効率を向上させることができる。

実験では２時間を要した従来の温間成形に比べて、昇
温時間を40分〜１時間短縮させることができる。また、
前述のように、加熱される内側部分をできるだけ小さく
し、しかも断熱材29で周囲への熱伝達を防止しているた
め、熱損失が非常に少なくなり、昇温時の温度のばらつ
きを小さくコントロールすることが可能となった。さら
に、温度のばらつきは従来40〜50℃あったのが、20℃以
内となった。

なお、上記実施例では加熱装置として電熱ヒータを例
示したが、オイルなどの液体を、加熱すべき内側部分中
に循環させるようにしてもよい。また、断熱材29として
圧縮成形したグラスウールを例示したが、金型の押圧に
耐えられる強度を持った他の断熱材質、たとえば圧縮成
形したマイカ、石綿、岩綿、炭化コルクその他を使って
もよい。

〔発明の効果〕

本発明のカラー受像管用シャドウマスクの温間成形装
置によれば、温間成形のために供給された熱が他の部分
への広範囲に伝達することを防止し、薄板材にのみ加わ
るようにしたので、各部の熱膨張量の差による可動部の
くいつきを防止し、常に正常な動作を円滑に行なうこと
ができる。また、金型の内側部分は、薄板材に接するに
充分な面積の押圧面であるため薄板材を効率よく昇温で
きるとともに、加熱手段を内蔵するに充分な小容量であ
るため加熱のため、所定温度までの加熱エネルギーが少
なくてよく、昇温時間の短縮および均一な温度による成
形が可能となり、生産効率の向上、製品精度の向上をも
達成できる。さらに、加熱手段が内側部分の薄板材と接
する押圧面の近傍に押圧面全体に亘って多数配置されて
いるので、この押圧面の温度の均一性を保つことがで
き、薄板材をより精度良く成形できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるカラー受像管用シャドウマスクの
温間成形装置の一実施例を示す断面図、第２図は第１図
の実施例のダイの平面図、第３図は従来の温間成形装置
の断面図である。 12……パンチ、12a……内側部分としての第１パンチ
部、12b……外側部分としての第２パンチ部、13……板
押え、13a……内側部分としての第１板押え部、13b……
外側部分としての第２板押え部、20……ノックアウト、
20a……内側部分としての第１ノックアウト部、20b……
外側部分としての第２ノックアウト部、22……ダイ、22
a……内側部分としての第１ダイ部、22b……外側部分と
しての第２ダイ部、27……薄板材、29……断熱材、31…
…上部金型、32……下部金型、35…加熱手段としての電
熱ヒータ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者堀義道横浜市磯子区新杉田町８株式会社東芝横浜金属工場内 (72)発明者佐藤隆行横浜市磯子区新杉田町８株式会社東芝横浜金属工場内 (56)参考文献実開昭57−49038（ＪＰ，Ｕ) 特公昭57−52131（ＪＰ，Ｂ２)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】多数の透孔が穿設された薄板材を加熱して
所定のシャドウマスク形状に成形する装置であって、前
記薄板材の主面部を押圧、成形するパンチとこれと対向
して主面部を押圧、成形し中央付近に凹部を有するノッ
クアウト、及び前記薄板材の周縁部を押圧、成形する板
押えとこれと対向するダイとからなる金型を備えたカラ
ー受像管用シャドウマスクの温間成形装置において、前
記金型の各部は薄板材を押圧し薄板材に接する内側部分
と前記薄板材に接しない外側部分とに分割されており、
前記内側部分の薄板材に接する押圧面の近傍には多数の
温間成形用の熱を供給する加熱手段を有し、前記内側部
分および外側部分の分割境界部には断熱材が介在されて
いることを特徴とするカラー受像管用シャドウマスクの
温間成形装置。
【請求項２】断熱材がグラスウール、圧縮マイカ、石
綿、岩綿および炭化コルクからなる群から選ばれた少な
くとも１つの材料を含んでいることを特徴とする特許請
求の範囲第１項記載のカラー受像管用シャドウマスクの
温間成形装置。