JP2549104Y2 - モルタル等の流動体用ポンプ - Google Patents

モルタル等の流動体用ポンプ

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JP2549104Y2 JP1989033478U JP3347889U JP2549104Y2 JP 2549104 Y2 JP2549104 Y2 JP 2549104Y2 JP 1989033478 U JP1989033478 U JP 1989033478U JP 3347889 U JP3347889 U JP 3347889U JP 2549104 Y2 JP2549104 Y2 JP 2549104Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、流動体、特にモルタル等の粘性のある流動
体を吐出させるのに適するポンプの改良に関する。
〈従来の技術〉 モルタル等の粘性のある流動体を送給、昇降させるた
めには、一般に、スクイーズポンプが使用されている。
このポンプは、略U字状にチューブを配し、円形に回転
する押圧ローラによって、チューブ内の流動体を吐出さ
せるものである。
しかし、このポンプでは、チューブの長手方向に押圧
ローラを移動させて吐出を行うため、チューブの損傷が
著しく、且つ、円形状に90〜180度間隔を置いて配され
た押圧ローラが回転して突出を行うため、大きな脈動が
生じやすく、又、ポンプ全体が大型化する。
そこで、実公昭51−35524号にあっては、弾性を有す
るチューブの長手方向に複数個の圧潰用の押圧体を配位
し、これらの押圧体により順次チューブを押圧すること
によって、チューブ内の流動体を吐出させるポンプが提
案されている。
このポンプは、押圧体をチューブと平行に移動させる
ものではなく、チューブの半径方向から複数の押圧体が
順次押圧作用をなすため、小圧力で大きな脈動を生じさ
せずに流動体を吐出させることができ、チューブの寿命
を延ばし、装置の小型化を図り得るという利点を有す
る。
このポンプは、押圧体が下降して、底面上に配位され
たチューブを圧潰することにより、チューブ内の流動体
を吐出させた後、押圧体が上昇する。この上昇に伴い、
チューブは自らの弾性により断面円形に復帰する。この
復帰により、チューブ内の圧力が低下し、次の流動体が
吸い込まれ、次の吐出分となる。
ところが、チューブは底面上(101)に配され、これ
に対して、押圧体(102)が上方から下降してチューブ
(1)の圧潰を行うため、圧潰のための押圧体の移動
(下降)長さは、チューブの直径とほぼ等しくなる。即
ち、各押圧体に沿うチューブの縦断面は、第11図に示す
ように変形し、又、長手方向に複数個配された全押圧体
によるチューブ全体の長手方向の変形は、第12図に示す
ようになる。
ここで、チューブの最上点は、第11図の圧潰前(y1)
から圧潰後(y2)にかけて、チューブの直径とほぼ等し
い長さに渡って移動して変形する。その結果、第12図に
示す、チューブ全体の変形も大きなものとなり、チュー
ブの負担を軽減するにも限度がある。
しかも、各押圧体の押圧力は、チューブの直径分を変
形させるだけの大きな力が必要となり、この押圧体に接
するチューブの素材の疲労も大きくなる。
又、チューブの復元は、最上点が、圧潰後(y2)から
圧潰前(y1)にかけて、チューブの直径とほぼ等しい長
さを移動して行われる必要があり、完全な復元のために
は、チューブ自体に大きな復元力が要求される。
しかも、チューブの弾性は時間と共に低下し、例え
ば、数時間の連続使用により、その復元力は半分以下に
なる場合もあり、これに伴い、ポンプの吐出圧及び吐出
量も低下してしまう。
そこで特開昭63−297667号公報においては、次の構成
を備えたモルタル等の流動体用ポンプが提案されてい
る。
このモルタル等の流動体用ポンプは、チューブの長手
方向に複数個の圧潰用の押圧体が配位され、これらの圧
潰用の押圧体が順次チューブを径方向から押圧すること
により、チューブ内のモルタル等の流動体を吐出させる
ポンプを改良したもので、押圧体がチューブの上下左右
に夫々配位され、これらの上下方向と、左右方向とから
交互にチューブを挟むようにして押圧するため、チュー
ブの寿命を延ばすことができると共に、チューブの復元
力が低下した場合にも、ポンプの吐出圧及び吐出量が大
きく低下してしまう事を防ぐことができる等、前述の実
公昭51−35524号に係るポンプの問題を解決し得るもの
である。
〈考案が解決しようとする課題〉 ところが、特開昭63−297667号に係る係るポンプで
も、チューブの寿命を延ばすことができたとは言え、や
はり、寿命の来たチューブの交換は行わざるを得ない
が、押圧体が邪魔になり、その交換作業が困難であると
いう問題がある。特に、押圧体は順次上下動し、また、
左右動しているため、その少なくとも何れか1個は常に
チューブを押圧している状態になり、チューブを長手方
向に引き出して交換することは極めて困難である。
〈課題を解決するための手段〉 本願の第1の考案は、チューブの長手方向に複数個の
圧潰用の押圧体と複数個の復帰用の押圧体が配位され、
これらの圧潰用の押圧体がチューブの上下に夫々摺動可
能に配位され、順次チューブを上下から挟むようにして
径方向から押圧することにより、チューブ内のモルタル
等の流動体を吐出させるものであり、これらの復帰用の
押圧体がチューブの左右に夫々摺動可能に配位され、順
次チューブを左右から挟むようにして径方向から押圧す
ることにより、圧潰用の押圧体により圧潰されたチュー
ブを強制的に復元させるものであるモルタル等の流動体
用ポンプにおいて、次の構成を有するものを提供する。
即ち、このモルタル等の流動体用ポンプにおいては、
上記の上下の圧潰用の押圧体と左右の復帰用の押圧体の
夫々が、回転軸に設けられたカムによって摺動させられ
るものであり、この上下の圧潰用の押圧体の少なくとも
何れか一方の回転軸と左右の復帰用の押圧体の少なくと
も何れか一方の回転軸とが、チューブから遠ざかる方向
に移動可能とされたことを特徴とするものである。
本願の第2の考案は、チューブの長手方向に複数個の
圧潰用の押圧体が配位され、これらの圧潰用の押圧体が
順次チューブを径方向から押圧することにより、チュー
ブ内のモルタル等の流動体を吐出させるモルタル等の流
動体用ポンプであって、圧潰用の押圧体がチューブの上
下と左右に夫々配位され、上下の圧潰用の押圧体により
チューブを上下から挟んで押圧する上下押圧運動と、左
右の圧潰用の押圧体によりチューブを左右から挟んで押
圧する左右押圧運動とを交互に行うよう構成したものに
おいて、次の構成を有するものを提供する。
即ち、このモルタル等の流動体用ポンプにおいては、
上記の上下左右の圧潰用の押圧体の夫々が、回転軸に設
けられたカムによって摺動させられるものであり、この
上下の圧潰用の押圧体の少なくとも何れか一方の回転軸
と左右の圧潰用の押圧体の少なくとも何れか一方の回転
軸とが、チューブから遠ざかる方向に移動可能とされた
ことを特徴とするものである。
本願の第3の考案は、第1又は第2の考案に係るモル
タル等の流動体用ポンプにおいて、上記の上下の圧潰用
の押圧体の各回転軸の内、一方がチューブから遠ざかる
方向に移動可能とされ、他方が移動不能とされ、また、
左右の復帰用の押圧体の各回転軸の内、一方がチューブ
から遠ざかる方向に移動可能とされ、他方が移動不能と
され、移動不能とされた回転軸が、移動可能とされた回
転軸に対して、チェーンによって回転力を伝達し得るよ
うに接続され、移動可能とされた回転軸が、チェーンに
よって接続された移動不能な回転軸を中心とする円弧に
沿って移動可能であることを特徴とするものを提供す
る。
ここで、上記の上下及び横(左右)は、各押圧体の位
置又は押圧方向の相対的な関係を示すに止まり、絶対的
な位置を特定したものではない。又、圧潰用の押圧体と
の両押圧体の押圧方向は、必ずしも直交している必要は
なく、チューブを復帰し得る方向に、復帰用の押圧体に
よる押圧がなされれば足る。復帰用の押圧体は、1個の
圧潰用の押圧体ごとに設けることが好ましいが、2、3
個の圧潰用の押圧体おきに設けるようにしてもよい。
〈作用〉 このポンプは、圧潰用の押圧体がチューブの上下に夫
々配位され、これらの上下の圧潰用の押圧体によりチュ
ーブを上下から挟むようにして押圧するため、圧潰のた
めの押圧体の移動長さはチューブの半径とほぼ等しくな
り、従来の約2分の1となる。即ち、各押圧体に沿うチ
ューブの縦断面は、第10図に示すように変形し、又、長
手方向に複数個配された全押圧体によるチューブ全体の
長手方向の変形は、第3図に示すようになる。ここで、
チューブの最上点は、第10図の圧潰前(x1)から圧潰後
(x2)にかけて、チューブの半径以下の長さに渡って移
動して変形する。その結果、第3図に示すように、チュ
ーブ全体の変形も従来例より小さなものとなり、チュー
ブの負担を軽減することができる。
しかも、上下の圧潰用の押圧体の移動長さはチューブ
の半径とほぼ等しくなると共に、各押圧体の押圧力は、
チューブの半径分を変形させるだけでよいため、この押
圧体に接するチューブの素材の疲労も軽減できる。
又、チューブの復元は、最上点が、圧潰後(x2)から
圧潰前(x1)にかけて、従来の半分であるチューブの半
径とほぼ等しい長さを移動すれば足り、完全な復元のた
めに要するチューブ自体の復元力も小さなもので足る。
さらに、本願の第1の考案のようにチューブを横方向
から押圧する復帰用の押圧体を設けることにより、或い
は、本願の第2の考案のようにチューブを上下方向と横
方向とから押圧する圧潰用の押圧体を4方向に設けるこ
とにより、チューブ内の流動体を吐出させた後、圧潰用
の押圧体が逆に動いてチューブの押圧を解除する際に、
チューブに対して、左右の押圧体により横方向の力が加
えられる。その結果、圧潰されたチューブは強制的に円
形に復帰させられる。即ち、チューブは圧潰用の押圧体
による押圧の解除に伴い自らの弾性により原形に復帰せ
んとするが、左右の押圧体は、その復元作用を助け、確
実な復元を可能とする。この復元により、チューブ内の
圧力が確実に低下し、充分な量の流動体が円滑に吸い込
まれる。
以上の作用は、特開昭63−297667号に係る係るポンプ
でも同様であるが、本願考案においては、さらに、次の
作用を奏する。
即ち、本願考案においては、上下左右の押圧体の夫々
が、回転軸に設けられたカムによって摺動させられるも
のであり、上下の押圧体の少なくとも何れか一方の回転
軸と左右の押圧体の少なくとも何れか一方の回転軸と
が、チューブから遠ざかる方向に移動可能とされてい
る。従って、回転軸をチューブから遠ざけることによっ
て、上下の何れか一方と、左右の何れか一方の押圧体
を、夫々、チューブから遠ざけることができ、チューブ
の押圧状態を全て解除することができ、チューブを大き
な抵抗なく、その長手方向に抜き出すことができる。
〈実施例〉 以下図面に基づき本考案の一実施例を説明する。
第1図及び第2図は、一実施例のポンプ要部の正面か
ら見た構造説明図、第3図は同中央縦断面に沿う構造説
明図、第4図は圧潰用押圧体の斜視図、第5図は同実施
例のポンプ要部の正面から見た図であってチューブの脱
着を容易に行うための構成を示した構造説明図である。
このポンプは、チューブ(1)と、圧潰用押圧体(2
a)(2b)と、復帰用押圧体(3a)(3b)とをポンプの
ボディ(図示せず)内に備える。
チューブ(1)は、適度の弾性を有し、その第3図右
端が吸込口に、左端が吐出口に接続された状態で、ケー
シング(4)の略中央に配位されている。このケーシン
グ(4)は、チューブ(1)の長手方向と同方向に延び
る四角筒状体であり、図示は省略するが、その両端は、
ポンプのボディに固定されている。
圧潰用押圧体(2a)(2b)は、チューブの上下に一対
配位され、第3図に示すように、チューブ上にその長手
方向に沿って9組配位されている。又、夫々の圧潰用押
圧体(2a)(2b)に対応して、一対の復帰用押圧体(3
a)(3b)が、チューブの左右両側に配位されている。
尚、第1図及び第2図では、これらの一対のみを示し、
これらの図に基づき、まず、これらの一対について説明
する。
上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)は、夫々、上下の摺
動軸(21)(22)に接続され、この摺動軸(21)(22)
は、ケーシング(4)の上下面を摺動自在に貫き、その
上下の先端部(23)(24)が、夫々上下の偏心カム(2
5)(26)に接する。この先端部(23)(24)とケーシ
ング(4)上下面との間には、圧縮コイルスプリング
(27)(28)が配され、このスプリングにより、摺動軸
(21)(22)は外方に付勢され、その先端部(23)(2
4)が偏心カム(25)(26)に圧接されている。偏心カ
ム(25)(26)は、円形の板状をなし、偏心状態で上下
の回転軸(5a)(5b)に固定されている。
次に、左右の復帰用押圧体(3a)(3b)は、夫々、左
右の摺動軸(31)(32)に接続され、この摺動軸(31)
(32)は、ケーシング(4)の左右面を摺動自在に貫
き、その左右の先端部(33)(34)が、夫々左右の偏心
カム(35)(36)に接する。この先端部(33)(34)と
ケーシング(4)左右面との間には、圧縮コイルスプリ
ング(37)(38)が配され、このスプリングにより、摺
動軸(31)(32)は外方に付勢され、その先端部(33)
(34)が偏心カム(35)(36)に圧接されている。偏心
カム(35)(36)は、円形の板状をなし、偏心状態で上
下の回転軸(6a)(6b)に固定されている。
これらの上下左右の回転軸(5a)(5b)(6a)(6b)
は、1本の駆動軸(7)を駆動元として連動する。この
駆動軸(7)は、チューブ(1)と平行に、ケーーシン
グ(4)の左上方に配位され、電動機等の適宜手段(図
示せず)を動力元として回転する。又、各回転軸(5a)
(5b)(6a)(6b)は、ケーシング(4)の上下左右
に、チューブ(1)及び駆動軸(7)と平行に配位され
ている。図示は略するが、これらの軸(5a)(5b)(6
a)(6b)(7)は、その両端が軸受により支持され、
これらの軸受は、ポンプボディに支持される。
そして、駆動軸(7)と上の回転軸(5a)及び左の回
転軸(6a)は、これらの三者を継ぐチェーン(41)或い
はタイミングベルトによって、接続される。又、上の回
転軸(5a)と右の回転軸(6b)は、チェーン(42)或い
はタイミングベルトによって接続され、左の回転軸(6
a)と下の回転軸(5b)は、チェーン(43)或いはタイ
ミングベルトによって接続される。以上により、各回転
軸(5a)(5b)(6a)(6b)は、同方向に同タイミング
で回転する。
次に、上、下、左、右の偏心カム(25)(26)(35)
(36)は、夫々90度ずつ角度を異にして、各回転軸(5
a)(5b)(6a)(6b)に固定されている。従って、上
下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔(m1)が最大と
なると、左右の復帰用押圧体(3a)(3b)間の間隔(m
2)は最小となり、又、前者(m1)が最大となると後者
(m2)は最小となる。そして、前者(m1)の最大値は、
チューブ(1)の外径にほぼ等しく、最小値は圧潰状態
のチューブの縦厚みに等しく設定される。他方、後者
(m2)の最大値は、チューブ(1)の圧潰時の横長さに
等しく、最小値はチューブ(1)の外径にほぼ等しく設
定される。
ここで、圧潰用押圧体(2a)(2b)は、従来と異な
り、上下に配されて上下からチューブを挟持するため、
各圧潰用押圧体(2a)(2b)のストロークは、従来の約
1/2となる。
以上の動きを、チューブ(1)との関係で説明する
と、次のようになる。
駆動軸(7)の回転角(0度) 第1図に示すように、上下の圧潰用押圧体(2a)(2
b)間の間隔(m1)は最大値を示し、チューブ(1)の
外径とほぼ等しく、チューブ(1)には圧力が加えられ
ていない。
他方、左右の復帰用押圧体(3a)(3b)の間隔(m2)
は、最小値を示し、チューブ(1)の外径にほぼ等し
く、やはりチューブ(1)には圧力が加えられていな
い。
駆動軸(7)の回転角(0〜180度) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔(m1)が最
大値から最小値へ移行する。
両圧潰用押圧体(2a)(2b)は、チューブ(1)を上
下から挟持、押圧してこれに圧力を加え、チューブ内の
モルタルを吐出させる。
他方、左右の復帰用押圧体(3a)(3b)間の間隔は最
小値から最大値へ移行し、両復帰用押圧体(3a)(3b)
の間の間隔が広がる。これにより、上記の圧潰用押圧体
(2a)(2b)によるチューブ加圧中は、復帰用押圧体
(3a)(3b)が左右両横方向に逃げることになり、チュ
ーブの加圧作用の障害となることを防ぐ。
駆動軸(7)の回転角(180度) 第2図に示すように、上下の圧潰用押圧体(2a)(2
b)間の間隔(m1)は最小値を示し、チューブ(1)を
完全に閉塞し、モルタルの吐出作用が完了する。
他方、左右の復帰用押圧体(3a)(3b)間の間隔(m
2)は最大値を示し、チューブ(1)の左右両横に逃げ
ている。
駆動軸(7)の回転角(180〜360度) 両圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔(m1)が広が
り、チューブ(1)の押圧を開放し、チューブは断面円
形へ復帰する。これにより、チューブ(1)の内圧が低
下し、次のモルタルの吸い込み作用が行われる。
他方、左右の復帰用押圧体(3a)(3b)間の間隔(m
2)は狭まる。この動きにより、圧潰されたチューブ
(1)に横方向の力が加わり、チューブ(1)は強制的
に円形に復帰させられる。即ち、チューブ(1)は、自
らの弾性により原形に復帰せんとするが、両復帰用押圧
体(3a)(3b)は、その復元作用を助け、円滑な復元を
可能として確実な吸い込み作用を行わせると共に、チュ
ーブ(1)の弾性力の低下を防ぐ。その結果、チューブ
(1)の弾性低下自体を長時間防止し得ると共に、弾性
低下後においても、両復帰用押圧体(3a)(3b)による
復元作用により、吸い込み量の減少を防止し得るもので
ある。
尚、両圧潰用押圧体(2a)(2b)の形状は、第4図に
示すように、その底部両横に丸味を持たせた直方体とし
た。この底部形状は、スクイーズポンプにおける押圧ロ
ーラの軸方向に沿う断面形状を模したものであるが、こ
れに限らず、チューブを押圧するものであれば他の形状
にも変更し得る。
又、復帰用押圧体(3a)(3b)の外面形状は、球面状
として、チューブ(1)を傷つけないよう配慮したが、
チューブ(1)の長手方向に幅を持たせてその押圧面積
を大きくする等、適宜変更し得る。
以上、各一対の圧潰用押圧体(2a)(2b)及び復帰用
押圧体(3a)(3b)は、チューブ(1)の長手方向に9
組(a)〜(i)並設されている(第3図参照、尚、第
3図では圧潰用押圧体のみが図示されている。)そし
て、各組のカム(25)(26)(35)(36)を360度分の
9、即ち40度ずつずらすことにより、9組全体で1スト
ロークの上下、開閉運動を順次行わせる。これにより、
チューブ(1)の半径方向から多数の圧潰用押圧体
(2)による加圧が徐々に行われ、小圧力で、且つ、全
体的に広い面積での無理のないモルタルの吐出が行われ
る。
尚、この実施例では9組で1ストロークとしたが、必
ずしも1ストロークとする必要はなく、又、組数を変更
することもできる。
又、この実施例では、1対の圧潰用押圧体につき一対
の復帰用押圧体を設けたが、2、3個の圧潰用押圧体お
きに設けるようにしてもよい。さらに、一の圧潰用押圧
体に対しては左側に1個の復帰用押圧体を配し、次の圧
潰用押圧体に対しては右側に1個の復帰用押圧体を配す
るようにする等、左右交互に復帰用押圧体を設けてもよ
い。
又、実施例では復帰用押圧体を剛体としたが、布ベル
ト等の可撓性のある帯状体に変更することもできる。
以上、ポンプの通常の使用状態を第4図までの図面で
示したが、次に、チューブ(1)が老朽化した際、これ
の変更を容易にするための構造を第5図に基づき説明す
る。第5図に示されるように、このポンプは、チューブ
の交換のために、下と右の回転軸(5b)(6b)の固定位
置を可変としている。即ち、下の回転軸(5b)は、左の
回転軸(6a)を中心として円弧に沿って下方に移動可能
とされ、又、右の回転軸(6b)は、上の回転軸(5a)を
中心とする円弧に沿って上方へ移動可能とされている。
この移動は、下、右の両回転軸(5b)(6b)の軸受けを
支持するボディに、上記の円弧状の長孔を形成し、軸受
けをその両端位置でボルト等により固定できるようにす
る等適宜構造を採用すればよい。このように、移動可能
とされた回転軸(5b)(6b)が、チェーンによって接続
された移動不能な回転軸(5a)(6a)を中心とする円弧
に沿って移動可能であるため、チェーンを掛け渡したま
ま、回転軸(5b)(6b)を移動でき、回転軸の移動のた
めの作業性が良い。
そして、下、右の回転軸(5b)(6b)を矢印方向へ移
動させることによって、圧縮コイルスプリング(28)
(38)の弾性により下、右の摺動軸(22)(32)は外方
へ移動し、下の圧潰用押圧体(2b)と右の復帰用押圧体
(3b)がケーシング(4)内壁に接する。これにより、
チューブ(1)をケーシング(4)の右下すみに逃がす
ことができ、逃がした状態からチューブ(1)を引き抜
けば、無理なくチューブの交換が可能となる。尚、この
例では、ケーシング(4)を下及び右に拡げると共に、
下、右の摺動軸(22)(32)のみを長くすることによ
り、ケーシング(4)の右下すみの空間を大きくし、チ
ューブ(1)を無理なく逃がすことができるようにした
が、ケーシング(4)を上下左右全体に広げて、上下及
び左右の各部材の共用性を維持するようにしてもよい。
次に、第6図に基づき、他の実施例を説明する。尚、
先の実施例と実質的に同一の部分は、同一の符号を附
し、その説明を省略する。また、この第6図では、通常
の使用状態のみを示しているが、チューブ(1)が老朽
化した際、これの変更を容易にするための構造は第5図
に示されたものと同様のものを採用する。
この実施例は、先の実施例と同一の駆動構造を採用し
たまま、左右の復帰用押圧体に代え、左右の圧潰用押圧
体(2c)(2d)を用いる。そして、上下の圧潰用押圧体
(2a)(2b)と左右の圧潰用押圧体(2c)(2d)の形状
及びストロークを同一となし、上下方向からの圧潰と左
右方向からの圧潰とを交互に行わせるようにしたもので
ある。
詳しくは、第7図(A)〜(I)に示すように、駆動
軸(7)の回転に従い、各圧潰用押圧体(2a)(2b)
(2c)(2d)は、次の動きを示す。
駆動軸(7)の回転角0度(第7図(A)) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔が最小であ
り、チューブ(1)を上下方向から圧潰する。
左右の圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔は最大であ
り、圧潰されたチューブ(1)の左右に逃げている。
駆動軸(7)の回転角45度(第7図(B) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔が広がり始
め、チューブに対する加圧がなくなり、吸込作用が行わ
れる。
左右の圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔が狭まり始
め、チューブの復元作用を助ける。
駆動軸(7)の回転角90度(第7図(C)) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔と、左右の
圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔とが同一となり、チ
ューブは真円に復元する。
駆動軸(7)の回転角135度(第7図(D)) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔がさらに広
がり、チューブ(1)の上下に逃げる。
左右の圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔がさらに狭
まり、チューブに対する加圧が左右から行われ、吐出作
用が始まる。
駆動軸(7)の回転角180度(第7図(E)) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔は最大とな
り、圧潰されたチューブ(1)の上下に逃げている。
左右の圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔が最小とな
り、チューブ(1)を上下方向から圧潰する。
駆動軸(7)の回転角225度(第7図(F)) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔が狭まり始
め、チューブの復元作用を助ける。
左右の圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔が広がり始
め、チューブに対する加圧がなくなり、吸込作用が行わ
れる。
駆動軸(7)の回転角270度(第7図(G)) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔と、左右の
圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔とが同一となり、チ
ューブは真円に復元する。
駆動軸(7)の回転角315度(第7図(H)) 上下の圧潰用押圧体(2a)(2b)間の間隔がさらに狭
まり、チューブに対する加圧が上下から行われ、吐出作
用が始まる。
左右の圧潰用押圧体(2c)(2d)間の間隔がさらに広
がり、両圧潰用押圧体(2c)(2d)はチューブ(1)の
左右に逃げる。
駆動軸(7)の回転角360度(0度)(第7図
(I))第7図(A)の状態に戻る。
これらの各圧潰用押圧体(2a)(2b)(2c)(2d)
は、先の実施例と同様、チューブの長手方向に、カムを
40度ずつずらして9組(a)〜(i)配位される。従っ
て、各組(a)〜(i)は第8図(A)〜(I)に示す
断面を示す。尚、駆動軸が90度回転すると、各組(a)
〜(i)は第9図(A)〜(I)に示すように変位す
る。
以上、この実施例では、圧潰用押圧体が復帰用押圧体
の作用をも果たすと共に、加圧のためのチューブの押圧
点が、上下と左右との両方に分散するため、各点におけ
るチューブの疲労が軽減される。
尚、以上の各実施例において、各押圧体間の間隔は、
各摺動軸の長さを可変とすることにより調整可能とする
こともできる。また、各押圧体の回転軸の駆動手段は適
宜変更可能である。そして各押圧体は機構上連動させる
ことが、そのタイミングを最も正確に調整し得るが、必
ずしも機構上連動させる必要はない。又、チューブ
(1)の両端は、支持体によって着脱自在に支持するよ
うにしてもよい。
〈考案の効果〉 以上、本願の第1の考案は、上下に圧潰用押圧体を、
左右に復帰用押圧体を設けることにより、チューブの疲
労を軽減できると共に、良好な復元を可能とし、充分な
モルタル等の流動体の吸い込みを可能とした。
また、本願の第2の考案は、上下左右に圧潰用押圧体
を設けることにより、加圧のためのチューブの押圧点が
上下と左右との両方に分散するため、各点におけるチュ
ーブの疲労が軽減され、チューブの疲労を軽減できると
共に、良好な復元を可能とし、充分なモルタル等の流動
体の吸い込みを可能とした。
そして、本願の第1、第2の両考案は、上記の各利点
を生かしつつ、老朽化したチューブの着脱交換作業を容
易に行うことのできるモルタル等の流動体用ポンプを提
供し得たものである。
さらに、本願の第3の考案は、上記の効果を有すると
共に、チューブの着脱交換作業に際する回転軸の移動の
作業性が良好なモルタル等の流動体用ポンプを提供し得
たものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、一実施例のポンプ要部の正面から
見た構造説明図、第3図は同中央縦断面に沿う構造説明
図、第4図は圧潰用押圧体の斜視図、第5図は同実施例
のポンプ要部の正面から見た図であってチューブの脱着
を容易に行うための構成を示した構造説明図、第6図は
他の実施例のポンプ要部の正面から見た構造説明図、第
7図(A)乃至(I)同実施例のポンプ要部の正面から
見た作動状態の説明図、第8図(A)乃至(I)及び第
9図(A)乃至(I)同実施例の各圧潰用押圧体の各組
(a)〜(i)の作動状態の説明図、第10図は本考案の
チューブの断面図、第11図は従来のポンプのチューブの
断面図、第12図は従来のポンプのチューブの側面図であ
る。 (1)…チューブ、(2a)(2b)…圧潰用押圧体、(2
c)(2d)…左右の圧潰用押圧体、(3a)(3b)…復帰
用押圧体、(4)…ケーシング、(5a)(5b)…上下の
回転軸、(6a)(6b)…上下の回転軸、(7)…駆動
軸、(21)(22)…上下の摺動軸、(23)(24)…上下
の先端部、(25)(26)…上下の偏心カム、(27)(2
8)(37)(38)…圧縮コイルスプリング、(31)(3
2)…左右の摺動軸、(33)(34)…左右の先端部、(3
5)(36)…左右の偏心カム、(41)(42)(43)…チ
ェーン、(m1)…上下の圧潰用押圧体間の間隔、(m2)
…左右の復帰用押圧体間の間隔。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】チューブの長手方向に複数個の圧潰用の押
    圧体と複数個の復帰用の押圧体が配位され、 これらの圧潰用の押圧体がチューブの上下に夫々摺動可
    能に配位され、順次チューブを上下から挟むようにして
    径方向から押圧することにより、チューブ内のモルタル
    等の流動体を吐出させるものであり、 これらの復帰用の押圧体がチューブの左右に夫々摺動可
    能に配位され、順次チューブを左右から挟むようにして
    径方向から押圧することにより、圧潰用の押圧体により
    圧潰されたチューブを強制的に復元させるものであるモ
    ルタル等の流動体用ポンプにおいて、 これらの上下の圧潰用の押圧体と左右の復帰用の押圧体
    の夫々が、回転軸に設けられたカムによって摺動させら
    れるものであり、 この上下の圧潰用の押圧体の少なくとも何れか一方の回
    転軸と左右の復帰用の押圧体の少なくとも何れか一方の
    回転軸とが、チューブから遠ざかる方向に移動可能とさ
    れたことを特徴とするモルタル等の流動体用ポンプ。
  2. 【請求項2】チューブの長手方向に複数個の圧潰用の押
    圧体が配位され、これらの圧潰用の押圧体が順次チュー
    ブを径方向から押圧することにより、チューブ内のモル
    タル等の流動体を吐出させるモルタル等の流動体用ポン
    プであって、圧潰用の押圧体がチューブの上下と左右に
    夫々配位され、上下の圧潰用の押圧体によりチューブを
    上下から挟んで押圧する上下押圧運動と、左右の圧潰用
    の押圧体によりチューブを左右かから挟んで押圧する左
    右押圧運動とを交互に行うよう構成したものにおいて、 これらの上下左右の圧潰用の押圧体の夫々が、回転軸に
    設けられたカムによって摺動させられるものであり、 この上下の圧潰用の押圧体の少なくとも何れか一方の回
    転軸と左右の圧潰用の押圧体の少なくとも何れか一方の
    回転軸とが、チューブから遠ざかる方向に移動可能とさ
    れたことを特徴とするモルタル等の流動体用ポンプ。
  3. 【請求項3】この上下に配位された押圧体の各回転軸の
    内、一方がチューブから遠ざかる方向に移動可能とさ
    れ、他方が移動不能とされ、また、左右に配位された押
    圧体の各回転軸の内、一方がチューブから遠ざかる方向
    に移動可能とされ、他方が移動不能とされ、 移動不能とされた回転軸が、移動可能とされた回転軸に
    対して、チェーンによって回転力を伝達し得るように接
    続され、 移動可能とされた回転軸が、チェーンによって接続され
    た移動不能な回転軸を中心とする円弧に沿って移動可能
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のモルタル
    等の流動体用ポンプ。
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