JP2548821Y2 - 記録紙の搬送機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は画像形成装置における搬送機構に関し、特に
搬送経路中の反転部における記録紙の搬送不良を解消す
ることができる記録紙の搬送機構に関する。

（従来の技術） 複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装
置は、給紙カセット、給紙トレイ等の記録紙収納手段に
収納した記録紙をピックアップコロによって一枚づつ取
り出し、中間コロを経てレジストローラにまで搬送した
あとで、該レジストローラにより所定のタイミングで作
像部（転写部）に給紙する。

画像形成装置自体の小型化の要請から給紙トレイ等か
ら急峻な傾斜角度で上方に位置する印写部に記録紙を搬
送する必要が生じ、この場合にはレジストローラの手前
の搬送経路中に反転部（湾曲部）が形成され、無理な反
転によって記録紙が搬送不良を起こすことが多くなる。

第３図（ａ）及び（ｂ）は記録紙搬送路中に反転部を
有した従来の画像形成装置の概略構成説明図及び反転部
の構成説明図であり、装置下部に位置する給紙トレイ１
内から半月ピックアップコロ３によって取り出された記
録紙は中間コロ２によって上方へ導かれるとともに、装
置本体側に取り付けられたターンガイド４から成る反転
部によって方向を転換させられてレジストローラ５へ給
送される。

レジストローラ５は感光体ドラム７上に形成されたト
ナー像に対する記録紙の給紙タイミングを所定に設定す
るため、記録紙の給紙を一時停止する。この際、レジス
トローラ対５のニップ部に記録紙先端部をスムーズに進
入させるためと、記録紙のスキューを補正するために記
録紙にたるみを形成することが必要となる。このたるみ
量を適正に設定するためにレジストローラ５直前のレジ
ストセンサ６が用いられる。即ち、レジストセンサ６が
記録紙を検知してから規定の時間経過後に中間コロ２の
駆動を停止することにより、所定のたるみ量を得ること
ができるのであるが、レジストセンサ６や中間コロ２に
駆動を伝えるクラッチ、ソレノイドの動作のバラツキに
より、記録紙のたるみ量は大きくばらつく。

第３図（ｂ）は前記たるみ量が大きい方にばらついた
場合を示し、この場合記録紙Ｐの湾曲部外側がターンガ
イド４によって押圧されてＡ方向に座屈し、突騒音を生
じたり、記録紙の白抜け発生の原因となる。

（考案の目的） 本考案は上記に鑑みてなされたものであり、記録紙の
搬送経路内に反転部が存する場合に、反転部の外側をガ
イドするターンガイドに突き当たった記録紙が内側方向
に座屈することによって、異音や転写不良等の不具合を
生じることを防止することができる記録紙の搬送機構を
提供することを目的としている。

（考案の構成） 上記目的を達成するため、本考案は、感光体上の画像
を記録紙上に転写する転写部の手前に配置したレジスト
ローラに向けて記録紙を給紙する搬送コロと、この搬送
コロとレジストローラとの間に位置する経路に湾曲部を
有する搬送経路とを備え、前記レジストローラにより停
止した記録紙が該湾曲部にてたるみを生ずる、画像形成
装置の記録紙の搬送機構において、前記湾曲部の外側に
搬送路の幅を保持するように位置する外側ターンガイド
の少なくとも一部を、記録紙からの押圧力により弾性変
形する弾性部材で構成することを提案する。さらに、本
考案は、上記目的を有利に達成するため、前記弾性部材
の前面に低摩擦抵抗部材を配置することを提案する。

以下、添付図面に示した好適な実施例に基づいて本考
案を詳細に説明する。

第１図（ａ）及び（ｂ）は本考案の搬送機構の構成説
明図であり、下方に位置する図示しない給紙トレイから
取り出された記録紙Ｐは中間コロ２によりニップされて
ガイド板10内を上方に向う。ガイド板10はレジストロー
ラ５の手前で湾曲反転し、方向を変えてレジストローラ
５へ向っているが、この反転部11の外側には記録紙Ｐの
外側面をガイドするターンガイド14を配置する。

ターンガイド14は、第２図に示すように画像形成装置
本体に取り付けられるターンガイド本体15と、ターンガ
イド本体15の前面（記録紙搬送路側）に一体化されるポ
リウレタン等の弾性部材16と、弾性部材16の前面に貼着
される低摩擦抵抗部材（定摩擦抵抗層）17とから成る。
低摩擦抵抗部材17は記録紙との摩擦抵抗が低いシート材
を用い、例えばポリエステルフィルム等を用いる。

以上の構成において、記録紙Ｐが中間コロ２、ターン
ガイド14を経てレジストローラ５で停止した後、レジス
トセンサ６や中間コロ２に駆動力を伝達するクラッチ、
ソレノイドのばらつきによって記録紙のたるみ量に必要
以上のばらつきが生じようとすると、低摩擦抵抗部材17
を介して弾性部材16が記録紙の湾曲部によって押圧され
て（ｂ）に示すように弾性変形する。このため、記録紙
ＰはＡ方向へは座屈せず、Ｂ方向へ拡がる。この結果、
記録紙の座屈による突騒音、記録紙の白抜け発生を防止
することができる。記録紙の通過後、弾性部材16は原形
に復帰する。

このように本考案の搬送ガイドによれば、記録紙の搬
送経路中の反転部（湾曲部を含む）の外側のターンガイ
ドの前面を弾性材から構成し、レジストローラによって
先端部を停止状態に保持された記録紙の一部が該反転部
内において過大にたるみを起こした場合においても、該
たるみ部は弾性部材16を押圧して変形させるためにたる
みが十分に吸収緩和され、転写紙の座屈を防止し、突騒
音、白抜け等の画質低下を防止することができる。

また、ターンガイド14の前面は弾性体であるため、押
圧されても記録紙に向けて反発力が生じ、その反発力に
より記録紙がレジストローラのニップ部に進入し易くな
り、スキュー補正力を高めることができる。更に、記録
紙との接触面には低摩擦抵抗部材17を配置しているた
め、通紙性能に悪影響を及ぼすこともない。

なお、本考案のターンガイドは、反転部に限らずレジ
ストローラによる記録紙の停止に起因して発生する記録
紙の過剰な湾曲を緩和して、湾曲に起因した不具合を解
消するものである。従って、ターンガイドの構成は図示
のものに限定されない。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、記録紙の搬送経路内に
反転部が存する場合に、反転部の外側をガイドするター
ンガイドに突き当たった記録紙が内側方向に座屈するこ
とによって、異音や転写不良等の不具合を生じることを
防止することができる。

【図面の簡単な説明】 第１図（ａ）及び（ｂ）は本考案の搬送ガイドの構成説
明図、第２図はターンガイド部の構成を示す斜視図、第
３図（ａ）及び（ｂ）は従来の画像形成装置の概略構成
説明図及び反転部の構成説明図である。 １……給紙トレイ、２……中間コロ ５……レジストローラ、10……ガイド板 11……反転部、14……ターンガイド 15……ターンガイド本体、16……弾性部材、17……低摩
擦抵抗部材

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】感光体上の画像を記録紙上に転写する転写
   部の手前に配置したレジストローラに向けて記録紙を給
   紙する搬送コロと、この搬送コロとレジストローラとの
   間に位置する経路に湾曲部を有する搬送経路とを備え、
   前記レジストローラにより停止した記録紙が該湾曲部に
   てたるみを生ずる、画像形成装置の記録紙の搬送機構に
   おいて、 前記湾曲部の外側に搬送経路の幅を保持するように位置
   する外側ターンガイドの少なくとも一部を、記録紙から
   の押圧力により弾性変形する弾性部材で構成したことを
   特徴とする記録紙の搬送機構。
2. 【請求項２】前記弾性部材の前面に低摩擦抵抗部材を配
   置したことを特徴とする、請求項１に記載の記録紙の搬
   送機構。