JP2548778B2 - ダイヤモンドコーティング法 - Google Patents
ダイヤモンドコーティング法Info
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- JP2548778B2 JP2548778B2 JP63195457A JP19545788A JP2548778B2 JP 2548778 B2 JP2548778 B2 JP 2548778B2 JP 63195457 A JP63195457 A JP 63195457A JP 19545788 A JP19545788 A JP 19545788A JP 2548778 B2 JP2548778 B2 JP 2548778B2
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- cemented carbide
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- diamond
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はダイヤモンドコーティング法に関し、特に耐
久摩耗部品や工具に適したダイヤモンド膜をコーティン
グする方法に係わる。
久摩耗部品や工具に適したダイヤモンド膜をコーティン
グする方法に係わる。
[従来の技術と課題] 周知の如く、気相合成されるダイヤモンドは、基材で
ある超硬合金を予めダイヤモンドパウダーなどで研磨し
なければ膜状に成長しない。即ち、超硬合金の表面へ一
様に傷を付け、そこを核としてダイヤモンド膜は成長す
る。
ある超硬合金を予めダイヤモンドパウダーなどで研磨し
なければ膜状に成長しない。即ち、超硬合金の表面へ一
様に傷を付け、そこを核としてダイヤモンド膜は成長す
る。
しかしながら、超硬合金にダイヤモンド膜をコーティ
ングする場合、研磨処理のみでは良質なダイヤモンド膜
を得ることができない。これは、超硬合金に含有されて
いるコバルトやニッケルがダイヤモンド膜合成に悪影響
を及ぼしているからである。即ち、コバルトやニッケル
が基材表面に存在すると、炭素がコバルトやニッケル内
へ拡散し、合成されたダイヤモンドはアモルファス成分
を多量に含有してしまい、良質なダイヤモンド膜は合成
できない。
ングする場合、研磨処理のみでは良質なダイヤモンド膜
を得ることができない。これは、超硬合金に含有されて
いるコバルトやニッケルがダイヤモンド膜合成に悪影響
を及ぼしているからである。即ち、コバルトやニッケル
が基材表面に存在すると、炭素がコバルトやニッケル内
へ拡散し、合成されたダイヤモンドはアモルファス成分
を多量に含有してしまい、良質なダイヤモンド膜は合成
できない。
そこで、基材を希硝酸などによって酸処理し、基材表
面のコバルトなどを除却することが考えられるが、この
場合発生した気泡が基材表面を覆ってしまって反応が進
行し難くなる。
面のコバルトなどを除却することが考えられるが、この
場合発生した気泡が基材表面を覆ってしまって反応が進
行し難くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、超硬合金
へのダイヤモンド膜の被覆を気泡等を生じさせることな
く容易に実現し得るダイヤモンドコーティング法を提供
することを目的とする。
へのダイヤモンド膜の被覆を気泡等を生じさせることな
く容易に実現し得るダイヤモンドコーティング法を提供
することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、基材である超硬合金に研磨処理と酸処理と
を同時に行う工程と、前記超硬合金にダイヤモンド膜を
被覆する工程とを具備することを要旨とする。本発明に
おいて、酸処理は例えば硝酸等を用いて行う。
を同時に行う工程と、前記超硬合金にダイヤモンド膜を
被覆する工程とを具備することを要旨とする。本発明に
おいて、酸処理は例えば硝酸等を用いて行う。
[作用] 本発明においては、研磨液中に硝酸等を混入すること
により研磨処理と酸処理とを同時に行っている為、基材
(超硬合金)表面に気泡は発生せず、表面は活性状態に
保たれ、良質なダイヤモンド膜を超硬合金に形成でき
る。又、再現性にも富んでいる。しかるに、従来のよう
に酸処理のみでは、基材表面を気泡が覆ってしまい、反
応が進行し難くなる。
により研磨処理と酸処理とを同時に行っている為、基材
(超硬合金)表面に気泡は発生せず、表面は活性状態に
保たれ、良質なダイヤモンド膜を超硬合金に形成でき
る。又、再現性にも富んでいる。しかるに、従来のよう
に酸処理のみでは、基材表面を気泡が覆ってしまい、反
応が進行し難くなる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例について説明する。
まず、粒径20〜40μmのダイヤモンドパウダー1gをエ
タノール20cc中に分散させた研磨液に硝酸5cc混入した
混合液(研磨液)中に、10mm×5mm×2mmtの超硬合金を
投入した。つづいて、45KHz,60Wの超音波洗浄器により
該混合液に超音波震動を与え、処理を20分間行った。
タノール20cc中に分散させた研磨液に硝酸5cc混入した
混合液(研磨液)中に、10mm×5mm×2mmtの超硬合金を
投入した。つづいて、45KHz,60Wの超音波洗浄器により
該混合液に超音波震動を与え、処理を20分間行った。
次に、マイクロ波プラズマCVD法により、前記超硬合
金上にダイヤモンドをコーティング(被覆)した。ここ
で、被覆は、原料ガスにCH41%、H299%の混合ガスを使
用し、ガス流量70sccm、ガス圧力30torr、マイクロ波出
力320Wの条件で3時間行った。
金上にダイヤモンドをコーティング(被覆)した。ここ
で、被覆は、原料ガスにCH41%、H299%の混合ガスを使
用し、ガス流量70sccm、ガス圧力30torr、マイクロ波出
力320Wの条件で3時間行った。
しかして、上記実施例によれば、超硬合金にダイヤモ
ンド膜を形成する前に、予めダイヤモンドパウダーなど
を含んだ研磨液に硝酸を混入した混合液で超硬合金の前
処理を行うため、従来のように超硬合金表面を気泡が覆
うことなく、良質なダイヤモンド膜を形成できる。
ンド膜を形成する前に、予めダイヤモンドパウダーなど
を含んだ研磨液に硝酸を混入した混合液で超硬合金の前
処理を行うため、従来のように超硬合金表面を気泡が覆
うことなく、良質なダイヤモンド膜を形成できる。
事実、上記のようにして作られたダイヤモンド膜(本
発明)のラマンスペクトルを硝酸の混入しない研磨液で
同一処理を行なったダイヤモンド膜(従来)と比較した
ところ、第1図に示す特性図が得られた。なお、図中の
曲線(イ)は本発明の場合、曲線(ロ)は従来の場合を
示し、両曲線ともピークはダイヤモンド膜のスペクトル
を示す。同図より、曲線(ロ)の場合はピークの左側に
アモルファスのスペクトルの山が見えることが確認でき
るが、曲線(イ)にはその山がないことを確認できる。
これにより、硝酸を混入した混合液(研磨液)で処理
し、作成したダイヤモンド膜の方がアモルファス成分を
余り含まない良質なダイヤモンド膜であることが確認で
きた。また、硝酸の混入量を3ccとした場合、ダイヤモ
ンド膜のアモルファス成分は増加した。このことによ
り、硝酸の混入量を変化させることにより、ダイヤモン
ド膜中のアモルファス成分の量を制御することが可能で
あることも合せて確認できた。即ち、超硬合金との密着
性を良くするために、アモルファス成分の量を調整する
ことが望ましい。
発明)のラマンスペクトルを硝酸の混入しない研磨液で
同一処理を行なったダイヤモンド膜(従来)と比較した
ところ、第1図に示す特性図が得られた。なお、図中の
曲線(イ)は本発明の場合、曲線(ロ)は従来の場合を
示し、両曲線ともピークはダイヤモンド膜のスペクトル
を示す。同図より、曲線(ロ)の場合はピークの左側に
アモルファスのスペクトルの山が見えることが確認でき
るが、曲線(イ)にはその山がないことを確認できる。
これにより、硝酸を混入した混合液(研磨液)で処理
し、作成したダイヤモンド膜の方がアモルファス成分を
余り含まない良質なダイヤモンド膜であることが確認で
きた。また、硝酸の混入量を3ccとした場合、ダイヤモ
ンド膜のアモルファス成分は増加した。このことによ
り、硝酸の混入量を変化させることにより、ダイヤモン
ド膜中のアモルファス成分の量を制御することが可能で
あることも合せて確認できた。即ち、超硬合金との密着
性を良くするために、アモルファス成分の量を調整する
ことが望ましい。
なお、上記実施例では、酸処理の材料として硝酸を用
いた場合について述べたが、これに限定されることな
く、他の酸を用いてもよい。
いた場合について述べたが、これに限定されることな
く、他の酸を用いてもよい。
[発明の効果] 以上詳述した如く本発明によれば、超硬合金へのダイ
ヤモンド膜の被覆を気泡等を生じさせることなく容易に
実現し得、工業的に有用なコーティング法を提供でき
る。
ヤモンド膜の被覆を気泡等を生じさせることなく容易に
実現し得、工業的に有用なコーティング法を提供でき
る。
第1図は本発明法及び従来方法により作成したダイヤモ
ンド法のラマンスペクトルを示す特性図である。
ンド法のラマンスペクトルを示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 哲義 神奈川県横浜市金沢区幸浦1丁目8番地 1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所 内 (56)参考文献 特開 昭62−67174(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】基材である超硬合金に研磨処理と酸処理と
を同時に行う工程と、前記超硬合金にダイヤモンド膜を
被覆する工程とを具備することを特徴とするダイヤモン
ドコーティング法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63195457A JP2548778B2 (ja) | 1988-08-05 | 1988-08-05 | ダイヤモンドコーティング法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63195457A JP2548778B2 (ja) | 1988-08-05 | 1988-08-05 | ダイヤモンドコーティング法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0247264A JPH0247264A (ja) | 1990-02-16 |
JP2548778B2 true JP2548778B2 (ja) | 1996-10-30 |
Family
ID=16341389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63195457A Expired - Fee Related JP2548778B2 (ja) | 1988-08-05 | 1988-08-05 | ダイヤモンドコーティング法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2548778B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100687671B1 (ko) | 2003-03-05 | 2007-03-02 | 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 | 입상 다공성 암모산화 촉매 |
CN102242374A (zh) * | 2011-06-30 | 2011-11-16 | 南京航空航天大学 | 钛基掺硼金刚石涂层电极的制备方法 |
-
1988
- 1988-08-05 JP JP63195457A patent/JP2548778B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0247264A (ja) | 1990-02-16 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |