JP2548755B2 - 動圧流体軸受 - Google Patents

動圧流体軸受

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JP2548755B2 JP62306188A JP30618887A JP2548755B2 JP 2548755 B2 JP2548755 B2 JP 2548755B2 JP 62306188 A JP62306188 A JP 62306188A JP 30618887 A JP30618887 A JP 30618887A JP 2548755 B2 JP2548755 B2 JP 2548755B2
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芳郎 沖
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NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は動圧流体軸受に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、レーザビームプリンタ等に用いられる多面鏡
(ポリゴンミラー)回転軸、VTRシリンダーヘッドスピ
ンドル、磁気ディスクスピンドル等の軸受は高速、高精
度での回転を満足することが強く要望され、高速回転時
に回転むらが非常に少なく、回転トルクも小さく安定し
ているような軸受性能を保持するため炭化水素系のオイ
ルやグリースを潤滑油とした動圧流体軸受が用いられて
来た。このような動圧流体軸受は、定常回転時固定側と
回転側の間に高圧の流体層を発生させ微小な隙間(2〜
10μm程度)を保持しながら、非接触で回転することに
特徴があり、その軸受性能(回転精度、回転ムラ、回転
トルク等)もそれに由来している。そしてこのような微
小な隙間の保証は固定側と回転側の摩耗粉によるグリー
ス、オイル等の劣化等に伴う軸受性能の低下や焼付きと
いうような軸受にとっては致命的なトラブルを防止する
うえできわめて重要である。しかし、潤滑油に金属表面
との親和性が無いため、回転時に潤滑油が排出され、金
属接触が発生してしまう。よって摩耗が起こってしまう
という欠点があった。
この接触に伴って生じる表面の摩耗を極力抑えるため
対向面に焼入れや硬質メッキを施す等表面を硬くする必
要があった。また焼入れすると軸受に歪が生じ、硬質メ
ッキの場合、メッキ層の厚みを高精度にコントロールし
てメッキするのは容易ではないので、表面を研磨等の方
法によって再度仕上げる必要もあった。なお、このよう
な硬化手段を用いても表面からの摩耗粉なグリースを始
めとする潤滑油等の液体の劣化を早め、回転トルクの変
化を来たすこともしばしばあり、実使用において決して
好ましい状態とは言えなかった。また、これら金属系の
表面は、その表面エネルギーが大きいため、液体の移動
抵抗が大きく、運転開始後定常回転に至るまでの時間が
長くなるなどの欠点も内在していた。
また、上記動圧流体軸受を低温から高温までの広い範
囲で使用しようとすると、従来のオイル、グリース等の
潤滑油では粘度変化が大きく、運転開始後定常回転に至
るまでの時間にバラツキが生じる。さらに、回転トルク
値も変動が大きいという問題点があった。一方、含フッ
素重合体オルガノポリシロキサンについては、温度に対
する粘度特性は安定しているが、金属表面との親和性に
欠けるという欠点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上述べたように、従来の技術においては、簡易な手
段により摩耗粉の発生を極力防止抑制し、しかも運転開
始後定常回転に至るまでの時間が短く、温度変化に対し
て回転トルク値が安定している動圧液体軸受は得られな
いという問題点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するために、この発明は相対回転
する対向面の少なくとも一方に流体である潤滑油を定方
向に導く溝を形成した動圧軸受の潤滑油として、エポキ
シ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト
基、イソシアネート基およびシアネート基から選ばれる
官能基を有する含フッ素重合体または前記官能基を有す
るオルガノポリシロキサンのいずれかまたは混合物か、
または、含フッ素重合体もしくはオルガノポリシロキサ
ンのいずれかまたは混合物にさらに飽和脂肪酸もしくは
アミノ化合物を添加したものを用いた動圧流体軸受とす
る手段を採用したものである。以下その詳細を述べる。
まず、この発明における官能基を有するオルガノポリ
シロキサンは、たとえばジメチルシロキサン、メチルフ
ェニルシロキサン、トリメチルフルオロプロピルシロキ
サン等のシロキサンの単独重合体または2種以上の共重
合体に官能基を導入したものであり、その官能基はエポ
キシ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプ
ト基、イソシアネート基およびシアネート基から選ばれ
る官能基である。
これら官能基を導入した具体的な例はつぎのとおりで
あるが、各官能基ごとの例は記載されたものに限られる
ものではない。
エポキシ基含有のものとして アミノ基含有のものとして カルボキシル基含有のものとして アルコール性水酸基含有のものとして メルカプト基含有のものとして イソシアネート基含有のものとして などである。ここで式中のRはアルキレン基など、mは
5〜10000、nは2〜100である。
さらに、この発明における含フッ素重合体はポリフル
オロアルキル重合体またはフルオロポリエーテル重合体
などであり、ポリフルオロアルキル重合体はフルオロア
ルキル基、たとえば F3CCF2 、HCF2 、ClF2CCF2 11などを有する重合体であり、フルオロポリエーテル重合
体は一般式 −CxF2x−O−〔ただしXは1〜4の整数〕 で示される主要構造単位を有し、平均分子量が約1000〜
50000の重合体である。そしてこれら含フッ素重合体も
前記オルガノポリシロキサンと同様にエポキシ基、アミ
ノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、イソシ
アネート基およびシアネート基から選ばれる官能基が導
入されていて、具体的にはつぎのようなものを例示する
ことができる。すなわち、 OCNCF2 6NHCO−C6F12−CONHCH2 6NCO、 C8F17C2H4OH、C10F21CONHC2H4OH、 C6F13SCH2CH2OCOCF2 5NH2、C8F17SO2F、 HOOC−CF2OC2F4OCF2OnCF2COOH、 H3COOC−CF2OC2F4OCF2OnCF2COOCH3、 HOCH2−CF2OC2F4OCF2OnCF2−CH2OH、 などである。
以上の官能基を有するオルガノポリシロキサンまたは
含フッ素重合体のいずれかもしくは混合物を潤滑油とし
て用いると、相対する金属表面と官能基との親和性がよ
いので、金属表面上に単分子層レベルの潤滑油の吸着膜
を形成することができる。この吸着膜が起動、停止時の
金属接触による表面の摩耗を抑え、潤滑油の劣化を防
ぎ、軸受性能を向上させる。
また、末端に官能基を持たない含フッ素重合体および
オルガノポリシロキサンに対しても飽和脂肪酸もしくは
アミノ化合物を添加すれば、官能基のある場合と同様の
効果を現わすことができる。ここで、飽和脂肪酸とは、
たとえば ウラリン酸(分子量200.3) CH3(CH210COOH ミリスチン酸(分子量228.4) CH3(CH212COOH パルミチン酸(分子量256.4) CH3(CH214COOH などであり、または、アミノ化合物とは、たとえば グリシン H2NCH2COOH アミノアルコール H2NCH2CH2OH などであって、これらの官能基を有する含フッ素重合体
もしくはオルガノポリシロキサンと併用することも勿論
好ましいことである。
〔実施例〕 実施例1: 図に示すようなハウジング1とヘリングボン溝4のあ
るSUS304製の軸受2とスラスト軸受3とからなり潤滑油
を流体とする動圧流体軸受に使用する潤滑油5を、少な
くとも一方の末端にカルボキシル基を有するフルオロポ
リエーテル重合体(伊国モンテフルオス社製:フォンブ
リンZ−DIACID)とした。これを2000時間連続運転させ
て400時間ごとの回転トルク(g・cm)を調べ、回転ト
ルクの安定性については、良(○印)、悪(×印)の二
段評価とし、また試験後の軸およびハウジングに摩耗痕
の有無を調べ、これらの結果を表にまとめた。
実施例2: 潤滑油として末端に水酸基を有するフルオロアルキル
重合体C8F17C2H4OHを用いたこと以外は、実施例1と全
く同様の方法で試験を行なった。得られた結果を表に併
記した。
実施例3: 潤滑油として末端に水酸基を有するオルガノポリシロ
キサン(信越化学工業社製:シリコーンオイルX22−160
AS)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で
試験を行なった。得られた結果を表に併記した。
実施例4: 潤滑油として官能基を持たないフルオロポリエーテル
重合体(伊国モンテフルオス社製:フォンブリンZ−0
3)にミリスチン酸CH3(CH212COOHを10-2mol/l添加し
たものを用いたこと以外は実施例1と全く同様の方法で
試験し、得られた結果を表に併記した。
実施例5: 潤滑油として官能基を持たないフルオロポリエーテル
重合体(伊国モンテフルオス社製:フォンブリンZ−0
3)にアミノ化合物のグリシンH2N−CH2COOHを10-2mol/l
添加したものを用いたこと以外は、実施例1と全く同様
の方法で試験し、得られた結果を表に併記した。
比較例1: 潤滑油として、炭化水素油(ヘキサデカン)を用いた
こと以外は、実施例1と全く同様の方法で試験し、得ら
れた結果を表に併記した。
比較例2: 潤滑油として、官能基を有しないフルオロポリエーテ
ル重合体(伊国モンテフルオス社製:フォンブリンZ−
03)を用いたこと以外は、実施例1と全く同様の方法で
試験し、得られた結果を表に併記した。
比較例3: 潤滑油として、官能基を有しないオルガノポリシロキ
サン(ジメチルフェニールシリコーンオイル)を用いた
こと以外は、実施例1と全く同様の方法で試験し、得ら
れた結果を表に併記した。
比較例4: 潤滑油として、炭化水素油(ヘキサデカン)にミスチ
ルン酸10-2mol/l添加したものを用いたこと以外は、実
施例1と全く同様の方法で試験し、得られた結果を表に
併記した。
以上の結果から、官能基を持たない含フッ素重合体、
オルガノポリシロキサン、炭化水素油を潤滑油とした比
較例1、2および3は回転開始直後の値が低いだけで、
次第に回転トルクは上昇していった。しかし、官能基を
持つ含フッ素重合体およびオルガノポリシロキサンを用
いた実施例1〜3は、いずれも低い値で安定していた
し、官能基を持たない含フッ素重合体に飽和脂肪酸また
はアミノ化合物を添加した実施例4および5も同様であ
った。これに対して官能基を持たない炭化水素油に飽和
脂肪酸を添加した比較例4は比較例1〜3に比べて若
干、初期に安定したが次第に上昇していった。したがっ
て、同じように飽和脂肪酸またはアミノ化合物を添加し
てもそれぞれの潤滑油の特性によって摺動特性が異な
り、その効果が決定される。そして、この一連の実施例
においては潤滑油として含フッ素重合体およびオルガノ
ポリシロキサンが好ましいことが明らかとなった。
〔効果〕
この発明の動圧流体軸受は、摩耗粉の発生を極力防止
抑制し、しかも、運転開始後定常回転に至るまでの時間
が短く、温度変化に対して回転トルク値が安定している
等、摺動特性の優れた軸受であるから、この発明の意義
はきわめて大きいと言える。
【図面の簡単な説明】
図は実施例に用いた動圧流体軸受の構造を示すための模
式化した断面図である。 1……ハウジング、2……軸、 3……スラスト軸受、4……ヘリングボン溝、 5……潤滑油。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C10M 169/04 107:38 107:50 133:06 129:40)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転する対向面の少なくとも一方に流
    体である潤滑油を定方向に導く溝を形成した動圧軸受の
    潤滑油として、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル
    基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基およびシ
    アネート基から選ばれる官能基を有する含フッ素重合体
    または前記官能基を有するオルガノポリシロキサンのい
    ずれかまたは混合物を用いたことを特徴とする動圧流体
    軸受。
  2. 【請求項2】相対回転する対向面の少なくとも一方に流
    体である潤滑油を定方向に導く溝を形成した動圧軸受の
    潤滑油として、含フッ素重合体もしくはオルガノポリシ
    ロキサンのいずれかまたは混合物にさらに飽和脂肪酸も
    しくはアミノ化合物を添加したものを用いたことを特徴
    とする動圧流体軸受。
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