JP2548164Y2 - 穴加工機 - Google Patents
穴加工機Info
- Publication number
- JP2548164Y2 JP2548164Y2 JP981792U JP981792U JP2548164Y2 JP 2548164 Y2 JP2548164 Y2 JP 2548164Y2 JP 981792 U JP981792 U JP 981792U JP 981792 U JP981792 U JP 981792U JP 2548164 Y2 JP2548164 Y2 JP 2548164Y2
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- Japan
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- quill
- cylinder head
- hole
- support
- cylinder
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、オーバヘッドカムシ
ャフトエンジンのシリンダヘッドにカムシャフト支持用
の軸穴を加工する場合などに用いる穴加工機に関するも
のである。
ャフトエンジンのシリンダヘッドにカムシャフト支持用
の軸穴を加工する場合などに用いる穴加工機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】前記のような穴加工機として、実開昭6
3−103906号公報に示すように、前後送り装置に
よって進退すると共に駆動用電動機によって軸回りに回
転するクイルを有し、シリンダヘッド上面の前後複数箇
所に設けた突起部の下穴に前記クイルを差し通し、前記
クイルに装着した刃具によって下穴壁を切削し、カムシ
ャフト支持用の軸穴を加工するものがあった。
3−103906号公報に示すように、前後送り装置に
よって進退すると共に駆動用電動機によって軸回りに回
転するクイルを有し、シリンダヘッド上面の前後複数箇
所に設けた突起部の下穴に前記クイルを差し通し、前記
クイルに装着した刃具によって下穴壁を切削し、カムシ
ャフト支持用の軸穴を加工するものがあった。
【0003】そして、前記軸穴の加工後のシリンダヘッ
ドは、シリンダブロックにボルト締め固定しているが、
シリンダブロックに設けたシリンダ孔の周囲にガスケッ
トを介してシリンダヘッドとシリンダブロックとをボル
ト締め固定しているので、前記ガスケットの分だけ、シ
リンダヘッドに高低差が生じ、シリンダヘッドに前後方
向中央部が高くなる凸弧状の湾曲が生じる。
ドは、シリンダブロックにボルト締め固定しているが、
シリンダブロックに設けたシリンダ孔の周囲にガスケッ
トを介してシリンダヘッドとシリンダブロックとをボル
ト締め固定しているので、前記ガスケットの分だけ、シ
リンダヘッドに高低差が生じ、シリンダヘッドに前後方
向中央部が高くなる凸弧状の湾曲が生じる。
【0004】しかし、前述した穴加工機によってシリン
ダヘッドの前後複数箇所に加工した軸穴の中心は一直線
状になっているため、シリンダヘッドとシリンダブロッ
クとを締め付けると、前述したようにシリンダヘッドが
湾曲することにより、シリンダヘッドに設けた前後軸穴
の中心位置が上下方向にずれてしまい、軸穴に挿通した
オーバヘッドカムシャフトの回転時の摺動抵抗が増大し
たり、エンジン出力の損失が生じたり、軸穴部の異常摩
耗が生じるなどの不具合が生じる。
ダヘッドの前後複数箇所に加工した軸穴の中心は一直線
状になっているため、シリンダヘッドとシリンダブロッ
クとを締め付けると、前述したようにシリンダヘッドが
湾曲することにより、シリンダヘッドに設けた前後軸穴
の中心位置が上下方向にずれてしまい、軸穴に挿通した
オーバヘッドカムシャフトの回転時の摺動抵抗が増大し
たり、エンジン出力の損失が生じたり、軸穴部の異常摩
耗が生じるなどの不具合が生じる。
【0005】一方、特開昭62−28102号公報に示
すように、シリンダヘッドとシリンダブロックとの締め
付け時に、軸孔に真円度が得られるようにシリンダヘッ
ドを上方から加圧して弾性変形させる応力治具を利用
し、シリンダヘッドを弾性変形させた状態で前述した軸
穴の加工を行い、前後軸穴の中心位置のずれを防止する
ことが考えられる。
すように、シリンダヘッドとシリンダブロックとの締め
付け時に、軸孔に真円度が得られるようにシリンダヘッ
ドを上方から加圧して弾性変形させる応力治具を利用
し、シリンダヘッドを弾性変形させた状態で前述した軸
穴の加工を行い、前後軸穴の中心位置のずれを防止する
ことが考えられる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】前述した応力治具によ
ってシリンダヘッドを弾性変形させ、これをシリンダブ
ロックに締め付けたと同様な状態にして軸穴の加工を行
うには、大きな加圧力が必要になるため、大形の応力治
具や油圧シリンダ機構が必要となって穴加工機が大形に
なり、コストも高くなり、さらに加工も面倒になるとい
う問題点があった。
ってシリンダヘッドを弾性変形させ、これをシリンダブ
ロックに締め付けたと同様な状態にして軸穴の加工を行
うには、大きな加圧力が必要になるため、大形の応力治
具や油圧シリンダ機構が必要となって穴加工機が大形に
なり、コストも高くなり、さらに加工も面倒になるとい
う問題点があった。
【0007】この考案は、オーバヘッドカムシャフトエ
ンジンのシリンダヘッドなどのワークに軸穴を加工する
クイルを上下方向に湾曲させた状態で、前後複数の軸穴
を加工することにより、前述した問題点を解決して、小
形でコストも安いもので、複数の軸穴の心ずれをなくす
ことが容易にできる、穴加工機を提供することを目的と
している。
ンジンのシリンダヘッドなどのワークに軸穴を加工する
クイルを上下方向に湾曲させた状態で、前後複数の軸穴
を加工することにより、前述した問題点を解決して、小
形でコストも安いもので、複数の軸穴の心ずれをなくす
ことが容易にできる、穴加工機を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案の穴加工機は、
前後送り装置によって進退すると共に駆動用電動機によ
って軸回りに回転するクイルを有し、クイルの前後複数
箇所にワークの軸穴加工用の刃具をそれぞれ装着した穴
加工機において、前記送り装置の前方に天蓋を配設し、
この天蓋下面の前後3箇所以上に前記クイルを抜き差し
および回転自在に支持するクイル支持穴を有する支持部
材を設け、中間部の前記支持部材のクイル支持穴の中心
は前端部及び後端部の前記クイル支持穴の中心より下方
に偏倚し、前後3箇所以上の前記支持部材は前記クイル
を下方に湾曲させて支持するものである。
前後送り装置によって進退すると共に駆動用電動機によ
って軸回りに回転するクイルを有し、クイルの前後複数
箇所にワークの軸穴加工用の刃具をそれぞれ装着した穴
加工機において、前記送り装置の前方に天蓋を配設し、
この天蓋下面の前後3箇所以上に前記クイルを抜き差し
および回転自在に支持するクイル支持穴を有する支持部
材を設け、中間部の前記支持部材のクイル支持穴の中心
は前端部及び後端部の前記クイル支持穴の中心より下方
に偏倚し、前後3箇所以上の前記支持部材は前記クイル
を下方に湾曲させて支持するものである。
【0009】
【作用】この考案による穴加工機は、中間部の支持部材
のクイル支持穴が前端部及び後端部のクイル支持穴より
下方に偏倚しているので、クイルは湾曲した状態で支持
される。このクイルを湾曲させた状態で、クイルに装着
した刃具によってシリンダヘッドの前後複数箇所に設け
た突起部に軸穴加工を行うことにより、シリンダヘッド
のシリンダブロックへの締め付け状態でのその変形によ
る軸穴中心位置の変位量に応じ、逆方向に所定量だけシ
リンダヘッドの軸穴中心位置を変位させて軸穴を加工で
きる。
のクイル支持穴が前端部及び後端部のクイル支持穴より
下方に偏倚しているので、クイルは湾曲した状態で支持
される。このクイルを湾曲させた状態で、クイルに装着
した刃具によってシリンダヘッドの前後複数箇所に設け
た突起部に軸穴加工を行うことにより、シリンダヘッド
のシリンダブロックへの締め付け状態でのその変形によ
る軸穴中心位置の変位量に応じ、逆方向に所定量だけシ
リンダヘッドの軸穴中心位置を変位させて軸穴を加工で
きる。
【0010】したがって、シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの締め付けにより、シリンダヘッドの湾曲した
状態での軸穴の中心位置のずれを補償して、シリンダヘ
ッドに設けた前後複数の軸穴の中心位置が一直線状にす
ることが容易にでき、軸穴の心ずれに起因する不具合を
解消できる。また、クイルを上下方向に湾曲させるには
大きな力を必要としないので、支持部材に小形の支持位
置調整部材を設ければよく、小形でコストも安い穴加工
機にすることができる。
ロックとの締め付けにより、シリンダヘッドの湾曲した
状態での軸穴の中心位置のずれを補償して、シリンダヘ
ッドに設けた前後複数の軸穴の中心位置が一直線状にす
ることが容易にでき、軸穴の心ずれに起因する不具合を
解消できる。また、クイルを上下方向に湾曲させるには
大きな力を必要としないので、支持部材に小形の支持位
置調整部材を設ければよく、小形でコストも安い穴加工
機にすることができる。
【0011】
【実施例】以下、この考案の一実施例につき図1ないし
図3を参照して説明する。図1において、1はベッドで
あり、ベッド1の一側部上には前後送り装置2が設けて
ある。この送り装置2は、ベッド1上に固定した支持台
3に図1左右方向に水平往復移動可能に前後送り台4を
係合支持させ、支持台3に送り用シリンダ機構5のシリ
ンダ5aを固定し、シリンダ5aに嵌合したピストン5
bの先端部に前後送り台4を固定してある。
図3を参照して説明する。図1において、1はベッドで
あり、ベッド1の一側部上には前後送り装置2が設けて
ある。この送り装置2は、ベッド1上に固定した支持台
3に図1左右方向に水平往復移動可能に前後送り台4を
係合支持させ、支持台3に送り用シリンダ機構5のシリ
ンダ5aを固定し、シリンダ5aに嵌合したピストン5
bの先端部に前後送り台4を固定してある。
【0012】前後送り台4上の前部には軸頭6を固定
し、前後送り台4上の後部には駆動用電動機7を固定
し、この電動機7の駆動により、プーリ8a,8bと無
端ベルト8cとを主要部材とする動力伝達機構8を介し
て軸頭6に支持した主軸9を軸回りに回転させるように
構成してある。前記主軸9の先端部にはチャックなどの
取付機構11によってクイル(ボーリングバー)12の
基端部を着脱可能に固定し、クイル12は、図1左方に
水平に延び、図2に示すように、前後複数箇所に所要相
互間隔で刃具(バイト)13を固定し、刃具13の刃先
13aをクイル12の外周面から突出させてある。ま
た、クイル12の先端にはクイル12の挿入を容易とす
るためのテーパ部12aが設けられている。
し、前後送り台4上の後部には駆動用電動機7を固定
し、この電動機7の駆動により、プーリ8a,8bと無
端ベルト8cとを主要部材とする動力伝達機構8を介し
て軸頭6に支持した主軸9を軸回りに回転させるように
構成してある。前記主軸9の先端部にはチャックなどの
取付機構11によってクイル(ボーリングバー)12の
基端部を着脱可能に固定し、クイル12は、図1左方に
水平に延び、図2に示すように、前後複数箇所に所要相
互間隔で刃具(バイト)13を固定し、刃具13の刃先
13aをクイル12の外周面から突出させてある。ま
た、クイル12の先端にはクイル12の挿入を容易とす
るためのテーパ部12aが設けられている。
【0013】前記ベッド1の前側には基台14を配設
し、基台14の上方に天蓋15を配置し、天蓋15は複
数の支柱16により振動遮断部材17を介して基台14
上方に固定してある。
し、基台14の上方に天蓋15を配置し、天蓋15は複
数の支柱16により振動遮断部材17を介して基台14
上方に固定してある。
【0014】図2,図3にも示すように、天蓋15下面
の後端部,中間部,前端寄り部,前端部には、支持部材
18,19,20,21が相互間隔を設けて配設してあ
る。後端部,前端寄り部,前端部の支持部材18,2
0,21はボルト22によってそれぞれ天蓋15に固定
し、中間部の支持部材19は、上面にこの部材19の一
部として支持位置調整部材であるスペーサ23を配置
し、このスペーサ23と共にボルト24によって天蓋1
5に着脱可能に固定してある。
の後端部,中間部,前端寄り部,前端部には、支持部材
18,19,20,21が相互間隔を設けて配設してあ
る。後端部,前端寄り部,前端部の支持部材18,2
0,21はボルト22によってそれぞれ天蓋15に固定
し、中間部の支持部材19は、上面にこの部材19の一
部として支持位置調整部材であるスペーサ23を配置
し、このスペーサ23と共にボルト24によって天蓋1
5に着脱可能に固定してある。
【0015】支持部材18,19,20,21の下端部
には、セラミックなど適宜の材質からなるスリーブ2
5,26,27,28を固定してあり、後端部,中間部
の支持部材18,19に設けたスリーブ25,26の内
周面には軸方向全体にわたって刃逃げ溝29を形成して
ある。
には、セラミックなど適宜の材質からなるスリーブ2
5,26,27,28を固定してあり、後端部,中間部
の支持部材18,19に設けたスリーブ25,26の内
周面には軸方向全体にわたって刃逃げ溝29を形成して
ある。
【0016】前記天蓋15の下方には後部,中間部,前
部の支え金30,31,32を配設してあり、支え金3
0,31,32は、天蓋15上に設けた支え金用シリン
ダ機構41により昇降機構(図示省略)を介し昇降する
ように構成してあり、ワークであるオーバヘッドカムシ
ャフトエンジンのシリンダヘッド34を支持するための
ものである。なお、シリンダヘッド34は、図2に示す
ように上面の前後複数箇所に突起部35を突出させ、突
起部35にはそれぞれオーバヘッドカムシャフトを支持
する軸穴用の下穴36を形成してある。
部の支え金30,31,32を配設してあり、支え金3
0,31,32は、天蓋15上に設けた支え金用シリン
ダ機構41により昇降機構(図示省略)を介し昇降する
ように構成してあり、ワークであるオーバヘッドカムシ
ャフトエンジンのシリンダヘッド34を支持するための
ものである。なお、シリンダヘッド34は、図2に示す
ように上面の前後複数箇所に突起部35を突出させ、突
起部35にはそれぞれオーバヘッドカムシャフトを支持
する軸穴用の下穴36を形成してある。
【0017】天蓋15の前後方向複数箇所に、ストッパ
37と押し棒39とが天蓋15に設けたストッパ用シリ
ンダ機構38と押し棒用シリンダ機構40とによってそ
れぞれ昇降するように支持させてあり、天蓋15下面の
複数箇所にシリンダヘッド34位置決め用のノックピン
42を固定してある。
37と押し棒39とが天蓋15に設けたストッパ用シリ
ンダ機構38と押し棒用シリンダ機構40とによってそ
れぞれ昇降するように支持させてあり、天蓋15下面の
複数箇所にシリンダヘッド34位置決め用のノックピン
42を固定してある。
【0018】次に、この実施例による穴加工機の作動に
ついて説明する。前後送り台4が後退端に位置し、クイ
ル12の先端部は後端部の支持部材18に設けたスリー
ブ25に係合支持され、このスリーブ25からクイル1
2先端が若干突出した位置に停止し、駆動用電動機7も
停止している。また、支え金30,31,32も下降し
ている。
ついて説明する。前後送り台4が後退端に位置し、クイ
ル12の先端部は後端部の支持部材18に設けたスリー
ブ25に係合支持され、このスリーブ25からクイル1
2先端が若干突出した位置に停止し、駆動用電動機7も
停止している。また、支え金30,31,32も下降し
ている。
【0019】この状態で、搬送装置(図示省略)によっ
てワークであるシリンダヘッド34を天蓋15下方の所
定位置に搬入する。次に、支え金用シリンダ機構41を
上昇作動させて支え金30,31,32を上昇させ、こ
れらによってシリンダヘッド34の下面を支持し、位置
決めピンなどにより位置決めする。
てワークであるシリンダヘッド34を天蓋15下方の所
定位置に搬入する。次に、支え金用シリンダ機構41を
上昇作動させて支え金30,31,32を上昇させ、こ
れらによってシリンダヘッド34の下面を支持し、位置
決めピンなどにより位置決めする。
【0020】クイル12挿入位置までシリンダヘッド3
4を上昇させ、これの上面を下降している複数のストッ
パ37の下端部に当接させ、これらのストッパ37と支
え金30,31,32とによってシリンダヘッド34を
保持する。この状態では、シリンダヘッド34の前後複
数箇所に設けた突起部35の下穴36の中心を結ぶ線が
クイル12の軸線に対し僅かに下方に位置し、この軸線
延長方向と平行になっている。なお、天蓋15に設けた
ノックピン42にシリンダヘッド34のノック穴(図示
省略)が浅く嵌まる。
4を上昇させ、これの上面を下降している複数のストッ
パ37の下端部に当接させ、これらのストッパ37と支
え金30,31,32とによってシリンダヘッド34を
保持する。この状態では、シリンダヘッド34の前後複
数箇所に設けた突起部35の下穴36の中心を結ぶ線が
クイル12の軸線に対し僅かに下方に位置し、この軸線
延長方向と平行になっている。なお、天蓋15に設けた
ノックピン42にシリンダヘッド34のノック穴(図示
省略)が浅く嵌まる。
【0021】この状態で、前後送り装置2の送り用シリ
ンダ機構5を前進作動させて、前後送り台4,軸頭6な
どと共にクイル12を水平に前進させる。なお、駆動用
電動機7の回転軸を所定位置で停止させるなどにより、
クイル12の刃具13は下方に位置させてある。
ンダ機構5を前進作動させて、前後送り台4,軸頭6な
どと共にクイル12を水平に前進させる。なお、駆動用
電動機7の回転軸を所定位置で停止させるなどにより、
クイル12の刃具13は下方に位置させてある。
【0022】クイル12は、前進するとスリーブ25,
26,27,28に差し込まれ、これらを介して支持部
材18,19,20,21に軸支されると共に、シリン
ダヘッド34の突起部35に設けた下穴36にも差し込
まれ、クイル12に装着した刃具13の刃先13aが各
突起部35の下穴36前方にそれぞれ近接して配置され
る。
26,27,28に差し込まれ、これらを介して支持部
材18,19,20,21に軸支されると共に、シリン
ダヘッド34の突起部35に設けた下穴36にも差し込
まれ、クイル12に装着した刃具13の刃先13aが各
突起部35の下穴36前方にそれぞれ近接して配置され
る。
【0023】クイル12を前進端で停止させた後、支え
金用シリンダ機構41によって支え金30,31,32
を、ストッパ用シリンダ機構38によってストッパ37
を、それぞれ僅かに上昇させ、天蓋15の下面に突出さ
せた固定当金(図示省略)にシリンダヘッド34上面を
当接させ、シリンダヘッド34を加工位置にする。
金用シリンダ機構41によって支え金30,31,32
を、ストッパ用シリンダ機構38によってストッパ37
を、それぞれ僅かに上昇させ、天蓋15の下面に突出さ
せた固定当金(図示省略)にシリンダヘッド34上面を
当接させ、シリンダヘッド34を加工位置にする。
【0024】この加工位置では、前記ノックピン42が
シリンダヘッド34のノック穴に深く嵌まり、図3に示
すように、クイル12の中間部がその水平な後部および
前部に対し僅かに下方に位置して、凹弧状に弾性変形し
た湾曲状態となる。なお、図3ではクイル12の湾曲を
誇張して示してあるが、実際には100分の5mm程度の
高低差にする場合が多く、この高低差はテーパ部12a
のため、クイル12を後端部,中間部,前端寄り部,前
端部の支持部材18,19,20,21へと順次挿入す
るのに支障となることはない。また、シリンダヘッド3
4には弾性変形するような加圧をしない。
シリンダヘッド34のノック穴に深く嵌まり、図3に示
すように、クイル12の中間部がその水平な後部および
前部に対し僅かに下方に位置して、凹弧状に弾性変形し
た湾曲状態となる。なお、図3ではクイル12の湾曲を
誇張して示してあるが、実際には100分の5mm程度の
高低差にする場合が多く、この高低差はテーパ部12a
のため、クイル12を後端部,中間部,前端寄り部,前
端部の支持部材18,19,20,21へと順次挿入す
るのに支障となることはない。また、シリンダヘッド3
4には弾性変形するような加圧をしない。
【0025】前述した状態で、駆動用電動機7を駆動さ
せ、動力伝達機構8,主軸9などを介してクイル12を
軸回りに回転させると共に、送り用シリンダ機構5を後
退作動させて、クイル12に後退方向の送りを与えるこ
とにより、刃具13によってシリンダヘッド34の突起
部35に設けた下穴36の穴壁をボーリング加工してオ
ーバヘッドカムシャフトの軸穴を形成する。なお、この
加工時には、スリーブ内や加工部にクーラント液を供給
することが好ましい。加工を終了し、刃具13が突起部
35の後方に出た後、送り用シリンダ機構5および駆動
用電動機7を停止させる。
せ、動力伝達機構8,主軸9などを介してクイル12を
軸回りに回転させると共に、送り用シリンダ機構5を後
退作動させて、クイル12に後退方向の送りを与えるこ
とにより、刃具13によってシリンダヘッド34の突起
部35に設けた下穴36の穴壁をボーリング加工してオ
ーバヘッドカムシャフトの軸穴を形成する。なお、この
加工時には、スリーブ内や加工部にクーラント液を供給
することが好ましい。加工を終了し、刃具13が突起部
35の後方に出た後、送り用シリンダ機構5および駆動
用電動機7を停止させる。
【0026】この状態で、ストッパ用シリンダ機構38
を作動させてストッパ37を僅かに下降させると共に、
昇降体および支え金30,31,32を僅かに下降させ
ることにより、シリンダヘッド34をクイル12の下穴
へ差し込んだ位置まで下降させ、この位置で下降を停止
させる。なお、シリンダヘッド34を下降させるために
押し棒用シリンダ機構40を作動させて複数の押し棒3
9を下降させ、これらによってシリンダヘッド34を押
し下げてもよい。
を作動させてストッパ37を僅かに下降させると共に、
昇降体および支え金30,31,32を僅かに下降させ
ることにより、シリンダヘッド34をクイル12の下穴
へ差し込んだ位置まで下降させ、この位置で下降を停止
させる。なお、シリンダヘッド34を下降させるために
押し棒用シリンダ機構40を作動させて複数の押し棒3
9を下降させ、これらによってシリンダヘッド34を押
し下げてもよい。
【0027】その後、送り用シリンダ機構5を後退作動
させて、前後送り台4,軸頭6などと共にクイル12を
後退させ、シリンダブロック34の軸穴およびスリーブ
28,27,26から抜き出し、クイル12をこれの先
端がシリンダヘッド34の後端と干渉しない位置にして
停止させる。
させて、前後送り台4,軸頭6などと共にクイル12を
後退させ、シリンダブロック34の軸穴およびスリーブ
28,27,26から抜き出し、クイル12をこれの先
端がシリンダヘッド34の後端と干渉しない位置にして
停止させる。
【0028】次に、支え金用シリンダ機構41を下降作
動させて支え金30,31,32を下降させると共に、
押し棒用シリンダ機構40を作動させて複数の押し棒3
9を下降させ、これらによってシリンダヘッド34を下
方に押し、これに設けたノック穴をノックピン42から
抜き出し、シリンダヘッド34を下降させる。シリンダ
ヘッド34の下降によって、これを搬送装置(図示省
略)に載せ、この搬送装置によって天蓋15の下方から
加工を終えたシリンダヘッド34を次工程に搬出する。
なお、支え金30,31,32は、シリンダヘッド34
が搬送装置に載せられて支え金30,31,32と離れ
るまで下降させた後に停止させる。
動させて支え金30,31,32を下降させると共に、
押し棒用シリンダ機構40を作動させて複数の押し棒3
9を下降させ、これらによってシリンダヘッド34を下
方に押し、これに設けたノック穴をノックピン42から
抜き出し、シリンダヘッド34を下降させる。シリンダ
ヘッド34の下降によって、これを搬送装置(図示省
略)に載せ、この搬送装置によって天蓋15の下方から
加工を終えたシリンダヘッド34を次工程に搬出する。
なお、支え金30,31,32は、シリンダヘッド34
が搬送装置に載せられて支え金30,31,32と離れ
るまで下降させた後に停止させる。
【0029】そして、軸穴の加工した後のシリンダヘッ
ド34は前後方向中央部の突起部35に設けた軸穴中心
が前部,後部の突起部35の軸穴中心より若干低く位置
している。このため、シリンダヘッド34をガスケット
を介してシリンダブロックに締め付け、シリンダヘッド
34に中央部が高くなる湾曲が生じると、前後方向中央
部の突起部35に設けた軸穴中心が高くなり、前後方向
の複数箇所に設けた突起部35の軸穴中心が一直線状と
なる。したがって、シリンダヘッドの軸穴部に差し通し
たオーバヘッドカムシャフトの回転時における摺動抵抗
の増大,エンジン出力の損失,軸穴部の異常摩耗など、
軸穴の心ずれに起因する不具合を解消できる。
ド34は前後方向中央部の突起部35に設けた軸穴中心
が前部,後部の突起部35の軸穴中心より若干低く位置
している。このため、シリンダヘッド34をガスケット
を介してシリンダブロックに締め付け、シリンダヘッド
34に中央部が高くなる湾曲が生じると、前後方向中央
部の突起部35に設けた軸穴中心が高くなり、前後方向
の複数箇所に設けた突起部35の軸穴中心が一直線状と
なる。したがって、シリンダヘッドの軸穴部に差し通し
たオーバヘッドカムシャフトの回転時における摺動抵抗
の増大,エンジン出力の損失,軸穴部の異常摩耗など、
軸穴の心ずれに起因する不具合を解消できる。
【0030】前述した実施例では、1本のクイル12に
よって前後方向に1列に配置したオーバヘッドカムシャ
フトの各軸穴に加工をする穴加工機について説明した
が、この考案は、2本の平行なクイルによって前後方向
と直交する方向に2列に配置したオーバヘッドカムシャ
フトの各軸の下穴に同時に加工を行うようにしてもよ
く、また、シリンダヘッド以外の前後複数箇所に軸穴を
形成するワークの軸穴の切削加工にも適用できる。
よって前後方向に1列に配置したオーバヘッドカムシャ
フトの各軸穴に加工をする穴加工機について説明した
が、この考案は、2本の平行なクイルによって前後方向
と直交する方向に2列に配置したオーバヘッドカムシャ
フトの各軸の下穴に同時に加工を行うようにしてもよ
く、また、シリンダヘッド以外の前後複数箇所に軸穴を
形成するワークの軸穴の切削加工にも適用できる。
【0031】そして、この考案において、クイルの前後
送り装置およびクイルを軸回りに回転させる機構は、実
施例のものに限られることなく適宜変更できる。
送り装置およびクイルを軸回りに回転させる機構は、実
施例のものに限られることなく適宜変更できる。
【0032】また、本実施例では、中間部の支持部材1
9にスペーサを入れて固定することにより、スリーブ2
6の中心位置が他のスリーブ25,27,28よりも下
方に偏倚する構成としているが、スペーサを設けず、直
接スペーサの厚みの分だけ中間部の支持部材17の鉛直
方向の長さを長くする一体的な構成としてもよい。
9にスペーサを入れて固定することにより、スリーブ2
6の中心位置が他のスリーブ25,27,28よりも下
方に偏倚する構成としているが、スペーサを設けず、直
接スペーサの厚みの分だけ中間部の支持部材17の鉛直
方向の長さを長くする一体的な構成としてもよい。
【0033】さらに、前記実施例では、中間部の支持部
材にスペーサを設けたが、クイルの湾曲部の高低差を調
整するため、スペーサの厚さおよび数を適宜変更でき、
前端寄り部の支持部材など中間部以外の支持部材にもス
ペーサを設けてもよく、中間部に前後複数の支持部材を
設け、これらの支持部材にスペーサを適宜設けてもよ
く、クイルを上下方向に湾曲させる支持位置調整部材
は、必ずしも前記実施例のスペーサに限られることなく
適宜変更できる。
材にスペーサを設けたが、クイルの湾曲部の高低差を調
整するため、スペーサの厚さおよび数を適宜変更でき、
前端寄り部の支持部材など中間部以外の支持部材にもス
ペーサを設けてもよく、中間部に前後複数の支持部材を
設け、これらの支持部材にスペーサを適宜設けてもよ
く、クイルを上下方向に湾曲させる支持位置調整部材
は、必ずしも前記実施例のスペーサに限られることなく
適宜変更できる。
【0034】
【考案の効果】以上説明したとおり、この考案の穴加工
機は、前後送り装置によって進退すると共に駆動用電動
機によって軸回りに回転するクイルを有し、クイルの前
後複数箇所にワークの軸穴加工用の刃具をそれぞれ装着
した穴加工機において、前記送り装置の前方に天蓋を配
設し、この天蓋下面の前後3箇所以上に前記クイルを抜
き差しおよび回転自在に支持するクイル支持穴を有する
支持部材を設け、中間部の前記支持部材のクイル支持穴
の中心は前端部及び後端部の前記クイル支持穴の中心よ
り下方に偏倚し、前後3箇所以上の前記支持部材は前記
クイルを下方に湾曲させて支持したので、次の効果が得
られる。
機は、前後送り装置によって進退すると共に駆動用電動
機によって軸回りに回転するクイルを有し、クイルの前
後複数箇所にワークの軸穴加工用の刃具をそれぞれ装着
した穴加工機において、前記送り装置の前方に天蓋を配
設し、この天蓋下面の前後3箇所以上に前記クイルを抜
き差しおよび回転自在に支持するクイル支持穴を有する
支持部材を設け、中間部の前記支持部材のクイル支持穴
の中心は前端部及び後端部の前記クイル支持穴の中心よ
り下方に偏倚し、前後3箇所以上の前記支持部材は前記
クイルを下方に湾曲させて支持したので、次の効果が得
られる。
【0035】すなわち、この考案による穴加工機は、中
間部の支持部材のクイル支持穴が前端部及び後端部のク
イル支持穴より下方に偏倚しているので、クイルは湾曲
した状態で支持される。このクイルを湾曲させた状態
で、クイルに装着した刃具によってシリンダヘッドの前
後複数箇所に設けた突起部に軸穴加工を行うことによ
り、シリンダヘッドのシリンダブロックへの締め付け状
態でのその変形による軸穴中心位置の変位量に応じ、逆
方向に所定量だけシリンダヘッドの軸穴中心位置を変位
させて軸穴を加工できる。
間部の支持部材のクイル支持穴が前端部及び後端部のク
イル支持穴より下方に偏倚しているので、クイルは湾曲
した状態で支持される。このクイルを湾曲させた状態
で、クイルに装着した刃具によってシリンダヘッドの前
後複数箇所に設けた突起部に軸穴加工を行うことによ
り、シリンダヘッドのシリンダブロックへの締め付け状
態でのその変形による軸穴中心位置の変位量に応じ、逆
方向に所定量だけシリンダヘッドの軸穴中心位置を変位
させて軸穴を加工できる。
【0036】したがって、シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの締め付けにより、シリンダヘッドの湾曲した
状態での軸穴の中心位置のずれを補償して、シリンダヘ
ッドに設けた前後複数の軸穴の中心位置が一直線状にす
ることが容易にでき、軸穴の心ずれに起因する不具合を
解消できる。また、クイルを上下方向に湾曲させるには
大きな力を必要としないので、小形でコストも安い穴加
工機にすることができる。
ロックとの締め付けにより、シリンダヘッドの湾曲した
状態での軸穴の中心位置のずれを補償して、シリンダヘ
ッドに設けた前後複数の軸穴の中心位置が一直線状にす
ることが容易にでき、軸穴の心ずれに起因する不具合を
解消できる。また、クイルを上下方向に湾曲させるには
大きな力を必要としないので、小形でコストも安い穴加
工機にすることができる。
【図1】この考案の一実施例による穴加工機を示した概
略側面図
略側面図
【図2】図1の左側部分の拡大縦断側面図
【図3】図1のクイルの湾曲を誇張して示した作用説明
図である。
図である。
1 ベッド 2 前後送り装置 4 前後送り台 5 送り用シリンダ機構 6 軸頭 7 駆動用電動機 9 主軸 12 クイル 13 刃具 15 天蓋 16 支柱 18,19,20,21 支持部材 22 ボルト 23 スペーサ(支持位置調整部材) 24 ボルト 25,26,27,28 スリーブ 30,31,32 支え金 34 シリンダヘッド(ワーク) 35 突起部 36 下穴
Claims (1)
- 【請求項1】 前後送り装置によって進退すると共に駆
動用電動機によって軸回りに回転するクイルを有し、ク
イルの前後複数箇所にワークの軸穴加工用の刃具をそれ
ぞれ装着した穴加工機において、前記送り装置の前方に
天蓋を配設し、この天蓋下面の前後3箇所以上に前記ク
イルを抜き差しおよび回転自在に支持するクイル支持穴
を有する支持部材を設け、中間部の前記支持部材のクイ
ル支持穴の中心は前端部及び後端部の前記クイル支持穴
の中心より下方に偏倚し、前後3箇所以上の前記支持部
材は前記クイルを下方に湾曲させて支持することを特徴
とする穴加工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP981792U JP2548164Y2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 穴加工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP981792U JP2548164Y2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 穴加工機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0570813U JPH0570813U (ja) | 1993-09-24 |
JP2548164Y2 true JP2548164Y2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=11730709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP981792U Expired - Lifetime JP2548164Y2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 穴加工機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2548164Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5432552B2 (ja) * | 2009-03-17 | 2014-03-05 | トヨタ自動車株式会社 | ボーリング加工装置 |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP981792U patent/JP2548164Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0570813U (ja) | 1993-09-24 |
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