JP2547284B2 - 屋根材の下地複合材 - Google Patents

屋根材の下地複合材

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JP2547284B2 JP3145679A JP14567991A JP2547284B2 JP 2547284 B2 JP2547284 B2 JP 2547284B2 JP 3145679 A JP3145679 A JP 3145679A JP 14567991 A JP14567991 A JP 14567991A JP 2547284 B2 JP2547284 B2 JP 2547284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋根の上面となる仕上
げ屋根材を葺いたりするために、予め建物に取り付けら
れる下地複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】建物に羽目板や鏡板等の仕上げ外壁材を
張り付ける在来工法では、間柱にそれが直接釘付けされ
ていた。これによれば間柱により内壁材との間に空間が
でき、その空間に断熱材を入れても、余り断熱効果や防
音効果が得られないばかりでなく内部に寒暖の差で結露
が生じ、建物の腐朽を招きやすいという欠点があった。
【0003】そこで最近においては、建物の断熱性や防
音性、防湿性を高める手段として、間柱に板材や防水シ
ート等の構造用面材を張り付け、その上から胴縁を縦に
釘付けし、胴縁の上に仕上げ外壁材を釘付けすることに
よって、構造用面材と仕上げ外壁材との間に上昇気流が
生じやすい縦の空間が設けられる。
【0004】屋根瓦を葺く場合には、垂木の上に野地板
を釘付けし、その上にアスファルトフェルト等の防水シ
ートを貼り、さらにその上に、瓦棧を釘付けし、その瓦
棧に直接または銅線縛りにより瓦が引っ掛けられる。ま
た、トタン屋根を葺く場合には、防水シートの上にトタ
ン板が張り付けられる。
【0005】上記のような胴縁を用いる外壁材の張付け
工法によれば、冷暖房の効率および建物の耐久性を高め
ることはできるけれども、建築現場において、構造用面
材を釘付けしてから、その上に防水シートを張り、さら
に、その上に多数の胴縁を釘付けする必要があるため、
工程が何段階ともなり作業性が非常に悪かった。
【0006】殊に、胴縁の取付けについては、その寸法
を整え位置を定める必要があることは勿論、構造用面材
に一本づつ当てながら釘を打つ困難な高所作業が強いら
れるために、特に作業性が悪く、高所においては足場を
組む必要もあり、工期が遅れたり施工費が過大となる大
きな原因となっていた。
【0007】屋根の場合については、野地板に仕上げ屋
根材が接触して葺かれ、仕上げ屋根材が瓦であっても、
野地板と瓦との間に余り空間が生じないために、断熱性
や防湿性ばかりでなく、雨音に対する防音性に劣り、殊
に、夏季には日射の影響により屋根下の部屋では焼け込
みが厳しくなるという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
実情に鑑みて屋根材の葺付けにおいて、その下に縦に通
じる空間ができるために、断熱性、防音性、防湿性に適
することは勿論、作業性が良好となる屋根材の下地複合
材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明は、規格寸法の
四角形に形成された合板の上に、一側端と下端又は上端
がそれぞれ食み出した重ね代を備える通気性防水シート
を張り、その上に縦に使用する木製角材からなる受木
を、その上端部又は下端部を前記重ね代の分だけ欠除し
て等間隔に列設し、それぞれ合板に固着して仕上げ屋根
材の下地複合材を構成した。
【0010】第2発明は、第1発明において、合板の下
面に断熱材を張り合わせたものである。
【0011】規格寸法とは、畳の寸法に代表されるよう
に、適当な枚数で所定仕上げ全面を覆いやすい寸法をい
うものとする。実際には、建築様式や建築メーカにより
異なり、需要にはそれぞれ数種類により対応することに
なる。ちなみに、日本建築において、合板を畳大に形成
することもある。
【0012】
【作用】屋根において使用するには、合板を垂木に釘付
けして張り付ける。次いで、瓦葺きの場合であると、受
木の上に瓦桟を釘付けし、受木に瓦を載せた状態で瓦を
瓦桟に引っ掛ける。また、トタン葺きの場合であると、
受木の上に別途補完下地材を張ってからトタンを張り付
ける。これでいずれの場合も、少なくとも受木の厚みの
空間ができる。他の種類の例えば、コロニアル材やスレ
ート材等の仕上げ外壁材を葺くときも上記のいずれかの
葺き方に準ずる。
【0013】また、合板の上に通気性防水シートを貼り
合わせたときには、それにより通気性を保持しながら防
水性を高め得るにもかゝわらず、その施工の手数が省け
る。
【0014】さらに、合板の下に断熱材を張り合わせた
ときには、それにより断熱性を高め得るにもかゝわら
ず、その施工の手数が省ける。合板が規格に合わせた寸
法であるので、嵌込み作業により容易に位置決めして要
領良く釘付けできる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
【0016】図1に外壁に適した下地複合材Pを、図2
は屋根に適した下地複合材Pを示す(但し、選択的に使
用可能)。まず、図1に示す下地複合材Pは、一枚の合
板1および断熱材2と、複数本の受木3とからなり、合
板1および断熱材2は、畳大の規格に形成される。ま
た、合板1には所謂ベニア板が使用され、断熱材2には
例えば発泡ウレタンやシージングボード等が使用され
る。
【0017】受木3は四角断面の木製角材であって、そ
れを合板1の上に等間隔に配列し、釘5により合板1に
打ち付けてある。また、ビスや接着剤で固着しても良
い。両側端の受木3,3については、隣の下地複合材P
と突き合わせたときに、その隣接下地複合材Pの受木3
とも同じ間隔になるように位置が決定される。
【0018】図2に示す下地複合材Pは、一枚の合板1
および断熱材2と複数本の受木3との他に、一枚の通気
性防水シート4が用いられ、それが合板1の上に受木3
の釘付けにより止められている。また、隣の下地複合材
Pとの突き合わせにおいて、通気性防水シート4が互い
に重なるように、一側端と下端とにおいて通気性防水シ
ート4の端部が重ね代7,9として食み出させてある。
そして、下端重ね代9が下位の下地複合材Pの通気性防
水シート5の上に差し重ね得るように、受木3の上端部
がその重ね代9の分だけ欠除され、逆に下端部10がそ
の分だけ突出させてある。
【0019】外壁において使用するときは、図3に示す
ように、受木3を縦にしながら、間柱15に断熱材2を
当てることにより合板1を釘付けする。そうすると、合
板1が所謂構造用面材となり、受木3が胴縁となるの
で、受木3の上から仕上げ外壁材としての羽目板等の外
壁材13を張り付ける。その張付けには、在来工法と同
じく釘付けや接着がなされる。
【0020】外壁材13の張付けにより、合板1との間
に受木3の厚み分の空間17ができるため(図5)、外
壁の断熱性、防音性が高められる。また、その空間17
が下端で外に、上端で軒先の内部空間23にそれぞれ開
口し、軒先には換気口25が設けられているので、外気
が下から入って上へ抜ける結果、合板1に結露が生じな
く湿気による建物の腐朽が防止される。27は内壁材を
示し、内壁材27と下地複合材Pとの間には間柱15に
より空間28が生じている。この空間28には従来断熱
材29(図6参照)を充填していたが、下地複合材Pに
は断熱材2が張り合わせてあるため、その充填が省かれ
ることによる空間28と、前記空間17とにより二層空
間となっている。
【0021】下地複合材Pを屋根において使用するとき
は、図4に示すように、受木3が縦になるように、垂木
31に合板1を釘付けする。そうすると、垂木31の上
に断熱材2が張られた状態となる。また、合板1が野地
板となり、その上に通気性防水シート4が張られた状態
となるので、通気性防水シート4および断熱材2の張付
け手数が省ける。なお、通気性防水シート4の重ね代9
は、受木3の下端部を釘付けすることにより止めること
ができる。
【0022】瓦33を葺くときには、受木3の上に瓦桟
35を釘付けしてから、瓦33の中央の谷を受木3に載
せながら瓦桟35に引っ掛ける。
【0023】瓦33を葺いた状態では、野地板としての
合板1と瓦33との間に受木3の厚み分よりも多い空間
37が生じる(図5)。しかも、受木3,3間において
は、瓦桟35や瓦33に何ら妨げられない溝形の空間で
あって、それが傾斜しているので、特に、日照りのとき
には、煙突効果により空間37に上昇気流が発生し、瓦
の下の熱気が排除される。屋根の上端において、空間3
7が外部に抜ける出口を設けておけば、さらに熱のこも
りがなくなる。
【0024】図6は、他の実施例を示したもので、その
下地複合材Pは、図1のものに対して、断熱材が欠除さ
れ、合板1の上面に通気性防水シート4が張ってある。
これを同図に示すように、外壁に使用した場合には、内
壁材27との間の空間28に断熱材29を充填すること
が望ましい。
【0025】図7は、さらに他の実施例を示したもの
で、その下地複合材Pは、図2のものに対して、断熱材
が欠除されている。使用については、屋根において、垂
木31の上に釘付けしてから、その上に別途の補完下地
材30を載せて受木3に釘付けし、その上に仕上げ屋根
材34としてのトタン板が張られる。この場合は、補完
下地材30の下に空間37が生じる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の下地複合
材によれば、仕上げ屋根材をその上に張ったり葺いたり
すれば、その下の合板との間に受木により縦に走る空間
ができ、断熱、防音、防湿構造となるにもかかわらず、
施工上において受木の打付け手間が省け、作業性が非常
に良好である。また、高所作業が簡単になるために、作
業の安全化と工費の低減化を図ることができるという優
れた効果がある。
【0027】従来の屋根の構造とは違って、縦に障害な
く通じる空間ができるために、空間における上昇気流に
より屋根下の部屋への焼込みが防止される。また、雨音
に対する防音性を高められるため、屋根下においても快
適な居住空間の構築が可能となり、加えて、屋根の耐久
性を高めることができるという優れた効果がある。
【0028】しかも、通気性防水シートを合板に張り合
わせてあるので、屋根において通気性を失わないで防水
性を高め得ることは勿論、施工上において、通気性防水
シートを張る手間が省けるため、屋根が複雑な構造にな
っていても、工期の短縮を図ることができる。
【0029】合板の下面に断熱材を張り合わせた場合は
(請求項2)、屋根における断熱性が高めらることは勿
論、施工上において、断熱材を張る手間が省けるため、
工期の短縮を図ることができる。そして、結露が生じな
くなり、屋根の断熱性、防湿性、防音性を格段に高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外壁材の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す一部切欠した斜視図であ
る。
【図3】外壁における使用手順を示す斜視説明図であ
る。
【図4】屋根における使用手順を示す斜視説明図であ
る。
【図5】使用状態を示す断面図である。
【図6】他の実施例について、外壁における使用手順を
示す斜視説明図である。
【図7】他の実施例について屋根における使用手順を示
す斜視説明図である。
【符号の説明】
P 仕上げ外壁材、屋根材の下地複合材 1 合板 2 断熱材 3 受木 4 通気性防水シート 13 仕上げ外壁材としての羽目板 33 仕上げ屋根材としての瓦 34 仕上げ屋根材としてのトタン板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 規格寸法の四角形に形成された合板
    (1)の上に、一側端と下端又は上端がそれぞれ食み出
    した重ね代(7,9)を備える通気性防水シート(4)
    を張り、その上に縦に使用する木製角材からなる受木
    (3)を、その上端部又は下端部を前記重ね代(9)の
    分だけ欠除して等間隔に列設し、それぞれ合板(1)に
    固着したことを特徴とする仕上げ屋根材の下地複合材。
  2. 【請求項2】 合板(1)の下面に断熱材(2)を張り
    合わせたことを特徴とする請求項1記載の仕上げ屋根材
    の下地複合材。
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