JP2546622B2 - 複合混合多層膜 - Google Patents
複合混合多層膜Info
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- JP2546622B2 JP2546622B2 JP6017695A JP1769594A JP2546622B2 JP 2546622 B2 JP2546622 B2 JP 2546622B2 JP 6017695 A JP6017695 A JP 6017695A JP 1769594 A JP1769594 A JP 1769594A JP 2546622 B2 JP2546622 B2 JP 2546622B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複合混合多層膜に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、装飾性、
保護性、機能性等に優れた金属、合金および/または無
機物と有機物との複合混合膜を有する多層膜に関するも
のである。
るものである。さらに詳しくは、この発明は、装飾性、
保護性、機能性等に優れた金属、合金および/または無
機物と有機物との複合混合膜を有する多層膜に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術とその課題】金属、ガラス、セラミック、
プラスチック等の基板の表面に、金属、無機物、あるい
は有機ポリマーなどの蒸着薄膜を形成し、絶縁膜、反射
膜、光学薄膜、表示素子、電子デバイスなどとして用い
ることは、これまでにも広く行われている。そのための
反応プロセスとして、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング、CVD、MOCVD、MBEなどの
様々なものが知られてもいる。
プラスチック等の基板の表面に、金属、無機物、あるい
は有機ポリマーなどの蒸着薄膜を形成し、絶縁膜、反射
膜、光学薄膜、表示素子、電子デバイスなどとして用い
ることは、これまでにも広く行われている。そのための
反応プロセスとして、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング、CVD、MOCVD、MBEなどの
様々なものが知られてもいる。
【0003】しかしながら、このような従来の薄膜形成
方法、そして薄膜においては、所望の特性、機能性を持
った薄膜を製造するためには、いまだに改善すべき課題
があり、また、薄膜の利用についても様々な見地からの
検討が必要とされている現状にある。このような課題の
ひとつとして、色調に優れ、耐食性、密着性、耐摩耗性
等の機能性も良好で、時計や装身具等に有用な外装品に
用いることのできる薄膜はこれまでは実現されておら
ず、しかも従来の方法によってこれを形成するには、高
価な貴金層又はその合金からなる層を作製することが必
要であり、機能性に優れ、かつ安価な複合膜を形成する
ことが難しいという課題があった。
方法、そして薄膜においては、所望の特性、機能性を持
った薄膜を製造するためには、いまだに改善すべき課題
があり、また、薄膜の利用についても様々な見地からの
検討が必要とされている現状にある。このような課題の
ひとつとして、色調に優れ、耐食性、密着性、耐摩耗性
等の機能性も良好で、時計や装身具等に有用な外装品に
用いることのできる薄膜はこれまでは実現されておら
ず、しかも従来の方法によってこれを形成するには、高
価な貴金層又はその合金からなる層を作製することが必
要であり、機能性に優れ、かつ安価な複合膜を形成する
ことが難しいという課題があった。
【0004】この発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、金属、合金、および/または
無機物と有機物からなる複合混合膜を有する多層膜を形
成することで前記の課題を解決しようとするものであ
る。
めになされたものであり、金属、合金、および/または
無機物と有機物からなる複合混合膜を有する多層膜を形
成することで前記の課題を解決しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の複合混合多層
膜は、金属、合金、および/または無機物と有機物を同
時にプラズマ励起気相蒸着した複合混合膜と、その下層
としてのプラズマ励起により配設した有機重合膜とを有
していることを特徴としている。この場合の金属または
合金としては金および/またはCu,Al,Ni,A
g,Zn,Sn,Ta,V,Cr,Co,Pt,Pd,
Ru,Rh,Ti,W,Mo,Ir,Cd,Sb,H
f,Ga,Ge,Zr,Nb,Inの群から選択される
少くとも1種の金属、またはこれらの合金を、また無機
物としては、TiNおよび/またはTaN,ZrN,T
aC,Cなどを用いる。
膜は、金属、合金、および/または無機物と有機物を同
時にプラズマ励起気相蒸着した複合混合膜と、その下層
としてのプラズマ励起により配設した有機重合膜とを有
していることを特徴としている。この場合の金属または
合金としては金および/またはCu,Al,Ni,A
g,Zn,Sn,Ta,V,Cr,Co,Pt,Pd,
Ru,Rh,Ti,W,Mo,Ir,Cd,Sb,H
f,Ga,Ge,Zr,Nb,Inの群から選択される
少くとも1種の金属、またはこれらの合金を、また無機
物としては、TiNおよび/またはTaN,ZrN,T
aC,Cなどを用いる。
【0006】また、有機物としては、ポリカーボネー
ト、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリエステ
ル、ポリオレフィンなどを用いる。有機重合膜について
も同様である。複合混合膜の配設に際しては、基板表面
上に、金属、合金、および/または無機物からなる層を
形成し、次いで、その上に複合混合膜を積層し、一体配
設することもできる。
ト、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリエステ
ル、ポリオレフィンなどを用いる。有機重合膜について
も同様である。複合混合膜の配設に際しては、基板表面
上に、金属、合金、および/または無機物からなる層を
形成し、次いで、その上に複合混合膜を積層し、一体配
設することもできる。
【0007】複合混合膜を有するこの発明の多層膜の最
外表面には、金属、合金、無機物または有機物からなる
トップコートを積層し、一体配設することもできる。通
常、気相蒸着による薄膜形成においては、金属粒子や無
機物による密度の増大は難しく、薄膜にはピンホールが
発生しやすい。そして、耐摩耗性の向上も難しい課題と
なる。また、表面平滑性が得られにくいため、多層化し
た場合には層間の密着性に問題が生じやすい。しかし、
この発明のように、プラズマ励起により成膜し、しか
も、有機物と金層またはその合金とを複合混合膜とし、
その下層に有機重合膜を配設一体化することにより、ピ
ンホールの発生を抑え、耐摩耗性を向上させるととも
に、表面平滑性が確保されるため、層間密着性を向上さ
せることができる。
外表面には、金属、合金、無機物または有機物からなる
トップコートを積層し、一体配設することもできる。通
常、気相蒸着による薄膜形成においては、金属粒子や無
機物による密度の増大は難しく、薄膜にはピンホールが
発生しやすい。そして、耐摩耗性の向上も難しい課題と
なる。また、表面平滑性が得られにくいため、多層化し
た場合には層間の密着性に問題が生じやすい。しかし、
この発明のように、プラズマ励起により成膜し、しか
も、有機物と金層またはその合金とを複合混合膜とし、
その下層に有機重合膜を配設一体化することにより、ピ
ンホールの発生を抑え、耐摩耗性を向上させるととも
に、表面平滑性が確保されるため、層間密着性を向上さ
せることができる。
【0008】金色等の色調が良好に保たれ、TiNとの
多層化により、高価な金の使用量を低減することもでき
る。この発明の複合混合多層膜を形成する気相蒸着の方
法としては、金属、合金、無機物および/または有機物
を蒸発させ、蒸発粒子を同時に励起し、イオン化粒子、
中性粒子、あるいはラジカルの状態において蒸着させる
ことにより形成する手法や、有機モノマーガスの導入に
よる方法がある。色調および密着強度の点からは励起状
態において一体配設することが欠かせない。
多層化により、高価な金の使用量を低減することもでき
る。この発明の複合混合多層膜を形成する気相蒸着の方
法としては、金属、合金、無機物および/または有機物
を蒸発させ、蒸発粒子を同時に励起し、イオン化粒子、
中性粒子、あるいはラジカルの状態において蒸着させる
ことにより形成する手法や、有機モノマーガスの導入に
よる方法がある。色調および密着強度の点からは励起状
態において一体配設することが欠かせない。
【0009】この場合、蒸発させた粒子は、真空反応装
置内においてグロー放電によって励起し、プラズマ・イ
オン化するのが好ましく、この際のプラズマ・イオン化
の手段としては、ホローカソード方式、高周波励起方式
等のイオンプレーティング、プラズマCVD等の手段を
採用することができる。なお有機物については、プラズ
マ励起により三次元架橋させて蒸着することになる。
置内においてグロー放電によって励起し、プラズマ・イ
オン化するのが好ましく、この際のプラズマ・イオン化
の手段としては、ホローカソード方式、高周波励起方式
等のイオンプレーティング、プラズマCVD等の手段を
採用することができる。なお有機物については、プラズ
マ励起により三次元架橋させて蒸着することになる。
【0010】複合混合膜形成のための有機物は、その含
有割合を適宜に調整することができ、微量の混合であっ
ても耐摩耗性等の向上が顕著となる。イオンプレーティ
ング法による場合には、たとえば真空反応装置内の圧力
を10-2〜10-5Torr程度の真空状態とし、アルゴン等
の不活性ガスを導入してもよい。基板の温度は、室温〜
400℃程度の範囲とすることができる。無機物を使用
する場合には、酸素、窒素、アンモニア、炭化水素、硫
化水素、弗化水素などの反応性ガスを導入し、反応性イ
オンプレーティングによって蒸着することもできる。こ
の場合のガス圧は、10-4Torr以上とするのが好まし
い。
有割合を適宜に調整することができ、微量の混合であっ
ても耐摩耗性等の向上が顕著となる。イオンプレーティ
ング法による場合には、たとえば真空反応装置内の圧力
を10-2〜10-5Torr程度の真空状態とし、アルゴン等
の不活性ガスを導入してもよい。基板の温度は、室温〜
400℃程度の範囲とすることができる。無機物を使用
する場合には、酸素、窒素、アンモニア、炭化水素、硫
化水素、弗化水素などの反応性ガスを導入し、反応性イ
オンプレーティングによって蒸着することもできる。こ
の場合のガス圧は、10-4Torr以上とするのが好まし
い。
【0011】以上の通りのこの発明によって、色調並に
優れ、密着強度が良好な、さらには誘電性、導電性、光
応答性などの機能を持った複合混合多層膜を実現するこ
とができる。次にこの発明の実施例を示し、さらに詳し
くこの発明の構成および効果について説明する。もちろ
ん、この発明は以下の実施例によって限定されるもので
はない。また、以下の例での特性評価は、通常の手法に
従った。参考例1 高周波励起方式によるイオンプレーティング装置を用い
て複合混合膜を形成した。図1はこの例について示した
ものである。基板(1)としてはステンレス板を用い、
5×10-5Torrのアルゴンガスを導入して、ステンレス
板のボンバード処理を行い、次いで8×10-4Torrの条
件下に窒素ガスと蒸発Ti粒子との反応性イオンプレー
ティングにより、TiNの薄膜(2)を蒸着形成した。
放電電力300W、基板温度100℃の条件下、3分間
の反応によって薄膜 0.2μmのTiN薄膜(2)を形成
した。
優れ、密着強度が良好な、さらには誘電性、導電性、光
応答性などの機能を持った複合混合多層膜を実現するこ
とができる。次にこの発明の実施例を示し、さらに詳し
くこの発明の構成および効果について説明する。もちろ
ん、この発明は以下の実施例によって限定されるもので
はない。また、以下の例での特性評価は、通常の手法に
従った。参考例1 高周波励起方式によるイオンプレーティング装置を用い
て複合混合膜を形成した。図1はこの例について示した
ものである。基板(1)としてはステンレス板を用い、
5×10-5Torrのアルゴンガスを導入して、ステンレス
板のボンバード処理を行い、次いで8×10-4Torrの条
件下に窒素ガスと蒸発Ti粒子との反応性イオンプレー
ティングにより、TiNの薄膜(2)を蒸着形成した。
放電電力300W、基板温度100℃の条件下、3分間
の反応によって薄膜 0.2μmのTiN薄膜(2)を形成
した。
【0012】次いで4×10-3Torrのアルゴン圧の条件
下に、金とポリカーボネートの蒸発粒子をプラズマイオ
ン化して、複合混合膜(3)を基板に蒸着形成した。こ
の結果金の色調と変わらぬ複合混合膜(3)が得られ、
耐摩耗性は基板上に金の薄膜を蒸着させた場合の約2倍
であり、密着強度については90°の折り曲げテストで
剥離もみられず、耐食性にも優れたものであった。実施例1 参考例1と同様に、図2に示したように窒化チタンの薄
膜(2)を形成した後に、4×10-3Torrのアルゴン圧
の条件下に、ポリカーボネートの蒸発粒子をプラズマイ
オン化して基板上に重合膜を蒸着させてアンダーコート
(4)を形成した。
下に、金とポリカーボネートの蒸発粒子をプラズマイオ
ン化して、複合混合膜(3)を基板に蒸着形成した。こ
の結果金の色調と変わらぬ複合混合膜(3)が得られ、
耐摩耗性は基板上に金の薄膜を蒸着させた場合の約2倍
であり、密着強度については90°の折り曲げテストで
剥離もみられず、耐食性にも優れたものであった。実施例1 参考例1と同様に、図2に示したように窒化チタンの薄
膜(2)を形成した後に、4×10-3Torrのアルゴン圧
の条件下に、ポリカーボネートの蒸発粒子をプラズマイ
オン化して基板上に重合膜を蒸着させてアンダーコート
(4)を形成した。
【0013】その後、ポリカーボネートの蒸発と合せて
金・クロム合金(クロム含有2%)を同時に蒸発し、ポ
リカーボネートと金・クロム合金の複合混合膜(3)を
約 0.2μm厚さで下層のポリカーボネート重合膜の上に
形成した。このものは、金・クロム合金の色調と変わら
ず、密着性もすぐれ90°の折り曲げテストで剥離もみ
られず、耐磨耗性、耐食性にも優れたものであった。実施例2 参考例1と同様に、図4に示したように、窒化チタンの
薄膜(2)を形成した後に、4×10-3Torrのアルゴン
圧の条件下に、ポリカーボネートの蒸発粒子をプラズマ
イオン化して基板上にアンダーコート(4)として重合
膜を蒸着させた。
金・クロム合金(クロム含有2%)を同時に蒸発し、ポ
リカーボネートと金・クロム合金の複合混合膜(3)を
約 0.2μm厚さで下層のポリカーボネート重合膜の上に
形成した。このものは、金・クロム合金の色調と変わら
ず、密着性もすぐれ90°の折り曲げテストで剥離もみ
られず、耐磨耗性、耐食性にも優れたものであった。実施例2 参考例1と同様に、図4に示したように、窒化チタンの
薄膜(2)を形成した後に、4×10-3Torrのアルゴン
圧の条件下に、ポリカーボネートの蒸発粒子をプラズマ
イオン化して基板上にアンダーコート(4)として重合
膜を蒸着させた。
【0014】その後、ポリカーボネートの蒸発と合わせ
て金・クロム合金(クロム含有2%)を同時に蒸発し、
ポリカーボネートと金・クロム合金の複合混合膜(3)
を約0.2μm厚さで下層のポリカーボネート重合膜のア
ンダーコート(4)上に形成した。次いで、金・クロム
合金の蒸発を止め、トップコート(5)としてポリカー
ボネートのみの重合膜を約 0.2μmの厚さで複合混合膜
の上に蒸着させた。
て金・クロム合金(クロム含有2%)を同時に蒸発し、
ポリカーボネートと金・クロム合金の複合混合膜(3)
を約0.2μm厚さで下層のポリカーボネート重合膜のア
ンダーコート(4)上に形成した。次いで、金・クロム
合金の蒸発を止め、トップコート(5)としてポリカー
ボネートのみの重合膜を約 0.2μmの厚さで複合混合膜
の上に蒸着させた。
【0015】このものは、金・クロム合金の色調と変わ
らず、密着性もすぐれ90°の折り曲げテストで剥離も
みられず、耐磨耗性、耐食性にも優れたものであった。参考例2 参考例1で得た複合混合膜(3)の表面に、図3に示し
たように、4×10-3Torrのアルゴン圧の条件下に、ト
ップコート(5)としてポリカーボネート重合膜を蒸着
させた。これにより硬質の透明重合膜が得られた。この
複合混合多層膜は金の色調と変わらず、光沢のあるもの
となり、格調の高いものとなった。また、この透明重合
膜は複合混合膜の保護性に優れ、密着性、耐磨耗性、耐
食性も参考例1と同様に優れたものであった。実施例3 図5に示したように、参考例2で得た複合混合多層膜の
表面に、ITOを蒸発源とし、酸素ガス3×10-4Tor
r、放電電力300W、基板温度30℃において、 0.3
μm厚のITOの透明導電膜(6)を形成した。この場
合の複合混合多層膜も金の色調と変わらず、光沢のある
格調の高いものであって、複合混合膜の保護性はさらに
増加し、密着性、耐摩耗性、耐食性も実施例1と同様に
優れたものであり、かつ表面導電性(抵抗,200Ω/
□)の複合混合多層膜を得た。実施例6 実施例1において、金・クロム合金に代えて銀を用い、
同様にして複合混合多層膜を得た。
らず、密着性もすぐれ90°の折り曲げテストで剥離も
みられず、耐磨耗性、耐食性にも優れたものであった。参考例2 参考例1で得た複合混合膜(3)の表面に、図3に示し
たように、4×10-3Torrのアルゴン圧の条件下に、ト
ップコート(5)としてポリカーボネート重合膜を蒸着
させた。これにより硬質の透明重合膜が得られた。この
複合混合多層膜は金の色調と変わらず、光沢のあるもの
となり、格調の高いものとなった。また、この透明重合
膜は複合混合膜の保護性に優れ、密着性、耐磨耗性、耐
食性も参考例1と同様に優れたものであった。実施例3 図5に示したように、参考例2で得た複合混合多層膜の
表面に、ITOを蒸発源とし、酸素ガス3×10-4Tor
r、放電電力300W、基板温度30℃において、 0.3
μm厚のITOの透明導電膜(6)を形成した。この場
合の複合混合多層膜も金の色調と変わらず、光沢のある
格調の高いものであって、複合混合膜の保護性はさらに
増加し、密着性、耐摩耗性、耐食性も実施例1と同様に
優れたものであり、かつ表面導電性(抵抗,200Ω/
□)の複合混合多層膜を得た。実施例6 実施例1において、金・クロム合金に代えて銀を用い、
同様にして複合混合多層膜を得た。
【0016】銀の優れた色調が光沢あるものとして実現
された。耐摩耗性、耐食性は極めて良好であった。実施例7 実施例2において、金・クロム合金に代えてTiCの複
合混合膜を形成した。光沢のある多層膜が得られた。
された。耐摩耗性、耐食性は極めて良好であった。実施例7 実施例2において、金・クロム合金に代えてTiCの複
合混合膜を形成した。光沢のある多層膜が得られた。
【0017】耐摩耗性、耐食性は良好であった。
【0018】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、金属、合
金、および/または無機物と有機物を同時にプラズマ励
起により気相蒸着して複合混合膜を形成し、かつ、その
下層として有機重合膜からなるアンダーコート層を併用
するように構成したことにより、下記の通りの優れた効
果がある。
金、および/または無機物と有機物を同時にプラズマ励
起により気相蒸着して複合混合膜を形成し、かつ、その
下層として有機重合膜からなるアンダーコート層を併用
するように構成したことにより、下記の通りの優れた効
果がある。
【0019】1.使用した金属、合金、無機物の色調を
変えることなく、金属、合金、無機物の使用量を減らす
ことができる。 2.有機物との複合混合膜であるため、金属、合金また
は無機物からなるものよりも摩擦係数を小さくすること
ができ、耐磨耗性を向上させることができる。 3.金属、合金または無機物のみで形成した薄膜ではピ
ンホールの発生などにより耐食性が変る場合もあるが、
複合混合膜の使用により耐食性を著しく向上させること
ができる。
変えることなく、金属、合金、無機物の使用量を減らす
ことができる。 2.有機物との複合混合膜であるため、金属、合金また
は無機物からなるものよりも摩擦係数を小さくすること
ができ、耐磨耗性を向上させることができる。 3.金属、合金または無機物のみで形成した薄膜ではピ
ンホールの発生などにより耐食性が変る場合もあるが、
複合混合膜の使用により耐食性を著しく向上させること
ができる。
【0020】4.直接肌に触れる品物に複合混合膜を配
設することにより、金属、合金または無機物に触れた場
合の冷たさは少い。 5.複合混合多層膜の表面に導電性等の機能性を持たす
ことができる。 このような利点は、装飾品又は時計、メガネ等の実用品
に適用すると特に効果があり、さまざまな色調をデザイ
ンの一部とした表示素子、その他応用の範囲も極めて広
い。
設することにより、金属、合金または無機物に触れた場
合の冷たさは少い。 5.複合混合多層膜の表面に導電性等の機能性を持たす
ことができる。 このような利点は、装飾品又は時計、メガネ等の実用品
に適用すると特に効果があり、さまざまな色調をデザイ
ンの一部とした表示素子、その他応用の範囲も極めて広
い。
【図1】この発明の参考例を示したものであり、金色複
合混合膜をあらかじめTiNを積層した基板に蒸着した
例を示した部分断面図である。
合混合膜をあらかじめTiNを積層した基板に蒸着した
例を示した部分断面図である。
【図2】この発明の他の実施例を示したものであり、基
板に積層したTiNの上にアンダーコートを施し、さら
にアンダーコートの上に金色複合混合膜を形成した例を
示した部分断面図である。
板に積層したTiNの上にアンダーコートを施し、さら
にアンダーコートの上に金色複合混合膜を形成した例を
示した部分断面図である。
【図3】この発明のさらに他の参考例を示したものであ
り、基板に積層したTiNの上に金色複合混合膜を形成
し、さらにその上にトップコートを蒸着した例を示した
部分断面図である。
り、基板に積層したTiNの上に金色複合混合膜を形成
し、さらにその上にトップコートを蒸着した例を示した
部分断面図である。
【図4】基板に積層したTiNの上にアンダーコートを
施し、その上に金色複合混合膜を形成し、さらにその上
にトップコートを蒸着した例を示した部分断面図であ
る。
施し、その上に金色複合混合膜を形成し、さらにその上
にトップコートを蒸着した例を示した部分断面図であ
る。
【図5】複合混合多層膜の表面に、透明導電膜を形成し
た例を示した部分断面図である。
た例を示した部分断面図である。
【図6】複合混合多層膜の上に、さらに複合混合膜を形
成した例を示した部分断面図である。
成した例を示した部分断面図である。
1 基板 2 TiN薄膜 3 複合混合膜 4 アンダーコート 5 トップコート 6 透明導電膜
Claims (7)
- 【請求項1】 基板上部に、金属、合金、および/また
は無機物と有機物を同時にプラズマ励起した複合混合膜
と、その下層としてのプラズマ励起により配設した有機
重合膜とを有してなることを特徴とする複合混合多層
膜。 - 【請求項2】 金属、合金が金および/またはCu,A
l,Ni,Ag,Zn,Sn,Ta,V,Cr,Co,
Pt,Pd,Ru,Rh,Ti,W,Mo,Ir,C
d,Sb,Hf,Ga,Ge,Zr,Nb,In,の群
から選択される少くとも1種の金属、またはこれらの合
金である請求項1記載の複合混合多層膜。 - 【請求項3】 無機物がTiNおよび/またはTaN,
ZrN,TaC,Cである請求項1記載の複合混合多層
膜。 - 【請求項4】 有機物がポリカーボネート、ポリアクリ
レート、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリオレフィ
ンである請求項1記載の複合混合多層膜。 - 【請求項5】 基板表面に、金属、合金、および/また
は無機物の層をプラズマ励起により形成し、その上に有
機重合膜を介して複合混合膜を配設してなることを特徴
とする請求項1の複合混合多層膜。 - 【請求項6】 請求項1または5記載の複合混合多層膜
の上に、1以上の別種の複合混合膜を配設してなること
を特徴とする複合混合多層膜。 - 【請求項7】 請求項1,5または6の複合混合多層膜
の最外表面に、金属、合金、無機物、または有機物から
なるプラズマ励起によるトップコート層を配設してなる
ことを特徴とする複合混合多層膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6017695A JP2546622B2 (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 複合混合多層膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6017695A JP2546622B2 (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 複合混合多層膜 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63109479A Division JPH0745708B2 (ja) | 1988-05-02 | 1988-05-02 | 複合混合多層膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06299329A JPH06299329A (ja) | 1994-10-25 |
JP2546622B2 true JP2546622B2 (ja) | 1996-10-23 |
Family
ID=11950944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6017695A Expired - Lifetime JP2546622B2 (ja) | 1994-02-14 | 1994-02-14 | 複合混合多層膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2546622B2 (ja) |
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