JP2545989B2 - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JP2545989B2
JP2545989B2 JP1203677A JP20367789A JP2545989B2 JP 2545989 B2 JP2545989 B2 JP 2545989B2 JP 1203677 A JP1203677 A JP 1203677A JP 20367789 A JP20367789 A JP 20367789A JP 2545989 B2 JP2545989 B2 JP 2545989B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関の燃料噴射量制御装置に関する。
〔従来の技術〕
燃料噴射式内燃機関においては通常吸気負圧と機関回
転数から、或いは吸入空気量と機関回転数から基本燃料
噴射量を計算し、機関排気通路内に設けた酸素濃度検出
器(以下O2センサと称する)の出力信号に基いて基本燃
料噴射量を補正することにより機関シリンダ内に供給さ
れる混合気が予め定められた目標空燃比、例えば理論空
燃比となるようにフィードバック制御される。ところが
このようにフィードバック制御をしていても加速運転時
にように燃料噴射量が急激に増大せしめられたときには
液状燃料の形で吸気ポート内壁面上に付着する噴射燃料
の量が増大し、この付着液状燃料は付着後ただちに機関
シリンダ内に供給されないために機関シリンダ内に供給
される混合気が一時的に希薄、即ちリーンとなる。これ
に対して減速運転時には吸気ポート内の絶対圧が低くな
り、その結果吸気ポート内壁面等に付着している液状燃
料の蒸発量が増大するために機関シリンダ内に供給され
る混合気が一時的に過濃、即ちリッチとなる。そこで通
常燃料噴射式内燃機関においては加速運転或いは減速運
転のような過渡運転状態であっても機関シリンダ内に供
給される混合気が目標空燃比、例えば理論空熱比となる
ように加速運転時には噴射燃料を増量し、減速運転時に
は噴射燃料を減量するようにしている。従ってこのよう
な燃料噴射内燃機関では機関の運転状態にかかわらずに
機関シリンダ内に供給される混合気がほぼ目標空燃比に
制御されることになる。
ところがこのような内燃機関では例えばブローバイガ
スや潤滑油が吸気弁ステムとステムガイド間を通って吸
気ポート内に侵入し、機関が長期間に亘って使用される
とこれらブローバイガスや潤滑油中に含まれる炭素微粒
子等が吸気弁のかさ部背面や吸気ポート内壁面上に次第
に堆積する。この炭素微粒子等の堆積物、即ちデポジジ
ットは液状燃料を保持する性質があり、従って吸気ポー
ト内壁面等にデポジットが堆積する吸気ポート内壁面等
に付着する液状燃料が増大し、しかも吸気ポート内壁面
等に付着した液状燃料は付着してから機関シリンダに流
入するまで時間を要するようになる。従って機関が比較
的新しい間は機関の運転状態にかかわらずに機関シリン
ダ内に供給される混合気がほぼ理論空燃比に制御される
が機関が長期間に亘って使用されデポジットが吸気ポー
ト内壁面等に付着すると吸気ポート内壁面等に付着した
液状燃料は付着してから機関シリンダ内に流入するまで
に時間を要するために加速運転時には機関シリンダ内に
供給される混合気がリーンとなり、更に吸気ポート内壁
面等に付着する噴射燃料が増大するために減速運転時に
は機関シリンダ内に供給される混合気がリッチとなる。
このように加速運転時に混合気がリーンになる度合、お
よび減速運転時に混合気がリッチになる度合はデポジッ
トの量が増大するほど大きくなる。この場合、例えば加
速運転時においてリーンとなる度合が大きくなればなる
ほど混合気がリーンになる時間が長くなる。
また機関に使用さる燃料が揮発性の低い重質成分を含
めば含むほど噴射燃料の気化が悪くなり、吸気ポート内
壁面等に付着する液状燃料が増大し、加速運転時に混合
気がリーンとなる度合、および減速時に混合気がリッチ
となる度合が大きくなり、例えば加速運転時においてリ
ーンとなる度合が大きくなればなるほど混合気がリーン
になる時間が長くなる。
そこで加速運転が開始されてから一定時間の間で機関
シリンダ内に供給される混合気がリーンになる時間とリ
ッチになる時間を計算し、これらのリーン時間およびリ
ッチ時間から加速運転時であっても機関シリンダ内に供
給される混合気が目標空燃比となるように噴射燃料の加
速増量値を補正するようにした燃料噴射量制御装置が公
知である(特開昭59−128944号公報参照)。
このようにデポシットが付着すると、或いは重質成分
を多く含む燃料が使用されると加速運転時に混合気がリ
ーンとなるが、また機関始動時および機関始動完了から
の所定期間においても同様に混合気がリーンとなる。即
ち機関始動時および機関始動完了からの所定機関におい
てデポジットが付着すると、或いは重質成分を多く含む
燃料が使用されると多量の噴射燃料が吸気ポート内壁面
等に付着するために機関シリンダ内に供給される混合気
が大巾にリーンとなり、斯くして機関を始動するのが困
難であるか、或いは機関が始動してもその後のアイドリ
ング回転が不安定となる。
そこで加速運転が開始されてから一定時間の間におけ
るフィードバック補正量の変動量から加速運転時におけ
る混合気のリーン度合を検知し、フィードバック補正量
のリッチ側への変動量が大きいほど、即ち加速運転時に
おける混合気のリーン度合が大きいほど機関始動時にお
ける燃料噴射量および機関始動が完了されたときに実行
される燃料増量値、所謂始動後増量値の初期値を増大せ
しめるようにした燃料噴射量制御装置が公知である(特
開昭61−129435号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで機関始動時および機関始動完了からの所定期
間におけるデポジットの付着、或いは重質成分を多く含
む燃料の使用に起因する機関シリンダ内に供給される混
合気のリーン度合は、機関始動からの時間経過とともに
減少する。例えばデポジットの付着を例にとると、この
デポジットにより保持される液状燃料は機関始動からの
燃料噴射毎に増大し、その結果デポジットに付着してい
る液状燃料からの燃料蒸発量が次第に増大するためにデ
ポジットの付着に起因する機関シリンダ内に供給される
混合気のリーン度合は機関始動からの時間経過とともに
次第に減少する。従って機関始動時および機関始動完了
からの所定期間におけるデポジットの付着、或いは重質
成分を多く含む燃料の使用に起因する燃料噴射量の増量
は機関始動からの時間経過とともに減少せしめなければ
ならない。またデポジットの付着、或いは重質成分を多
く含む燃料の使用に起因する燃料噴射量の増量が大きく
なるほど吸気ポート内壁面等に付着する液状燃料が増大
し、この液状燃料からの燃料蒸発量が増大するためにこ
の増量の減少割合を大きくせしめなければならない。
ところが上述の特開昭61−129435号公報のように機関
始動完了時に単に始動後増量の初期値を加速運転時にお
ける混合気のリーン度合が大きいほど増大せしめると、
始動後増量後半においてデポジットの付着、或いは重質
分を多く含む燃料の使用に起因する機関シリンダ内に供
給される混合気のリーン度合は比較的小さいにもかかわ
らず、始動後増量前半のデポジットの付着、或いは重質
成分を多く含む燃料の使用に起因する機関シリンダ内に
供給される混合気のリーン度合に見合った多量の燃料噴
射が行われることになり、斯くしてこの間空燃比が大巾
にリッチとなり、燃費が悪化したり、多量の有害成分が
排出されるという問題を生ずる。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために本発明によれば第1図の
発明の構成図に示されるように機関運転状態に基いて燃
料噴射量を演算する燃料噴射量演算手段Aと、機関排気
通路内に配置された酸素濃度検出器19の出力信号に基い
て機関シリンダ内に供給される混合気が目標空燃比とな
るように燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段B
と、加速運転状態を検出する加速運転状態検出手段C
と、酸素濃度検出器19の出力信号に基いて加速運転時に
混合気がリーンになる時間とリッチになる時間から燃料
噴射量の増量割合を演算する増量割合演算手段Dと、該
増量割合演算手段Dにより演算された増量割合を記憶す
る記憶手段Eと、機関始動が完了されたときに該記憶手
段Eにより記憶された増量割合が応じ増量割合が大きい
ほど大きくされる初期値から増量割合に応じ増量割合が
大きいほど大きくされる減衰割合でもって始動完了から
の時間経過にともなって徐々に小さくされる増量値で燃
料噴射量を増量する燃料噴射量増量手段Fとを具備して
いる。
〔作 用〕
始動後増量の初期値が加速運転時における混合気のリ
ーン度合が大きいほど増大せしめられるとともに始動後
増量の減衰割合が加速運転時における混合気のリーン度
合が大きいほど増大せしめられる。
〔実施例〕
第2図を参照すると、1は機関本体、2はピストン、
3はシリンダヘッド、4はピストン2とシリンダヘド3
間に形成された燃焼室、5は点火栓、6は吸気弁、7は
吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポートを夫々示す。
各吸気ポート7は対応する枝管10を介してサージタンク
11に接続され、各枝管10には対応する吸気ポート7内に
向けて燃料を噴射する燃料噴射弁12が取付けられる。各
燃料噴射弁12からの燃料噴射は電子制御ユニット30の出
力信号に基いて制御される。サージタンク11は吸気ダク
ト13を介してエアクリーナ14に連結され、吸気ダクト13
内にスロットル弁15が配置される。スロットル弁15を迂
回するバイパス通路16が吸気ダクト13に接続され、この
バイパス通路16内にステップモータ17aにより駆動され
るバイパス空気量制御弁17が配置される。各排気ポート
9は排気マニホルド18に接続され、排気マニホルド18内
にはO2センサ19が取付けられる。
電子制御ユニット30はディジタルコンピュータからな
り、双方向性バス31によって相互に接続されたROM(リ
ードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35
および出力ポート36を具備する。なお、CPU34にはバッ
クアップRAM33aがバス31aを介して接続される。機関本
体1には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生する水
温センサ20が取付けられ、この水温センサ20の出力電圧
はAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。ま
た、O2センサ19の出力電圧はAD変換器38を介して入力ポ
ート3に入力される。サージタンク11にはサージタンク
11内の絶対圧に比例した出力電圧を発生する絶対圧セン
サ21が取付けられ、この絶対圧センサ21の出力電圧はAD
変換器39を介して入力ポート35に入力される。スロット
ル弁15にはスロットル弁15が全閉位置にあることを検出
するスロットルスイッチ22が取付けられ、このスロット
ルスイッチ22の出力信号は入力ポート35に入力される。
回転数センサ23はクランクシャフトが所定のクランク角
度回転する毎に出力パルスを発生し、回転数センサ23の
出力パルスが入力ポート35に入力される。この出力パル
スからCPU 34において機関回転数が計算される。一方、
出力ポート36は対応する駆動回路40,41を介して燃料噴
射弁12およびバイパス空気量制御弁17のステップモータ
17aに接続される。バイパス空気量制御弁17は機関アイ
ドリング回転数を制御するために設けられており、機関
アイドリング運転時には機関アイドリング回転数が目標
回転数となるようにこのバイパス空気量制御弁17によっ
てバイパス通路16内を流れるバイパス空気量が制御され
る。
一方、燃料噴射弁12の燃料噴射時間TAUは次式に基い
て計算される。
TAU=(TP+K・TPAEW)・FAF・FASE …(1) ここで、TP:基本燃料噴射時間 TPAEW:過渡時、即ち加減速時の補正燃料噴射時間 K:デポジットの堆積および燃料の性状により補正燃料噴
射時間TPAEWを補正するための学習係数 FAF:フィードバック補正係数 FASE:始動後増量補正係数 F:吸気温や機関冷却水温等により定まる補正係数 基本燃料噴射時間TPHFサージタンク11内の絶対圧PMと
機関回転数NEから計算される。基本燃料噴射時間TPと絶
対圧PM、機関回転数NEとの関係は定常運転時において燃
料噴射弁12から基本燃料噴射時間TPだけ燃料を噴射した
ときに機関シリンダ内に供給される混合気が目標空燃
比、例えば理論空燃比となるように予め実験により求め
られており、この関係はROM 32内に記憶されている。従
って定常運転が行われている場合には絶対圧PMおよび機
関回転数NEからROM 32に記憶された関係に基いて計算さ
れた基本燃料噴射時間TPだけ燃料噴射弁12から燃料噴射
すれば基本的には機関シリンダ内に供給される混合気は
ほぼ理論空燃比となる。O2センサ19として任意の空燃比
を検出しうるO2センサを用いれば目標空燃比を任意に設
定することができるが本発明を容易に理解しうるように
以下、目標空燃比を理論空燃比に設定した場合について
説明する。この場合には燃料噴射弁12から基本燃料噴射
時間TPだけ燃料噴射すれば基本的には機関シリンダ内に
供給される混合気はほぼ理論空燃比となる。
過渡運転状態でないとき、即ち定常運転時には補正燃
料噴射時間TPAEWは零となり、また機関始動後暫くする
と始動後増量補正係数FASEは1.0となる。従って前述の
式(1)は次式のように表される。
TAU=TP・FAF・F …(2) 即ち、このとき燃料噴射時間TAUは基本燃料噴射時間T
Pと、フィードバック補正係数FAFと、補正係数Fによっ
て定まることになる。補正係数Fは吸気温や機関冷却水
温等により定まり、例えば機関冷却水温が低い暖機完了
前には1.0より大きな値となり、暖機完了後には、1.0に
近い値、或いは1.0になる。フィードバック補正係数FAF
は機関シリンダ内に供給される混合気が理論空燃比とな
るようにO2センサ19の出力信号に基いて変化する。次に
このフイードバック補正係数FAFについて説明する。
O2センサ19は機関シリンダ内に供給される混合気が理
論空熱比よりも大きいとき、即ちリーンのとき0.1ボル
ト程度の出力電圧を発生し、理論空燃比よりも小さいと
き、即ちリッチのとき0.9ボルト程度の出力電圧を発生
する。従ってO2センサ19の出力信号から機関シリンダ内
に供給される混合気がリーンであるかリッチであるかが
判別できる。第3図はこのO2センサ19の出力信号からフ
ィードバック補正係数FAFを計算するためのルーチンを
示している。第3図を参照するとまず初めにステップ10
0において空燃比のフィードバック制御条件が成立して
いるか否かが判別される。例えば機関始動時ではなく、
始動後増量補正係数FASEが1.0であり、機関冷却水温が
所定値以下でないときにフィードバック制御条件が成立
していると判断される。フィードバック制御条件が成立
していないときはステップ101に進んでフィードバック
補正係数FAFが1.0とされる。従ってフィードバック制御
条件が成立していない定常運転時には次式に基いて燃料
噴射時間TAUが計算される。
TAU=TP・F …(3) 一方、フィードバック制御条件が成立していると判断
されたときにはステップ102に進んでO2センサ19の出力
信号から機関シリンダ内に供給された混合気がリッチで
あるか否かが判別される。前回の処理サイクルではリー
ンであり、今回の処理サイクルにおいてリッチに変化し
たとするとステップ103に進んでフラグCAFLをリセット
し、次いでステップ104においてリッチからリーンに変
化したときにリセットされるフラグCAFRがリセットされ
ているか否かが判別される。リーンからリッチに変化し
たときにはフラグCAFRがリセットされているのでステッ
プ105に進み、フィードバック補正係数FAFから予め定め
られたスキップ値RSが減算される。次いでステップ106
ではフラグCAFRがセットされる。従って次の処理サイク
ルではステップ104からステップ107に進んでフィードバ
ック補正係数FAFから予め定められた一定値Ki(Ki
RS)が減算される。
一方、リッチからリーンに変化するとステップ102か
らステップ108に進んでフラグCAFRがリセットされ、次
いでステップ109に進んでフラグCAFLがリセットされて
いるか否かが判別される。このときフラグCAFLはリセッ
トされているのでステップ110に進んでフィードバック
補正係数FAFにスキップ値RSが加算され、次いでステッ
プ111においてフラグCAFLがセットされる。従って次の
処理サイクルではステップ109からステップ112に進んで
フィードバック補正係数FAFに一定値Kiが加算される。
従ってフィードバック補正係数FAFは第4図に示される
ように変化する。リッチになればフィードバック補正係
数FAFが減少せしめられて燃料噴射時間TAUが短かくな
り、リーンになればフィードバック補正係数FAFが増大
せしめられて燃料噴射時間TAUが長くなり、斯くして機
関シリンダ内に供給される混合気は理論空燃比に制御さ
れることになる。
このように定常運転状態であってフィードバック制御
が行われていれば機関シリンダ内に供給される混合気は
理論空燃比に制御される。しかしながら前述の(2)式
に基いて燃料噴射時間TAUを計算すると加速運転時や減
速運転時のような過渡運転状態ではフィードバックを制
御を行っていたとしても、更にデポジットが吸気ポート
内壁面等に付着していなくても機関シリンダ内に供給さ
れる混合気は理論空燃比からずれしまう。即ち、加速運
転時には混合気が一時的にリーンとなり、減速運転時に
は混合気が一時的にリッチとなる。このような過渡運転
状態における空燃比のずれは燃料噴射時間TAUの計算を
開始してから実際に燃料噴射が行わるまでの時間遅れ、
および吸気ポート内壁面等に付着した液状の噴射燃料が
機関シリンダ内に流入するまでの時間遅れに起因してお
り、従ってまず初めに第5図および第6図を参照して加
速運転時におけるこれら時間遅れについて説明する。
第5図は燃料噴射時間TAUの計算を開始してから実際
に燃料噴射が行われるまでの時間遅れに基く空燃比のず
れを示している。第5図に示されるように加速運転時が
行われてサージタンク11内の絶対圧PMがPM1からPM2に上
昇したとするとそれに伴って絶対圧PMおよび機関回転数
NEから計算される基本燃料噴射時間TPも上昇する。今時
刻taにおいて燃料噴射時間TAUの計算が開始されたとす
るとこのときの絶対圧PMはPMaであるからこの絶対圧PMa
に基いて基本燃料噴射時間TPが計算され、このときの基
本燃料噴射時間TPをTPaとする。ところで通常燃料噴射
時間TAUの計算は予め定められたクランク角で開始さ
れ、その後一定クランク角度後に実際の燃料噴射が開始
される。即ち、第5図で云うと時刻taにおいて燃料噴射
時間TAUの計算が開始されると時刻tbにおいて実際の燃
料噴射が開始される。ところが時刻tbでは絶対圧PMがPM
aよりも高いPMbとなっており、このときに混合気を理論
空燃比とするのに必要な基本燃料噴射時間はTPaよりも
長いTPbとなっている。それにもかかわらずに時刻tbで
は基本燃料噴射時間TPaに基いて計算された時間しか燃
料噴射が行われないので噴射燃料が混合気を理論空燃比
とするのに必要な噴射燃料よりも少なくなり、期しくし
て混合気がリーンとなる。即ち、実際には破線Wに沿っ
て基本燃料噴射時間TPが変化するので破線Wで示される
間、混合気はY1で示されるようにリーンとなる。
一方、第6図は吸気ポート内壁面等に付着した液状の
噴射燃料が機関シリンダ内に流入するまでの時間遅れに
基く空燃比のずれを示している。なお、第6図もサージ
タンク11内の絶対圧PMがPM1からPM2まで上昇した場合を
示している。第6図において曲線TPc,TPbは基本燃料噴
射時間TPの変化を示しており、ハッチングXa,Xbは機関
シリンダ内に流入する液状の燃料量を示している。機関
シリンダ内に流入する液状の燃料量は燃料噴射量、即ち
吸気ポート内壁面等に付着した燃料量に依存しており、
従って燃料噴射量が増大するほど機関シリンダ内に流入
する液状の燃料量は増大する。機関が定常運転を行って
いるときにはこの液状燃料の量はほぼ一定であり、定常
運転が行われているときの機関負荷が高くなるほどこの
液状燃料の量が増大する。第6図のXaは各絶対圧PMに対
して定常運転時と同じ量の液状燃料が機関シリンダ内に
供給されると仮定した場合を示しており、この場合には
加速運転時においても機関シリンダ内に供給される混合
気は理論空燃比に維持される。しかしながら実際には加
速運転が行われ、吸気ポート内壁面等への付着燃料量が
増大しても全ての付着燃料がただちに機関シリンダ内に
流入しないために加速運転中に機関シリンダ内に流入す
る液状燃料はXaで示す場合よりも少なくなる。付着燃料
量が増大すれば機関シリンダ内に流入する液状燃料の量
は次第に増大し、加速運転完了後にこの液状燃料量は定
常運転時の液状燃料量に等しくなる。第6図のXbは実際
に機関シリンダ内に流入する液状燃料の量を示してい
る。従って加速運転が開始されてから加速完了後暫くの
間機関シリンダ内に流入する液状燃料量Xbは定常運転時
の液状燃料量Xaに比べて少なくなるためにこの間混合気
がY2で示されるようにリーンとなる。
従って加速運転時には第7図のYで示されるようにY1
で示されるリーンとY2で示されるリーンとが重なった形
となる。そこで第7図に示されるように加速運転時にY1
に対応した量C2ΔPM・C4だけ燃料を増量し、Y2に対応し
た量C3(ΔPM+C1ΣΔPM)・C4だけ燃料を増量すれば混
合気はZで示すようにほぼ理論空燃比に維持されること
になる。ここでΔPMは絶対圧PMの変化率であり、C4は絶
対圧を時間に換算するための係数である。
即ち、第5図において基本燃料噴射時間TPの不足量
(TPb−TPa)は時刻taにおけるΔPM・C4に時間(tb−t
a)を乗算したものにほぼ等しくなり、時間(tb−ta)
をC2で表せば基本燃料噴射時間TPの不足量はC2ΔPM・C4
で表わされることになる。なお、時間(tb−ta)はクラ
ンク角度に対応するのでC2は機関回転数NEの関数とな
る。
一方、Y2に示される曲線に対応する曲線はC3(ΔPM+
C1ΣΔPM)・C4でもって表現することができる。ここで
C1は減衰係数と称され、1.0より小さい値である。即
ち、C3(ΔPM+C1ΣΔPM)・C4は燃料噴射時間TAUを計
算するときに計算され、C3(ΔPM+C1ΣΔPM)・C4の値
はΔPMが大きな値のときには急激に増大し、ΔPMが少さ
い値になるとゆっくりと減少する。機関温度および吸入
空気温度が低くなると吸気ポート内壁面等に付着する液
状燃料の量が増大し、それに伴って混合気は一層リーン
となる。従ってC3は機関温度および吸入空気温の関数と
なる。
従って、加速運転時にC2ΔPM・C4とC3(ΔPM+C1ΣΔ
PM)・C4を加算した燃料量を増量すれば混合気を理論空
燃比に維持することができる。この加算値は前述の
(1)式における過渡時の補正燃料噴射時間TPAEWとな
る。即ちTPAEWは次式で表される。
TPAEW={C2ΔPM+C3(ΔPM+C1ΣΔPM)}・C4
(4) なお、減速運転時におけるリッチ状態も第5図および
第6図のY1,Y2のようになり、従って上記(4)式のTPR
AEWを用いれば同様に機関シリンダ内に供給される混合
気は理論空燃比に維持される。ただし、減速運転時には
ΔPMが負となるのでTPAEWは負となる。
従ってデポジットが吸気ポート内壁面等に付着してい
ないときには次式に基いて燃料噴射時間TAUを計算すれ
ば機関の運転状態にかかわらずに混合気を理論空燃比に
維持することができる。
TAU=(TP+TPAEWN)・FAF・F …(5) ところが機関が長期感に亘って使用されてデポジット
が吸気ポート内壁面等に付着するとデポジットは液状燃
料を保持する性質があるために吸気ポート内壁面等に付
着する液状燃料が増大し、しかも吸気ポート内壁面等に
付着した液状燃料は付着してから機関シリンダ内に流入
するまで時間を要するようになる。従ってデポジットが
吸気ポート内壁面等に付着した場合に上記(5)式を用
いると加速運転時にはデポジットによって機関シリンダ
内への液状燃料の流入が遅れるので混合気がリーンとな
り、一方減速運転時にはデポジットによって吸気ポート
内壁面等に付着する液状燃料量が増大するので混合気が
リッチとなる。そこでデポジットが付着した場合には補
正係数Kを補正燃料噴射時間TPAEWに乗算し、この補正
係数Kによって加減速運転時の燃料の増減量を補正して
機関の運転状態にかかわらずに混合気を理論空燃比に維
持すようにしている。この場合は前述の(1)式で示す
ように燃料分差時間TAUは次式で計算される。
TAU=(TP+K.TPAEW)・FAF・F …(6) 即ちデポジットが付着しておらず、従って加速運転時
においても機関シリンダ内に供給される混合気がほぼ理
論空燃比に維持されているときには第8図(A)に示さ
れるように加速運転が開始された後リーンとリッチがほ
ぼ同じ周期で交互に繰返され、従ってリーンである時間
とリッチである時間はさほど変らない。しかしながらテ
ポジットが付着すると第8図(B)に示すように加速運
転時に混合気が一時的にリーンになる。このように加速
運転時に混合気が一時的にリーンとなると第8図(B)
に示すように加速運転が開始された後のリーン時間がリ
ッチ時間よりも長くなる。これに対して加速運転時に混
合気一時的にリッチになると今度は加速運転が開始され
た後のリッチ時間がリーン時間よりも長くなる。従って
リーン時間とリッチ時間を比較すれば混合気が一時的に
リーンなっているか一時的にリッチになっているかを判
別することができる。従って概略的に云うと加速運転時
においてリーン時間がリッチ時間よりも或る程度以上長
くなれば補正係数Kの値が増大せしめらて加速燃料増量
割合が増大せしめられ、リーン時間がリッチ時間よりも
或る程度以下に短かくなれば補正係数Kの値が減少せし
められて加速燃料増量割合が減少せしめられる。一方、
減速運転時においてリッチ時間がリーン時間よりも或る
程度以上長くなれば補正係数Kの値が増大せしめられて
減速燃料減量割合が増大せしめられ、リッチ時間がリー
ン時間よりも或る程度以下に短かくなれば補正係数Kの
値が減少せしめられて減速燃料減量割合が減少せしめら
れる。
次に第9図に示すタイムチャートを参照しつつ第10図
および第11図に示すフローチャートを参照して補正係数
Kの計算、即ちデポジット学習値Kの計算ルーチンにつ
いて説明する。なお、このルーチンは360クランク角度
毎に割込みによって実行される。
第10図および第11図を参照とするとまず始めにステッ
プ200において絶対圧センサ21により検出されたサージ
タンク11内の現在の絶対圧PMから前回の処理サイクルで
検出されたサージタンク11内の絶対圧PM1が減算され、
その減算結果が絶対圧の変化率ΔPMとされる。次いでス
テップ201ではO2センサ19の出力信号に基づくフィード
バック制御が行われていか否かが判別される。フィード
バック制御が行われてないときにはステップ202に進ん
で各カウンタCAC,CLRN1,CLRN2をクリアする。次いでフ
ィードバック制御が開始されるとステップ203に進んで
カウンタCLRN1がクリアされているか否かが判別され
る。このときカウンタCLRN1はクリアされているのでス
テップ204に進み、カウンタCLRN2がクリアされているか
否かが判別される。このときカウンタCLRN2はクリアさ
れているのでステップ205に進む。ステップ205ではΔPM
が一定値、例えば39mmHgよりも大きいか否か、即ち加速
運転時であるか否かが判別される。ΔPM<39mmHgであれ
ば加速運転時でないと判別され、ステップ206に進む。
ステップ206ではΔPMが一定値、例えば−39mmHgより小
さいか否か、即ち減速運転時であるか否かが判別され
る。ΔPM>−39mmHgであれば減速運転時でないと判別さ
れ、ステップ202に進んで各カウンタCAC,CLRN1,CLAN2が
クリアされる。
一方、ステップ205においてΔPM≧39mmHgである、即
ち加速運転時であると判別されたときはステップ207に
進んでカウンタCLRN1のカウント値に1がセットされ
る。次いで燃料噴射時間の計算ルーチンに進む。次の処
理サイクルではステップ203からステップ208に進む。ス
テップ208ではΔPMが−5mmHgよりも低くなったか否か、
即ち加速運転開始後減速されたか否かが判別され、ΔP
≦−5mmHgの場合にはステップ202に進んで各カウンタCA
C,CLRN1,CLRN2がクリアされる。一方、加速運転が継続
して行われているときにはΔPM>−5mmHgとなるのでス
テップ208からステップ209に進んでカウンタCLRN1が1
だけインクリメントされる。即ち、第9図(A)に示す
ように加速運転が開始されてサージタンク11内の絶対圧
PMがPM1からPM2に上昇し、このときΔPMが39mmHgを越え
ればカウンタCLRN1のカウントアップが開始される。
次いでステップ210ではカウンタCLRN1のカンウト値が
予め定められた一定値A1よりも大きくなったか否かが判
別される。CLAN1<A1のときは燃料噴射時間の計算ルー
チンに進む。一方、CLRN1≧A1になるとステップ211に進
んでO2センサ19の出力信号から機関シリンダ内に供給さ
れた混合気がリーンであるか否かが判別される。混合気
がリーンの場合にはステップ212に進んでカウンタCACが
1だけインクリメンタされ、次いでステップ213に進
む。一方、混合気がリーンでない場合、即ち混合気がリ
ッチの場合にはステップ214に進んでカウントCACが1だ
けディクリメントされ、次いでステップ213に進む。ス
テップ213ではカウンタCLRN1が予め定められた一定値B1
よりも大きくなったか否かが判別される。CLRN1<B1の
場合には燃料噴射時間の計算ルーチンに進む。即ち、第
9図(A)に示されるようにカウンタCLRN1のカウント
値がA1からB1になるまでの間、混合気がリーンであるか
リッチであるかが判別され、混合気がリーンであるとき
にはカウンタCACはカウントアップされ、混合気がリッ
チであるときにはカウンタCACがカウントダウンされ
る。従ってカウンタCLRN1のカウント値がA1からB1にな
るまでの間においてリーンとなっている時間がリッチと
なっている時間よりも長ければカウンタCACのカウント
値が上昇し、リッチとなっている時間がリーンとなって
いる時間よりも長ければカウンタCACのカウント値が減
少する。従って加速運転時において混合気がリーンとな
っているかリッチとなっているかはCLRN1がB1になった
ときのカウンタCNCのカウント値から判別することがで
きる。
このように第9図に示す実施例ではカウンタCLRN1の
カウント値がA1からB1に達するまでの間において混合気
がリーンであるかリッチであるかが判別されており、従
ってカウンタCLRN1のカウント値がA1からB1に達するま
での期間がリーン・リッチ判断期間となる。次に第8図
の(C)から(H)を参照してこのリーン・リッチ判断
期間について説明する。なお、第8図(C)〜(H)に
おいてこのリーン・リッチ判断期間はL,L′又はL″で
示される。
第8図(C),(D),(E)はデポジットが付着し
ていない場合において加速運転が行われたときのO2セン
サ19の出力電圧変化とカウンタCACのカウント値の挙動
を示している。この場合には第8図(C),(D),
(E)で示されるように加速運転時であってもリーンと
リッチがほぼ同じ周期で繰返され、リーン・リッチ判断
期間Lは第8図(C)および(D)に示されるようにこ
のような状態においてリーン又はリッチとなる周期に設
定されている。即ち、云い換えるとカウンタCLRN1に対
する設定値A1,B1はカウント値がA1からB1まで達するま
での期間がリーン又はリッチの周期とほぼ等しくなるよ
うに定められている。このようにリーン・リッチ判断期
間Lが定められると第8図(C),(D)に示されるよ
うにデポジットが付着しえいない場合にはリーン・リッ
チ判断期間L内におけるリーン時間とリッチ時間はほぼ
等しくなり、従ってリーン・リッチ判断期間Lが経過し
たときのカウンタCACのカウント値はほぼ零となる。こ
れに対して第8図(E)に示されるようにリーン・リッ
チ判断期間L′がリーン又はリッチの変動の一周期半と
なるとリーン・リッチ判断期間L′内におけるリーン時
間がリッチ時間よりも長くなり、斯くしてリーン・リッ
チ判断期間L′が経過したときのカウンタCACのカウン
ト値が大きい値となってしまう。従って第8図(E)に
示す場合においてリーン・リッチの判断期間L′が経過
したときのカウンタCACのカウント値がC1を越えたとき
には加速運転時に混合気がリーンになっているものと判
断するようにした場合には明らかに誤判断することにな
る。従ってこのような誤判断を回避するためには第8図
(C),(D)に示されるようにリーン・リッチ判断期
間Lをリーン又はリッチのほぼ一周期とする必要があ
る。
前述したようにリーン・リッチ判断期間Lはカウンタ
CLRN1のカウント値がA1からB1に達するまでの期間に対
応している。ところで燃料噴射は通常予め定められたク
ランク角で開始され、一方第10図および第11図に示すル
ーチンは360クランク角度毎の割込みによって実行され
るのでカウンタCLRN1のカウント値がA1からB1に達すま
での間に機関の回転数にかかわらずに一定回数の燃料噴
射が行われる。云い換えるとリーン・リッチ判断期間L
内においては機関の回転数にかかわらずに一定回数の燃
料噴射が行われる。ところで各燃料噴射毎に空燃比が変
動し、この空燃比の変動に対してフィードバック制御が
行われるのでリーン・リッチの周期は燃料噴射回数に依
存することになる。従って機関の回転数にかかわらず
に、即ち加速の度合にかかわらずにリーン・リッチ判断
期間Lはリーン又はリッチの周期にほぼ一致することに
なる。
一方、デポジットが付着すると加速が開始されたとき
に混合気がリーンとなり、従って第8図(F),(G)
に示されるようにリーン時間が第8図(C),(D)に
比べて長くなる。従ってリーン・リッチ判断期間L内に
おけるリーン時間はリッチ時間よりも長くなり、リーン
・リッチ判断期間Lが経過したときのカウンタCACのカ
ウント値は大きくなる。従ってカウンタCACのカウント
値がC1を越えたということで加速運転時に混合気がリー
ンになったということを判断することができる。第8図
(F),(G)に示されるようにリーン・リッチ判断期
間Lが経過したときにはリッチとなっており、このリッ
チの時間は燃料噴射系の制御システムによって第8図
(F)に示されるように短かくなる場合もあるし、第8
図(G)に示されるように長くなる場合もある。しかし
ながらリーン・リッチ判断期間Lをデポジットが付着し
ていないときのリーン又はリッチの周期にほぼ一致させ
ておくと第8図(F),(G)においてリーン・リッチ
判断期間Lが経過したときのリッチ時間の長短にかかわ
らずにテポジットの付着によるリーンを確実に判断する
ことができる。
なお、燃料噴射系のシステムによって第8図(F)に
示されるようにリーン・リッチ判断期間Lが経過したと
きにリッチ時間が短かいときには第8図(H)に示すよ
うにデポジットが付着していないとき加速運転時におけ
るリーン又はリッチの周期の整数倍、例えば2周囲をリ
ーン・リッチ判断期L″とすることができる。
またカウンタCLR1がA1に達するまでリーン、リッチの
判断をしないのは機関シリンダ内に供給された混合気が
排気ガスとなってO2センサ19に達するまで一定の時間を
要するからである。
再び第11図に戻り、ステップ213においてCLRN1≧B1で
あると判別されるとステップ215に進んでカウンタCACの
カウント値が予め定められた正の一定値C17よりも大き
いか否かが判別される。CAC<C1のときはステップ216に
進んでカウンタCACのカウント値が予め定められた負の
一定値D1よりも小さいか否かが判別される。CAC>D1で
あればステップ202に進んで各カウンタCAC,CLRN1,CLRN2
がクリアされる。これに対してステップ215においてCAC
≧C1であると判断されたとき、即ち加速運転時にリーン
になっているときにはステップ217に進んで加速補正係
数KACに予め定められた一定値、例えば0.1が加算され、
斯くして加速補正係数KACが増大せしれられる。一方、
ステップ216においてCAC≦D1であると判断されたとき、
即ち加速運転時にリッチになっているときにはステップ
218に進んで加速補正係数KACから予め定められた一定
値、例えば0.1が減算され、斯くして加速補正係数KACが
減少せしめられる。
一方、ステップ206においてΔPM≦−39mmHgである、
即ち減速運転時であると判断されたときはステップ219
に進んでカウンタCLRN2のカウント値に1がセットされ
る。次いで燃料噴射時間の計算ルーチンに進む。次の処
理サイクルではステップ204からステップ220に進む。ス
テップ220ではΔPMが5mmHgよりも高くなったか否か、即
ち減速運転開始後加速されたか否かが判別され、ΔPM≧
5mmHgの場合にはステップ202に進んで各カウンタCAC,CL
RN1,CLRN2がクリアされる。一方、減速運転が継続して
行なわれているときにはΔPM<5mmHgとなるのでステッ
プ220からステップ221に進んでカウンタCLRN2が1だけ
インクリメントされる。即ち、第9図(B)に示すよう
に減速運転が開始されてサージタンク11内の絶対圧PMが
PM2からPM1に減少し、このときΔPMが−39mmHgよりも低
くなければカウンタCLRN2のカウントアップが開始され
る。
次いでステップ222ではカウンタCRLN2のカウント値が
予め定められた一定値A2よりも大きくなったか否かが判
別される。CLRN2<A2のときは燃料噴射時間の計算ルー
チンに進む。一方、CLRN2≧A2になるとステップ223に進
んでO2センサ19の出力信号から機関シリンダ内に供給さ
れた混合気がリッチであるか否かが判別される。混合気
がリッチの場合にはステップ224に進んでカウンタCACが
1だけインクリメントされ、次いでステップ225に進
む。一方、混合気がリッチでない場合、即ち混合気がリ
ーンの場合にはステップ226に進んでカウンタCACが1だ
けディクリメントされ、次いでステップ225に進む。ス
テップ225ではカウンタCLRN2が予め定められた一定値B2
よりも大きくなったか否かが判別される。CLRN2<B2の
場合には燃料噴射時間の計算ルーチンに進む。即ち、第
9図(B)に示されるようにカウンタCLRN2のカウント
値がA2からB2になるまでの間、即ち減速運転時に対する
第8図(C)と同様なリーン・リッチ判断期間内で混合
気がリッチであるかリーンであるかが判別され、混合気
がリッチであるときにはカウンタCACがカウントアップ
され、混合気がリーンであるときにはカウンタCACがカ
ウントダウンされる。従ってカウンタCLRN2のカウント
値がA2からB2になるまでの間、即ちリーン・リッチ判断
期間内においてリッチとなっている時間がリーンとなっ
ている時間よりも長ければカウンタCACのカウント値が
上昇し、リーンとなっている時間がリッチとなっている
時間よりも長ければカウンタCACのカウント値が減少す
る。従って減速運転中において混合気がリッチとなって
いるかリーンとなっているかはCLRN2がB2になったとき
のカウンタCACのカウント値から判別することができ
る。
ステップ225においてCLRN2≧B2であると判別されると
ステップ227に進んでカウンタCACのカウント値が予め定
められた正の一定値C2よりも大きいか否かが判別され
る。CAC<C2のときはステップ228に進んでカウンタCAC
のカウント値が予め定められた負の一定値D2よりも小さ
いか否かが判別される。CAC>D2であればステップ202に
進んで各カウンタCAC,CLRN1,CLRN2がクリアされる。こ
れに対してステップ227においてCAC≧C2であると判断さ
れたとき、即ち減速運転時にリッチになっているときに
はステップ229に進んで減速補正係数KDCに予め定められ
た一定値、例えば0.1が加算さえ、斯くして減速補正係
数KDCが増大せしめられる。一方、ステップ228において
CAC≦D2であると判断されたとき、即ち減速運転時にリ
ーンになっているときにはステップ230に進んで減速補
正係数KDCから予め定められた一定値、例えば0.1が減算
され、斯くして減速補正係数KDCが減少せしめられる。
加速補正係数KACおよび減速補正係数KDCはデポジット
の堆積による補正燃料噴射時間TPAEに対する補正係数K
を表わしており、従ってデポジットの堆積によって加速
運転時にリーンになれば補正係数Kが増大せしめられ、
デポジットの堆積によって減速運転時にリッチになれば
同様に補正係数Kが増大せしめられる。なお、これらの
加速補正係数KACおよび減速補正係数KDCはバックアップ
RAM33a内に記憶される。
第12図は第10図および第11図に示すルーチンに続いて
実行される燃料噴射時間の計算ルーチンを示している。
第12図を参照するとまず初めにステップ300において期
間始動時か否かが判別される。例えば機関回転数NEが50
0r.p.mよりも低いときに機関始動時であると判別され
る。機関始動時であればステップ301に進んで第14図
(A)に示す関係に基き機関始動時の燃料噴射時間TAUS
TAが計算される。このTAUSTAは第14図(A)に示すよう
に機関冷却温Tおよび加速補正係数KACの関数であり、
このTAUSTAは機関冷却水温Tが低くなるほど大きくな
り、加速補正係数KACが大きくなるほど、即ちデポジッ
トの堆積量が増大するほど大きくなる。次いでステップ
302では燃料噴射時間TAUがTAUSTAとされ、このTAUSTAで
定まる時間だけ燃料噴射される。
次のステップ303では第14図(B)に示す関係に基き
機関始動が完了されたときの増量値である始動後増量補
正係数FASEの初期値が計算される。このFASEの初期値も
第14図(B)に示すように機関冷却水温Tおよび加速補
正係数KACの関数であり、機関冷却水温Tが低くなるほ
ど大きくなり、加速補正係数KACが大きくなるほど、即
ちデポジットの堆積量が増大するほど大きくなる。次い
でステップ304では第14図(C)に示す関係に基きFASE
の減衰割合αが計算される。この減衰割合αは第14図
(C)に示すように加速補正係数KACの関数であり、加
速補正係数KACが大きくなるほど、即ちデポジットの堆
積量が増大するほど大きくなる。なお、第14図(A)お
よび(C)に示す関係は予めROM32内に記憶されてい
る。
機関回転数NEが500r.p.mを越えて機関始動時でないと
判別されるとステップ300からステップ305に進み、絶対
圧センサ21および回転数センサ23の出力信号から基本燃
料噴射TPが計算される。次いでステップ306では次式に
基いてΣΔPMが計算される。
ΣPM=ΔPM+C1ΣΔPM …(7) 次いでステップ307では次式に基いて補正燃料噴射時
間TPAEWが計算される。
TPAEW=(C2ΔPM+C3ΣΔPM)・C4 …(8) 上式(7)および(8)を組合せると次式となる。
TPAEW={C2ΔPM+C3(ΔPM+C1ΣΔPM)}・C4 この式は前述した(4)式を表しており、従って補正
燃料噴射時間TPAEWデポジットが堆積していない場合に
おいて過渡運転時に混合気を理論空燃比に維持するため
の噴射燃料の増減量を表している。
次のステップ308ではΔPMが正また零であるか否かが
判別される。ステップ308においてΔPM=0と判別され
たとき、或いはΔPM>0、即ち加速運転状態にあると判
断されたときにはステップ309に進んで加速補正係数KAC
が補正係数Kとされ、次いでステップ311に進む。一
方、ステップ308においてΔPM<0であると判断された
とき、即ち減速状態にあるときにはステップ310に進ん
で減速補正係数KDCが補正係数Kとされ、次いでステッ
プ311に進む。
ステップ311では次式に基いて燃料噴射時間TAUが計算
される。
TAU=(TP+K・TPAEW)・FAF.FASE・F デポジットの堆積により加速運転時にリーンになると
補正係数Kが増大せしめられるために次回の加速運転時
にはK・TPAEW、即ち加速燃料増量割合が増大せしめら
れ、それによって混合気は理論空燃比に維持される。一
方、デポジットの堆積により減速運転時にリッチになる
と補正係数Kが増大せしめられるために次回の減速運転
時にはK・TPAEW、即ち減速燃料減量割合が増大せしめ
られ、それによって混合気は理論空燃比に維持される。
またデボジットの堆積により加速運転時にリーンになる
と補正係数Kが増大せしめられるために始動後増量補正
係数FASEが増大せしめられ、それによって機関始動完了
からの所定期間における混合気のリーン化が防止でき
る。
次のステップ312では始動後増量補正係数FASEからス
テップ304で計算され減衰割合αが減算される。次いで
ステップ313ではFASEが1.0以下になったか否かが判別さ
れ、FASE<1.0の場合にはステップ314に進んでFASEが1.
0とされる。従って機関始動が完了すると第13図に示さ
れるように始動後増量補正係数FASEが燃料噴射時間の計
算ルーチンの実行毎にステップ303で計算された初期値
からの加速補正係数KACが大きくなるほど大きくされる
減衰割合αでもって徐々に減少せしめられる。なお、第
13図において実線はデポジットが付着したときの始動後
増量係数FASEを示しており、破線はデポジットが付着し
ていないときの始動後増量補正係数FASEを示している。
従って第13図からわかるように、機関始動完了から所定
期間におけるデポジットの付着に起因する燃料噴射量の
増量は、機関始動からの経過時間とともに減少し、更に
減少割合は加速補生系KACが大きくなるほど大きくな
る。斯くして機関始動完了から所定期間全体に亘って、
デポジットの付着、或いは重質成分を多く含む燃料の使
用に起因する期間シリンダ内に供給される混合気のリー
ン度合に見合った始動後増量が行われることになり、始
動後増量後半の空燃比の大巾なリッチを防止することが
できる。
なお、燃料噴射弁12の他に始動時用の燃料噴射弁、所
謂スタートインジェクタが設けられ、機関始動時におい
てスタートインジェクタにより燃料噴射を実行する機関
においては、スタートインジェクタの開弁時間を上述の
加速補正係数KACに基いて加速補正係数KACが大きくなる
ほど長くすることもできる。
また、始動後増量補正係数FASEの初期値を機関冷却水
温Tおよび加速補正係数KACの関数としたが、機関冷却
水温Tの代わりに、例えば機関油温等の機関暖機状態を
示す値を用いることもできる。
〔発明の効果〕
加速運転時におけるリーン度合が大きいほど始動後増
量値の初期値および減衰割合を増大せしめることによ
り、自動後増量後半の空燃比の大巾なリッチを防止する
ことができ、斯くして燃費の向上、排気エミッションの
低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は発明の構成図、第2図は内燃機関全体を示す
図、第3図はフィードバック補正係数を計算するための
フローチャート、第4図はフィードバック補正係数の変
化を示す線図、第5図は燃料噴射時間の計算を開始して
から実際に燃料噴射が行われるまでの時間遅れに基く空
燃比のずれを説明するための図、第6図は液状燃料が機
関シリンダ内に流入するまでの時間遅れに基く空熱比の
ずれを説明するための図、第7図は加減速運転時に増量
或いは減量すべき燃料噴射量を説明するための図、第8
図は加速運転時におけるリーン・リッチの変化の様子を
示す線図、第9図はデポジット学習値の計算方法を示す
タイムチャート、第10図および第11図はデポジット学習
値を計算するためのフローチャート、第12図は燃料噴射
時間を計算するためのフローチャート、第13図は燃料噴
射の制御を示すタイムチャート、第14図は噴射時間等を
示す線図である。 6……吸気弁、8……排気弁、 12……燃料噴射弁、19……O2センサ、 20……水温センサ、21……絶対圧センサ、
フロントページの続き (72)発明者 大橋 通宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 園田 幸弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 沢田 裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 久保 克彦 (56)参考文献 特開 平2−9922(JP,A) 特開 昭63−201344(JP,A) 特開 昭58−8239(JP,A) 特開 昭64−60741(JP,A) 特開 昭63−201344(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関運転状態に基いて燃料噴射量を演算す
    る燃料噴射量演算手段と、機関排気通路内に配置された
    酸素濃度検出器の出力信号に基いて機関シリンダ内に供
    給される混合気が目標空燃比となるように燃料噴射量を
    補正する燃料噴射量補正手段と、加速運転状態を検出す
    る加速運転状態検出手段と、酸素濃度検出器の出力信号
    に基いて加速運転時に混合気がリーンになる時間とリッ
    チになる時間から燃料噴射量の増量割合を演算する増量
    割合燃算手段と、該増量割合演算手段により演算された
    増量割合を記憶する記憶手段と、機関始動が完了された
    ときに該記憶手段により記憶された増量割合に応じ増量
    割合が大きいほど大きくされる初期値から増量割合に応
    じ増量割合が大きいほど大きくされる減衰割合でもって
    始動完了からの時間経過にともなって徐々に小さくされ
    る増量値で燃料噴射量を増量する燃料噴射量増量手段と
    を具備した内燃機関の燃料噴射量制御装置。
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