JP2545870Y2 - 鎌 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、草取り用の鎌に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】従来、
色々な鎌が提案されている。出願人は、これら従来の鎌
に改良を加えて切れ味が非常に良く、草を根こそぎ取る
と同時に切断もできる草取り用として極めて秀れた本考
案を完成したものである。

【０００３】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本考
案の要旨を説明する。

【０００４】握柄５の先端に付設する刃板１を、握柄５
を握って刃板１の裏側を接地させたとき、刃板１の先端
と刃板１の取付基端部との中間部付近が最も下方に位置
して接地する状態の上向き湾曲状態に形成し、この刃板
１の基端部を前記握柄５の長さ方向に対して上向きに折
曲形成し、この刃板１の取付基端部に設けた折曲部６並
びに刃板１の前記湾曲形状により、刃板１の中央部裏側
を接地したとき握柄５の先端部が接地しないように構成
し、この刃板１の刃縁部に刃縁側から後方にかけて後部
側より刃縁部側を少し握柄５側に近付けた傾斜状態で微
細幅な略直線状の斜溝２を刃板１先端側から取付基端部
にかけて多数本並列状態に形成し、刃板１表面側にこの
斜溝２によって上下方向に凹凸するノコギリ歯状の凹凸
刃縁部を形成して刃板１の刃縁部前縁に凹凸刃縁３を形
成したことを特徴とする鎌に係るものである。

【０００５】

【作用】草などの被切断物にこの刃板１の中央部の刃先
前縁を当てがった際、刃板１先端側及び取付基端側の刃
縁部の刃先は中央部の刃縁部よりも上方に位置するた
め、この左右部の刃縁部が他の草などに引っ掛かったり
しにくく、ねらった草を容易にして根本からきれいに切
断でき、また、例えば草取り時に握柄５の先端部が地面
に接地せず、鎌を動かしやすいこととなる。

【０００６】また、ノコギリ歯状の凹凸刃縁３を土中の
草の根などの被切断物に切り込んだ際、刃板１の刃縁部
に形成した斜溝２によって刃板１の切り込み方向が決定
され、この斜溝２に沿って刃板１が土中に深く切り込ん
で草の根を切断することとなるため、切断中に刃縁部が
ぶれたりせず、切れ味が極めて良好となる。また、ノコ
ギリ歯状の凹凸刃縁３を形成したことにより刃縁部の剛
性が高まり、耐久性に秀れることとなる。

【０００７】

【実施例】本実施例は、握柄５を握って刃板１の裏側を
接地させたとき、刃板１の先端と刃板１の取付基端部と
の中間部付近が最も下方に位置して接地する状態の上向
き湾曲状態に形成し、この刃板１の刃縁部に後部より刃
縁前部を少し握柄５側に近付けた傾斜状態で微細幅な略
直線状の斜溝２を刃板１先端側から取付基端側にかけて
多数本並列状態に付設し、刃板１表面側にこの斜溝２に
よって上下方向に凹凸するノコギリ歯状の凹凸刃縁部を
形成して刃板１の刃縁部前縁に凹凸刃縁３を形成したも
のである。

【０００８】更に詳しく説明すると、刃板１は平面より
見て略三日月状に形成されると共に側面より見て刃板１
の長さ方向の中央部が最も下方へ突出する湾曲弓状に形
成して構成している。

【０００９】また、刃板１に、握柄５を握って刃板１の
裏側を接地させたとき握柄５の先端部が接地しないよう
に、刃板１の基端部に握柄５の長さ方向に対して上向き
に折曲形成した折曲部６を設けており、この折曲部６と
前記湾曲形状とにより、例えば草取り時において鎌を使
用したときに握柄５の先端部が地面に接地せず良好に草
取りを行えることとなる。

【００１０】凹凸刃縁３は、図４，図５に示すように急
な辺と緩やかな辺とが交互に並設した断面三角形状の凸
条をこの刃板１の刃縁部の刃板１先端側から刃板１取付
基端側にかけての所定範囲に多数並列状態に刻設して構
成したもので、この並設する凸条間に形成された多数の
溝部を前記斜溝２としている。

【００１１】本実施例では、この凹凸刃縁３を構成する
各三角形状の凸条の緩やかな辺の傾斜角度を図５に示す
ように約１５度に設定して構成している。このように凹
凸刃縁３を構成する凸条の緩やかな辺の傾斜角度を約１
５度に設定すると、切断性が良好となる。

【００１２】また、刃板１の取付基端部から中央部にか
けてヘ字状の補強リブ４を設け、この補強リブ４の終辺
を握柄５の軸方向に配設し且つ補強リブ４の始辺を刃板
１に沿わせる方向に設け刃板１の剛性を高めている。従
って、握柄５の先端部の刃板１の取り付け部分に刃板１
をスムーズに装着固定でき、しかも刃板１ががたつかな
いこととなる。

【００１３】このように構成した本実施例は、草取り用
に使用することが最適で、任意の土中の草の根本に刃板
１の最も下方へ突出する中央部の凹凸刃縁３を当てがう
と刃板１を湾曲形成したため、この刃板１の先端側及び
取付基端側の左右部が中央部よりも上方へ位置すること
となり、従って、草の根の切断時にこの刃板１の左右部
で他の草を中途半端に切断したり、地面の石などを引っ
掛けて刃縁部を破損したりすることが起こりにくく、ほ
ぼ確実にこの任意の草だけを根本からきれいに切断でき
ることとなる。また、凹凸刃縁３を土中の草の根本に切
り込んだ際、刃板１の刃縁部の表面に形成した斜溝２に
よってこの刃板１の切り込み切断方向が決定され、この
斜溝２に沿って刃板１が土中に深く切り込んで草を切断
するため、切断時に刃縁部がぶれたりすることがなく、
切れ味が極めて良好となる。

【００１４】また刃板１の刃縁部をノコギリ歯状の凹凸
刃縁３に形成することによって刃縁部の剛性が増し、秀
れた耐久性を発揮することとなる。

【００１５】また、草取り時に使用した場合、鎌を振っ
たときに握柄５の先端部が地面に接地することがない操
作性に秀れた鎌となる。

【００１６】

【考案の効果】本考案は上述のように構成したから、草
などの被切断物を容易に、且つ根本からきれいに切断す
ることができ、また、従来の鎌より切れ味が非常に良
く、刃板の刃縁部の耐久性も高く、折曲部と湾曲形状と
により草取り時に握柄の先端部が接地せず操作性が良好
であるなど極めて秀れた実用上の効果を発揮する鎌とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の斜視図である。

【図２】本実施例の刃板の湾曲状態を示す説明側面図で
ある。

【図３】本実施例の刃板の説明平面図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図である。

【図５】図４の一部を拡大した説明図である。

【符号の説明】

１ 刃板 ２ 斜溝 ３ 凹凸刃縁 ５ 握柄６ 折曲部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 握柄５の先端に付設する刃板１を、握柄
   ５を握って刃板１の裏側を接地させたとき、刃板１の先
   端と刃板１の取付基端部との中間部付近が最も下方に位
   置して接地する状態の上向き湾曲状態に形成し、この刃
   板１の基端部を前記握柄５の長さ方向に対して上向きに
   折曲形成し、この刃板１の取付基端部に設けた折曲部６
   並びに刃板１の前記湾曲形状により、刃板１の中央部裏
   側を接地したとき握柄５の先端部が接地しないように構
   成し、この刃板１の刃縁部に刃縁側から後方にかけて後
   部側より刃縁部側を少し握柄５側に近付けた傾斜状態で
   微細幅な略直線状の斜溝２を刃板１先端側から取付基端
   部にかけて多数本並列状態に形成し、刃板１表面側にこ
   の斜溝２によって上下方向に凹凸するノコギリ歯状の凹
   凸刃縁部を形成して刃板１の刃縁部前縁に凹凸刃縁３を
   形成したことを特徴とする鎌。