JP2545267B2 - 体外循環回路用ローリングチューブ及びその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、体外循環回路の途中に設けられるローリン
グチューブ及びその製造方法に関するものである。

［従来技術及び従来技術の課題］ たとえば人工腎臓システムなどにおいて、血液ポンプ
により患者から血液を体外に導出し、人工腎臓で浄化し
た後、再び体内に帰還させるための体外循環回路が広く
知られている。

体外循環回路は、通常第３図に示すように体液導入側
回路31と体液導出側回路32が体液処理器30に一体に装着
されて使用される。

体液導入側回路31は、メインチューブ33、33、ローリ
ングチューブ34、分岐ライン35、36、ドリップチャンバ
ー37から構成され、メインチューブ33、33の途中に圧力
感知器38、混注部39が装着され、メインチューブ33の先
端には、シャントアダプター40が装着される。

他方の体液導出側回路32は、メインチューブ43、ドリ
ップチャンバー47から構成され、メインチューブ43の途
中に混注部50、端部にはシャントアダプター49が装着さ
れる。

こうした体外循環回路にローリングチューブ34を設け
るのは、該ローリングチューブ43に血液ポンプを装着し
て血液ポンプにより、該ローリングチューブに外圧を付
加しながらしごいて体液を送液するものである。

通常、このローリングチューブ34は、第４図に示す様
に、押出成形によって形成された例えば可とう性のポリ
塩化ビニル製チューブ本体51と射出成形によって形成さ
れたポリ塩化ビニル製のローリングジョイント52、53と
によって構成され、該ローリングジョイント52、53を接
着剤等を用いてチューブ本体51に接続している。

しかしながらローリングジョイント52、53を製造する
に際しては、該ローリングジョイント52、53を構成する
材料及び高価な射出成形用金型を必要とし、また該ロー
リングジョイント52、53をチューブ本体51に装着する作
業に手間がかかっていた。

このように従来のローリングチューブ34の製造方法で
は、部品点数が多く高価な設備を必要とし、作業工程も
多いので必然的にコスト高になっていた。

以上の課題を解決するために本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、次の発明に到達するに至った。

［課題を解決するための手段］ （１）本体の両端にチューブの装着溝とチューブストッ
パーを形成し、これらの両側に融着部を形成した、体外
循環回路用ローリングチューブを提供する。

（２）次の各工程からなる体外循環回路用ローリングチ
ューブの製造方法を提供する。

合成樹脂製チューブ両端の開口部に段部を形成した芯
金を装着する工程、 前記チューブ両端の開口部付近にローリングチューブ
両端の形状に対応する溝部を形成した金型により挟持す
る工程、 前記芯金及び金型に高周波を通電して前記チューブを
構成する樹脂を溶融する工程、 前記チューブの端部に体外循環回路を構成するチュー
ブの装着溝及び該装着溝にチューブストッパーを形成す
る工程、 ［作用］ 合成樹脂製チューブの端部に瞬時にしてチューブの装
着溝及び体外循環回路を構成するチューブストッパーを
形成することができるので、製造工程の簡略化を図るこ
とができ、さらに体外循環回路を構成するチューブの装
着性も良い。

［実施例］ 軟質のポリ塩化ビニル等の合成樹脂からなるチューブ
を押し出し成形機により押し出して所定の寸法に切断し
てチューブ１を準備する。

そして第１図に示す様にチューブ１両端の開口部に例
えば鉄、ステンレス、黄銅、ジュラルミン等の導電性材
料からなり、段部6a、6bを形成した芯金7a、7bを装着
し、チューブ１の開口部付近を、溝部2a、2b、2c、2d、
溝部3a、3b、3c、3d及びチューブの装着溝4a、4b、4c、
4dを形成した金型5a、5b、5c、5d（前記芯金7a、7bと同
様の材質により形成される）より第１図のように上下か
ら挟持した後、金型5a、5b、5c、5d及び芯金7a、7bに高
周波を通電して、チューブ１の構成部材を溶融してロー
リングチューブの形状に成形する。

第２図は以上のようにして成形したローリングチュー
ブ８の概略図である。ローリングチューブ８は本体９の
両端にチューブの装着溝11、12とチューブストッパー1
3、14が形成され、これらの両側に融着部10a、10b、10
c、10dが形成されている。

前記チューブ１は、内部から芯金7a、7b、外部から金
型5a、5b、5c、5dの両サイドから加熱を受けるので、チ
ューブ１の構成部材は瞬時に溶融し、芯金7a、7bを当接
した箇所には、体外循環回路を構成するチューブの装着
溝11、12及び該チューブストッパー13、14を同時に成形
する事ができる。

なお、図中15はストッパ用リングで、例えば硬質若し
くは半硬質の塩化ビニル樹脂から構成され、チューブ１
をローリングチューブ８の形状に成形する前、又は成形
後に接着剤等を用いて装着するものである。

これは、ローリングチューブ８を血液ポンプに装着し
てしごきながら送液する際に該ローリングチューブ８が
送血ポンプの定位置からずれるのを防止するためであ
る。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明では、 （１）チューブ１の開口部に直接体外循環回路を構成す
るチューブの装着溝11、12を成形することができるので
部品点数及び製造工程が簡略化でき、大幅なコストダウ
ンを図る事ができ、安価な体外循環回路を供給すること
ができる。

（２）体外循環回路を構成するチューブストッパー13、
14も同時に成形する事ができ、特に体液として血液を使
用する場合は、血液の流路に段差がないので残血、クロ
ットの少ない体外循環回路を提供することができる。

等の優れた効果を有する発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図はローリングチューブを製造する方法の概略図、
第２図は本発明のローリングチューブの概略図、第３図
は体外循環回路の概略図、第４図は従来のローリングチ
ューブの概略図である。 図中、１はチューブ、２、３、４は溝部、５は金型、６
は段部、７は芯金、８はローリングチューブ、９は本
体、10は融着部、11、12はチューブの装着溝、13、14は
チューブストッパーを示す。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体の両端にチューブの装着溝とチューブ
   ストッパーを形成し、これらの両側に融着部を形成し
   た、ことを特徴とする対外循環回路用ローリングチュー
   ブ。
2. 【請求項２】次の各工程からなることを特徴とする体外
   循環回路用ローリングチューブの製造方法。 合成樹脂製チューブ両端の開口部に段部を形成した芯
   金を装着する工程、 前記チューブ両端の開口部付近にローリングチューブ
   両端の形状に対応する溝部を形成した金型により挟持す
   る工程、 前記芯金及び金型に高周波を通電して前記チューブを
   構成する樹脂を溶融する工程、 前記チューブの端部に体外循環回路を構成するチュー
   ブの装着溝及び該装着溝にチューブストッパーを形成す
   る工程、