JP2543646B2 - 接地極付電源コンセントの配線状態検査治具 - Google Patents

接地極付電源コンセントの配線状態検査治具

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JP2543646B2 JP4120476A JP12047692A JP2543646B2 JP 2543646 B2 JP2543646 B2 JP 2543646B2 JP 4120476 A JP4120476 A JP 4120476A JP 12047692 A JP12047692 A JP 12047692A JP 2543646 B2 JP2543646 B2 JP 2543646B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単相交流用接地極付電
源コンセントヘの配線に対し、変圧器の接地してない電
極と分電盤の接地した極との交差誤接続の有無、及び変
圧器の接地極と分電盤の接地した極との交差誤接続の有
無などの配線状態を簡単かつ容易に検査できるようにし
た治具に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィス・ビルディング内に設置した単
相交流で作動させるOA機器の金属製の台および筐体
は、接地抵抗が所定値以下となるように接地しなければ
ならない(E3接地)と電気設備技術基準に規定されて
いる。そのため、建家内の分電盤に接地抵抗が所定値以
下となるように接地した電極を設置し、この分電盤の接
地極から各OA機器に駆動電源を接続するための接地極
付電源コンセントの接地極に至る配線が設けられてい
る。一方、上記分電盤に電力を供給する単相変圧器に対
しては、その出カ側の一方の極を、その電位が接地電位
から所定値以上変動しないように接地する(E2接地)
ことが電気設備技術基準に規定されている。
【0003】図4は正しく配線された接地極付電源コン
セントの配線状態の例を示す図で、図中、1は単相l0
0V変圧器、2は分電盤、3は接地極付電源コンセント
で、分電盤のU極はどこでも接地されておらず、分電盤
のV極は変圧器のE2接地した極に接続されており、分
電盤のG極は変圧器には接続されておらず分電盤の位置
でE3接地されている。
【0004】接地極付電源コンセントの各極を、それぞ
れ、分電盤のU、V、G極に正しく接続しなければなら
ないが、実際には、それぞれ、分電盤のU極、V極、G
極に接続され、コンセント取付け位置まで延ばして来た
配線を確実に弁別して、コンセントの極に正しく接続す
るのは容易ではない。もし誤った接続をすると、OA機
器の焼損事故を生じたり、機器が誤動作したりする原因
となる。
【0005】従って、従来から分電盤から接地極付電源
コンセントのところまで延ばして来た配線が、実際に分
電盤のU、V、Gの何れの極に接続されているかを、検
査、確認してから、それぞれコンセントの該当極に接続
する、或いは一応コンセントの各極に接続した配線が正
しいか否かを検査するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来は、接地極付電源
コンセントヘの配線接続状態を検査するのに、一般に、
所謂テス夕ーを使用していた。例えば、分電盤から延ば
してきた配線の電位と、コンセントの付近で接地電位に
近い電位にあるもの例えば建家の床との電位差をテス夕
ーで調べたとき、かなり大きな電位差があるのは、分電
盤のU極からの配線だけであるから、直ぐ判る。しか
し、V極に接続された線か、G極に接続された線かを弁
別するのは、簡単ではない。そのため、従来もこれを弁
別できるようにした特別のテスターが市販されていた
が、検査工数が多くなるとか、テスト用に流す電流値が
大きくて近年分電盤に良く取付けられるようになった漏
電遮断器を動作させて停電させてしまう恐れがあるなど
の問題があった。
【0007】本出願人は、上記問題を解決するために、
既に特願平2−288484号で接地極付電源コンセン
トの配線状態検査治具について提案したが、実際に種々
の状態で試用してみると、V極とG極の間に別電源から
の漏洩によると思われる地電位が存在している場合など
に両電極の弁別能力が不足することがあるとか、一部に
製作し難い点やときどき誤動作する場合があるなどの問
題が判明した。
【0008】本発明は、上記従来の諸問題を解決し、V
極、G極からの配線を弁別するための高い能力を有し、
操作が容易、安全で、かつ実際の製作も、安価で性能の
良い市販電子部品を利用して容易に実行できる接地極付
電源コンセントの配線状態検査治具を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、分電盤(2)の単相交流電源の変
圧器(1)の出力側(10)の接地していない極(10
a)に接続されたU極(20)、変圧器の出力側の接地
してある極(10b)に接続されたV極(21)、変圧
器に接続されることなく分電盤で接地されたG極(2
2)に各々配線を介して接続すべき接地極付電源コンセ
ント(3)の各極(30〜32)が分電盤の各極に正し
く対応して接続されているか否かの配線状態を活線状態
で検査するための、前記電源コンセントの各極に対応し
た端子(4a、4b、4c)からなるプラグを有する、
接地極付電源コンセントの配線状態検査治具において、
前記コンセントのV極(31)から前記変圧器の接地さ
れた極(10b)までの第1の経路の抵抗と、前記コン
セントのG極(32)から変圧器の接地した極(10
b)までの第2の経路の抵抗とを検出するための入力部
と、前記入力部で検出された結果に基づいて、V極とG
極とを弁別するための回路とを、コンセントのV極(3
1)とG極(32)とが分電盤の対応するV極及びG極
に正しく対応して配線されているか否かを調べるための
要素として、少なくとも備え、入力部は、一端を相互に
接続し、それぞれの他端を、コンセントのV極(31)
とコンセントのG極(32)に接続される端子(4b、
4c)に対応して接続して、前記コンセントのV極(3
1)から前記変圧器の接地された極(10b)までの第
1の経路の抵抗と、前記コンセントのG極(32)から
変圧器の接地した極(10b)までの第2の経路の抵抗
とで、ブリッジ回路を構成するための2本の検出抵抗
(401、402)と、前記ブリッジの接続点(40
5、10b)に、直流分を給電するための電源回路とを
備え、V極とG極とを弁別するための回路は、前記ブリ
ッジの中点(403、404)に生じる電圧を取り込ん
で、前記両者の抵抗差に比例した正負の電圧を得るため
の抵抗差分検出部(41)と、前記抵抗差に比例した電
圧を所定の基準電圧と比較して、分電盤のV極(21)
及びG極(22)から配線された線(24、25)がコ
ンセントのV極(31)及びG極(32)に正しく対応
して接続されているか否かを判定するための配線状態判
定部(44)と、前記判定結果を表示するための状態表
示部(45)とを備え、前記配線状態判定部(44)
は、基準電圧と比較して、前記抵抗差に比例した電圧
が、第1の経路の抵抗値より第2経路抵抗値が大きいこ
とを示すとき、配線が正しく行われていると判定し、こ
れと反対のとき、配線が正しく行われていないと判定す
ることを特徴とする、接地極付電源コンセントの配線状
態検査治具が提供される。
【0010】前記2本の検出抵抗(401、402)の
抵抗値は、検査時に、前記コンセントのG極(32)に
対応した前記端子(4c)又はコンセントのV極(3
1)に対応した端子(4b)から漏洩して、前記分電盤
の接地極(12)に流れる交流電流の実効値が、当該分
電盤に設置されている漏電検出器27の作動電流より小
さい電流となるように定められる。例えば、前記分電盤
の接地極(12)に流れる交流電流の実効値を3mA以
下となるように抑制する。これにより、分電盤(2)に
取付けられた漏電遮断器(27、27a、27b)を動
作させないようにすることができる。
【0011】前記ブリッジの接続点(405、10b)
に、直流分を給電する電源回路は、前記コンセントのU
極(30)と他の二極(31、32)との間に印加され
る交流電源(10)の電圧を半波整流して給電する回路
により構成することができる。この回路は、そのための
整流素子(400)を有することができる。
【0012】V極とG極とを弁別するための回路は、ブ
リッジの中点(403、404)に現われる交流電圧を
除去するための低域フィルタ(43)をさらに備えるこ
とが好ましい。
【0013】また、本発明は、好ましくは、別電源系統
からの漏洩電流により生じる直流地電位(14)を補償
するための直流地電位補償部(42)をさらに備えるこ
とができる。この直流地電位補償部(42)は、その補
償電圧を前記抵抗差分検出部(41)に出力する構成と
することができる。
【0014】さらに、本発明は、コンセントのU極(3
0)を弁別するための情報を出力する回路をさらに備え
ることができる。この回路は、前記プラグの各端子に接
続にされ、対応するコンセントの各極間((30)と
(31)、(30)と(32)、(31)と(32))
に印加されている電圧を測定するための入力電圧測定部
(46)と、測定された電圧を表示するための表示部
(47)とを備える構成とすることができる。
【0015】また、入力部は、コンセントのU極(3
0)を弁別するための情報を出力する回路がコンセント
のU極(30)を弁別するための情報を収集する際、V
極とG極とを弁別するための回路を、U極(30)、V
極(31)およびG極(32)から分離するためのスイ
ッチ(406、407、408)をさらに備えることが
できる。
【0016】さらに、本発明では、検査治具を前記実際
のコンセントに接続したままの状態で、検査治具を作動
させる電源の電池(492)を交換する際、操作者が触
れる恐れのある端子(490、491)と、プラグの各
端子(4a、4b、4c)との間の抵抗値を、1MΩ以
上として、操作者が前記端子に触れたときに人体に流れ
る電流を抑制する構成とすることができる。
【0017】
【作用】本発明の治具は、通常、接地極付コンセントの
各極に対応した端子からなる検査用プラグを分電盤から
の配線接続工事が済んだコンセントに差し込んで用い、
そのコンセントの配線接続が正しいか否か検査する。検
査の結果、誤配線が発見されたときはコンセントの配線
接続をやり直すことになる。
【0018】本発明の治具では、交流l00V(又は2
00V)の電圧が印加されている線を扱うが、測定作業
中に、たとえ操作者が分電盤のU極とほぼ同電位の活き
た部分(電池交換時に触れる恐れのある部分も含む)に
触れたとしても、どこでも人体との直列抵抗が1MΩ以
上となるように設定されているため、人体を通って接地
部位へ流れる電流の値が小さく、作業中に不快感はな
く、極めて安全である。
【0019】検査は、まず、コンセントのU極(30)
を弁別するための情報を出力する回路の入力電圧測定部
(46)を用いて、検査対照コンセントの各極間に印加
されている電圧を測定して、結果を表示部に表示させる
ことにより行なう。これにより、分電盤のU極から配線
された線が正しくコンセントのU極に接続されているか
否かを検査する。この接続の良否は、コンセントの他の
2極の何れに対しても電圧の高い極が分電盤のU極に接
続された極と見做せることから、すぐに分かる。このた
めの入力電圧測定時には、V極とG極とを弁別するため
の回路、具体的には、後述する抵抗差分検出部を、スイ
ッチ(406、407、408)により、U極(3
0)、V極(31)およびG極(32)から分離してお
く。
【0020】上記により分電盤のU極から配線された線
が正しくコンセントのU極に接続されていることが分か
れば、V極とG極とを弁別するための回路を、U極(3
0)、V極(31)およびG極(32)に接続して、V
極とG極との弁別を行なう。すなわち、コンセントのU
極から変圧器を通って他の2極に戻る経路の抵抗差を、
ブリッジ回路を形成して調べる(抵抗差分検出)。コン
セントのU極からV極に戻る経路の抵抗値がG極に戻る
経路の抵抗値に比べて小さければ、コンセントの接続は
正常と判定(配線状態判定)する。
【0021】この時、既述の如く、変圧器の接地極と分
電盤の接地極との間に、別電源からの漏洩に起因すると
思われる地電位が生じている場合には、直流地電位補償
部(42)により、地電位を打ち消すように補償を行な
う。すなわち、地電位の実際の値は、多くの実測結果に
余裕を見込んでも、直流分±l.4V、交流分(商用電
源周波数及びその高調波)3.2Vp−pと見れば良い
ことが分かったので、これを治具内で補償することとし
たものである。これにより、前記V極とG極とを弁別す
るための回路の判定精度を高めることができる。
【0022】なお、前記経路の抵抗差が非常に小さい場
合には、測定不能になることがある。本発明の治具で
は、以下で述べる実施例においては、抵抗差分1Ωまで
検出できるようにしている。1Ω以下の差しかなく判定
不能の場合は、第一に分電盤のG極が変圧器の接地極と
接地極を共有している場合、第二に大地との電気抵抗が
1Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体を
分電盤のG極と変圧器の接地極に用いている場合、第三
に変圧器の接地極(E2接地)と分電盤の接地極(E3
接地)との間の大地間電気抵抗が1Ω以下の場合であ
る。第一と第二の場合は、いずれも特殊な接地方法であ
り、OA機器用電源工事全体に占める割合は僅かであ
る。また、第三の場合は、銅板を埋設するなどの特殊な
接地工法を用いない限りありえない。本治具で判定不能
となった場合は、従来通り分電盤のG極から検査対照コ
ンセントまで床上に工事用仮配線をする方法で検査する
ことになる。
【0023】今日では、性能価格比の良好な、ICを含
む各種部品が市販されているので、それらを適宜選別し
て使用することにより、本発明治具自体の性能価格比を
十分良好にすることができた。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0025】図1は本発明の一実施例である、接地極付
電源コンセントの配線状態検査治具の概略構成を示すブ
ロック図、図2はコンセントに対して分電盤のV極から
配線された線かG極から配線された線かを弁別するため
のブリッジ回路の構成を示す等価回路図、図3は単相1
00V電源の配線系統図を含む、本発明治具の主要部を
簡略化した回路図である。
【0026】本実施例の検査治具は、図1に示すよう
に、プラグを構成し、電源コンセントの各極に対応した
端子4a、4b、4cと、コンセントのU極30を弁別
するための情報を出力する回路46aと、V極とG極と
を弁別するための回路41aと、コンセントのU極30
を弁別するための情報を収集する際、V極とG極とを弁
別するための回路41aを、U極30、V極31および
G極32から分離すると共に、V極31およびG極32
の配線の抵抗の検出を行うためのブリッジ回路を構成す
るための入力部40と、前記回路46a、回路41aお
よび入力部40の動作を制御する制御部48と、これら
の各部に動作電力を供給するための電源部49とを有す
る。
【0027】コンセントのU極30を弁別するための情
報を出力する回路46aは、前記プラグの各端子に接続
にされ、対応するコンセントの各極間(30と31、3
0と32、31と32)に印加されている電圧を測定す
るための入力電圧測定部46と、測定された電圧を表示
するための表示部47とを備える。入力電圧測定部46
は、図3に示すように、抵抗460、461および46
3を介して、プラグのそれぞれ対応する端子4a、4b
および4cに接続される。
【0028】入力部40は、V極とG極とを弁別するた
めの回路41aを、U極30、V極31およびG極32
から分離するためのスイッチ406、407及び408
と、V極31およびG極32の配線の抵抗の検出を行う
ためのブリッジ回路を構成する検出抵抗401および4
02と、直流分の給電のための回路を構成する整流素子
400とを有する。
【0029】スイッチ406、407及び408は、例
えば、直流電源により点灯されるLEDとその発光に応
じて動作する3個の電子スイッチによって構成すること
ができる。
【0030】検出抵抗401及び402は、それらの一
端を相互に接続し、それぞれの他端を、コンセントのV
極31とコンセントのG極32に接続される端子4b、
4cに対応して、それぞれスイッチ407及び408を
介して接続される。これらの検出抵抗401及び402
と、前記コンセントのV極31から前記変圧器の接地さ
れた極10bまでの第1の経路の抵抗と、前記コンセン
トのG極32から変圧器の接地した極10bまでの第2
の経路の抵抗とで、ブリッジ回路が構成される。前記ブ
リッジの接続点405、10bに、直流分を給電するた
めの電源回路は、接続点405とU極30に通じる端子
4aとの間に、スイッチ406を介して整流素子400
を接続することにより、前記ブリッジの接続点405、
10bに、U極に誘起される電流を半波整流して直流分
を給電する。
【0031】V極とG極とを弁別するための回路41a
は、前記ブリッジの中点403、404に生じる電圧を
取り込んで、前記両者の抵抗差に比例した正負の電圧を
得るための抵抗差分検出部41と、前記抵抗差に比例し
た電圧を所定の基準電圧と比較して、分電盤のV極21
及びG極22から配線された線24、25がコンセント
のV極31及びG極32に正しく対応して接続されてい
るか否かを判定するための配線状態判定部44と、前記
判定結果を表示するための状態表示部45とを備える。
【0032】前記配線状態判定部44は、基準電圧と比
較して、前記抵抗差に比例した電圧が、第1の経路の抵
抗値より第2経路抵抗値が大きいことを示すとき、配線
が正しく行われていると判定し、これと反対のとき、配
線が正しく行われていないと判定して、結果を状態表示
部45に出力する。
【0033】本発明治具の、接地極付電源コンセントの
各極30、31、32に対応した、端子4a、4b、4
cからなるプラグは、検査対照コンセントに挿入して使
用する。分電盤のU極20、V極21、G極22からの
配線23、24、25は、それぞれ、コンセントの各極
に対応した端子30、31、32に接続するのが原則で
あって、本治具により測定して、そうでない(誤接続状
態)ことが判ったときは、コンセントの配線接続を改め
ることとする。治具の側では、実際には、分電盤のU極
に接続された線23を、コンセントの端子31又は32
に接続してしまうなどの誤接続をして、交流の高い電圧
(実際には100V又は200V)が本治具の突出端子
4b、4cの何れかに印加された場合でも、低電圧にし
か耐えられない高感度素子や部材、例えば、演算増幅器
に焼損事故が生じないように、その入力部にダイオード
412、ダイオード413を双方向に接続して、実際に
はダイオードの順方向導通時の電圧降下より大きい電圧
は演算増幅器に印加されないようにして保護している。
【0034】この治具の使用に際して、操作者は、ま
ず、分電盤のU極に接続された線23がコンセントの端
子30に正しく接続されていることを確認するために、
治具の操作スイッチ480を接点480a側に倒して、
数値表示部47に表示されるコンセントの各端子間の印
加電圧を読み取る。操作者は、コンセントのU極30と
他の二極との間の電圧が何れも高い電圧(実際には約1
00V)を示したとき、この接続が正しいと判定する。
次に、操作者は、治具の操作スイッチ480を接点48
0b側に倒して、分電盤からの配線24、25が、それ
ぞれコンセントのV極31とG極32に正しく配線され
ているかの検査作業に移る。治具の側では、この操作ス
イッチ480と後述する操作スイッチ481の状態を制
御部48が認識して、入力部40、数値表示部47及
び、状態表示部45をそれぞれ制御する。
【0035】入力部40では入力のハンドリング、即
ち、コンセントの各端子間の印加電圧を測定するための
状態にするか、分電盤からの配線24、25が、それぞ
れコンセントのV極31とG極32に正しく配線されて
いるかの判定を行うための状態にするかなどを、制御部
48からの制御を受けて切り換える。この切り換えは、
スイッチ406〜408によって行う。
【0036】入力電圧測定部46は、操作スイッチ48
0が接点480a側に倒してあるとき機能する。このと
き、制御部48は、スイッチ406〜408が全てオフ
となるように制御する。この状態で、入力電圧測定部4
6は、市販ICよりなるRMSコンバータで、コンセン
トの各端子間の印加電圧を真の実効値に相当する直流レ
ベル(1VDC/100VAC)に変換して出力する。
数値表示部47は、A/D変換器とディジタル表示を行
うLCDを備え、コンセントの各端子間の印加電圧を最
小値0.0Vから最大値199.9Vまで表示する。
【0037】なお、入力電圧測定部46には、端子4a
〜4cと操作者が治具を使用中に触れる恐れのある電源
部の端子490、491との間の抵抗値が1MΩ以上と
なるように、保護用の高抵抗460〜462を挿入して
ある。
【0038】抵抗差分検出部41は、操作スイッチ48
0が接点480b側に倒してあるとき機能する。このと
き、制御部48は、スイッチ406がオフ、スイッチ4
07及びスイッチ408が共にオンとなるように制御す
る。この状態において抵抗差分検出部41は、分電盤の
接地極12と変圧器の接地極11との間の地電位の直流
分14に直流地電位補償部の出力421の電圧を加算し
た電圧を出力する。
【0039】ただし、この出力には、地電位の交流分1
3(商用電源周波数及びその高調波)も含まれているの
で、地電位の交流分は低域フィルタ43(2次バターワ
ース型アクティブフィルタで、カットオフ周波数は0.
5Hz)で除去、補償する。
【0040】この出力電圧、即ち、直流地電位補償に必
要な電圧は、数値表示部47に備えたLCDに、0.0
00Vから±1.999Vの範囲で表示される。治具の
操作者は、この表示値が零となるように、直流地電位補
償部のポテンショメータ420を調整する。この操作に
より、直流地電位補償部の出力421には、直流地電位
14と絶対値が等しく極性が反転した直流地電位補償電
圧が得られる。
【0041】次に、治具の操作者は、操作スイッチ48
1を押下する。このとき、制御部48は、スイッチ40
6〜408が全てオンとなるように制御し、入力部40
は、コンセントに対して分電盤のV極から配線された線
かG極から配線された線かを弁別するためのブリッジ回
路を形成する。ブリッジの直流電源には、端子4aに印
加された交流電圧をダイオード400で半波整流して用
いる。ブリッジ回路に流す試験電流の値は、検出抵抗4
01、402によって決まるが、分電盤に設置してある
漏電検出器27が作動しないように3mA(実効値)以
下に抑制した。この状態において、抵抗差分検出部の出
力414には、端子4cから変圧器の接地してある極1
0bまでの抵抗値と端子4bから変圧器の接地してある
極10bまでの抵抗値の差分に相当した正負の直流電圧
が得られる。
【0042】ただし、この出力には、地電位の交流分1
3とブリッジ回路に流れる半波整流電流の交流分による
電圧変動(商用電源周波数及びその高調波)も現われる
ので、その交流分は、前記低域フィルタ43で除去、補
償しておく。なお、抵抗差分検出部は、入力電圧測定部
と同様に、端子4a〜4cと操作者が治具を使用中に触
れる恐れのある電源部の端子490、491との間の抵
抗値が1MΩ以上となるように保護用の高抵抗410、
411を挿入してある。
【0043】配線状態判定部44は、上記により得られ
た抵抗差分に相当する正負の直流電圧を増幅器440に
より50mV/Ωに増幅する。その出力電位は、コンパ
レータ441、442で抵抗差1Ωに相当する電位(±
50mV)と比較され、分電盤のV極に接続した線24
がコンセントのV極31に、分電盤のG極に接続した線
25がコンセントのG極32にそれぞれ正しく接続され
ている(コンパレータ441の出力がオン)か、否(コ
ンパレータ442の出力がオン)か、又は治具の端子4
c及び端子4bと変圧器の接地してある極との抵抗差が
1Ω以下で前記の判別が不能(論理素子443がオン)
かを、状態表示部の3個のLEDによリ、それぞれの場
合を区別して判り易く表示させる。
【0044】電源部49は、本治具の各部の動作に必要
な、安定化した直流電圧を発生する。この実施例では、
単3マンガン乾電池4本から±5Vの電圧を発生してい
る。なお、本治具は、1回の電池交換で、連続50時間
以上動作する。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分
電盤から接地極付電源コンセントに至る配線がコンセン
トの各極に正しく接続されているか否かを、安全かつ容
易に検査できる性能価格比良好な検査治具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した接地極付電源コンセントの配
線状態検査治具の概略構成を示すブロック図である。
【図2】接地極付電源コンセントに対して分電盤のV極
から配線された線かG極から配線された線かを弁別する
ためのブリッジ回路の構成を示す等価回路図である。
【図3】単相100V電源の配線系統図を含む、本発明
治具の主要部を簡略化した回路図である。
【図4】正しく配線された接地極付電源コンセントの配
線状態の例を示す図である。
【符号の説明】
1 単相100V変圧器 2 分電盤 3 接地極付電源コンセント 4 接地極付電源コンセントの配線状態検査治具 4a,4b,4c 検査用プラグの突出端子 10a,10b,20,21,22,30,31,32
端子 10 変圧器の出力側巻線 11 E2接地極 12 E3接地極 13 交流地電位 14 直流地電位 15 接地抵抗 16,17,18,23,24,25 正常配線 16a,17a,18a 配線抵抗 24a,25a 交差誤接続配線 26a,26b 過電流遮断器 27 漏電検出器 27a,27b 漏電遮断器 28 零相変流器 400 整流ダイオード 401,402 抵抗差検出用抵抗器 406,407,408 電子スイッチ 410,411,460,461,462 保護用高抵
抗器 412,413 保護用ダイオード 420 ポテンショメータ 440 差動増幅器 441,442 コンパレータ 443 論理素子 480,481 操作スイッチ 490,491 操作者が触れ易い端子 492 治具駆動用電池

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分電盤(2)の単相交流電源の変圧器
    (1)の出力側(10)の接地していない極(10a)
    に接続されたU極(20)、変圧器の出力側の接地して
    ある極(10b)に接続されたV極(21)、変圧器に
    接続されることなく分電盤で接地されたG極(22)に
    各々配線を介して接続すべき接地極付電源コンセント
    (3)の各極(30〜32)が分電盤の各極に正しく対
    応して接続されているか否かの配線状態を活線状態で検
    査するための、前記電源コンセントの各極に対応した端
    子(4a、4b、4c)からなるプラグを有する、接地
    極付電源コンセントの配線状態検査治具において、 前記コンセントのV極(31)から前記変圧器の接地さ
    れた極(10b)までの第1の経路の抵抗と、前記コン
    セントのG極(32)から変圧器の接地した極(10
    b)までの第2の経路の抵抗とを検出するための入力部
    と、前記入力部で検出された結果に基づいて、V極とG
    極とを弁別するための回路とを、コンセントのV極(3
    1)とG極(32)とが分電盤の対応するV極(21)
    及びG極(22)に正しく対応して配線されているか否
    かを調べるための要素として、少なくとも備え、 入力部は、 一端を相互に接続し、それぞれの他端を、コンセントの
    V極(31)とコンセントのG極(32)に接続される
    端子(4b、4c)に対応して接続して、前記コンセン
    トのV極(31)から前記変圧器の接地された極(10
    b)までの第1の経路の抵抗と、前記コンセントのG極
    (32)から変圧器の接地した極(10b)までの第2
    の経路の抵抗とで、ブリッジ回路を構成するための2本
    の検出抵抗(401、402)と、 前記ブリッジの接続点(405、10b)に、直流分を
    給電するための電源回路とを備え、 V極とG極とを弁別するための回路は、 前記ブリッジの中点(403、404)に生じる電圧を
    取り込んで、前記両者の抵抗差に比例した正負の電圧を
    得るための抵抗差分検出部(41)と、 前記抵抗差に比例した電圧を所定の基準電圧と比較し
    て、分電盤のV極(21)及びG極(22)から配線さ
    れた線(24、25)がコンセントのV極(31)及び
    G極(32)に正しく対応して接続されているか否かを
    判定するための配線状態判定部(44)と、 前記判定結果を表示するための状態表示部(45)とを
    備え、 前記配線状態判定部(44)は、基準電圧と比較して、
    前記抵抗差に比例した電圧が、第1の経路の抵抗値より
    第2経路抵抗値が大きいことを示すとき、配線が正しく
    行われていると判定し、これと反対のとき、配線が正し
    く行われていないと判定することを特徴とする、接地極
    付電源コンセントの配線状態検査治具。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記2本の検出抵抗
    (401、402)の抵抗値は、検査時に、前記コンセ
    ントのG極(32)に対応した前記端子(4c)又はコ
    ンセントのV極(31)に対応した端子(4b)から漏
    洩して、前記分電盤の接地極(12)に流れる交流電流
    の実効値が、当該分電盤に設置されている漏電検出器2
    7の作動電流より小さい電流となるように定められるこ
    とを特徴とする、接地極付電源コンセントの配線状態検
    査治具。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記ブリッジの接続点
    (405、10b)に、直流分を給電する電源回路は、
    前記コンセントのU極(30)と他の二極(31、3
    2)との間に印加される交流電源(10)の電圧を半波
    整流して給電する回路であり、そのための整流素子(4
    00)を有する、接地極付電源コンセントの配線状態検
    査治具。
  4. 【請求項4】請求項3において、V極とG極とを弁別す
    るための回路は、ブリッジの中点(403、404)に
    現われる交流電圧を除去するための低域フィルタ(4
    3)をさらに備える、接地極付電源コンセントの配線状
    態検査治具。
  5. 【請求項5】請求項4において、別電源系統からの漏洩
    電流により生じる直流地電位(14)を補償するための
    直流地電位補償部(42)をさらに備え、この直流地電
    位補償部(42)は、その補償電圧を前記抵抗差分検出
    部(41)に出力するものである、接地極付電源コンセ
    ントの配線状態検査治具。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5において、
    コンセントのU極(30)を弁別するための情報を出力
    する回路をさらに備え、この回路は、 前記プラグの各端子に接続にされ、対応するコンセント
    の各極間((30)と(31)、(30)と(32)、
    (31)と(32))に印加されている電圧を測定する
    ための入力電圧測定部(46)と、 測定された電圧を表示するための表示部(47)とを備
    えることを特徴とする、接地極付電源コンセントの配線
    状態検査治具。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記入力部(40)
    は、コンセントのU極(30)を弁別するための情報を
    出力する回路がコンセントのU極(30)を弁別するた
    めの情報を収集する際、V極とG極とを弁別するための
    回路を、U極(30)、V極(31)およびG極(3
    2)から分離するためのスイッチ(406、407、4
    08)をさらに備える、接地極付電源コンセントの配線
    状態検査治具。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6または7に
    おいて、検査治具を前記実際のコンセントに接続したま
    まの状態で、検査治具を作動させる電源の電池(49
    2)を交換する際、操作者が触れる恐れのある電源端子
    (490、491)と、プラグの各端子(4a、4b、
    4c)との間の抵抗値を、1MΩ以上として、操作者が
    前記端子に触れたときに人体に流れる電流を抑制するこ
    とを特徴とする、接地極付電源コンセントの配線状態検
    査治具。
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