JP2542720B2 - ヘリウム冷凍液化装置 - Google Patents

ヘリウム冷凍液化装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はヘリウム冷凍液化装置に関し、特にヘリウム
冷凍液化装置を自動運転するための機能を備えたヘリウ
ム冷凍液化システムに関する。
(従来の技術) 一般に、ヘリウム冷凍液化装置は、ヘリウム圧縮機で
圧縮された高圧ヘリウムガスを膨張機で断熱的に膨張さ
せる事によって低温ヘリウムガスを得、さらにジュール
トムソン効果によるエンタルピー膨張によってそのヘリ
ウムガスを液化するものである。
このようなヘリウム冷凍液化装置は、外置きの圧縮機
と、熱交換器、膨張機、およびジュールトムソン弁(J
−T弁)等が配管によって結合されて成るコールドボッ
クスとによって構成されている。
コールドボックス内の各部分は管路で連通され、その
入口と出口間の温度差は、室温から液体ヘリウム温度4.
2Kまでの温度変化に相当し、しかもそのコールドボック
ス内では気液2相の混合状態が共存する。このため、コ
ールドボックス内の弁の操作はただちに各部のヘリウム
ガスの状態変化を引き起こす事になるので、各種弁操作
を含むヘリウム冷凍液化装置の運転は複雑で熟練を要す
る。
このため、近年、計算機によるヘリウム冷凍液化装置
の自動運転が各所で行われている。しかし、その自動運
転の内状は、比較的運転方法が単純な液化専用運転か、
特定の被冷却対象物の冷凍および保液運転に限られてお
り、しかも、冷凍運転については、全自動の実施はまだ
非常に少ない。
ヘリウム冷凍液化装置の運転方法は、機種によっても
異なるが、通常は次の手順で行われる。液化の場合は、
まず圧縮機を起動し、安定したらその圧縮機をコールド
ボックスに接続し、バイパス弁を絞って吐出圧力を上
げ、一定圧力に達したら、膨張機を起動してコールドボ
ックス内の初期冷凍を行う。コールドボックス内に液化
ヘリウムが発生し始める頃に、コールドボックスを外部
液化ヘリウム容器(デュワー)に接続し、その容器内に
液を貯蔵する。所定液量に達したらデュワーを切離し、
圧縮機吐出圧力を減少させて、膨張機を停止し、コール
ドボックスを切離し、圧縮機を停めて、全停止となる。
このような運転操作のほか、実際には、液体窒素、原
料ヘリウムガスの供給および停止、真空系の運転、各種
弁類の開閉、各種パラメータの設定、次のステップに移
るための条件判断など多くの処理が行われる。
計算機による自動運転は、上記の運転工程を人間が操
作するのと同じようにシーケンスプログラムに従って順
次行うものであり、弁の開閉のタイミング、順序はもち
ろん、その開閉速度も制御される。このようなシーケン
ス制御と同時に温度圧力、液面などを一定に保つための
フィードバック制御も適宜行なわれる。さらに、他の各
種計測も行われ、必要に応じて警報を発し、必要な処理
を自動的に行う。
比較的単純な液化専用運転を行う場合においても、自
動運転から自動停止に至るまでの計算機の処理のステッ
プ数は、数千から数万ステップに及ぶ。
これを小規模のプロセス制御用計算機で行う場合、能
力的にあまり余裕が無い。
液化以外に数トンクラスの大形超電導マグネットを室
温から4.2Kまで冷却保持する冷凍運転に至っては、冷凍
液化機単体の冷却に加えて、昼夜にわたる予冷工程を数
日間行う事が必要になる。このような重量物をなるべく
速く冷却するには、冷却速度の制限もあるが、冷凍機の
能力を最大限に発揮しなければならない。しかし、一般
に用いられるブロワー制限機タービン膨張機は、温度と
圧力によって決まる負荷の範囲によっては許容回転速度
を越えて破損する恐れがあるので、被冷却物の温度に応
じて、制動力を変えるだけでなく、圧縮機の吐出圧力を
変えて、膨張機の負荷を調整する必要がある。
この調整は、液化の場合には被冷却対象物が決まって
いるから一度設定しておけば問題ないが、冷却対象物が
重量物でしかもその都度変わる場合には、膨張機負荷の
調整のタイミング、調整期間などを変化させなければな
らない。
このような問題があるため、ヘリウム冷凍液化装置の
計算機による自動化の対象としては、液化運転のみか、
特定冷却対象物に限定された専用プログラムによる冷却
運転に限られることが多かった。
また、冷凍液化装置の運転手順においては、圧縮機の
起動および停止、膨張機の起動および停止、圧縮機吐出
圧力の昇降圧、その他多くの基本運転要素に共通の手順
がある。このため、冷凍運転や液化運転間で共通な運転
プログラムの部分を流用することにより、限られた計算
機容量を有効に用い、一つの計算機プログラムに多機能
を持たせることが可能であり、これによって汎用性の高
い自動ヘリウム冷凍液化装置を実現することが出来る。
なお、膨張機の負荷調整法と、被冷却物の予冷法につ
いては、本発明の特徴とする運転の自動化手法を理解す
る上で重要であるので補足説明する。
膨張機の速度調整法には、例えば、ボロワー制動式の
ように、膨張タービンの軸の他端に取付けられたブロワ
ーで発生するブレーキ回路内の流れを絞り弁で絞り、膨
張仕事を冷却水で冷却除去する方法が一般的である。
しかし、室温から数十Kまで変化する温度と、数気圧
から十数気圧まで変化する圧力のもとで、大きく変化す
る膨張機の速度と負荷を、液化運転および冷凍運転の全
域で調整することは、構造的、機能的な制約の多いブレ
ーキシステムにとっては無理な注文である。このため、
従来は、ブレーキシステムが有効に作動するように、膨
張タービンの入口弁を調整するか、圧縮機の吐出圧力を
調整する方法を用いていた。この操作を人間が行う場
合、タービン入口弁の変化はタービン回転数に敏感で、
調整によっては大きくバランスを崩すこともあり、ター
ビン入口弁の調整よりも、圧縮機吐出圧力調整の方が、
変化を小さく調整できるので安全である。しかしどちら
にしても圧縮、温度を常時監視しながらの調整が必要と
なる。
一方、大形超電導マグネットなどの冷却を行う場合、
急激な冷却による熱応力増大を防ぐため、冷媒温度とマ
グネットの温度差を許容範囲内におさえることが必要で
あるが、その反面、最短時間で予冷したい所望もある。
この要求を満たす方法としては、これまでの多くの経験
により、超電導コイルを収容するヘリウム容器内の圧力
を0.6〜0.8kg/cm2程度の値に一定保持することによっ
て、冷媒温度と被冷却体温度の差を許容範囲内の100K以
内にし、これによって室温から20K以下までの冷却を効
果的に行なえるようにできることが判っている。もちろ
ん、冷却速度は冷凍機の冷却能力にもよるが、定常時の
冷却熱負荷と見合った冷凍機であれば、おおむね上記の
経験則があてはまる。この方法はヘリウム冷凍液化シス
テムの運転プログラムの簡略化において効果的である。
(発明が解決しようとする課題) 従来のヘリウム冷凍液化装置では、計算機容量による
制限等によって、その液化運転のみ、あるいは特定対象
物の冷凍運転でしか自動運転を行うことができず、手動
による複雑な運転操作が必要となる欠点があった。
この発明はこのような点に鑑みなされたもので、自動
運転のための計算機プログラムの中で、基本運転要素と
なる部分のプログラムを各種運転で流用し、限られた計
算機容量の中で複数の自動運転モードを選択し実行でき
る自動ヘリウム冷凍液化装置を提供することを目的とす
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、ヘリウム冷凍液化装置を自動運転するヘ
リウム冷凍液化システムを提供するものであり、ヘリウ
ム冷凍液化装置本体の液化運転モードの自動運転プログ
ラムをベースに、冷凍、昇温、回収精製の何れかの運転
モードに対応した運転プログラムにおける運転工程の異
なる部分を、前記自動運転プログラムと同一プログラム
部分を流用して並設して成るシステム運転プログラムに
従って動作制御され、指定された所定の運転モードに応
じた自動運転プログラムを前記システム運転プログラム
上で選別実行することにより前記ヘリウム冷凍液化装置
本体を所定の運転モードで自動運転する自動運転制御手
段を具備している。
(作用) この発明によるヘリウム冷凍液化装置においては、シ
ステム運転プログラム上で、液化運転モードの自動運転
プログラムをベースに、運転工程の異なる部分につき別
のプログラムが並設されているので、例えば予め複数の
運転モードについてそれぞれ設定したフラグによって、
同一プログラム上で共通の工程、異なる工程を各モード
に応じて選別できる。したがって、ヘリウム冷凍液化装
置を複数の運転モードで自動運転することが可能にな
る。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の実施例を説明す
る。
第1図にはこの発明の一実施例に係わるヘリウム冷凍
液化装置のシステム構成が概略的に示されている。この
ヘリウム冷凍液化装置は、図示のように、ヘリウム圧縮
機18およびコールドボックス23等を含む自動ヘリウム冷
凍液化機本体と、ガスバック11、回収圧縮機12、低温精
製機13、液体窒素貯槽14、不純ガス容器15、純ガス容器
16、バッファタンク17、加温器19、超臨界ヘリウム(SH
E)装置20、液体ヘリウム貯槽21、クライオスタット22
および各種弁等とが断熱配管や一般配管によって連結さ
れて構成されている。コールドボックス23は、2段構成
のターボー膨張機24a,24b、ジュールトムソン弁(J−
T弁)25、さらには熱交換器や各種弁等が配管によって
結合されて構成されている。このように構成されるヘリ
ウム冷凍液化装置の自動運転のための制御は、システム
制御部30によって実行される。
このシステム制御部30は、オペレータにより操作され
るコンピュータ端末機、およびコンピュータ端末機から
の制御指令に応答してヘリウム冷凍液化装置の運転を制
御するコントロール部を有するコンピュータシステムで
あり、ヘリウム冷凍液化装置を複数の自動運転モードで
運転するために、基本運転プログラム上に並設された各
種プログラムを選択することにより各種自動運転プログ
ラムを同一プログラム上で選別実行する機能を有してい
る。
次に、第2図のフローチャートを参照して、システム
制御部30によるヘリウム冷凍液化装置の自動運転のため
の制御処理手順を説明する。
第2図のフローチャートは、本発明による自動運転プ
ログラムのうち、20K冷凍運転モードのプログラムを液
化運転モードの基本運転プログラムに盛り込んだ場合を
示した例であり、実際には20K冷凍運転モードのプログ
ラムのほかに、さらに他の運転モードのプログラムが液
化運転モードの基本運転プログラムに盛り込まれる。ま
た第2図では、自動運転の全工程を各単位運転工程ブロ
ックに分けて圧縮表示されている。
すなわち、第2図のフローチャートにおいて、ステッ
プS1〜S10はそれぞれ自動液化運転プログラムの運転工
程ブロックであり、ステップS11〜S13は20K冷凍運転プ
ログラムの運転工程ブロックの一部であり、ステップS1
4〜S16は液化運転モードか20K冷凍運転モードかを判別
するブロックである。このような各運転工程ブロック内
には、ヘリウム冷凍液化装置を構成する各機器の起動お
よび停止、増減速、弁類の開閉などが行われるようなプ
ログラムが内蔵されている。
ヘリウム冷凍液化装置の自動運転を行う場合には、ま
ず、システム制御部30のコンピュータシステムに電源が
投入され、その後オペレータによるコンピュータ端末の
キーボードの入力操作が行われ、こによってグラフィッ
クパネル上に画面表示されている複数の運転モードの中
から例えば20K冷凍運転モードが選択指定される。この
操作によって、20K冷凍運転のフラグがONされ、運転が
停止するまで、ONの状態が保持される。この結果、ステ
ップS14の判断ブロックにおいて、20K冷凍運転モードが
選択される。
次にステップS1のブロックにおいて、各種弁類の開閉
状態のチェック、さらにはヘリウム圧縮機18の冷却水、
電源、バイパス弁の状態などがチェックされ、起動条件
が満足されていれば、ステップS2の圧縮機起動工程に処
理が進められる。この圧縮機起動工程においては、圧縮
機18が起動されると共に、バイパス弁が閉じられて昇圧
が行われ、ターボ膨張機24a,24bを起動出来る程度の圧
力に吐出圧力が保持される。
この後、ステップS15の判断ブロックで、20K冷凍運転
モードか、液化運転モードかの判断が行われ、液化運転
モードの場合は、次のステップS3のブロックに処理が進
められ、そこでターボ膨張機24a,24bの起動が行われ
る。一方、20K冷凍運転モードの場合には、ステップS3
の処理に入る前に、ステップS11のクライオスタットの
接続工程処理が行われる。
このクライオスタットの接続工程処理では、冷凍液化
装置本体とクライオスタット22が接続され、冷却ヘリウ
ムガスが被冷却対象物に供給されて循環される。この冷
却ヘリウムガスの循環中においては、コールドボックス
23内部の第1熱交換器HX−1に被冷却対象物からの水
分、空気およびその他の不純物が吸着される。この第1
熱交換器HX−1には液体窒素が供給されているのでトラ
ップ効果があるが、供給ガスとクライオスタット22から
の戻りガスが向流熱交換し、この過程では冷却効果は発
生しない。もしも不純物発生中に膨張機24a,24bが起動
されると、不純物が冷却されて膨張機24a,24b回りの管
路を閉塞して運転不能を引き起こすが、第1熱交換器HX
−1は充分な表面積をもっており、不純物吸着による閉
塞は起こらない。このような不純物の吸着運転がタイマ
ーによって数時間続けられた後、ステップS3のブロック
に処理が進められる。
ステップS3のブロックでは、前述したターボ膨張機24
a,24bの起動が行われる。つまり、圧縮機吐出圧力を一
定にして膨張機入口弁をプログラムにより一定速度でゆ
っくり開きながら全開とし、そしてブレーキ回路の絞り
弁を調整して膨張機の回転速度を一定に保つ。
次に、ステップS16の判定ブロックに処理が進めら
れ、液化運転モードの場合にはステップS4の液化準備工
程に処理が進められ、一方20K冷却運転モードの場合に
はステップS12の20K冷凍運転工程に処理が進められる。
液化運転モードでは、まず、ステップS4の液化準備工
程において圧縮機18の吐出圧力がさらに昇圧され、冷凍
液化装置本体のバイアス弁がゆっくり閉じられていて冷
凍液化装置本体内の冷却が充分に行なわれる。次いで、
ステップS5のブロックに処理が進められて、そこで冷凍
液化装置本体に液体ヘリウム貯槽21(液溜め用デュワ
ー)が接続される。そして、ステップS6の液化運転工程
で、圧縮機18の吐出圧力の最終段階までの昇圧が行なわ
れ、液体ヘリウム貯槽21内への液化貯槽が続けられる。
この後、ステップS7の液化停止工程に処理が進められ、
液体ヘリウム貯槽21内の液位が設定値に達するか、原料
ガスの供給圧力が設定値以下になるか、設定時間に達す
るかなどの判断により、原料ガスの供給停止時期を検出
され、最適なタイミングで原料ガスの供給が停止され
る。この結果、圧縮機18の吐出圧力が設定値以下になっ
たら、ステップS8の工程に処理が進められて、そこで冷
凍液化装置本体と液体ヘリウム貯槽21(液溜め用デュワ
ー)間の出入り口弁が順次閉じてられて、両者が切り離
される。次に、ステップS9の膨張機停止工程では、膨張
機24a,24bの入口弁がゆっくり閉じられ、膨張機24a,24b
が停止される。そして、次の最終ステップS10で、圧縮
機18が停止され、プログラムの各種フラグ類、設定値そ
の他を初期設定値に戻すなどの後処理工程が行なられた
後、プログラムシーケンスが終了される。
なお、液化運転モードでは、膨張機の回転速度の再設
定はステップS4の処理において冷凍液化装置本体内の予
冷が十分行われた時点で行われ、運転停止までそのまま
保持される。
一方、20K冷凍運転モードでは、まず、ステップS12の
20K冷凍運転工程に処理が進められる。ここでは、すで
に被冷却対象物に冷却ガスが供給され、しかも膨張機24
a,24bが運転されているから冷却が直ちに開始される。
冷却が進行され、冷却液化装置本体内の温度が所定温度
以下になったら、圧縮機18の吐出圧力が所定圧力まで昇
圧される。この段階ではまだ被冷却対象物の温度は高い
ので、冷却液化装置本体に戻る冷却ガス温度も高いた
め、膨張機24a,24bの入口圧力と温度の関係がバランス
しない。したがって、設定した吐出圧力に対して、設定
した回転数がマッチせず、回転数が次第に上昇し、つい
にブレーキ作用が利がなくなって、さらに回転数が上昇
される。そこで、この発明のシステム制御部30には、回
転数が危険域に達する前に、予め設定された回転数に達
したら圧縮機18の吐出圧力を膨張機24a,24bのブレーキ
が利く範囲まで下げて保持し、その回転数が別に設定さ
れた安全な値を越えなくなるまで被冷却対象物を冷却し
た時点で、吐出圧力を再び前に設定した値に復帰させる
ための機能が設けられている。
一方、ステップS11で実行されるクライオスタット22
と液化冷凍装置本体との接続処理の実行時点で、被冷却
対象物を冷却するガス圧力を0.6〜0.8kg/cm2の範囲の値
に自動保持しておけば、冷却は効果的かつ適切に行われ
る。この圧力範囲は限定されるものではないが、必要以
上に高い圧力はクライオスタット22のコストアップにつ
ながるので好ましくない。
このような状況で冷凍運転が進行し、被冷却対象物の
最高温度が約20Kという設定値に達してたら20K冷凍運転
の停止工程に入る。停止工程においては、まずステップ
S13において、クライオスタット22と冷凍液化装置本体
との間の出入口弁が順次閉じられ、両者を切り離され
る。次に原料ガスの供給が止められて、圧縮機18の吐出
圧力が所定圧力以下になったら、前述したステップ9の
膨張機停止工程、そしてステップS10の圧縮機停止およ
び後処理工程と処理が進められ、20K冷凍運転の全シー
ケンスを終わって終了する。
ここでは、特に説明しなかったが、第2図の各運転処
理工程では、実際には各種条件判断が多々行なわれてお
り、その判断のために各運転モードのフラグが使用され
ていることはもちろんである。また、20K冷凍運転を液
化運転工程に組み込む場合のみを例示したが、他の運転
モード、例えば4K冷凍運転、昇温運転、SHE冷凍運転、
回収精製運転なども、20K冷凍運転と同様に、同一プロ
グラム部分を流用して、液化運転工程に織り込むことが
出切る。ただし、回収精製運転の場合は、他と異なり、
流用部分が少ないので大部分は追加プログラムとなる。
ここで、他の運転モードについて説明する。
4K冷凍運転とは、膨張機18によって被冷却対象物を約
20Kに冷却後、ジュールトムソン効果(JT効果)により
約4.2Kのヘリウムの液化温度まで冷却するもので、この
運転を継続すると、貯液が行われる。この運転は20K冷
凍運転に引続いて行われるが、冷凍回路が異なるため、
その切換えが必要である。このため、4K冷凍運転を行う
場合には、前述の20K冷凍運転終了時点で4K冷凍運転フ
ラグの判断によりプログラムの運転シーケンス上の分岐
を行い、これによって4K冷凍運転プログラムの実行に移
る。第2図にはこの分岐を図示していないが、ステップ
S12の処理でこの判断を行うことができる。また、この
場合の運転停止は20K冷凍の場合と同じである。
また、4K冷凍運転では、運転を継続すればヘリウム容
器に液体ヘリウムが貯液し、100%液位で液面が保持出
来るが、一般に貯液には多くの時間を要するので、実際
には4K冷凍運転の途中で他のデュワーから送液して貯液
することが多い。この場合、一旦4K冷凍運転を中止し、
その間に外部デュワーによる送液を行い、ある液位以上
で再び4K冷凍運転に復帰して、100%液位で保持するよ
うにすると都合がよい。このような注液運転モードを付
加運転モードとしてフラグ設定しておけば、4K冷凍運転
の後半でフラグの判断を行って、この注液運転モードを
行うこともできる。
同様に、20K冷凍運転においても、被冷却対象物と冷
却ヘリウムガスとの温度差が設定温度差以上にならない
ように、供給ガスにバイパスの室温ガスを混合して温度
調節を行う温度調節運転を付加モードとして設定でき
る。なお、このモードは昇温運転にも使われる。
SHE冷凍運転は、超臨界ヘリウムによる冷却を行う場
合の運転で、特殊なものであるが、4K冷凍運転に引続い
て行われる。
昇温運転は、被冷却対象物を室温まで昇温するもの
で、膨張機の運転は行わず、ステップS1とS2の2つのブ
ロックの処理工程を終了した時点でフラグ判断により、
昇温運転プログラムに分岐する。
さらに、この冷凍液化システムにおいては、前述した
ような計算機による自動運転のほかに、手動と自動を切
り替えて運転することも可能である。後者は、自動調節
弁の空気圧力や電気による入力信号を、計算機からの信
号と手動操作器からの信号に分けて、両者を電磁弁や、
スイッチで一括切換えを行うことで実現できる。
以上のように、この冷凍液化システムにおいては、液
化運転モードの自動運転プログラムを基本に同一プログ
ラムを流用して、他の運転モードの運転プログラムをそ
の基本プログラムに織り込むことによって、プログラム
のコンパクト化が計れると共に、被冷却対象物が変化す
るような場合には極めて有用な冷凍液化装置となる。
また、オーペレータがグラフィック画面上で容易に各
運転モードを選択でき、ワンタッチに近い操作での運
転、停止を実現できる。
さらに、被冷却対象物の冷凍運転中に、負荷変度によ
る膨張機の暴走を防止するための手段として、設定回転
数以上で、圧縮機の吐出圧力を設定値まで下げ、設定回
転数以下で再び復帰するプログラムを付加することによ
って、複雑な膨張機負荷の計算と未知のパラメータを含
む制御プログラムの使用を回避して、一層のプログラム
の簡略化が計れる。また、被冷却対象物の過度な冷却、
昇温を防止するための冷却方法として、ヘリウム容器内
圧力を適当な値に設定する方法により、やはり複雑な制
御プログラムを回避してプログラムの簡略化が計れる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、自動運転プログラ
ム上で、液化運転モードの自動運転プログラムをベース
に、運転工程の異なる部分につき別のプログラムが並設
されているので、例えば予め複数の運転モードについて
それぞれ設定したフラグによって、同一プログラム上で
共通の工程、異なる工程を各モードに応じて選別でき
る。従って、限られた計算機容量の中で、複数の自動運
転モードを実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係るヘリウム冷凍液化装
置のシステム構成を示すブロック図、第2図は第1図に
示したシステムに設けられているシステム制御部による
制御処理動作の一例を説明するフローチャートである。 11……ガスバッグ、12……回収圧縮機、13……低温精製
器、14……液体窒素貯槽、15……不純ガス容器、16……
純ガス容器、17……バッファタンク、18……ヘリウム圧
縮機、19……加温器、20……SHE装置、21……液体ヘリ
ウム貯槽、22……クライオスタット、23……コールドボ
ックス、24a,24b……ターボ膨脹機、25……ジュールト
ムソン弁、30……システム制御部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動運転機能を備えたヘリウム冷凍液化装
    置において、 ヘリウム冷凍液化装置本体の液化運転モードの自動運転
    プログラムをベースに、冷凍、昇温、回収精製の何れか
    の運転モードに対応した運転プログラムにおける運転工
    程の異なる部分を、前記自動運転プログラムと同一プロ
    グラム部分を流用して並設して成るシステム運転プログ
    ラムに従って動作制御され、指定された所定の運転モー
    ドに応じた自動運転プログラムを前記システム運転プロ
    グラム上で選別実行することにより前記ヘリウム冷凍液
    化装置本体を所定の運転モードで自動運転する自動運転
    制御手段を具備することを特徴とするヘリウム冷凍液化
    装置。
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