JP2542581B2 - 電子銃電極構体 - Google Patents

電子銃電極構体

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JP2542581B2
JP2542581B2 JP61089303A JP8930386A JP2542581B2 JP 2542581 B2 JP2542581 B2 JP 2542581B2 JP 61089303 A JP61089303 A JP 61089303A JP 8930386 A JP8930386 A JP 8930386A JP 2542581 B2 JP2542581 B2 JP 2542581B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は、インライン型カラー陰極線管用電子銃の電
子レンズに於ける解像度を改善する電極構体に関するも
のである。
<従来の技術> 陰極線管用電子銃の解像度は主として電子レンズの球
面収差に制約され、高解像度特性を得るためには主電子
レンズを構成する電極口径を大きくして、電子レンズの
球面収差を小さくする必要がある。電子ビームの通過す
る三つの開孔が一直線上に配列されたインライン型電子
銃では、単純に主電子レンジ口径を大きくすれば、開孔
間距離である離心距離が大きくなると共に、電子銃を封
止する陰極線管ネック径を大きくする必要がある。
一般に、離心距離の増大は三本の電子ビームを螢光面
上全域にわたって一点に集中させるコンバージェンス特
性を劣化させ、更にネック径の増大は陰極線管使用時に
偏向電力の増大をまねき、いずれも望ましいことではな
い。
そこで第4図〜第6図に示す様に、インライン型電子
銃の離心距離Sとネック径を変更することなく、主電子
レンズ構成電極の口径を大きくする方法として、出願人
は特開昭60−9036号に示す様に三つの開孔離心距離S以
上の口径D0を持ち、三つの開孔を互に重畳してインライ
ン配列した連通孔状の凹陥部を備え、その底部に突状縁
付独立開孔を備えた電極構造を提案している。
第4図はこの提案に基づいた集束電極である閉塞筒状
体電極1の要部切欠き斜視図、第5図は上面図、第6図
は側断面図、第7図は上記構造の電極を集束電極である
G3電極18と、陽極電極であるG4電極19として互に対向さ
せてバイ・ポテンシャル・フォーカス方式主電子レンズ
を形成した電子銃構体の側断面図を夫々示す。閉塞筒状
体電極1は第一閉塞面12には開孔離新距離S以上の口径
D0を持った三つの開孔11R,11G,11Bが互に重畳して欠円
状重量形状となつた連通孔状凹陥部11が形成され、第1
閉塞面12に垂直な筒側部13の開放端側には閉塞面に平行
な電極支持子14を持った鍔状縁15が一体に形成されてい
る。凹陥部11は第一閉塞面12から開孔径D0の0.2〜0.6倍
の距離h0だけ離れた電極内部に形成され、その底面は第
一閉塞面12に平行な第二閉塞面を形成しており、三つの
開孔11R,11G,11Bが互に連通され、重畳した三つの開孔
周囲は開孔重畳部にくびれ部17を持った連続した高さh0
の側壁11Wで囲まれている。
更に、連通孔状凹陥部の第二閉塞面11には三つの開孔
11R,11G,11Bと同軸でその開孔径D0より小さい口径D1
持った、夫々が独立した完全円孔を形成した開孔16R,16
G,16Bが穿設され、その夫々の口縁部は高さhj1の突状縁
16Wで囲まれている。
この構造の電極を第7図に示す様に、集束電極である
G3電極18と陽極電極であるG4電極として対向させて形成
された中央及び、両外側開孔部の電子レンズは重畳型大
口径部とこれに続く独立完全円孔部の相互作用で球面収
差は極めて小さく、中央及び両外側電子レンズの開孔配
列方向である水平方向、これに垂直な方向でのレンズ作
用は等質となり、電子レンズの解像度特性は著しく向上
する。
<発明が解決しようとする問題点> 然るに、上記構造の電極構造では三つの開孔が互に重
畳されてインライン配列さた連通孔状の凹陥部底面に突
状縁形面に突状縁付縁付の独立した完全円孔が一体形成
されているため構造が比較的複実となり電極形成加工が
困難となる欠点があった。この場合、連通孔状凹陥部の
形成、及び凹陥部底面内に所定高さh1を持った突状縁付
独立円孔の形成が特に困難となる。
更に、第一閉塞面12の重畳形開孔径D0を大きくして、
その開孔相互の重畳度を大きくするに従つて、中央及び
両外側電子レンズの球面収差は一層低減するが、中央開
孔11Gと両外側孔11R,11B間のくびれ部17の幅が大きくな
り、中央開孔部の電子レンズは水平方向の集束作用が垂
直方向より弱くなる非点収差が顕著となってくる。この
ため水平方向の最適集束電圧が垂直方向のそれより低く
なり、中央電子レンズで結像される螢光面上の電子ビー
ムスポットは著しく横長となり、その解像度は両外側電
子レンズより劣化する欠点があった。
本発明は上述の欠点に鑑みてなされたものであり、閉
塞面に三つの開孔を互に重畳させてインライン配列した
連通孔状開孔を穿設した電極と、この電極内部に突状縁
付独立開孔を備え、前記閉塞面から所定距離隔てて対向
させた電極を配設した電極構体によって主電子レンズを
構成し、電極形成加工上の困難や、寸法上の制約に限定
されることなく、且つ中央部及び両外側電子レンズの解
像度特性を均一にし、解像度の極めて優ぐれ、単純な構
成で、その電極形成が容易な電極を有した電子重電極構
体を提供するものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明は、閉塞筒状電極の閉塞面にインライン配列さ
れる三つの開孔間離心距離以上の開孔径を持つ、三つの
開孔を重畳させて欠円状重畳型形状となった連通孔をそ
の孔部が閉塞面から突出することなく穿設し、この電極
内部に突状円付縁付独立開孔を備えて、前記閉塞面か所
定距離隔てられ、且つ突状縁先端が閉塞面と反対側に突
出するように配置される入れ子状の補助電極とで主電子
レンズ電極溝体を構成し、一対の前記電極構体を連通孔
穿設面が互いに対向するように離間させて主電子レンズ
を形成すると共に、上記電極構体の少なくとも一方の連
通孔中央開孔径を両外側開孔径より小さくしたものであ
る。
この様に電極を構成することによって、主電子レンズ
部を構成する開孔部構造を非常に単純化出来、その電極
成形は容易となり、更に重畳形開孔径は従来の凹陥部を
有した電極より一層大きく設定することが可能となり、
且つ連通孔と補助電極の独立開孔各々の中心は入れ子構
造で一意的に、高精度に決定でき、中央と両外側開孔部
の電子レンズ作用を開孔配列方向である水平、及びこれ
と垂直方向と同一にして解像度特性の極めて優れた大口
径電子レンズとすることが可能となる。
<実施例> 以下に図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図(a),(b)は本発明の一実施例に基づく閉
塞筒状体電極の斜視図、第2図は前記電極2へ入れ子
状に配設される補助電極の斜視面、第3図はこれら電
極を組み合わせた電極構体をG3電極4、G4電極4′とし
て対向配置してバイ・ポテンシャル・フォーカス型電子
レンズを構成した電子銃電極構体の側断面図を夫々示
す。
閉塞筒状体電極2は第1図(a)に示す様に、大略長
円形状の閉塞面22とこれに垂直な筒側部23、及びこれに
連続して筒側部23に垂直に張り出された電極支持子24を
持った鍔状縁25が一体に形成されている。閉塞面22には
開孔間中心距離である開孔離心距離S以上の中央開孔径
DC、及び両外側開孔径DSを持ってインライン配列された
中央及び両外側開孔21G,21R,21Bを重畳させて円弧のみ
で構成された欠円状重畳型形状となった連通孔21が穿設
されている。然るに開孔径DC,DSと離心距離Sとの関係
はDS>DC5>Sとなっており、第1図(b)に示す様に
連通孔の中央開孔21Gは両外側開孔21R,21Bより小さく設
定されている。
第2図に示す補助電極3は第3図中に示す様に、閉塞
筒体状電極2の内側に入れ状に嵌合する閉塞筒状体であ
り、閉塞面32とこれに垂直な筒側部33、筒側部に垂直に
張り出された前記鍔状縁25に一致する電極支持子34を持
った鍔状縁35が一体に形成されている。閉塞面32には開
孔離心距離S以下で完全円孔を形成する口径D1を持って
インライン配列された三つの開孔31,31G,31Bが穿設さ
れ、その夫々は内部に突出し、高さh1の突状縁31Wで囲
まれている。閉塞筒状体電極2と補助電極3の筒側部長
は第3図に示す様に、補助電極3を閉塞筒状体電極2内
に嵌合させ鍔状縁25,35を重ね合せた時、双方の閉塞面
間距離が所定の高さh0となるように設定されている。さ
らに、連通孔21と補助電極3の独立開孔中心は入れ子構
造となっているため、一意的に、高精度に位置決めされ
る。
第3図に示す様に、閉塞筒状体電極2に補助電極3を
嵌合させて構成された電極構体をG電極4、G4電極4′
として所定距離隔て各開孔を同軸上に対向させてバイ・
ポテンシャル・フォーカス型の電子レンズを形成すれ
ば、各軸上には重畳型大口径を持つ連通孔21とその奥の
突状縁31Wを持った独立開孔部31R,31G,31Bの夫々とで電
子レンズが形成される。然るに、連通孔21部には独立開
孔31R,31G,31Bの夫々に形成される孤立した電子レンジ
より大口径で球面収差の小さい電子レンズが形成され、
その大口径電子レンズは開孔配列方向である水平方向で
は互に重畳しているが、小口径電子レンズを形成する補
助電極3の突状部31Wの高さh1をその開孔径D1の1/3以上
とすることによって重畳による収差を除去出来る。従っ
て、重畳型大口径電子レンズと独立の小口径電子レンズ
の合成効果として、離心距離Sを保った各電子銃の軸40
R,40G,40B上にあって、G3電極4とG4電極4′の対向部
には独立した球面収差の極めて小さい大口径電子レンズ
が形成されることになる。独立開孔31R,31G,31Bが形成
された閉塞面32と連通孔21が形成された閉塞面22間の距
離h0(第3図)は計算機を用いたシュミレーションと実
験により、重畳型開孔径DC,DSの0.2〜0.6程度に選べば
最良の集束特性が得られることを見い出した。
一方、連通孔21の中央開孔21Gの口径DCは両外側開孔2
1R,21Bの口径DSより小さく設定されているため、中央開
孔21Gの垂直方向集束作用を中央及び両外側開孔部共等
径とした場合より弱めることが可能となった。即ち、口
径DCを適切に選ぶことによって、中央開孔21Gの垂直方
向集束作用を弱めて水平、垂直方向の最適集束電圧を一
致させることが出来、中央開孔部の電子レンズ収束作用
を均一にし、電子ビームスポットの横長歪を円形状に
し、その非点収差を除去出来る。特にこの効果は集束レ
ンズが形成されるG3電極4側の重畳型開孔径は等しく
し、発散レンズが形成されるG4電極4′側に本発明の実
施例を適用した場合に顕著となる。更に、くびれ部27の
幅Gは三つの連通孔部口径を等しくした場合より小さく
出来るため両外側開孔部電子レンズの中央開孔側レンズ
集束作用を強めることが可能となり、そのレンズ作用も
より均一に出来て、解像度の極めて優れた電子レンズと
することが出来る。
この様な電極構成にすることで、大口径DC,DSを持っ
た連通孔部21は閉塞面22へ単に連通孔開孔を穿設するだ
けで、その周囲に側壁を形成する必要がないため、その
孔部形成は極めて容易となる。また、その連通孔21周囲
に側壁が不要である。開孔DC,DSは電極形成に伴う寸法
上の制約を考慮する必要がなく、閉塞面22の短辺幅以下
なら任意に大きく設定可能となる。一方、補助電極3は
連通孔部21を持った電極本体と別に形成されるため、両
者の相対距離h0、及び突状縁の高さh1やその開孔径D1
連通孔部21の形状に一切制限されることなく自由に設定
可能であり、電極形成は極めて容易となる。
第1図の代表的な寸法の一実施例を示すと、S=5.60
mm,D1=4.8m,DC=7.2mm,DS=7.50mmとなる。
以上の説明では、第3図のG4電極4′もG3電極4の各
開孔離心距離も便宜上同一のSであるように述べて来た
が、実際には三つの陰極からG3電極内迄は電子銃の軸40
R,40G,40B上を平行に進んで来た三本の電子ビームを
(図示しない)螢光面上で静電気的に一点に集中させる
ため、電極4′の連通孔か、補助電極の独立開孔の少く
ともいずれか一方の開孔離心距離S′を前記S値より若
干大きい値に設定し、その外側開孔を偏心させる必要が
ある。ここに第3図では一例としてG4電極4′の連通孔
の両外側開孔離心距離のみ上述のS′値に設定されてい
る。
又、突状縁付独立開孔を備えた補助電極は上述の説明
の様に閉塞筒状体電極形状に限定されることなく、例え
ば突状縁付独立開孔を形成された板状電極が連通孔部か
ら所定距離h0だけ離間するように構成されればよく、そ
の位置決め方法を含めた電極形状はどのように形状であ
ってもよい。
更に、上述の説明では主電子レンズがバイ・ポテンシ
ャル・フォーカス型をとる場合について行ったが、本発
明はこれに限定されることなく、多段集束型電子レンズ
等にも適用出来ることは云うまでもない。
<発明の効果> 以上述べた様に、開孔離心距離以上の大口径を持った
連通孔部は閉塞筒状体電極の閉塞面に重畳型欠円状の連
通孔を穿設するだけでよく、開孔部形成は非常に容易
で、且つその孔径は閉塞面の短辺幅以下なら任意に大き
く設定出来て、簡単な構成により中央及び両外側電子レ
ンズの水平、垂直方向集束特性を一致させて、大口径電
子レンズ部による解像度特性を著しく向上させることが
出来る。その上、連通孔状大口径電子レンズ部に対向す
る突状縁付独立開孔を備えた補助電極は連通孔部をもっ
た電極本体と別になっているため、両者の相対位置や、
突状縁の径や高さを前者の連通孔形成との関係で制約さ
れる寸法上の制限を一切受けないで任意に設定可能であ
り、独立開孔部を構成する補助電極形成が容易であるば
かりでなく、電子レンズ系の最適設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明の一実施例に基づく閉塞
筒状体電極の斜視図、平面図、第2図は前記電極内にλ
子状に配設される補助電極の斜視図、第3図はこれら電
極を組み合せた電極構体をG3電極、G4電極として対向位
置してバイ・ポテンシャル・フォーカス型電子レンズを
構成した電子銃電極体の側断面図を、第4図は本発明に
先駆けて提案された閉塞筒状体電極の要部切欠き斜視
図、第5図、第6図はそれの上面図、側断面図、第7図
は前記構造の電極を集束電極であるG3電極と、陽極電極
であるG4電極として互に対向させてバイ・ポテンシャル
・フォーカス型電子レンズを構成した電子銃電極体の側
断面図を夫々示す。 1,2……閉塞筒状体電極、3……補助電極、11……凹陥
部(第二閉塞面)、12……第一閉塞面、22,32……閉塞
面、13,23,33……筒側部、14,24…34……電極支持子、1
5,25,35……鍔状縁、11R,11G,11B;21R,21G,21B……欠円
状重畳型開孔、21……連通孔、17……くびれ部、16R,16
G,16B;31R,31G,31B……完全円孔状開孔、16W,31W……突
状縁、11W……凹陥部側壁、40R,40G,40B……電子銃の
軸、DC……欠円状重畳型開孔の中央開孔径、DS……欠円
状重畳型開孔の両外側開孔径。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉塞筒状電極の閉塞面にインライン配列さ
    れる三つの開孔間離心距離以上の開孔径を持つ、三つの
    開孔を重畳させて欠円状重畳型形状となった連通孔をそ
    の孔部が閉塞面から突出することなく穿設し、この電極
    内部に突状円付縁付独立開孔を備えて、前記閉塞面か所
    定距離隔てられ、且つ突状縁先端が閉塞面と反対側に突
    出するように配置される入れ子状の補助電極とで主電子
    レンズ電極溝体を構成し、一対の前記電極構体を連通孔
    穿設面が互いに対向するように離間させて主電子レンズ
    を形成すると共に、上記電極構体の少なくとも一方の連
    通孔中央開孔径を両外側開孔径より小さくしたことを特
    徴とする電子銃電極構体。
JP61089303A 1986-04-17 1986-04-17 電子銃電極構体 Expired - Lifetime JP2542581B2 (ja)

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