JP2542568Y2

JP2542568Y2 - スピーカ装置

Info

Publication number: JP2542568Y2
Application number: JP1989108602U
Authority: JP
Inventors: 儀昭小林
Original assignee: Clarion Co Ltd
Current assignee: Faurecia Clarion Electronics Co Ltd
Priority date: 1989-09-19
Filing date: 1989-09-19
Publication date: 1997-07-30
Anticipated expiration: 2004-09-19
Also published as: JPH0348996U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、スピーカ装置の改良に関するものである。

［従来の技術］従来より、ウーハー前面のダクトの共振を利用した低
減再生専用のスピーカ装置が知られており、近年、車載
用のものまで、提案されている。このようなスピーカ装
置の従来例を図面を参照して説明する。

すなわち、第５図に示すように、スピーカ装置には、
ウーハー１が配設されている。このウーハー１の前方に
はフロントバッフル２が、後方にはリアバッフル３が、
設置されている。また、ウーハー１の前面には、円筒形
のフロントダクト４が設けられている。このフロントダ
クト４は、先端下部に、フロント止め具６が設置されて
いる。一方、ウーハー１の背面には、円筒形のリアチャ
ンバ５が配設されている。リアチャンバ５の背面には、
ダクトカバー７が配置されており、このダクトカバー７
によって、リアチャンバ５が密閉されている。

また、第６図に示すように、ウーハー１の表面にはダ
ストクロス８が設けられている。さらに、カプラ11にま
とめられた左右のスピーカ入力リード９、10が配設され
ている。このスピーカ入力リード９、10は、再生装置
（図示せず）に電気的に接続されており、再生信号をウ
ーハー１に送るようになっている。

以上のような構成を有するスピーカ装置によれば、ウ
ーハー１前面のフロントダクト４の共振を利用して、低
域信号のみを再生することができる。

しかし、上記のような従来例においては、次のような
課題が指摘されていた。

すなわち、フロントダクト４の後方にリアチャンバ５
が延びているため、スピーカ装置の全長が長くなってい
た。そのため、車輌に対する取付性が悪かった。

また、上記のスピーカ装置の低域再生能力は、フロン
トダクト４及びリアチャンバ５の容積によって決定され
る。しかし、リアチャンバ５は、設置スペースに限界が
あるため、容積が小さく、また、円筒形となるため、特
有の共鳴音が生じることがある。さらに、定在波が発生
し易く、音質の劣化が生じていた。

［考案が解決しようとする課題］以上のように、従来技術においては、共鳴ダクトの後
方に、リアチャンバが配設されているため、スペース性
が悪く、車両に対する取付性が悪かった。さらに、リア
チャンバ特有の共鳴音及び定在波が発生しやすく、音質
の劣化を招いていた。

本考案のスピーカ装置は、上記のような従来技術の持
つ課題を解決するために提案されたものであり、その目
的は、取付性を向上させると共に、リアチャンバ固有の
共鳴音及び定在波を低減させて、音質の向上を図る優れ
たスピーカ装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］本考案のスピーカ装置は、以上のような課題を解決す
るために、低音用スピーカの前後面の一方に接続され、
先端部が開放した共鳴ダクトと、前記共鳴ダクトに対し
て曲折した状態で、前記低音用スピーカの前後面の他方
に接続され、先端部が密閉されたチャンバと、前記共鳴
ダクト及び前記チャンバに取り付けられ、両者を支持す
る取付台とを備えていることを特徴とする。

［作用］以上のような構成を有する本考案のスピーカ装置にお
いては、スピーカの共鳴ダクトと反対側に設けられて先
端が密閉されたチャンバによって、スピーカの振動板の
動きに負荷を与え、エアサスペンション作用を発生させ
る。その結果、スピーカに対する入力許容信号レベル値
を上げることができる。また、共鳴ダクトとチャンバと
が取付台によって一体化されているので、スピーカ装置
全体を安定して車両などに取り付けることができる。さ
らに、リアチャンバが共鳴ダクトに対して曲折している
ため、スピーカ装置の全長を短くすることができる。従
って、スペース性が向上し、車輌に容易に取付けること
ができる。

また、スピーカ装置の全長を長くすることなく、リア
チャンバの容積を拡大することが可能であり、その結
果、定在波を低減させることができ、共鳴音を低減させ
ることができる。

［実施例］以上説明したような本考案のスピーカ装置の一実施例
を図面に基づいて具体的に説明する。

なお、従来技術と同様の部材に関しては同符号を付
し、説明は省略する。

すなわち、第１図及び第３図に示すように、リアチャ
ンバ12は、ウーハー１から垂直に立上がっており、フロ
ントダクト４に対し、平行に延びて、略コの字状になっ
ている。また、リアチャンバ12は、先端に、ダストカバ
ー７が設置され、このダストカバー７によって密閉され
ている。

また、取付台13は、リヤチャンバ12及びフロントダク
ト４に取付けられており、第４図に示すように、スピー
カ装置を支持するようになっている。

以上のような構成を有する本実施例の作用は以下の通
りである。

すなわち、本実施例は、リアチャンバ12をフロントダ
クト４に対して曲折させることにより、従来例に比べ
て、リアチャンバ12の分だけ、スピーカ装置の全長が短
くなっている。その分、第２図及び第３図に示すよう
に、縦方向に長くなっているが、車両に取付ける際に
は、問題がなく、スペース性は格段に向上する。

また、ウーハー１の背圧をリアチャンバ12側に十分に
逃がすことができるため、定在波を低減させることがで
きる。

なお、本考案のスピーカ装置は、以上のような実施例
に限定されるものではなく、スピーカ装置の前面にチャ
ンバを設置し、背面にダクトを設けても、同様の効果を
得ることができる。また、リアチャンバをフロントダク
トの開口部まで延長したり、リアチャンバを縦方向に延
ばしたりして、リアチャンバの容積を簡単に拡大するこ
とができ、リアチャンバ特有の共鳴音及び定在波の一層
の低減が可能である。

［考案の効果］以上述べたように、本考案のスピーカ装置によれば、
共鳴ダクトに対して、曲折したリアチャンバを備えると
いう簡単な構成によって、全長を短縮化して、スペース
性及び取付性を改善することができ、且つ、リアチャン
バ特有の共鳴音及び定在波の低減が可能である優れたス
ピーカ装置を提供することができる。

特に、本考案によれば、先端が閉鎖されたリアチャン
バをスピーカの共鳴ダクトと反対側に設けたため、チャ
ンバ内の空気の圧縮による入力許容信号レベル値の向上
という効果も発揮される。また、取付台によって共鳴ダ
クトとチャンバとを一体化したため、スピーカ装置を車
両などに取り付ける際の確実性および安定性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の側面断面図、第２図乃至第４図は本
実施例の側面図、正面断面図、底面図であり、第５図及
び第６図は従来例の側面断面図及び正面図である。１…ウーハー、２…フロントバッフル、３…リアバッフ
ル、４…フロントダクト、５…リアチャンバ、６…フロ
ント止め具、７…ダクトカバー、８…ダクトクロス、
９、10…スピーカ入力リード、11…カプラ、12…リアチ
ャンバ、13…取付台。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】低音用スピーカの前後面の一方に接続さ
れ、先端部が開放した共鳴ダクトと、前記共鳴ダクトに対して曲折した状態で、前記低音用ス
ピーカの前後面の他方に接続され、先端部が密閉された
チャンバと、前記共鳴ダクト及び前記チャンバに取り付けられ、両者
を支持する取付台とを備えていることを特徴とするスピ
ーカ装置。