JP2542297B2 - 義歯床の製造方法 - Google Patents

義歯床の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超塑性加工を利用し
て床とクラスプ(鉤)とが一体の超塑性合金板製義歯床
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、義歯を支持するための義
歯床として金属製のものが多用されてきたが、この金属
義歯床は、当初、鋳造手段による製造が試みられてい
た。しかし、鋳造による場合は製作工程が煩雑で作業環
境も悪く、しかも得られる義歯床は鋳造巣に起因して脆
くなりやすい上に重量も重いという問題があった。
【0003】そこで、18−8ステンレス鋼板をプレス加
工して義歯床を製作する試みもなされたが、精密な成形
が叶わないことから満足できる適合性が得られなかった
り、生体との親和性が十分でなく、金属味が出る等の問
題が指摘されたりした。
【0004】そのため、超塑性合金素材板を超塑性加工
して成形された金属義歯床が開発された(特開昭63−
95048号公報,「日本歯科医師会雑誌」第43巻第1
号・平成2年4月10日・第13〜21頁等を参照)。前記
“超塑性加工”とは、Ti−6Al−4Vを始めとした〔α
+β〕型チタン合金や〔δ+γ〕2相ステンレス鋼等の
一部合金が特定の温度,変形速度等の条件下で異常に高
い伸びを示すという現象(超塑性現象)を利用し、この
超塑性現象の発現下にて低荷重でもって高精度の成形加
工を行う加工法のことである。そして、超塑性合金板製
の義歯床の製造には、超塑性状態にある超塑性合金素材
板の一方の面を真空吸引し、他方の面をアルゴンガス等
の不活性ガスで加圧しながら成形型になじむように圧印
変形させる手法が採用されている。
【0005】上記超塑性合金板製義歯床は、製造が容易
で製品欠陥が生じにくい上、非常に精度良く模型形状が
写し取られるので鋳造義歯床よりも口腔への適合性が良
く、特に超塑性チタン合金板製義歯床の場合には軽量で
あって生体との親和性にも優れているなど極めて優れた
特性を有するものであった。
【0006】ただ、最近、超塑性合金板製義歯床にも次
のような問題が指摘されるようになった。即ち、口内に
自然歯が全く存在しない場合の義歯床(全部義歯床)と
しては格別な問題はないが、口内に数本の自然歯が残存
する場合には、この歯を利用して義歯床を固定すべく、
該義歯床に残存歯と結合させるクラスプ(鉤)を設けた
部分義歯床を作成する必要がある。ところが、このクラ
スプは残存歯をしっかりと適切に把持しなければならな
いことから、その把持面が残存歯面の比較的大きな凹凸
にもピッタリとなじむ複雑で精密な形状を有しているこ
とが重要である。そのため、圧印成形等ではクラスプの
製造が困難とされ、一般にはニッケルクロム合金等の異
種金属材を鋳造した後に放電加工にて整形する方法で製
造されている(例えば特開平2−88052号公報を参
照)。従って、クラスプが必要な超塑性合金板製義歯床
では、義歯床とクラスプを別個に製作してから“ろう
接”等で接合する方法を採らねばならなかった(例えば
特開平3−92148号公報を参照)。
【0007】しかしながら、特に義歯床の素材がチタン
合金材の場合には鋳造クラスプとの接合性が極めて難し
く、強度的に十分なものが得られない恐れがある上、接
合部が厚くなりがちで製作も煩雑であったことから、こ
のようなクラスプ付義歯床は実用上満足できるものとは
言えなかった。しかも、義歯床とクラスプが異種金属で
あると口腔内に装着した後で味覚変化を起こしやすく、
また生体親和性の面からも好ましいものではなかった。
更に、鋳造にて製造されたクラスプは薄い部分での湯廻
り不良や鋳造欠陥の発生率が高く、この点からも実用上
の問題があった。
【0008】また、レジン等によって義歯床とクラスプ
を固定することも考えられるが、この場合には強度に問
題がある上、両者が異種金属の場合には電食による腐食
の恐れもあった。
【0009】一方、超塑性現象を利用する加工を行うに
してもチタン合金板等はやはり難加工材であり、従って
一般に口腔形状を高精度で写し取らねばならない義歯床
には素材として薄い板材(超塑性チタン合金板としては
厚さ0.55mm及び0.75mmの2種類が一般に採用されてい
る)しか使用できないと考えられていた。そのため、超
塑性合金板製義歯床としては、これまで上記薄チタン合
金板を素材とした“上顎全部義歯床”とクラスプが別体
の“全部義歯床に類似した上顎部分義歯床”が作成され
ていたのみで、厚いチタン合金板(上顎用の倍の厚さ)
を素材としたより高い強度が必要な下顎義歯床は製作・
市販されていなかった。
【0010】このようなことから、本発明が目的とした
のは、従来の金属義歯床に指摘された前記問題点を払拭
し、部分的に適宜な肉厚の確保が可能で、上顎用,下顎
用を問わずに製作することが可能な高品質・高性能クラ
スプ付超塑性合金板製義歯床の簡易な製造方法を確立す
ることであった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく数多くの試験を繰り返しながら研究を重ね
た結果、 a) 例えばTi−6Al−4V合金等の超塑性合金板は、板
厚が格別に厚くなければ超塑性現象を利用した加工では
自然歯程度の大きさ(凹凸)であれば高精度で形状の転
写成形が可能であるので、多少の工夫を加えれば残存し
た自然歯の形状を丸ごと写し取ることも可能となる。従
って、残存した自然歯ごと型取りされた成形型を極く僅
かに整正し、これを使って超塑性合金板の超塑性加工を
行い自然歯部と一体になった義歯床を成形した後、成形
された超塑性合金板の自然歯転写部位からクラスプとし
て不必要な部分を切除すれば、簡単・容易にクラスプ一
体型の義歯床が得られる, b) また、超塑性現象を利用して超塑性合金板を加工す
る際に同種の超塑性合金板を重ね合わせて加圧成形する
と、重ね合わせによる肉厚増にもかかわらず低負荷で円
滑な変形が進行して結晶構造も均一となる上、重ね合わ
せた板同士が完全に接合・合体されて単一部材と異なる
ことのない機械的性質を保持するようになり、結果とし
て厚肉板を成形したものと変わらない製品が得られる,
との新しい知見を得ることができた。
【0012】本発明は、上記知見事項等に基づいて完成
されたものであり、「図1に示したように、 残留した自
然歯が存在する状態で型取りした後、 前記残留歯のアン
ダ−カット部を補修して該残留歯側面の立ち上がり角が
90°以上となるようにし(図中の工程A)、 この成形
型を用いて超塑性合金素材板の超塑性加工を行い(図中
の工程B)、 得られた成形体の残留歯相当部位からクラ
スプ部を切出し加工する工程(図中の工程C)を取り入
れることにより、 クラスプが一体に付随した超塑性合金
板製義歯床を簡易に製造できるようにした点」に特徴を
有し、更には「上記超塑性合金板製義歯床を製造するに
当り、 その超塑性加工に際して、 図2に示したように、
超塑性合金素材板の“義歯床の厚肉部に対応する位置”
に該厚肉部に相当する形状、 もしくは該厚肉部を含む形
状(前記超塑性合金素材板と同一寸法・形状も含む)の
同材質超塑性合金素材板を重ね合わせ、 この重ね合わせ
素材板を超塑性加工に付して成形と素材板の一体化を同
時に行うことにより、所望部へ部分的に適宜な肉厚が確
保された超塑性合金板製義歯床を作業性良く製造できる
ようにした点」にも大きな特徴を有するものである。
【0013】ここで、義歯床の素材たる“超塑性合金
板”としては、Ti−6Al−4Vを始めとした〔α+β〕
型チタン合金や〔δ+γ〕2相ステンレス鋼等の如き超
塑性を有すると共に、歯科用として耐食性,強度,安全
性を備えた合金の板材であれば何れを適用しても良い。
【0014】なお、本発明において、超塑性加工に先立
ち成形型の“残留歯(クラスプを契合する歯:鉤歯)側
面の立ち上がり角”を90°以上となるように補修して
おく理由は、加工により超塑性合金板がアンダ−カット
部へ廻り込んで肉薄化し強度低下を招いたり、加工中破
断を起こしたりするのを防止するためである。勿論、こ
の補修は石膏模型の段階で実施しておき、それを成形型
に写し取って使用しても差支えはない。
【0015】ところで、超塑性加工使用する前記成形型
には、図3で示したようにその残留歯(鉤歯)面にクラ
スプ契合部形状の輪郭をケガキしておくことが推奨され
る。これにより、超塑性加工時に超塑性合金素材板がケ
ガキ溝になじむように変形し加工後の合金板にケガキ線
が転写されるので、この線を基準に切削,切断加工を行
えばクラスプの切出しが極めて容易となるからである。
なお、ケガキ線の深さ(出来れば太さも)は超塑性合金
素材板の厚みにもよるが 0.1mm以上、好ましくは 0.3mm
程度とするのが良い(素材板厚が厚いほど深くする)。
この溝深さであればケガキ線は合金素材板へ鮮明に転写
され、加工後合金板の表裏面にエンボス加工溝の如くに
ハッキリと現れるが、溝深さが浅いと転写が不鮮明とな
る。この成形型へのケガキ線(切出し加工線)は型へ直
接刻み込んで形成しても良いが、石膏模型の段階で施し
ておいてそれを成形型に写し取る手法によるのが実際的
である。
【0016】また、重ね合わせた超塑性合金素材板を超
塑性加工に付して部分的な肉厚増加部を有する超塑性合
金板製義歯床を作成する場合、超塑性合金素材板の重ね
合わせ部位として少なくとも残留歯の部位を選択するの
が良い。なぜなら、残留歯の部位から強度が必要なクラ
スプを切り出すため、この部位を厚肉にして強度を増し
ておくことが有利だからである。勿論、精度が確保でき
ればクラスプ部とする狭い部位に超塑性合金素材板を重
ね合わせ、切除部位の肉厚増加と言った無駄を省くのが
好ましい。
【0017】そして、肉厚増加を図る際には、厚肉部分
に相当する形状に予め切断加工した平板を下に、また成
形型の全部分を覆う平滑な平板を上にして両者を重ね合
わせた後、超塑性加工により成形と上下板の一体化する
手順をたどるのが良い。
【0018】上述の説明からも明らかなように、本発明
によると非常に簡易な超塑性加工によって義歯床とクラ
スプが一体になった金属義歯床を製作することができ、
また肉厚の調整も容易であるため、従来は成形性と強度
の関係で作成不能とされていた下顎用の義歯床をも超塑
性加工で容易に製作することが可能となるが、以下、本
発明に従った超塑性チタン合金義歯床の製造方法を例
に、本発明方法を工程順に更に具体的に説明する。
【0019】〔超塑性チタン合金義歯床の製造手順例〕 (a) 石膏模型の作成 患部を写し取って義歯床の石膏模型を作成すると共に、
該石膏模型面の気泡等による突起等を十分削除し(模型
表面が床内面にそのまま再現されるため)、義歯床を設
定する部位のアウトラインを描記する。
【0020】次に、義歯の着脱方向やクラスプの維持力
等を考慮しながら石膏模型の残留歯(鉤歯)部にクラス
プ指導線を描記する。このクラスプ指導線の描記は、残
留歯部の外周を軽く切り込んで(0.1mm程度以上のスジ溝
を形成して)行う。なお、クラスプの脚部は義歯床のリ
リ−フ部分につながるように考慮する。このケガキ線
は、クラスプの外周線通りに成形体が再現されるための
大切な加工用線である。
【0021】次いで、金属義歯床面にレジン層が確保で
きるよう、石膏模型の所要面をワックスでリリ−フす
る。また、レジン層と金属義歯床との移行部を強化する
ため、レジン層辺縁部の保護を目的としたフィニッシン
グラインを付与する。更に、金属義歯床板の位置決めと
レジン填入時の板のたわみを防止する目的のストッパ−
を付設するため、常法に従い石膏模型にストッパ−部を
刻設する。
【0022】そして、顎堤のアンダ−カット等をワック
スでブロックアウトすると共に、同じくクラスプをかけ
る残留歯(鉤歯)とその歯肉部分の境界に存在するアン
ダ−カット部もワックスでブロックアウトする。
【0023】(b) 成形型の製作 上記のように整備された石膏模型を寒天印象材等で印象
し、リン酸塩系埋没材を流し込んで複模型を作り成形型
とする。続いて、成形型に写し取られた“クラスプ指導
線が刻まれている残留歯”の咬合面を設計線に留意しな
がら注意深く削除し、成形型の段差を出来る限り少なく
しておく。更に、超塑性チタン合金板成形体が残留歯を
均一に包み込めるよう、義歯床部分と残留歯との角度
(残留歯側面の立ち上がり角度)が90°以上となるよ
うに切削調整しておく。
【0024】この成形型の調整も重要で、段差やアンダ
−カットが激しいと加工を終えた超塑性合金板成形体の
クラスプ部分が薄くなり、クラスプとしての強度が損な
われるばかりか、場合によっては加工中に破断して成形
不能となる恐れがある。
【0025】(c) 成形型の焼成 成形型の焼成は、型材のガスの放出と強度の向上を目的
に行う。焼成は、室温から550℃までを2時間かけて
昇温し、850〜900℃までの間も2時間で昇温して
から1時間以内の保持を行い、その後200℃以下にな
るまで炉内に放置して冷却完了するヒ−トパタ−ンで実
施する。
【0026】(d) 超塑性加工による義歯床の成形 Ti−6Al−4V超塑性合金板を素材とし、上記成形型を
用いて常法に従い超塑性を利用した圧印加工を行い、チ
タン合金素材板を成形型面の形状通りに成形する。な
お、超塑性加工では950℃まで温度を上昇させるの
で、酸化防止のため無酸素状態に密閉した容器中に成形
型とチタン合金素材板をセットし、アルゴンガス雰囲気
下で950℃まで昇温しながらその雰囲気ガス圧(7〜
9kg/cm2ゲ−ジ圧程度)でチタン合金素材板を成形型面
に押付けて成形する。この時、成形型の側は通気性の成
形型を通して負圧(0.8kg/cm2絶対圧程度)に吸引してお
くと成形精度はより向上し、型の凹凸を忠実に写し取る
ことができる。
【0027】また、チタン合金板成形体の肉厚を変える
必要がある場合には(例えば強度が必要なスクラプ部及
び義歯床部を支えるバ−部を厚肉にし義歯床部を薄肉に
する場合等)、“成形型の全部分を覆う平滑な超塑性チ
タン合金平板”の下側に“厚肉部分に相当する形状に予
め切断した超塑性チタン合金平板”を重ね合わせて炉内
の成形型上にセットし、加熱時間を調整しつつ前記超塑
性加工を実施すれば、所要形状への成形と、重ね合わせ
た超塑性チタン合金板同士が接合・一体化して形成され
る均一材質の肉厚部付与とが同時に達成され、自在に肉
厚が変化したチタン合金義歯床が製造される。勿論、局
部的厚肉化だけでなく、全部分にわたり超塑性チタン合
金板同士を重ね合わせて上記超塑性加工を施せば全体の
厚肉化,強度増強が達成できることは言うまでもない。
これにより、強度が必要な下顎義歯床をも超塑性加工を
利用して容易に製造することができる。
【0028】また、この場合、重ね合わせた素材板では
厚肉の素材板と異なって成形時の変形抵抗が格別に大き
くなることはなく、厚肉製品の製造も十分に可能となる
上、限られた厚さの合金板を素材として種々肉厚の製品
を製造することもできる。
【0029】図4は、“クラスプ部及びバ−部を厚肉に
し義歯床部を薄肉とした義歯床”の製作に使用する超塑
性チタン合金素材板の形状例を示しているが、このa材
の下面に形状を整えたb材を重ね合わせて超塑性加工が
実施される。
【0030】(e) 超塑性合金板成形体の成形体の後処
理 i)表面処理 超塑性加工後のチタン合金板成形体の裏側(成形型側)
には薄い黒色被膜が形成されるので、サンドブラスト
(アルミサンドを使用するのが好適である)によって該
黒色被膜の除去を行う。
【0031】ii) 成形体からの余剰部分の切除 チタン合金板成形体からの余剰部分の切除は、従前通り
金切りバサミを使用して行っても良いが、特に厚い板を
素材とした場合にはプラズマ切断機を使用するのが良い
(放電加工やエッチング加工でも構わないが作業能率が
低下する)。プラズマ切断を行う場合には、予めスパッ
タ−防止剤を吹き付けておき、切断終了後に水洗して除
去すると良い。
【0032】通常は、設計部分より10mm程度の余剰部
を残して切取った後、レ−ズホイ−ルにて設計ラインの
近くまで切断を行う。切断は、型に設けたケガキ線がチ
タン合金板成形体に転写されているので、この線を基準
に行えば良い。
【0033】チタン合金板成形体の切断面をレ−ズホイ
−ル修正した後は、カ−ボランダム又は硬質ラバ−で切
断面の形態修正を行い、更に仕上研磨を行って外周部の
調整を完了する。
【0034】このように、本発明法によると優れた性能
のクラスプ一体型超塑性合金板製義歯床の製造が極めて
容易となるが、その肉厚調整技術を適用すればクラスプ
別体型の強度が高い上・下顎全義歯床を超塑性成形する
ことができることは勿論、例えば、噛み合わせ力のため
に磨滅しやすい咬合面(歯と歯が噛み合う面)が厚くて
側面が薄い歯冠補綴を超塑性成形によって製造すること
も可能である。
【0035】
【効果の総括】以上に説明した如く、本発明によれば、
義歯床とクラスプとが一体となった超塑性合金板製義歯
床や、更には所要部分のみを肉厚とした超塑性合金板製
義歯床を簡単・容易に製造することが可能となり、従来
は“上顎全部義歯床”又は“全部床に類似した上顎部分
義歯床”にしか適用出来なかった作業性の良い超塑性圧
印加工法の適用範囲が、上・下顎全部義歯床,上下顎部
分義歯床の全てにまで拡大されるなど、産業上極めて有
用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる“超塑性合金板製義歯床の製作
工程”の概要説明図である。
【図2】本発明の義歯床の製作における肉厚調整手法の
説明図である。
【図3】成形型の残留歯面に施すケガキ溝の説明図であ
る。
【図4】“スクラプ部及びバ−部を厚肉にし義歯床部を
薄肉とした義歯床”の製作に使用する超塑性チタン合金
素材板の形状例を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前園 賢三 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住金 鹿島総合サ−ビス株式会社内 (72)発明者 山田 順一 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住金 鹿島総合サ−ビス株式会社内

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 残留した自然歯が存在する状態で型取り
    した後、前記残留歯のアンダ−カット部を補修して該残
    留歯側面の立ち上がり角が90°以上となるようにし、
    この成形型を用いて超塑性合金素材板の超塑性加工を行
    い、得られた成形体の残留歯相当部位からクラスプ部を
    切出し加工する工程を含んで成ることを特徴とする、超
    塑性合金板製義歯床の製造方法。
  2. 【請求項2】 超塑性加工に際し、超塑性合金素材板の
    “義歯床の厚肉部に対応する位置”に該厚肉部を含む形
    状の同材質超塑性合金素材板を重ね合わせ、 この重ね合わせ素材板を超塑性加工に付して成形と素材
    板の一体化を同時に行うことを特徴とする、請求項1に
    記載の超塑性合金板製義歯床の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも残留歯の部分に対応する超塑
    性合金素材板の部位に同材質超塑性合金素材板を重ね合
    わせて超塑性加工に付すことを特徴とする、 請求項2に記載の超塑性合金板製義歯床の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくともクラスプ部に対応する超塑性
    合金素材板の部位に同材質超塑性合金素材板を重ね合わ
    せて超塑性加工に付すことを特徴とする、請求項2に記
    載の超塑性合金板製義歯床の製造方法。
  5. 【請求項5】 成形型上に、クラスプ部の切出し加工線
    を示す深さ 0.1mm以上の溝を形成しておくことを特徴と
    する、請求項1乃至4の何れかに記載の超塑性合金板製
    義歯床の製造方法。
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