JP2542051B2 - ヂ―ゼル・エンジン用電磁制御燃料噴射弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、全般的にヂーゼル・エンジン用の電磁制御
燃料噴射弁（以下単に「噴射弁」という。）に関する。

更に特に、この発明は、インジェクション・ノズルと
圧力下の燃料供給のための通路に対して連通するインジ
ェクション・チャンバー６との間の連通を制御するニー
ドルが、作動可能に連繋する相手側となる下部インジェ
クション・ノズル、および、ニードルを閉位置に保つた
め入口ポートを通って燃料がそこへ圧力下で供給するコ
ントロール・チャンバーと、その開放がコントロール・
チャンバー内の圧力降下およびその結果のニードルの開
放とを起す吐出ポートとの間の連通を制御する上部電磁
メータリングバルブユニットとを有する本体から成る型
の噴射弁に関する。

本発明にかかる噴射弁は、その電磁メータリングバル
ブユニットが、噴射弁の残りの部分と構造的かつ機能的
に独立したユニットから構成され、また、軸方向のクラ
ンピング装置により噴射弁の本体に結合された頭部要素
により支持されて、さらに入口ポートと連通する本体内
の軸方向シート内に挿入された延長部を有し、またその
延長部がコントロール・チャンバーおよび吐出ポートを
形成し、また二重のシール手段が、延長部および本体中
のシートとの間に介在させてあることを特徴とする。

望ましくは、その二重のシール手段は、本体と頭部要
素との間の補足的な正面のコニカル・シート面、および
延長部と同軸の環状弾性部材とを含む。

本発明の他の１つの態様によれば、延長部は、ニード
ルの開放行程の制御に関連する可変厚さのブロックを有
する。

本発明の他の１つの特性によれば、ニードルは、コン
トロール・チャンバー内の圧力がその上に作用するニー
ドルの部分と、インジェクション・チャンバー６内の圧
力がその上に作用するニードルの部分とに対応して、２
つの異なる直径を持ってもよい。

他の１つの態様によれば、インジェクション・チャン
バーへの燃料の供給のための第２の通路は、ニードルの
回りに本体内に形成された１つのリングの開口部を含
む。

ニードルは、単一片または、代替として、２つの片で
あってもよい。

この特性によって、コントロール・チャンバーを持つ
電磁メータリングバルブユニット及び吐出ポートとは、
便利で容易な方法で、噴射弁の組立前に、吐出ポートの
較正および電磁メータリングバルブユニットの較正と組
立てに必要な作業を受けることができる自立的なユニッ
トを形成する。換言すれば、電磁メータリングバルブユ
ニット−吐出ポート−コントロール・チャンバーの各ユ
ニットは、効果的に独立してテストすることもでき、明
白な実際上の利点がある。

本発明の他の特性は、単に非制限的な実例として与え
た、添付図を参照した以下に続く詳細な説明の中で、明
らかにされるであろう。

図面を参照して、ヂーゼル・エンジン用の燃料噴射弁
は、線図的にまた全体的に１で示す。この噴射弁１は、
本質的に、本体２内の中央の空洞５の内部で軸方向に動
きうるニードル４により、その開放および閉鎖が制御さ
れる下部のインジェクション・ノズル３を形成する本体
２より成る。この空洞５の下部領域は、インジェクショ
ン・チャンバー６を形成し、その中に燃料が本体２内に
形成された供給通路７を通って、図示されないポンプに
よって圧力下で注入される。第２図に見る通り、２つの
供給パネル７および芯合せストッパ24の係合のためのよ
り小さい直径の開口部23が設けてある。

空洞５の上端は、燃料が入口ポートＺを通って圧力下
でこれに供給されるシート８の形状を画定する。軸方向
に延びる延長部９は、このシート８と係合し、また、本
体２の頂部に対し頭部として付加され、かつ電磁メータ
リングバルブユニット11を支える頭部要素10と一体とな
っている。12で表される、電磁メータリングバルブユニ
ット11の閉塞器は、延長部９の上部部分に形成され延長
部９内にまた形成されたコントロール・チャンバー14と
連通する燃料吐出ポートＡと協同して作動する。コント
ロール・チャンバー14は、ニードル４の開放行程を制限
するための可変厚さのブロック15を通って空洞５と連通
する。図示の実施例では、このニードル４は、２つの軸
方向部分4a,4bによって形成される。しかしながら、こ
れは代替案として、単一片で形成してもよい。両方の場
合において、4cで示す、コントロール・チャンバー14と
対面するニードル４の上部は、便宜的に、インジェクシ
ョン・チャンバー６の燃料圧力がその上に作用するニー
ドルの下部4dのものより異なった、通常はより大きい直
径を有する。

コントロール・チャンバー14は、シート８、また従っ
て、入口ポートＺとも連通している。吐出ポートＡの燃
料吐出の下流から密閉してコントロール・チャンバー14
を隔離するために、１つの二重シールが、環状弾性ワッ
シャー16により下部部分に、また、補足的な正面のコニ
カル・シート面17により上部部分に形成されたシート８
の端部と延長部９との間に形成されている。これらの正
面のコニカル・シート面17は環状弾性ワッシャー16と同
様な環状ワッシャーと代替することもできよう。

図示の実施例においては、頭部要素10は、事実上、本
体２には直接固定されず、リングナット20を用いて、ま
たニードル４を囲むブッシュ21および偏心基準ピン22を
用いて順番に本体２に固定される中間部材19により本体
に固定される。

噴射弁１の作動は、全体としては公知である。電磁メ
ータリングバルブユニット11の閉塞器12により吐出ポー
トＡが閉じられる場合の条件においては、ニードル４
は、インジェクション・ノズル３を閉じ、またインジェ
クション・チャンバー６内の加圧燃料の逸出を防ぐため
に下げられた位置に保たれる。吐出ポートＡが開かれた
途端に、コントロール・チャンバー14内の、その結果と
して起る圧力降下は、ニードル４が室６内の圧力の作用
に抗して上昇することを可能として、ノズル３を通る燃
料の噴射を可能とする。異なる直径の上下部位4c,4dを
持つニードル４の形状は、ニードル４に加えられる力を
段階で変化することを可能とし、また一方、燃料供給通
路７の存在は、より大きい通路断面を提供するので、加
圧燃料の累積容積を増大させることを可能とする。

電磁メータリングバルブユニット11を頭部要素10の中
の吐出ポートＡおよびコントロール・チャンバー14とに
合体することは、吐出ポートＡを通る流動速度と圧力変
調とを、噴射弁１の組立前に、別個かつ独立にチェック
することを可能とする。これは、ニードル４の上流の全
体の圧力制御系統の必要な較正と組立てとをより容易に
実施することを可能とする。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明にかかる噴射弁の線図的な長手方向断
面図、 第２図は、第１図の線II−IIに沿った断面図である。 １……噴射弁,2……本体,3……インジェクション・ノズ
ル， ４……ニードル,5……空洞， ６……インジェクション・チャンバー,7……燃料供給通
路， ８……（軸方向）シート,9……延長部,10……頭部要
素， 11……電磁メータリングバルブユニット， 14……コントロール・チャンバー、 16……シール手段（環状弾性部材ないしワッシャー）， 17……コニカル・シート面,18……クランピング装置， 19……中間要素,20……リングナット， 21……ブッシュ,22……偏心ピン,23……開口部， 24……芯合せストッパ,A……吐出ポート,Z……入口ポー
ト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−39821（ＪＰ，Ａ) 特公 昭50−5763（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭51−9842（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上端に軸方向に延びる空洞（５）と、下端
   にインジェクション・ノズル（３）を有し、前記上端と
   前記インジェクション・ノズル間のインジェクション・
   チャンバー（６）を画定する本体（２）と、該本体は、
   燃料供給通路（７）を、前記空洞の上端の近傍から前記
   インジェクション・ノズルへ燃料を供給するインジェク
   ション・チャンバーへ延設し、且つ、前記本体は、前記
   空洞の上端と係合するシート（８）と、前記空洞の反対
   方向の前記シートの一側で前記シートと係合する上部開
   口を画定し、さらに、前記本体は、前記上部開口と関連
   動作する前記シート及び燃料出口管に連通する燃料入口
   管を含み、 前記下端のインジェクション・ノズルを開閉可能に前記
   空洞に軸方向移動自在に前記インジェクション・チャン
   バーを介して設けたニードル（４）と、 前記ニードルを前記インジェクション・ノズル方向へ付
   勢する手段と、 構造的かつ機能的に独立して検査可能な電磁メータリン
   グバルブユニット（11）が、前記本体に取り外し自在に
   連結され、前記ユニットは、本体の上部開口に臨む頭部
   要素（10）を有し、該頭部要素は、シール手段（16、1
   7）を備える前記シート（８）に延びる延長部（９）を
   有し、前記シール手段は、前記燃料入口管を前記燃料出
   口管から遮蔽する前記シートの対向する端部に、前記延
   長部の対向する端部をシールし、前記延長部は、前記シ
   ートに連通する入口ポート（Ｚ）及び前記上部開口に連
   通する吐出ポート（Ａ）を備え、前記延長部は、前記空
   洞の上端、前記頭部要素及び前記延長部に延びるバルブ
   通路に連通するコントロール・チャンバー（14）を内部
   に有し、 該バルブ通路は、前記コントロール・チャンバー、前記
   入口ポート及び前記出口ポートに連通し、前記ユニット
   は、前記コントロール・チャンバー及び前記出口ポート
   間を開閉する前記バルブ通路内で電磁的に移動可能な閉
   塞器（12）を有し、 前記コントロール・チャンバーを前記ニードルから隔離
   し、前記空洞内における前記ニードルの移動ストローク
   の上端を画定する前記空洞の上端のブロック手段（15）
   と、 前記頭部要素及び延長部が、前記燃料入口管及び前記燃
   料出口管に干渉せずに前記本体に前記ユニットを取り外
   し自在に軸方向に固定する軸方向クランピング装置（1
   8）から成る ヂーゼル・エンジン用電磁制御燃料噴射弁。
2. 【請求項２】前記シール手段（16、17）は、前記シート
   （８）の上端及び前記シートの上端に対して延長部の上
   端をシールする前記延長部（９）の上端に係合するコニ
   カル・シート面（17）及び、前記シートの下端に対して
   シールする前記延長部の下端に設けた環状弾性部材（1
   6）を含むことを特徴とする請求項１記載のヂーゼル・
   エンジン用電磁制御燃料噴射弁。
3. 【請求項３】前記ブロック手段は、ニードル（４）の上
   端の可変行程を限定するために、可変厚さのブロック
   （15）から成ることを特徴とする請求項１記載のヂーゼ
   ル・エンジン用電磁制御燃料噴射弁。
4. 【請求項４】前記ニードルは、前記インジェクション・
   チャンバー（６）の頭部近傍に終端を位置する大径の上
   部（4c）及び前記インジェクション・チャンバーの頭部
   に始端が位置し、前記大径の上部に連結する下部（4b）
   から成ることを特徴とする請求項１記載のヂーゼル・エ
   ンジン用電磁制御燃料噴射弁。
5. 【請求項５】インジェクション・チャンバー（６）に至
   る燃料供給通路が、ニードル（４）の周囲で本体（２）
   に形成された複数の開口から成ることを特徴とする請求
   項２記載のヂーゼル・エンジン用電磁制御燃料噴射弁。
6. 【請求項６】ニードル（４）が単一片であることを特徴
   とする請求項２記載のヂーゼル・エンジン用電磁制御燃
   料噴射弁。
7. 【請求項７】ニードル（４）が２つの片としたことを特
   徴とする請求項２記載のヂーゼル・エンジン用電磁制御
   燃料噴射弁。
8. 【請求項８】中間要素（19）が、頭部要素（10）と噴射
   弁（１）の本体（２）との間に設けられ、また本体
   （２）に対して自己の芯合せを行うために、ニードル
   （４）を囲むブッシュ（21）および偏心ピン（22）とを
   有する部材を含むことを特徴とする請求項２記載のヂー
   ゼル・エンジン用電磁制御燃料噴射弁。