JP2541495B2 - Agc付き周波数逓倍・ミキサ回路 - Google Patents
Agc付き周波数逓倍・ミキサ回路Info
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- JP2541495B2 JP2541495B2 JP5343171A JP34317193A JP2541495B2 JP 2541495 B2 JP2541495 B2 JP 2541495B2 JP 5343171 A JP5343171 A JP 5343171A JP 34317193 A JP34317193 A JP 34317193A JP 2541495 B2 JP2541495 B2 JP 2541495B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体集積回路上に形
成されるAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路に関する。
成されるAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】AGC付き周波数逓倍・ミキサ回路は、
結局のところローカル周波数信号電圧の2逓倍動作と、
その2逓倍電圧とAGC制御電圧と高周波信号電圧との
乗算動作とを行う乗算回路であるから、例えば図18に
示す4信号を乗算するクワッドリプラ回路で実現でき
る。このクワッドリプラ回路は、刊行物“IEEE Journal
of Solid-State Circuits,VOL.SC-16, No.4,pp.392-39
9,May 1981”に紹介されている3信号を乗算するトリプ
ラ回路を利用したものである。以下、概要を説明する。
結局のところローカル周波数信号電圧の2逓倍動作と、
その2逓倍電圧とAGC制御電圧と高周波信号電圧との
乗算動作とを行う乗算回路であるから、例えば図18に
示す4信号を乗算するクワッドリプラ回路で実現でき
る。このクワッドリプラ回路は、刊行物“IEEE Journal
of Solid-State Circuits,VOL.SC-16, No.4,pp.392-39
9,May 1981”に紹介されている3信号を乗算するトリプ
ラ回路を利用したものである。以下、概要を説明する。
【0003】図18において、(Q31、Q32)と
(Q33、Q34)の2つのエミッタ結合対トランジス
タは、出力端が交差接続され、共通接続される入力端間
に電圧V1 が印加される。(Q35、Q36)と(Q3
7、Q38)の2つのエミッタ結合対トランジスタは同
じく出力端が交差接続され、共通接続される入力端間に
電圧V2 が印加されるが、交差接続の出力端は、それぞ
れ(Q31、Q32)と(Q33、Q34)の2つのエ
ミッタ結合対トランジスタの対応する結合エミッタに接
続される。
(Q33、Q34)の2つのエミッタ結合対トランジス
タは、出力端が交差接続され、共通接続される入力端間
に電圧V1 が印加される。(Q35、Q36)と(Q3
7、Q38)の2つのエミッタ結合対トランジスタは同
じく出力端が交差接続され、共通接続される入力端間に
電圧V2 が印加されるが、交差接続の出力端は、それぞ
れ(Q31、Q32)と(Q33、Q34)の2つのエ
ミッタ結合対トランジスタの対応する結合エミッタに接
続される。
【0004】(Q39、Q40)(Q41、Q42)の
2つのエミッタ結合対トランジスタは、同じく出力端が
交差接続され、共通接続される入力端間に電圧V3 が印
加されるが、交差接続の出力端は、それぞれ(Q35、
Q36)(Q37、Q38)の2つのエミッタ結合対ト
ランジスタの対応する結合エミッタに接続される。
2つのエミッタ結合対トランジスタは、同じく出力端が
交差接続され、共通接続される入力端間に電圧V3 が印
加されるが、交差接続の出力端は、それぞれ(Q35、
Q36)(Q37、Q38)の2つのエミッタ結合対ト
ランジスタの対応する結合エミッタに接続される。
【0005】また、差動回路(Q43、Q44、I0 )
は、入力端間に電圧V4 が印加されるが、Q43のコレ
クタはエミッタ結合対(Q39、Q40)の結合エミッ
タに接続され、Q44のコレクタはエミッタ結合対(Q
41、Q42)の結合エミッタに接続される。
は、入力端間に電圧V4 が印加されるが、Q43のコレ
クタはエミッタ結合対(Q39、Q40)の結合エミッ
タに接続され、Q44のコレクタはエミッタ結合対(Q
41、Q42)の結合エミッタに接続される。
【0006】要するに、このクワッドリプラ回路は、交
差接続エミッタ結合対トランジスタ(Q31、Q32)
(Q33、Q34)を上記刊行物に記載のトリプラ回路
の差動出力電流ΔIで駆動し、4信号の乗算結果である
差動出力電流ΔIOUT を得るようにしたものであるが、
Q39〜Q44及びI0 の構成は、ギルバートマルチプ
ライヤとして知られる乗算回路である。従って、3組の
交差接続エミッタ結合対を3段に直列接続し、最下段を
差動回路構成としたこのクワッドリプラ回路では、2段
に直列接続した交差接続エミッタ結合対をギルバートマ
ルチプライヤの差動出力電流ΔI′で駆動しているとい
うことになる。
差接続エミッタ結合対トランジスタ(Q31、Q32)
(Q33、Q34)を上記刊行物に記載のトリプラ回路
の差動出力電流ΔIで駆動し、4信号の乗算結果である
差動出力電流ΔIOUT を得るようにしたものであるが、
Q39〜Q44及びI0 の構成は、ギルバートマルチプ
ライヤとして知られる乗算回路である。従って、3組の
交差接続エミッタ結合対を3段に直列接続し、最下段を
差動回路構成としたこのクワッドリプラ回路では、2段
に直列接続した交差接続エミッタ結合対をギルバートマ
ルチプライヤの差動出力電流ΔI′で駆動しているとい
うことになる。
【0007】このクワッドリプラ回路の差動出力電流Δ
IOUT は、数式1で示され、数式1中のΔI(トリプラ
回路の差動出力電流)は数式2で示される。なお、数式
1及び数式2において、VT は熱電圧であり、VT =k
T/qと表される。ただし、kはボルツマン定数、Tは
絶対温度、qは単位電子電荷である。また、αF はトラ
ンジスタの電流増幅率である。
IOUT は、数式1で示され、数式1中のΔI(トリプラ
回路の差動出力電流)は数式2で示される。なお、数式
1及び数式2において、VT は熱電圧であり、VT =k
T/qと表される。ただし、kはボルツマン定数、Tは
絶対温度、qは単位電子電荷である。また、αF はトラ
ンジスタの電流増幅率である。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】数式2においてΔI′は、ギルバートマル
チプライヤの差動出力電流であり、数式3と表せる。
チプライヤの差動出力電流であり、数式3と表せる。
【0011】
【数3】
【0012】従って、交差接続エミッタ結合対(Q3
1、Q32)(Q33、Q34)がトリプラ回路の差動
出力電流ΔIで駆動されるクワッドリプラ回路の差動出
力電流ΔIOUT は、数式4と求まる。
1、Q32)(Q33、Q34)がトリプラ回路の差動
出力電流ΔIで駆動されるクワッドリプラ回路の差動出
力電流ΔIOUT は、数式4と求まる。
【0013】
【数4】
【0014】また、tanhxは、tanhx=x−x3/3≒x
(│x│《1)と近似できるから、小信号では、差動出
力電流ΔIOUT は、数式5と表せる。
(│x│《1)と近似できるから、小信号では、差動出
力電流ΔIOUT は、数式5と表せる。
【0015】
【数5】
【0016】従って、4つの入力信号電圧として、AG
C制御電圧、ローカル周波数信号電圧、高周波信号電圧
の3つの入力電圧を、ローカル周波数信号電圧が何れか
の入力電圧と共通になるように割り振れば、AGC付き
周波数逓倍・ミキサ回路を構成できることが知られる。
C制御電圧、ローカル周波数信号電圧、高周波信号電圧
の3つの入力電圧を、ローカル周波数信号電圧が何れか
の入力電圧と共通になるように割り振れば、AGC付き
周波数逓倍・ミキサ回路を構成できることが知られる。
【0017】例えば、V1 をAGC制御電圧VAGC 、V
2 及びV3 をローカル周波数信号電圧VLO、V4 を高周
波信号電圧とすれば、数式5は数式6と表される。ロー
カル周波数信号電圧VLOは2逓倍され、AGC制御電圧
とローカル周波数信号電圧の2乗電圧と高周波信号電圧
の3つの電圧を乗算したものが得られる。
2 及びV3 をローカル周波数信号電圧VLO、V4 を高周
波信号電圧とすれば、数式5は数式6と表される。ロー
カル周波数信号電圧VLOは2逓倍され、AGC制御電圧
とローカル周波数信号電圧の2乗電圧と高周波信号電圧
の3つの電圧を乗算したものが得られる。
【0018】
【数6】
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図18に示す
クワッドリプラ回路の構成では、エミッタ結合対トラン
ジスタの縦積みの段数が4段であるので、動作電源電圧
としては5V程度必要であり、3V以下の低電圧動作は
不可能であるという問題がある。
クワッドリプラ回路の構成では、エミッタ結合対トラン
ジスタの縦積みの段数が4段であるので、動作電源電圧
としては5V程度必要であり、3V以下の低電圧動作は
不可能であるという問題がある。
【0020】本発明の目的は、3V以下の低電圧で動作
可能なAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を提供するこ
とにある。
可能なAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路は次の
如き構成を有する。即ち、第1発明のAGC付き周波数
逓倍・ミキサ回路は、出力端が交差接続され、共通接続
される入力端間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の一
方が印加される2つのエミッタ結合対トランジスタと;
横一列配置の対トランジスタの組合わせからなり、ロ
ーカル周波数信号電圧を入力とし前記2つのエミッタ結
合対トランジスタそれぞれを駆動する2乗回路と; 前
記2乗回路の定電流源回路を構成するトランジスタであ
ってそのベースにAGC制御電圧と高周波信号電圧の他
方が重畳されたベース電圧が印加されるトランジスタ
と; を備えたことを特徴とするものである。
め、本発明のAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路は次の
如き構成を有する。即ち、第1発明のAGC付き周波数
逓倍・ミキサ回路は、出力端が交差接続され、共通接続
される入力端間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の一
方が印加される2つのエミッタ結合対トランジスタと;
横一列配置の対トランジスタの組合わせからなり、ロ
ーカル周波数信号電圧を入力とし前記2つのエミッタ結
合対トランジスタそれぞれを駆動する2乗回路と; 前
記2乗回路の定電流源回路を構成するトランジスタであ
ってそのベースにAGC制御電圧と高周波信号電圧の他
方が重畳されたベース電圧が印加されるトランジスタ
と; を備えたことを特徴とするものである。
【0022】第2発明のAGC付き周波数逓倍・ミキサ
回路は、AGC制御電圧と高周波信号電圧の一方を入力
とするエミッタ結合対トランジスタと; 横一列配置の
対トランジスタの組合わせからなり、ローカル周波数信
号電圧を入力とし前記エミッタ結合対トランジスタを駆
動する2乗回路と; 前記2乗回路の定電流源回路を構
成するトランジスタであってそのベースにAGC制御電
圧と高周波信号電圧の他方が重畳されたベース電圧が印
加されるトランジスタと; を備えたことを特徴とする
ものである。
回路は、AGC制御電圧と高周波信号電圧の一方を入力
とするエミッタ結合対トランジスタと; 横一列配置の
対トランジスタの組合わせからなり、ローカル周波数信
号電圧を入力とし前記エミッタ結合対トランジスタを駆
動する2乗回路と; 前記2乗回路の定電流源回路を構
成するトランジスタであってそのベースにAGC制御電
圧と高周波信号電圧の他方が重畳されたベース電圧が印
加されるトランジスタと; を備えたことを特徴とする
ものである。
【0023】第3発明のAGC付き周波数逓倍・ミキサ
回路は、エミッタ面積比が1:2±√3であるエミッタ
結合対トランジスタの4組からなり、一方の2組及び他
方の2組のそれぞれにおける相互間においてエミッタ面
積が1のトランジスタと2±√3のトランジスタの入力
端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接続され、一方の
2組と他方の2組の相互間において出力端が交差接続さ
れ、共通接続される入力端間にAGC制御電圧と高周波
信号電圧の一方が印加される4つのエミッタ結合対トラ
ンジスタと; 横一列配置の対トランジスタの組合わせ
からなり、ローカル周波数信号電圧を入力とし前記4つ
のエミッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動する2乗
回路と; 前記2乗回路の定電流源回路を構成するトラ
ンジスタであってそのベースにAGC制御電圧と高周波
信号電圧の他方が重畳されたベース電圧が印加されるト
ランジスタと; を備えたことを特徴とするものであ
る。
回路は、エミッタ面積比が1:2±√3であるエミッタ
結合対トランジスタの4組からなり、一方の2組及び他
方の2組のそれぞれにおける相互間においてエミッタ面
積が1のトランジスタと2±√3のトランジスタの入力
端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接続され、一方の
2組と他方の2組の相互間において出力端が交差接続さ
れ、共通接続される入力端間にAGC制御電圧と高周波
信号電圧の一方が印加される4つのエミッタ結合対トラ
ンジスタと; 横一列配置の対トランジスタの組合わせ
からなり、ローカル周波数信号電圧を入力とし前記4つ
のエミッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動する2乗
回路と; 前記2乗回路の定電流源回路を構成するトラ
ンジスタであってそのベースにAGC制御電圧と高周波
信号電圧の他方が重畳されたベース電圧が印加されるト
ランジスタと; を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0024】また、第4発明のAGC付き周波数逓倍・
ミキサ回路は、エミッタ面積比が1:2±√3であるエ
ミッタ結合対トランジスタの2組からなり、相互間にお
いてエミッタ面積が1のトランジスタと2±√3のトラ
ンジスタの入力端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接
続され、入力端間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の
一方が印加される2つのエミッタ結合対トランジスタ
と; 横一列配置の対トランジスタの組合わせからな
り、ローカル周波数信号電圧を入力とし前記2つのエミ
ッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動する2乗回路
と; 前記2乗回路の定電流源回路を構成するトランジ
スタであってそのベースにAGC制御電圧と高周波信号
電圧の他方が重畳されたベース電圧が印加されるトラン
ジスタと; を備えたことを特徴とするものである。
ミキサ回路は、エミッタ面積比が1:2±√3であるエ
ミッタ結合対トランジスタの2組からなり、相互間にお
いてエミッタ面積が1のトランジスタと2±√3のトラ
ンジスタの入力端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接
続され、入力端間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の
一方が印加される2つのエミッタ結合対トランジスタ
と; 横一列配置の対トランジスタの組合わせからな
り、ローカル周波数信号電圧を入力とし前記2つのエミ
ッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動する2乗回路
と; 前記2乗回路の定電流源回路を構成するトランジ
スタであってそのベースにAGC制御電圧と高周波信号
電圧の他方が重畳されたベース電圧が印加されるトラン
ジスタと; を備えたことを特徴とするものである。
【0025】
【作用】次に、前記の如く構成される本発明のAGC付
き周波数逓倍・ミキサ回路の作用を説明する。本発明で
は、AGC付き周波数逓倍・ミキサ回路は、定電流源回
路を除きトランジスタの縦積みを2段にして構成してあ
る。従って、3V以下の電源電圧で動作可能である。
き周波数逓倍・ミキサ回路の作用を説明する。本発明で
は、AGC付き周波数逓倍・ミキサ回路は、定電流源回
路を除きトランジスタの縦積みを2段にして構成してあ
る。従って、3V以下の電源電圧で動作可能である。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の第1実施例に係るAGC付き周波
数逓倍・ミキサ回路を示す。図1において、(Q1、Q
2)と(Q3、Q4)の2つのエミッタ結合対トランジ
スタは、出力端が交差接続され、共通接続される入力端
間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の一方が印加され
る。図示例では、AGC制御電圧VAGC が印加される。
する。図1は本発明の第1実施例に係るAGC付き周波
数逓倍・ミキサ回路を示す。図1において、(Q1、Q
2)と(Q3、Q4)の2つのエミッタ結合対トランジ
スタは、出力端が交差接続され、共通接続される入力端
間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の一方が印加され
る。図示例では、AGC制御電圧VAGC が印加される。
【0027】2乗回路1は、後述するように横一列配置
の対トランジスタの組合わせからなるが、ローカル周波
数信号電圧VLOを入力とし、差動出力電流ΔIにより前
記2つのエミッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動す
る。
の対トランジスタの組合わせからなるが、ローカル周波
数信号電圧VLOを入力とし、差動出力電流ΔIにより前
記2つのエミッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動す
る。
【0028】そして、トランジスタQ5は、2乗回路1
の定電流源回路を構成するが、そのベースにAGC制御
電圧と高周波信号電圧の他方が重畳されたベース電圧が
印加される。図示例では、高周波信号電圧VRFが重畳さ
れたベース電圧VBE(on)が印加される。
の定電流源回路を構成するが、そのベースにAGC制御
電圧と高周波信号電圧の他方が重畳されたベース電圧が
印加される。図示例では、高周波信号電圧VRFが重畳さ
れたベース電圧VBE(on)が印加される。
【0029】この第1実施例のAGC付き周波数逓倍・
ミキサ回路の差動出力電流ΔIOUTは、2乗回路1の差
動出力電流をΔIとすると、数式7で示される。
ミキサ回路の差動出力電流ΔIOUTは、2乗回路1の差
動出力電流をΔIとすると、数式7で示される。
【0030】
【数7】
【0031】そして、2乗回路1の差動出力電流ΔI
は、2乗回路の構成により定まる。2乗回路は、例えば
図2、図4、図5、図7、図9及び図11と種々に構成
されるので、以下、順に説明する。
は、2乗回路の構成により定まる。2乗回路は、例えば
図2、図4、図5、図7、図9及び図11と種々に構成
されるので、以下、順に説明する。
【0032】図2は、不平衡差動対トランジスタの組合
わせからなる2乗回路を示す。即ち(Q11、Q12)
と(Q13、Q14)の2つのエミッタ結合対トランジ
スタは、エミッタ面積比が、それぞれK:1であり、相
互間において、エミッタ面積が1のトランジスタとKの
トランジスタ(Q11とQ13)(Q14とQ12)の
入力端同士が共通接続され、エミッタ面積が等しいトラ
ンジスタ(Q11とQ14)(Q13とQ12)の出力
端同士が共通接続される。そして、各結合エミッタに
は、前記トランジスタQ5を構成要素とする定電流源回
路(I0 )が接続される。
わせからなる2乗回路を示す。即ち(Q11、Q12)
と(Q13、Q14)の2つのエミッタ結合対トランジ
スタは、エミッタ面積比が、それぞれK:1であり、相
互間において、エミッタ面積が1のトランジスタとKの
トランジスタ(Q11とQ13)(Q14とQ12)の
入力端同士が共通接続され、エミッタ面積が等しいトラ
ンジスタ(Q11とQ14)(Q13とQ12)の出力
端同士が共通接続される。そして、各結合エミッタに
は、前記トランジスタQ5を構成要素とする定電流源回
路(I0 )が接続される。
【0033】この2乗回路の差動出力電流ΔI(=I+
−I- )は、数式8のようになる。
−I- )は、数式8のようになる。
【0034】
【数8】
【0035】図3は、このようにして得られる2乗回路
の入出力特性をエミッタ面積比Kをパラメータとして示
したものである。2乗回路としての入力電圧範囲が最も
広くなるのはK≒10.5の場合である。この時に、入
力電圧範囲を2VT 以内に限定すれば、ほぼ良好な2乗
特性が得られる。即ち、入力電圧をローカル周波数信号
とすれば、ローカル周波数信号を2逓倍できる。ローカ
ル周波数信号の入力電圧範囲を2VT に限定すれば、2
逓倍出力にフィルタは不要となり、回路的に直結できL
SI化に適した回路である。
の入出力特性をエミッタ面積比Kをパラメータとして示
したものである。2乗回路としての入力電圧範囲が最も
広くなるのはK≒10.5の場合である。この時に、入
力電圧範囲を2VT 以内に限定すれば、ほぼ良好な2乗
特性が得られる。即ち、入力電圧をローカル周波数信号
とすれば、ローカル周波数信号を2逓倍できる。ローカ
ル周波数信号の入力電圧範囲を2VT に限定すれば、2
逓倍出力にフィルタは不要となり、回路的に直結できL
SI化に適した回路である。
【0036】即ち、ローカル周波数信号電圧VLOを数式
9とおくと、その2逓倍電圧は数式10と表せるから、
当該2乗回路の差動出力電流ΔIは数式11となり、従
って図1に示す回路の差動出力電流ΔIOUT は数式12
と表せる。
9とおくと、その2逓倍電圧は数式10と表せるから、
当該2乗回路の差動出力電流ΔIは数式11となり、従
って図1に示す回路の差動出力電流ΔIOUT は数式12
と表せる。
【0037】
【数9】VLO=│VLO│cos(2πfLOt)
【0038】
【数10】
【0039】
【数11】
【0040】
【数12】
【0041】そして、定電流源の電流(テール電流)I
0 には、高周波信号電圧VRFが重畳されているので、数
式13となり、数式8の第1式を用いて級数展開する
と、数式14となるが、│VRF│《VT として2次以上
を無視して数式15と近似できる。
0 には、高周波信号電圧VRFが重畳されているので、数
式13となり、数式8の第1式を用いて級数展開する
と、数式14となるが、│VRF│《VT として2次以上
を無視して数式15と近似できる。
【0042】
【数13】
【0043】
【数14】
【0044】
【数15】
【0045】従って、図1に示す回路の差動出力電流Δ
IOUT は、数式16と近似できる。
IOUT は、数式16と近似できる。
【0046】
【数16】
【0047】数式16から、ローカル周波数の2倍波と
高周波周波数の積(数式17で表される)
高周波周波数の積(数式17で表される)
【0048】
【数17】cos{2π(2fLO)t}cos(2πfRFt)
【0049】を含む項が得られるが、このローカル周波
数の2倍波と高周波周波数の積は、数式18となるか
ら、ローカル周波数の2倍波と高周波周波数の和と差の
周波数成分が得られ、図1に示す回路は、AGC付き周
波数逓倍・ミキサ回路であることが示された。
数の2倍波と高周波周波数の積は、数式18となるか
ら、ローカル周波数の2倍波と高周波周波数の和と差の
周波数成分が得られ、図1に示す回路は、AGC付き周
波数逓倍・ミキサ回路であることが示された。
【0050】
【数18】 cos{2π(2fLO)t}cos(2πfRFt) = cos{2π(2fLO+fRF)t}+ cos{2π(2fLO−fRF)t}
【0051】なお、定電流源回路は、エミッタ接地のカ
レントミラー回路で構成されるが、実際には、ミキサ回
路としての3次歪を改善する目的でエミッタ抵抗を挿入
し、重畳される高周波信号に対する接地抵抗を下げて高
周波利得を高くするためにエミッタを容量(コンデン
サ)で接地するのが通常である。しかし、この場合にお
いても動作原理は上述した通りである。
レントミラー回路で構成されるが、実際には、ミキサ回
路としての3次歪を改善する目的でエミッタ抵抗を挿入
し、重畳される高周波信号に対する接地抵抗を下げて高
周波利得を高くするためにエミッタを容量(コンデン
サ)で接地するのが通常である。しかし、この場合にお
いても動作原理は上述した通りである。
【0052】また、ローカル周波数は2逓倍するのであ
るから信号電圧VLOは、2乗回路1に入力させる必要が
あるが、AGC制御電圧VAGC と高周波信号電圧VRFの
割り振り方は図1の通りである必要はなく、逆でも良
い。この場合、AGC制御電圧VAGC を図1に示すよう
に交差接続エミッタ結合対に入力させる場合には、正帰
還となるのを防止する必要があるので、正相電圧か逆相
電圧の一方のみが印加されるようにAGC制御電圧V
AGC を発生する必要があり、定電流源回路に入力させる
場合には、定電流源回路のトランジスタは正電圧のみで
動作するからAGC制御電圧VAGC を2乗したものを直
接印加できる。
るから信号電圧VLOは、2乗回路1に入力させる必要が
あるが、AGC制御電圧VAGC と高周波信号電圧VRFの
割り振り方は図1の通りである必要はなく、逆でも良
い。この場合、AGC制御電圧VAGC を図1に示すよう
に交差接続エミッタ結合対に入力させる場合には、正帰
還となるのを防止する必要があるので、正相電圧か逆相
電圧の一方のみが印加されるようにAGC制御電圧V
AGC を発生する必要があり、定電流源回路に入力させる
場合には、定電流源回路のトランジスタは正電圧のみで
動作するからAGC制御電圧VAGC を2乗したものを直
接印加できる。
【0053】次に、図4は、入力にオフセット電圧VK
が印加された(Q11、Q12)と(Q13、Q14)
の2対のエミッタ結合対の出力端を交差接続した2乗回
路を示す。この2乗回路の差動出力電流ΔIは、数式1
9で示されるが、VK =VT lnKとすれば、上述した、
エミッタ面積比がK:1の2対の不平衡差動対から構成
される2乗回路の場合と同様になる。
が印加された(Q11、Q12)と(Q13、Q14)
の2対のエミッタ結合対の出力端を交差接続した2乗回
路を示す。この2乗回路の差動出力電流ΔIは、数式1
9で示されるが、VK =VT lnKとすれば、上述した、
エミッタ面積比がK:1の2対の不平衡差動対から構成
される2乗回路の場合と同様になる。
【0054】
【数19】
【0055】次に、図5は、クワッドリテールセルから
なる2乗回路を示す。クワッドリテールセルは、Q11
とQ12とQ13とQ14の4つのトランジスタが1つ
テール電流I0 で駆動されるマルチテール構成としたも
ので、Q11とQ12およびQ13とQ14は、それぞ
れ出力端(コレクタ)が共通接続される。Q13とQ1
4の入力端(ベース)は共通接続されると共に、この入
力端を基準に、Q11の入力端にローカル周波数信号電
圧(1/2)VLOが印加され、Q12の入力端にローカ
ル周波数信号電圧(−1/2)VLOが印加される。
なる2乗回路を示す。クワッドリテールセルは、Q11
とQ12とQ13とQ14の4つのトランジスタが1つ
テール電流I0 で駆動されるマルチテール構成としたも
ので、Q11とQ12およびQ13とQ14は、それぞ
れ出力端(コレクタ)が共通接続される。Q13とQ1
4の入力端(ベース)は共通接続されると共に、この入
力端を基準に、Q11の入力端にローカル周波数信号電
圧(1/2)VLOが印加され、Q12の入力端にローカ
ル周波数信号電圧(−1/2)VLOが印加される。
【0056】このクワッドリテールセルの差動出力電流
ΔIは、数式20で示され、その入出力特性は、図6に
示すようになる。図6から、同様に、入力電圧範囲を2
VT以内に限定すれば、ほぼ良好な2乗特性が得られる
ことが知れる。従って、このクワッドリテールセルは、
2乗回路となっており、これを用いて同様にAGC付き
周波数逓倍・ミキサ回路を実現できる。
ΔIは、数式20で示され、その入出力特性は、図6に
示すようになる。図6から、同様に、入力電圧範囲を2
VT以内に限定すれば、ほぼ良好な2乗特性が得られる
ことが知れる。従って、このクワッドリテールセルは、
2乗回路となっており、これを用いて同様にAGC付き
周波数逓倍・ミキサ回路を実現できる。
【0057】
【数20】
【0058】次に図7は、不平衡差動対トランジスタの
組合わせからなる2乗回路を示す。これは、図2に示し
たバイポーラトランジスタ構成の2乗回路をMOSトラ
ンジスタに変更したもので、Bi−CMOSプロセスで
実現できる。図7において、Kは、ゲート幅Wとゲート
長Lの比(W/L)であるが、この2乗回路の差動出力
電流ΔIは、入力電圧を限定すると、数式21となる。
数式21において、βはコンダクタンスパラメータであ
り、キャリアの実効モビリティμと単位面積当たりのゲ
ート酸化膜容量COXとゲート幅Wとゲート長Lとを用い
てβ=μ(COX/2)(W/L)と表せる。
組合わせからなる2乗回路を示す。これは、図2に示し
たバイポーラトランジスタ構成の2乗回路をMOSトラ
ンジスタに変更したもので、Bi−CMOSプロセスで
実現できる。図7において、Kは、ゲート幅Wとゲート
長Lの比(W/L)であるが、この2乗回路の差動出力
電流ΔIは、入力電圧を限定すると、数式21となる。
数式21において、βはコンダクタンスパラメータであ
り、キャリアの実効モビリティμと単位面積当たりのゲ
ート酸化膜容量COXとゲート幅Wとゲート長Lとを用い
てβ=μ(COX/2)(W/L)と表せる。
【0059】
【数21】
【0060】図8に、この2乗回路の入出力特性をKを
パラメータとして示してある。MOSトランジスタで、
このように2乗回路を実現する場合には、トランスコン
ダクタンスパラメータβ、具体的には、ゲートW/Lの
値と駆動電流I0 の値で理想的な2乗特性を持つ入力電
圧範囲が決定され、バイポーラトランジスタで実現され
る図2に示される2乗回路の2乗特性の近似誤差の少な
い入力電圧範囲よりも広く設定できる。従って、このよ
うに構成した2乗回路を用いることで、同様に、AGC
付き周波数逓倍・ミキサ回路が実現できる。
パラメータとして示してある。MOSトランジスタで、
このように2乗回路を実現する場合には、トランスコン
ダクタンスパラメータβ、具体的には、ゲートW/Lの
値と駆動電流I0 の値で理想的な2乗特性を持つ入力電
圧範囲が決定され、バイポーラトランジスタで実現され
る図2に示される2乗回路の2乗特性の近似誤差の少な
い入力電圧範囲よりも広く設定できる。従って、このよ
うに構成した2乗回路を用いることで、同様に、AGC
付き周波数逓倍・ミキサ回路が実現できる。
【0061】次に、図9は、図4に示した2乗回路をM
OSトランジスタに変更したものであり、Bi−CMO
Sプロセスで実現できる。即ち、この2乗回路は、入力
にオフセット電圧VK が印加された(M11、M12)
と(M13、M14)の2対のエミッタ結合対の出力端
を交差接続した2乗回路である。
OSトランジスタに変更したものであり、Bi−CMO
Sプロセスで実現できる。即ち、この2乗回路は、入力
にオフセット電圧VK が印加された(M11、M12)
と(M13、M14)の2対のエミッタ結合対の出力端
を交差接続した2乗回路である。
【0062】この2乗回路の差動出力電流ΔIは、入力
電圧を限定すると、数式22となるが数式23のように
近似でき、入力電圧VLOに対して2乗特性となっている
ことが理解できる。なお、この近似式によれば近似誤差
が少なく、非常に良い近似を与える。
電圧を限定すると、数式22となるが数式23のように
近似でき、入力電圧VLOに対して2乗特性となっている
ことが理解できる。なお、この近似式によれば近似誤差
が少なく、非常に良い近似を与える。
【0063】
【数22】
【0064】
【数23】
【0065】図10に、この2乗回路の入出力特性をV
K をパラメータとして示してある。従って、図9に示す
2乗回路を用いて同様に、AGC付き周波数逓倍・ミキ
サ回路を実現できる。
K をパラメータとして示してある。従って、図9に示す
2乗回路を用いて同様に、AGC付き周波数逓倍・ミキ
サ回路を実現できる。
【0066】次に図11は、図5に示した2乗回路をM
OSトランジスタに変更したものであり、Bi−CMO
Sプロセスで実現できる。即ち、この2乗回路は、クワ
ッドリテールセルからなり、M11とM12とM13と
M14の4つのトランジスタが1つテール電流I0 で駆
動されるマルチテール構成としたもので、M11とM1
2およびM13とM14は、それぞれ出力端(ドレイ
ン)が共通接続される。M13とM14の入力端(ゲー
ト)は共通接続されると共に、この入力端を基準に、M
11の入力端にローカル周波数信号電圧(1/2)VLO
が印加され、M12の入力端にローカル周波数信号電圧
(−1/2)VLOが印加される。
OSトランジスタに変更したものであり、Bi−CMO
Sプロセスで実現できる。即ち、この2乗回路は、クワ
ッドリテールセルからなり、M11とM12とM13と
M14の4つのトランジスタが1つテール電流I0 で駆
動されるマルチテール構成としたもので、M11とM1
2およびM13とM14は、それぞれ出力端(ドレイ
ン)が共通接続される。M13とM14の入力端(ゲー
ト)は共通接続されると共に、この入力端を基準に、M
11の入力端にローカル周波数信号電圧(1/2)VLO
が印加され、M12の入力端にローカル周波数信号電圧
(−1/2)VLOが印加される。
【0067】このクワッドリテールセルの差動出力電流
ΔIは、入力電圧を限定すると、数式24で示され、そ
の入出力特性は、図12に示すようになる。図12か
ら、同様に、入力電圧範囲を限定すれば、理想的な2乗
特性が得られることが知れる。従って、このクワッドリ
テールセルは、2乗回路となっており、これを用いて同
様にAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を実現できる。
ΔIは、入力電圧を限定すると、数式24で示され、そ
の入出力特性は、図12に示すようになる。図12か
ら、同様に、入力電圧範囲を限定すれば、理想的な2乗
特性が得られることが知れる。従って、このクワッドリ
テールセルは、2乗回路となっており、これを用いて同
様にAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を実現できる。
【0068】
【数24】
【0069】次に、図13は、本発明の第2実施例に係
るAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を示す。この第2
実施例では、AGC制御電圧と高周波信号電圧の一方
(図示例ではAGC制御電圧VAGC )を入力とする1つ
のエミッタ結合対トランジスタ(Q1、Q2)と、ロー
カル周波数信号電圧VLOを入力とし、エミッタ結合対ト
ランジスタ(Q1、Q2)を駆動する2乗回路2と、2
乗回路2の定電流源回路を構成するトランジスタQ3と
で構成し、トランジスタQ3のベースにAGC制御電圧
と高周波信号電圧の他方(図示例では高周波信号電圧V
RF)が重畳されたベース電圧VBE(on)を印加するように
してある。
るAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を示す。この第2
実施例では、AGC制御電圧と高周波信号電圧の一方
(図示例ではAGC制御電圧VAGC )を入力とする1つ
のエミッタ結合対トランジスタ(Q1、Q2)と、ロー
カル周波数信号電圧VLOを入力とし、エミッタ結合対ト
ランジスタ(Q1、Q2)を駆動する2乗回路2と、2
乗回路2の定電流源回路を構成するトランジスタQ3と
で構成し、トランジスタQ3のベースにAGC制御電圧
と高周波信号電圧の他方(図示例では高周波信号電圧V
RF)が重畳されたベース電圧VBE(on)を印加するように
してある。
【0070】(Q1、Q2)のエミッタ結合対トランジ
スタを駆動する2乗回路2の出力電流(駆動電流)をI
とすると、この第2実施例に係るAGC付き周波数逓倍
・ミキサ回路の差動出力電流ΔIOUT は、数式25で示
される。
スタを駆動する2乗回路2の出力電流(駆動電流)をI
とすると、この第2実施例に係るAGC付き周波数逓倍
・ミキサ回路の差動出力電流ΔIOUT は、数式25で示
される。
【0071】
【数25】
【0072】ここに、2乗回路2の出力電流Iは、以上
説明した図2、図4、図5、図7、図9及び図11の2
乗回路1における2つの出力電流の何れか一方の電流で
あり数式26で示される。
説明した図2、図4、図5、図7、図9及び図11の2
乗回路1における2つの出力電流の何れか一方の電流で
あり数式26で示される。
【0073】
【数26】
【0074】数式26において、IE はテール電流の総
和値、ΔIは2乗回路1の差動出力電流であるが、上述
したようにΔIにはローカル周波数の2逓倍成分が支配
的に含まれるから、同様にローカル周波数の2倍波と高
周波周波数の積(数式27で表される)
和値、ΔIは2乗回路1の差動出力電流であるが、上述
したようにΔIにはローカル周波数の2逓倍成分が支配
的に含まれるから、同様にローカル周波数の2倍波と高
周波周波数の積(数式27で表される)
【0075】
【数27】cos{2π(2fLO)t}cos(2πfRFt)
【0076】を含む項が得られる。即ち、数式18に示
したように、ローカル周波数の2倍波と高周波周波数の
和と差の周波数成分が得られ、第1実施例と同様のAG
C付き周波数逓倍・ミキサ回路を実現できる。
したように、ローカル周波数の2倍波と高周波周波数の
和と差の周波数成分が得られ、第1実施例と同様のAG
C付き周波数逓倍・ミキサ回路を実現できる。
【0077】次に図14は、本発明の第3実施例に係る
AGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を示す。この第3実
施例では、エミッタ面積比が1:2±√3であるエミッ
タ結合対トランジスタの4組(Q1、Q2)(Q3、Q
4)(Q5、Q6)(Q7、Q8)と、それらを駆動す
る2乗回路3と、定電流源回路を構成するトランジスタ
Q9とで構成してある。
AGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を示す。この第3実
施例では、エミッタ面積比が1:2±√3であるエミッ
タ結合対トランジスタの4組(Q1、Q2)(Q3、Q
4)(Q5、Q6)(Q7、Q8)と、それらを駆動す
る2乗回路3と、定電流源回路を構成するトランジスタ
Q9とで構成してある。
【0078】(Q1、Q2)(Q3、Q4)(Q5、Q
6)(Q7、Q8)の4組のうちの一方の2組(Q1、
Q2)(Q3、Q4)では、相互間において、エミッタ
面積が1のトランジスタと2±√3のトランジスタ(Q
1とQ3)(Q2とQ4)の入力端同士及び出力端同士
がそれぞれ共通接続される。
6)(Q7、Q8)の4組のうちの一方の2組(Q1、
Q2)(Q3、Q4)では、相互間において、エミッタ
面積が1のトランジスタと2±√3のトランジスタ(Q
1とQ3)(Q2とQ4)の入力端同士及び出力端同士
がそれぞれ共通接続される。
【0079】同様に、4組のうちの他方の2組(Q5、
Q6)(Q7、Q8)では、相互間において、エミッタ
面積が1のトランジスタと2±√3のトランジスタ(Q
5、Q7)(Q6、Q8)の入力端同士及び出力端同士
がそれぞれ共通接続される。
Q6)(Q7、Q8)では、相互間において、エミッタ
面積が1のトランジスタと2±√3のトランジスタ(Q
5、Q7)(Q6、Q8)の入力端同士及び出力端同士
がそれぞれ共通接続される。
【0080】そして、一方の2組と他方の2組の相互間
において出力端が交差接続され、共通接続される入力端
間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の一方が印加され
る。図示例では、高周波信号電圧VRFが印加される。
において出力端が交差接続され、共通接続される入力端
間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の一方が印加され
る。図示例では、高周波信号電圧VRFが印加される。
【0081】ローカル周波数信号電圧VLOを入力とする
2乗回路3は、以上説明した2乗回路の2組を用いて、
または、1つの2乗回路の2出力のそれぞれを2分岐し
て前記4つのエミッタ結合対トランジスタそれぞれを駆
動する。
2乗回路3は、以上説明した2乗回路の2組を用いて、
または、1つの2乗回路の2出力のそれぞれを2分岐し
て前記4つのエミッタ結合対トランジスタそれぞれを駆
動する。
【0082】2乗回路3の定電流源回路を構成するトラ
ンジスタQ9は、本実施例ではそのベース電圧VBE(on)
にAGC制御電圧VAGC が重畳される。
ンジスタQ9は、本実施例ではそのベース電圧VBE(on)
にAGC制御電圧VAGC が重畳される。
【0083】2乗回路3の出力電流をΔIとすると、当
該AGC付き周波数逓倍・ミキサ回路の差動出力電流Δ
IOUT は、数式28と表せる。
該AGC付き周波数逓倍・ミキサ回路の差動出力電流Δ
IOUT は、数式28と表せる。
【0084】
【数28】
【0085】図15に、エミッタ面積比が1:2±√3
である2対の交差接続エミッタ結合対で構成される差動
対の入出力特性を示し、図16に、トランスコンダクタ
ンス特性を示してある。整合差動対と比較すれば理解で
きるように、直線性が改善される。従って、このような
差動対の入力電圧として本実施例のように高周波信号電
圧を割り振ればミキサ回路としての3次歪が改善され
る。
である2対の交差接続エミッタ結合対で構成される差動
対の入出力特性を示し、図16に、トランスコンダクタ
ンス特性を示してある。整合差動対と比較すれば理解で
きるように、直線性が改善される。従って、このような
差動対の入力電圧として本実施例のように高周波信号電
圧を割り振ればミキサ回路としての3次歪が改善され
る。
【0086】次に、図17は、本発明の第4実施例に係
るAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を示す。この第4
実施例では、エミッタ面積比が1:2±√3であるエミ
ッタ結合対トランジスタの2組(Q1、Q2)(Q3、
Q4)と、それらを駆動する2乗回路4と、定電流源回
路を構成するトランジスタQ5とで構成してある。
るAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路を示す。この第4
実施例では、エミッタ面積比が1:2±√3であるエミ
ッタ結合対トランジスタの2組(Q1、Q2)(Q3、
Q4)と、それらを駆動する2乗回路4と、定電流源回
路を構成するトランジスタQ5とで構成してある。
【0087】(Q1、Q2)と(Q3、Q4)は、相互
間において、エミッタ面積が1のトランジスタと2±√
3のトランジスタ(Q1とQ3)(Q2とQ4)の入力
端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接続される。
間において、エミッタ面積が1のトランジスタと2±√
3のトランジスタ(Q1とQ3)(Q2とQ4)の入力
端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接続される。
【0088】ローカル周波数信号電圧VLOを入力とする
2乗回路4は、以上説明した2乗回路の2組を用いて、
または、1つの2乗回路の2出力のそれぞれを2分岐し
て、2つの出力電流I+ または2つの出力電流I- を当
該2乗回路4の2つの出力電流Iとし前記2つのエミッ
タ結合対トランジスタそれぞれを駆動する。
2乗回路4は、以上説明した2乗回路の2組を用いて、
または、1つの2乗回路の2出力のそれぞれを2分岐し
て、2つの出力電流I+ または2つの出力電流I- を当
該2乗回路4の2つの出力電流Iとし前記2つのエミッ
タ結合対トランジスタそれぞれを駆動する。
【0089】3信号の割り振りは、第3実施例と同様で
ある。2乗回路4の出力電流をIとすると、当該AGC
付き周波数逓倍・ミキサ回路の差動出力電流ΔIOUT
は、数式29と表せる。
ある。2乗回路4の出力電流をIとすると、当該AGC
付き周波数逓倍・ミキサ回路の差動出力電流ΔIOUT
は、数式29と表せる。
【0090】
【数29】
【0091】この第4実施例においても第3実施例と同
様に直線性の改善効果が得られる。
様に直線性の改善効果が得られる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のAGC付
き周波数逓倍・ミキサ回路では、定電流源回路を除きト
ランジスタの縦積みを2段にして構成してあるので、3
V以下の電源電圧での動作を可能にする効果がある。
き周波数逓倍・ミキサ回路では、定電流源回路を除きト
ランジスタの縦積みを2段にして構成してあるので、3
V以下の電源電圧での動作を可能にする効果がある。
【図1】本発明の第1実施例に係るAGC付き周波数逓
倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
【図2】本発明で使用する2乗回路の第1実施例の回路
図である。
図である。
【図3】図2に示す2乗回路の入出力特性図である。
【図4】本発明で使用する2乗回路の第2実施例の回路
図である。
図である。
【図5】本発明で使用する2乗回路の第3実施例の回路
図である。
図である。
【図6】図5に示す2乗回路の入出力特性図である。
【図7】本発明で使用する2乗回路の第4実施例の回路
図である。
図である。
【図8】図7に示す2乗回路の入出力特性図である。
【図9】本発明で使用する2乗回路の第5実施例の回路
図である。
図である。
【図10】図9に示す2乗回路の入出力特性図である。
【図11】本発明で使用する2乗回路の第6実施例の回
路図である。
路図である。
【図12】図11に示す2乗回路の入出力特性図であ
る。
る。
【図13】本発明の第2実施例に係るAGC付き周波数
逓倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
逓倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
【図14】本発明の第3実施例に係るAGC付き周波数
逓倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
逓倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
【図15】エミッタ面積比が1:2±√3であるエミッ
タ結合対の4組からなる差動対の入出力特性図である。
タ結合対の4組からなる差動対の入出力特性図である。
【図16】エミッタ面積比が1:2±√3であるエミッ
タ結合対の4組からなる差動対のトランスコンダクタン
ス特性図である。
タ結合対の4組からなる差動対のトランスコンダクタン
ス特性図である。
【図17】本発明の第4実施例に係るAGC付き周波数
逓倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
逓倍・ミキサ回路の構成ブロック図である。
【図18】従来のAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路の
構成ブロック図である。
構成ブロック図である。
1 2乗回路 2 2乗回路 3 2乗回路 4 2乗回路 M11〜M14 MOSトランジスタ Q1〜Q9 バイポーラトランジスタ Q11〜Q14 バイポーラトランジスタ
Claims (4)
- 【請求項1】 出力端が交差接続され、共通接続される
入力端間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の一方が印
加される2つのエミッタ結合対トランジスタと; 横一
列配置の対トランジスタの組合わせからなり、ローカル
周波数信号電圧を入力とし前記2つのエミッタ結合対ト
ランジスタそれぞれを駆動する2乗回路と; 前記2乗
回路の定電流源回路を構成するトランジスタであってそ
のベースにAGC制御電圧と高周波信号電圧の他方が重
畳されたベース電圧が印加されるトランジスタと; を
備えたことを特徴とするAGC付き周波数逓倍・ミキサ
回路。 - 【請求項2】 AGC制御電圧と高周波信号電圧の一方
を入力とするエミッタ結合対トランジスタと; 横一列
配置の対トランジスタの組合わせからなり、ローカル周
波数信号電圧を入力とし前記エミッタ結合対トランジス
タを駆動する2乗回路と; 前記2乗回路の定電流源回
路を構成するトランジスタであってそのベースにAGC
制御電圧と高周波信号電圧の他方が重畳されたベース電
圧が印加されるトランジスタと; を備えたことを特徴
とするAGC付き周波数逓倍・ミキサ回路。 - 【請求項3】 エミッタ面積比が1:2±√3であるエ
ミッタ結合対トランジスタの4組からなり、一方の2組
及び他方の2組のそれぞれにおける相互間においてエミ
ッタ面積が1のトランジスタと2±√3のトランジスタ
の入力端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接続され、
一方の2組と他方の2組の相互間において出力端が交差
接続され、共通接続される入力端間にAGC制御電圧と
高周波信号電圧の一方が印加される4つのエミッタ結合
対トランジスタと; 横一列配置の対トランジスタの組
合わせからなり、ローカル周波数信号電圧を入力とし前
記4つのエミッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動す
る2乗回路と; 前記2乗回路の定電流源回路を構成す
るトランジスタであってそのベースにAGC制御電圧と
高周波信号電圧の他方が重畳されたベース電圧が印加さ
れるトランジスタと; を備えたことを特徴とするAG
C付き周波数逓倍・ミキサ回路。 - 【請求項4】 エミッタ面積比が1:2±√3であるエ
ミッタ結合対トランジスタの2組からなり、相互間にお
いてエミッタ面積が1のトランジスタと2±√3のトラ
ンジスタの入力端同士及び出力端同士がそれぞれ共通接
続され、入力端間にAGC制御電圧と高周波信号電圧の
一方が印加される2つのエミッタ結合対トランジスタ
と; 横一列配置の対トランジスタの組合わせからな
り、ローカル周波数信号電圧を入力とし前記2つのエミ
ッタ結合対トランジスタそれぞれを駆動する2乗回路
と; 前記2乗回路の定電流源回路を構成するトランジ
スタであってそのベースにAGC制御電圧と高周波信号
電圧の他方が重畳されたベース電圧が印加されるトラン
ジスタと; を備えたことを特徴とするAGC付き周波
数逓倍・ミキサ回路。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5343171A JP2541495B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | Agc付き周波数逓倍・ミキサ回路 |
GB9811143A GB2322492B (en) | 1993-10-27 | 1994-10-26 | Frequency multiplier and mixing circuit |
US08/329,324 US5552734A (en) | 1993-10-27 | 1994-10-26 | Local oscillator frequency multiplier and mixing circuit comprising a squaring circuit |
GB9421521A GB2284116B (en) | 1993-10-27 | 1994-10-26 | Frequency multiplier and mixing circuit |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5343171A JP2541495B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | Agc付き周波数逓倍・ミキサ回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07170128A JPH07170128A (ja) | 1995-07-04 |
JP2541495B2 true JP2541495B2 (ja) | 1996-10-09 |
Family
ID=18359465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5343171A Expired - Lifetime JP2541495B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-12-15 | Agc付き周波数逓倍・ミキサ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2541495B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0717042D0 (en) * | 2007-09-03 | 2007-10-10 | Toumaz Technology Ltd | Multiplier, mixer, modulator, receiver and transmitter |
IT201900016871A1 (it) * | 2019-09-20 | 2021-03-20 | St Microelectronics Srl | Circuito elettronico per triplicare la frequenza, in particolare per applicazioni in radiofrequenza nell'intervallo delle onde millimetriche |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP5343171A patent/JP2541495B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07170128A (ja) | 1995-07-04 |
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