JP2540875B2 - 空気調和装置の運転方法 - Google Patents

空気調和装置の運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は空気調和装置の運転方法に係り、特に室内
の炭酸ガス濃度を適正にする空気調和装置の運転方法に
関する。
〔従来の技術〕
従来の外気利用の空気調和装置は一般に第5図に示す
如き構成を有している。
対象室1内の空気は還気2として還気ダクト7を通つ
て還気フアン13に至る。還気フアン13にて吸入した還気
2は運転状態により一部を排気ダクト10を通つて排気5
として屋外に排出する。一方残部の還気2はバイパスダ
クト11を通つて、外気ダクト9に合流する。合流した還
気2は外気ダクト9からの外気4と混合し、混合気6と
なる。混合気6は空調機12にて所定の温度、湿度に処理
し、吸気ダクト8から給気3として対象室1内に給気す
る。上記空気調和装置のコントロールは次のように行な
う。
対象室1内の炭酸ガス濃度は炭酸ガス濃度検出器21に
より、温度は還気用温度検出器17により、外気4の温度
は外気用温度検出器19によりそれぞれ検出する。その検
出信号は中央演算制御装置22の検出信号入力端子23から
入力され、内蔵したマイクロコンピューターにより各ダ
ンパーの開閉量を演算する。ダンパーの開閉量を制御す
る信号は制御信号出力端子24から外気用モーターダンパ
ー14、排気用モーターダンパー15、バイパス用モーター
ダンパー16へそれぞれ伝送して、各ダンパーが所要の開
閉量となる。
ところで冷房には通常冷房と外気冷房の二方式があ
り、通常冷房とは例えば夏期において外気および対象室
1内とも気温が高く空気調和しなければ対象室1内が好
適温度に保てない場合の方式である。一方外気冷房とは
例えば春、秋等中間期において外気が好適温度で、対象
室1内の気温が高く、外気を利用して空気調和ができる
場合の方式である。
次に各ダンパー相互の開閉量と炭酸ガス濃度との関係
を説明する。
通常冷房または暖房の場合はすでに処理してある対象
室1内の温度を外部に逃すことなく運転することが、空
調機12の省エネルギー効果を高める。
従つて外気用モーターダンパー14と排気用モーターダ
ンパー15は小開度に設定し、バイパス用モーターダンパ
ー16は大開度に設定する。この結果必然的に外気導入量
が減少し、炭酸ガス濃度が上昇する。一方外気冷房の場
合は外気条件によつて外気導入量が大きく変化するがそ
れでも通常冷房に比較して多いので、一般的には炭酸ガ
ス濃度が上昇するケースは少ない。
第6図は従来の空気調和装置の動作手順を示すフロー
チャートで、運転がスタート200すると、暖房又は冷房
のいずれの状態で運転するかを手動によりパターン設定
201する。パターン設定201が暖房202であれば外気導入
量が少ないので、炭酸ガス制御205をする。炭酸ガス制
御205は炭酸ガス濃度の検出207をして、検出した炭酸ガ
ス濃度の判定208結果、例えば濃度値が1000ppm以上であ
れば外気用モーターダンパーを最大開度に設定209し、
外気を多量に対象内に動して炭酸ガス濃度を下げる。
炭酸ガス濃度値が1000ppm以下であれば、外気導入の
必要性は少ないので、外気用モーターダンパーを最小開
度に設定210する。
パターン設定201が暖房でなければ(冷房であれ
ば)、外気、還気の温度を検出203し、この値に基ずい
て外気冷房可否の判定204をする。外気冷房が否であれ
ば通常冷房となり、外気導入量を少なくして、上記に示
した炭酸ガス制御205に移行する。
外気冷房可否の判定204結果、外気冷房が可であれば
外気冷房制御206をする。外気冷房制御206は検出した温
度条件により最適なダンパー開閉量を前記中央演算制御
装置にて演算211し、最適なダンパー開閉量の設定212を
する。
以上説明した従来の技術においては第6図のフローチ
ャートで説明したように空気調和装置に対して初期条件
として空調管理者が手動で暖房、又は冷房のパターン設
定をせねばならなかつた。
また外気冷房制御手順においては外気の導入量が通常
は比較的多いので、炭酸ガス濃度が上昇しないことを前
提としておりそのフローに炭酸ガス制御手順が介在して
いなかつた。このため対象室内の在室人員が急に増加し
た等の要因で炭酸ガス濃度が上昇しても炭酸ガス制御手
順へフローが移行せず、法令に定める対象室内の環境衛
生管理基準の炭酸ガス濃度設定値が遵守されない場合も
あつた。
さらに炭酸ガス制御においては炭酸ガス濃度が設定値
を超えた際外気導入用ダンパーの最大開度設定が瞬時に
行なわれるため、外気量が急激に増加し、空調機に過大
な負荷が掛り、処理能力オーバーと云つた悪影響があつ
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この発明は前記従来方式の欠点を解消し、空気調和装
置として、暖房および冷房の手動設定をすることなく好
適な空気調和が行なえ、しかも外気冷房制御時でも炭酸
ガス濃度の制御ができ、かつ空調機の過負荷運転を回避
することのできる空気調和装置の運転方法を提供するに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る空気調和装置の運転方法は、室内の炭
酸ガス濃度を検出する工程と、前記検出した炭酸ガス濃
度の検出値を設定値より高ければ、該炭酸ガス濃度の設
定値が設定値より低くなるまで外気導入量が一段階ずつ
所定の保持時間を有して段階的に増加するように前記外
気系のダンパの開度を制御する工程と、前記検出した炭
酸ガス濃度の検出値が設定値より低ければ、外気と還気
の温度検出値から外気冷房運転の可否を判定する工程
と、前記判定の結果、外気冷房運転が可の場合には前記
外気と還気の温度検出値に基づいて前記室内を外気冷房
運転に適合する外気導入量になるように前記外気系及び
還気系のダンパの開度を設定する工程と、前記判定の結
果、外気冷房運転が否の場合で空気調和装置による通常
の冷房又は暖房を行う場合には、外気導入量が減少する
ように前記外気系及び還気系のダンパの開度を設定する
工程と、から成り、これらの工程を所定の保持時間を有
して間欠的に繰り返すことを特徴とする。
〔作 用〕
本発明に係る空気調和装置の運転方法によれば、室内
の炭酸ガス濃度を検出し、検出した値が設定値より高け
れば、設定値よりも低くなるまで一段階ずつ外気導入量
を増加させる。一方、室内の炭酸ガス濃度の検出値が設
定値より低ければ、外気および還気の温度検出値に基づ
いて外気冷房の可否を判定する。前記判定の結果、外気
冷房が可の場合には、前記外気と還気の温度検出値に基
づいて前記室内の外気冷房運転に適合する外気導入量に
なるように前記外気系及び還気系のダンパの開度を設定
する。一方、外気冷房が否の場合であって、通常の冷房
又は暖房を行う場合には、外気導入量が減少するように
前記各ダンパー開度を設定する。そして、この一連の制
御を間欠的に繰り返す。
〔実 施 例〕
空気調和装置の構成については前記〔従来の技術〕の
項の第5図に基ずき説明した内容と同様である。
本発明の実施例を第1図の動作手順を示すフローチヤ
ートにより説明する。第1図において空気調和装置の運
転がスタート100すると、炭酸ガス濃度の検出101をし、
炭酸ガス濃度値102が設定値の例えば1000ppm以上であれ
ば前記中央演算制御装置により外気導入量が多くなるよ
うに外気用モーターダンパーは大開度103となる。これ
と連動して排気用モーターダンパーは大開度になり、バ
イパス用モーターダンパーは小開度になる。また逆に外
気導入量を少なくする場合は外気用モーターダンパーは
小開度になり、これと連動して排気用モーターダンパー
も小開度となり、バイパス用モーターダンパーは大開度
となる。以下各ダンパーの開度説明では外気用モーター
ダンパーの開度を代表的ダンパーの開度として記述す
る。
炭酸ガス濃度値102が設定値の1000ppm以下であれば、
外気、還気温度を検出105し、外気冷房の可否106を判定
する。外気冷房が可であれば外気冷房制御107に移行
し、温度検出値をもとに前記中央演算制御装置により最
も省エネルギー運転ができるようにダンパー開度を演算
108して外気用モーターダンパーの開度設定109する。
外気冷房の可否106判定結果、外気冷房が否であれば
前記〔従来の技術〕の項で説明した通常冷房または暖房
制御110に移行し、外気用モーターダンパーの開度を最
小に設定111する。上記で設定した各ダンパーの開度は
時間T(対象室の規模にもよるが5分程度)だけ保持10
4し、再び炭酸ガス濃度の検出101手順へ戻る。
以上の動作手順の説明で各運転パターンのダンパー開
度量と保持時間104との関係について第2図を基に説明
する。
第2図において、外気冷房の運転パターンで運転a−
bをし、b点で炭酸ガス濃度値が設定値を越えると外気
用モーターダンパーがαだけ開きc点に達する。c点に
達したならば規定の保持時間Tを維持しd点に達する。
d点に達したならば炭酸ガス濃度値を検出し、未だ設
定値を超えているならば上記b−c−dと同様の手順で
d−e−fと進行する。f点で炭酸ガス濃度値が設定値
以下となれば外気温を検出し、その結果外気冷房が可と
なれば外気用モーターダンパーは再び外気冷房に適した
ダンパー開度に設定されてg点に達する。手順g−h−
i−j−k−lは上記で説明した手順a−b−c−d−
e−fと同様である。l点に達した時外気の温度条件に
変化があつて通常冷房運転パターンとなれば、外気用モ
ーターダンパーは通常冷房に適した最小ダンパー開度と
なるように閉じてm点に達する。
通常冷房運転パターンで運転m−nをし、n点で炭酸
ガス濃度値が設定値を超えて以後の手順n−o−p−q
−r−s−tは上記b−c−d−e−fと同じ手順であ
る。
本実施例においてはいかなる運転パターンでも常時室
内の炭酸ガス濃度を適正に管理することができる。また
各ダンパーの開動作を段階的にαだけ開くとともに保持
時間Tを設定することにより空調機の過負荷運転を回避
することができる。
次に本発明の変形例について説明する。
(i) 実施例にて外気用モーターダンパーが開く場合
の段階的開度αと保持時間Tについて第2図にて説明し
たが第3図のように逆に外気用ダンパーが閉じる場合に
も保持時間T時間毎にθ=θ−αとすることにより空調
機への急激な負荷変動の防止ができる。第3図について
説明すると第2図の場合のダンパー閉じ手順f−gとl
−mをそれぞれ段階的にf−1g−2g−gおよびl−1m−
2m−3m−4m−5m−6m−7m−8m−mにすることである。
(ii) 炭酸ガス濃度の設定値を第4図に示すように
上、下限範囲Zの巾を持たせてもよい。第4図において
設定値上限ポイントP1から外気の導入量を増して炭酸ガ
ス濃度を下げながら、設定値下限ポイントP2に達するま
で外気の導入量を増加させる。ポイントP2に達したなら
ば外気の導入量を減らし、温度条件に合致した運転パタ
ーンを選択して運転する。この状態での運転を再び炭酸
ガス濃度が上昇し、設定値上限ポイントP1に達するまで
継続する。ゆえにポイントP1から次のポイントP1までの
ワンサイクルタイムYの時間が、設定値に上、下限範囲
Zを設けたことで長くすることができ、空調機の負荷変
動の頻度を減少できる。
(iii) 第1図の実施例においては保持時間T時間経
過104手順が各運転パターンに共通して介在している
が、これをそれぞれの運転パターンに別個に設定し、そ
れぞれの運転パターンに適合した保持時間を選択するよ
うにしてもよい。
(iv) 実施例では外気温度および還気温度を検出して
外気冷房の可否を判定する。顕熱制御を行なうことで説
明したが、外気湿度および還気湿度の検出値を加味すれ
ば、云わゆるエンタルピー制御となり、特に外気冷房運
転において、より効果的な省エネルギ運転が可能とな
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、外気冷房運転或いは通常の冷暖房運
転にかかわらず空調装置に過大な負荷をかけることなく
室内の炭酸ガス濃度を常に設定値以下に維持することが
でき、且つ外気冷房運転時及び通常の冷暖房運転時に適
切な外気導入量を得ることができる。従って、室内を快
適な環境に維持することができると共に、省エネ運転を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例の動作手順を示すフローチヤー
ト図、第2図は実施例のダンパー開度と時間との関係を
示す図、第3図は変形例でダンパーが閉じる際のダンパ
ー開度と時間との関係を示す図、第4図は変形例での炭
酸ガス濃度の設定値と時間との関係を示す図、第5図は
従来の空気調和方式を示す構成図、第6図は従来の空気
調和装置の動作手順を示すフローチヤート図である。 101……炭酸ガス濃度検出, 103……外気用ダンパー開度設定, 104……保持時間,105……外気、還気温度検出, 107……外気冷房制御, 109……外気冷房用ダンパー制御, 110……通常冷房又は暖房制御。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室内の炭酸ガス濃度を検出する工程と、 前記検出した炭酸ガス濃度の検出値を設定値より高けれ
    ば、該炭酸ガス濃度の設定値が設定値より低くなるまで
    外気導入量が一段階ずつ所定の保持時間を有して段階的
    に増加するように前記外気系のダンパの開度を制御する
    工程と、 前記検出した炭酸ガス濃度の検出値が設定値より低けれ
    ば、外気と還気の温度検出値から外気冷房運転の可否を
    判定する工程と、 前記判定の結果、外気冷房運転が可の場合には前記外気
    と還気の温度検出値に基づいて前記室内を外気冷房運転
    に適合する外気導入量になるように前記外気系及び還気
    系のダンパの開度を設定する工程と、 前記判定の結果、外気冷房運転が否の場合で空気調和装
    置による通常の冷房又は暖房を行う場合には、外気導入
    量が減少するように前記外気系及び還気系のダンパの開
    度を設定する工程と、 から成り、これらの工程を所定の保持時間を有して間欠
    的に繰り返すことを特徴とする空気調和装置の運転方
    法。
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