JP2540491Y2 - 門柱扉装置の吊金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、門扉が門柱に枢支され水平回動自在でかつ
自動閉扉機能を有するように、該門扉の門柱側端の二以
上の所要箇所を該門柱に連結するための門柱扉装置の吊
金具に関する。

［従来の技術］ 従来のオートクローザ付門柱扉装置の一例として次の
ものがある。すなわち、門柱側ヒンジ体のヒンジ孔と門
扉側ヒンジ体のヒンッジ孔にヒンジが嵌合されて成る複
数個の吊金具により、門扉を門柱に水平回動自在に枢支
するとともに、オートクローザを門柱に取付け、オート
クローザの回転軸に固定したアームの揺動端を門扉と連
結し、門扉を開くとアームが揺動しオートクローザの回
転軸が回転して閉扉力に蓄勢する構成のものがある。

また、他のオートクローザ付門扉装置の例として、実
公平１−22079号がある。

［考案が解決しようとする課題］ 上記オートクローザ付門柱扉装置は、いずれも門柱ま
たは門扉にオートクローザを取付けるためのねじ孔加工
が必要であった。このため、門柱及び門扉をオートクロ
ーザ付きと、オートクローザなしとに区別する必要があ
った。また、新設または既設のオートクローザなしの門
柱扉装置をオートクローザ付門柱扉装置に変更する注文
があったとき、現場で門柱または門扉にオートクローザ
を取付けるためのねじ孔加工を行う必要があり、このた
め設置時間を多く必要とするとともにねじ孔の加工位置
がずれるとオートクローザの取付けができない等、大変
面倒であった。

本考案は、上述した点に鑑み案出したもので、オート
クローザが吊金具と一体に 着脱自在であり、オートクローザを門柱または門扉に取
付ける必要がなく、従って、門柱及び門扉に門柱側ヒン
ジ体または門扉側ヒンジ体と連結するためのねじ孔加工
を設け、オートクローザ取付け用のねじ孔加工は設ける
必要がなく、このため、オートクローザ取付け用のねじ
孔の有無により門柱及び門扉をオートクローザ付きとオ
ートクローザなしとに区別する必要がないとともに、オ
ートクローザが着脱自在であることにより新設または既
設のオートクローザなしの門柱扉装置をオートクローザ
付門柱扉装置に容易に変更することができる門柱扉装置
の吊金具を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本願考案によれば、上記課題を解決するための手段と
して、 門柱１に固定される門柱側ヒンジ体3aと門扉２に固定
される門扉側ヒンジ体3bとがヒンジ3cとの嵌合を介して
門扉２の門柱側端の二以上の所用箇所が門柱１に枢支さ
れ門扉２を水平回動自在に門柱１に連結するための門柱
扉装置の吊り金具3,3であって、一方の吊り金具３のヒ
ンジ3cは、門扉側ヒンジ体3bの端面よりも該ヒンジ3cの
端部である回転軸用の係合部3c′が引っ込んでいて該係
合部3c′がオートクローザ４の回転軸4aの外端係合部4
a′と重ねて連結可能に設けられ、かつ門柱側ヒンジ体3
aに対しては回転不能、門扉側ヒンジ体3bに対しては回
転自在となるように形成されており、前記一方の吊り金
具３の門扉側ヒンジ体3bは、ボルト通し孔を有するオー
トクローザ取付け用フランジ3iを備えているとともに前
記ヒンジ3cの係合部3c′に対応する位置にロックボルト
3jを外方からヒンジ孔へ挿通する連通孔3hが穿けられて
いることを特徴とする門柱扉装置の吊金具を提供するも
のである。

［作用］ 本願考案の門柱扉装置の吊金具は、門扉２を開いてい
くと、門扉側ヒンジ体3bの端面にオートクローザ４を装
着した場合には、オートクローザ４が門扉２と一体に回
動する一方、オートクローザ４の回転軸4aが門柱側ヒン
ジ体3aに回転不能に嵌合するヒンジ3cと連結固定されて
いるので、該オートクローザ４の回転軸4aが相対回転さ
れることになって閉扉力を蓄勢していくことになる。門
扉２を開いた後、手を離すと、オートクローザ４の回転
軸4aに作用する閉扉力によって、門扉２が閉じていく。
オートクローザなしの門柱扉装置を設置した後に注文が
あればオートクローザ付門柱扉装置に容易に変更でき
る。

［実施例］ 第１図ないし第７図は、本考案にかかるオートクロー
ザ付吊金具を使用した門柱扉装置を示す。

該門柱扉装置は、門扉２が門柱１に枢支され水平回動
自在でかつ自動閉扉機能を有するように、該門扉２の門
柱側端の上下二箇所を本考案にかかる吊金具により該門
柱１に連結されてなる。

該吊金具は、上側の吊金具３と、下側のオートクロー
ザ４が付いた吊金具３とからなる。

オートクローザ４は、回転軸4aが回動されると閉扉力
を蓄勢していき、回転軸4aに作用する回動力が解消する
と回転軸4aを元の位置まで自動的に逆転するようになっ
ている構造であればいかなるものでも良い。例えば、該
実施例では、最も簡素なオートクローザとして、オート
クローザ本体4bと、オートクローザ本体4b内に回転可能
に収容され一端が外部に突出している回転軸4aと、オー
トクローザ本体4b内の回転軸4aの周囲の空間に収容され
一端がオートクローザ本体4bに固定され、他端が回転軸
4aと固定されたコイルばね等の弾性体4cより成り、回転
軸4aが回動されると弾性体が撓んで閉扉力を蓄勢してい
き、回転軸4aに作用する回動力が解消すると、回転軸4a
を元の位置まで自動的に逆転し得る構造のものが使用さ
れている。

各吊金具3,3は、門柱１とねじ固定される門柱側ヒン
ジ体3aのヒンジ孔と、門扉２とねじ固定される門扉側ヒ
ンジ体3bのヒンジ孔とが同芯上に合わされ、両ヒンジ孔
にヒンジ3cが嵌入されて成る。門柱側ヒンジ体3aは、横
長な長孔3a′を上下に二個有し、門柱１の敷地内側の面
に密着され、ボルト3dが長孔3a′を通して門柱１のねじ
孔に螺合され、また門扉側ヒンジ体3bは、横長な長孔
３′を上下に二個有し、第４図，第５図に示すように、
対門扉密着面が所要の凹凸形状とされ門扉２の端面の嵌
合密着され、タッピンネジ3eが長孔3b′を通して門柱１
のねじ孔に螺合されている。ヒンジ3cは、丸棒状の軸体
の下半分の一側を平面となるように削り加工した形状で
あり、該ヒンジ3cの上半部に門扉側ヒンジ体3bが回動自
在に被嵌され、該ヒンジ3cの下半部が、門柱側にヒンジ
体3aの該ヒンジ3Cの下半部の水平断面に対応した空間断
面を有するように形成されたヒンジ孔に上方から弛く嵌
入され該門柱側ヒンジ体3aにより回転不能に支持されて
いる。門柱側ヒンジ体3aと門扉側ヒンジ体3bとの間に
は、ヒンジ3cに被嵌するように座金3fが挟まれて、門扉
側ヒンジ体3bが回動し易くされている。下側の吊金具３
の門扉側ヒンジ体3bは、上端にフランジ3iを有するとと
もに、上部正面部に連通孔3hを有し、また該吊金具３の
ヒンジ3cは上端が門扉側ヒンジ体３のヒンジ孔内にあっ
てフォークエンド形状の対回転軸用の係合部3c′となっ
ている。オートクローザ４は、回転軸4aを門扉側ヒンジ
体3bのヒンジ孔内に収容するようにかつ門扉２に密着す
るようにボルト通し孔を有するフランジ3iの上に載置さ
れボルト3gにより固定されているとともに、回転軸4aの
外端係合部4a′がヒンジ3cの係合部3c′と嵌合され、ロ
ックボルト3jが前記挿通孔3hを通して挿入され回転軸4a
の外端係合部4a′とヒンジ3cの係合部3c′を締結してい
る。

なお、上側の吊金具3,3の門扉側ヒンジ体3bのヒンジ
孔上端及び門柱側ヒンジ体3aのヒンジ孔下端と、下側の
吊金具3,3の門柱側ヒンジ体3aのヒンジ孔下端を蓋ピー
ス3kが嵌着閉塞している。

該実施例の吊金具を使用して門扉２を門柱１に枢着す
るには、門柱１に上側及び下側の吊金具3,3の門柱側ヒ
ンジ体3a,3aをボルト3dで固定する一方、門扉２に門扉
側ヒンジ体3b,3bをタッピンネジ3eで固定し、門扉２を
門柱１に取付ける状態に支持して門柱側ヒンジ体3a,3a
の上に門扉側ヒンジ体3b,3bを載せ、かつ、ヒンジ孔同
士を合致させ、ヒンジ3c、3cを上方からヒンジ孔に嵌合
して上下のヒンジ孔に蓋ピース3kを取着すればオートク
ローザなしの門柱扉装置の組み立てが完了し、また注文
がオートクローザ付門柱扉装置を設置して欲しいという
ことであれば、下側の吊金具３の門扉側ヒンジ体3bのフ
ランジ3iの上にオートクローザ４を載せフランジ3gで固
定し、ロックボルト3jを連通孔3hを通して挿入し回転軸
4aの外端係合部4a′とヒンジ3cの係合部3c′を締結し、
最後に、ヒンジ孔に蓋ピース3kを嵌着すれば完了する。

該実施例の作用は、上記［作用］の欄において説明し
た作用と変らないので、説明は省略する。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、本願考案に係る門柱扉装置
の吊金具によれば、 オートクローザが任意の一個の吊金具と一体に着脱自
在であり注文に応じて取付けられるもので、門柱または
門扉に取付ける必要がない構造でありながら、門柱扉装
置へ取付けた際に自動閉扉機能が有効に作用するように
なっているので、門柱及び門扉には門柱側ヒンジ体また
は門扉側ヒンジ体と連結するためのねじ孔加工を設けれ
ば良く、オートクローザ取付け用のねじ孔加工は設ける
必要がなく、このため、オートクローザ取付け用のねじ
孔の有無により門柱及び門扉をオートクローザ付きとオ
ートクローザなしとに区別する必要がなくなるととも
に、新設または既設のオートクローザなしの門柱扉装置
をオートクローザ付門柱扉装置に容易に変更することが
できる。

また、本願考案に係る門柱扉装置の吊金具によれば、
オートクローザが吊金具の門扉側ヒンジ体の端面に着脱
自在でありかつ門扉側ヒンジ体のヒンジ孔内でオートク
ローザの回転軸がヒンジと連結固定され得るので、軸芯
が出し易くオートクローザの回転軸が円滑に回転するこ
とが保障されるとともに、オートクローザ付吊金具の意
匠として優れたものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるオートクローザ付吊金具を使用
した門柱扉装置の要部正面図であり、第２図は第１図に
おけるII−II断面図、第３図は第１図におけるIII−III
断面図、第４図は第１図におけるIV−IV断面図、第５図
は第１図におけるＶ−Ｖ断面図、第６図及び第７図は要
部を縦断面した部分正面図及び部分側面図である。 １……門柱、２……門扉、３……吊金具、3a……門柱側
ヒンジ体、3b……門扉側ヒンジ体、3c……ヒンジ、４…
…オートクローザ、4a……回転軸、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】門柱に固定される門柱側ヒンジ体と門扉に
   固定される門扉側ヒンジ体とがヒンジとの嵌合を介して
   門扉の門柱側端の二以上の所用箇所が門柱に枢支され門
   扉を水平回動自在に門柱に連結するための門柱扉装置の
   吊り金具であって、 一方の吊り金具のヒンジは、門扉側ヒンジ体の端面より
   も該ヒンジの端部である対回転軸用の係合部が引っ込ん
   でいて該係合部がオートクローザの回転軸の外端係合部
   と連結可能に設けられ、かつ門柱側ヒンジ体に対しては
   回転不能、門扉側ヒンジ体に対しては回転自在となるよ
   うに形成されており、 前記一方の吊り金具の門扉側ヒンジ体は、ボルト通し孔
   を有するオートクローザ取付け用のフランジを備えてい
   るとともに前記ヒンジの係合部に対応する位置にロック
   ボルトを外方からヒンジ孔へ挿通する連通孔が穿けられ
   ていることを特徴とする門柱扉装置の吊金具。