JP2540315B2 - 水中ビ―クル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水中ビークル、例えば水中検査に使用できる
遠隔操作の水中ビークルに関する。

水中検査用の初期の遠隔操作ビークルはその圧力殻体
の外部に装着されて圧力シールされかつ防水されたカメ
ラを有している。かかるカメラは漏洩と衝突損傷の両方
を受け易い。又、最近の遠隔操作ビークルは光学的に透
明な観視ポートの背後でシールされたカメラを有してい
る。かかる観視ポートはアクリルおよびガラスの如き材
料から作られ適当なシールにより遠隔操作ビークルの殻
体に取り付けられている。概ね、平らな板の観視ポート
が使用されている場合は前記水中ビークルは前方観視カ
メラを有し、半球状の観視ポートが使用されている場合
はカメラは水平方向及び垂直方向に傾けることが出来る
ようになっている。この従来の半球状観視ポートでは、
水平方向および垂直方向の傾斜角は約70°が限度であ
る。

本発明の水中ビークルは、球形の圧力殻体の一構成要
素を形成する観視ポートを有する水中ビークルにおい
て、前記観視ポートは前記殻体を取り巻く透明な区分を
与えるべく、殻体区分の間に挟まれていて、この観視ポ
ートは透明材料からなりかつ前記圧力殻体の最大直径部
分を構成するリングであり、このリングを通して前記殻
体中心から360°にわたる視野を与えることを特徴とす
る。

本発明の水中ビークルでは、前記観視ポートを通して
観視できるように回転可能に殻体内に枢着されたカメラ
を有する。

本発明の水中ビークルでは、前記観視ポートを通して
外部を照らす光を出すように配列された光源を殻体内に
有する。

本発明の水中ビークルでは、前記観視ポートと殻体区
分との間のジョイント面は外部圧力がそのジョイントの
密封を助成するように斜角状になされている。

本発明の水中ビークルでは、前記観視ポートは透明材
料で出来た単一片のリングである。

本発明の水中ビークルは水中検査に使用できる遠隔操
作のビークルである。

本発明の観視ポートは360°全体にわたって視野を与
えることが出来る。この観視ポートは実質的に球形であ
る圧力殻体の一部を形成するので、その視野はポートに
より歪まされない（つまり、ポートは光学的に補正され
ている）という特別な有利性がある、なぜならば、球の
中心からのどの方向における視野も弧を形成する視野ポ
ート区分を通っているからである。

本発明を添付の図面を参照して詳細に例示的に以下に
説明する。

第１図は本発明の遠隔操作ビークルを特にその観視ポ
ートを通る縦断面で示し、第２図は第１図に直角な縦断
面で示す。

第３図は本発明の遠隔操作の球形ビークルの正面図で
あり、第４図はその側面図である。

第１図および第２図に示される通り、水中ビークルは
透明なアクリルプラスチック材料からなり圧力殻体の最
大直径部分を構成するリングからなる観視ポート２を有
する。観視ポート２は二つの部分球形状殻体区分４の間
に挟まれている。観視ポートと殻体区分の厚さは水中ビ
ークルの操作深度範囲で水中で遭遇する外部圧力に耐え
るのに十分であるように選択される。

観視ポート２と殻体区分４とのジョイント面６は球状
殻体の中心８に向けて放射方向に角度（φ）が付され
（斜角状にされ）ている。観視ポートと殻体区分とにか
かる外部圧力はジョイント面６を互いに押圧し、ジョイ
ントの密封を助成する。

この実施例においては、ビデオカメラ10は中心８に装
着されている。このカメラ10は観視ポート２を通して36
0°全体にわたって観視できるように回転可能に装着さ
れている。このカメラ10が中心８のまわりに回転される
と、視野（θ）は赤道上を走査する。観視ポートを垂直
方位に配列すると、カメラ10は水中ビークルの前部、背
後、上部、下部の部域を検査出来る。ビデオカメラの使
用は、現在のところ、検査に好ましいが、他のカメラ
（例えば、スチルカメラ、ムービカメラ）を使用しても
よいし、また、他の像形成装置あるいは他の適当な遠隔
センサも使用できよう。

更に、本発明は圧力殻体の内側に光源を有して観視ポ
ートを通して外部を照らすことが出来るようにした水中
ビークルをも含む。これは例えば光源からの光を検査す
べき特定の区域のみを照明するようにすることが出来
る。本発明によれば、検査（カメラによる）と照明の両
方が水中ビークル、例えば遠隔操作ビークルにより同時
に実施できることは明らかであろう。

第３図および第４図を参照して、遠隔操作ビークルの
殻体区分４には安定用フィン12と電動機により付勢され
る推進器14,15とが取り付けられている。推進器14は前
後の操縦を行い、推進器15は水中ビークルに上下運動の
制御を与える。カメラを操作し又水中ビークルの位置を
制御するために必要なモータおよび制御回路はすべて密
封殻体内に収めるのが好ましい。使用に際して遠隔操作
ビークル内に発生した熱はヒートシンク16を介して回り
の水へ放散される。

一般に、遠隔操作ビークルは制御ケーブルにより上方
の指令センターへつながれている。また、遠隔操作ビー
クルには軸受20のまわりに回動できる昇降ハンドル18が
設けられている。ハンドル18は遠隔操作ビークルの重心
からこのビークルを牽引するのに使用される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の水中ビークルに使用された観視ポート
の縦断面とその内部のカメラを示す図である。 第２図は第１図の縦断面に直角に取った水中ビークルの
縦断面とその内部のカメラを示す図である。 第３図は本発明の水中ビークルの正面図である。 第４図は第３図の水中ビークルの側面図である。 図において、２は透明な観視ポート、４は殻体区分、６
はジョイント面、８は球状殻体の中心、10はカメラ、12
は安定用フィン、14は前後推進器、15は上下推進器、16
はヒートシンク、18はハンドルを示す。

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】球形の圧力殻体の一構成要素を形成する観
   視ポート（２）を有する水中ビークルにおいて、 前記観視ポート（２）は、前記殻体を取り巻く透明な区
   分を与えるべく、殻体区分（４）の間に挟まれていて、
   この観視ポートは透明材料からなりかつ前記圧力殻体の
   最大直径部分を構成するリングであり、このリングを通
   して前記殻体の中心から360°にわたる視野を与えるこ
   とを特徴とする水中ビークル。
2. 【請求項２】前記観視ポート（２）を通して観視できる
   ように回転可能に殻体内に枢着されたカメラ（10）を有
   する請求項１の水中ビークル。
3. 【請求項３】前記観視ポート（２）を通して外部を照ら
   す光を出すように配列された光源を殻体内に有する請求
   項１又は２の水中ビークル。
4. 【請求項４】前記観視ポート（２）と殻体区分（４）と
   の間のジョイント面（６）は外部圧力がそのジョイント
   の密封を助成するように斜角状になされている請求項1,
   2又は３の水中ビークル。
5. 【請求項５】前記観視ポート（２）は透明材料で出来た
   単一片のリングである請求項１乃至４のいずれか一の水
   中ビークル。
6. 【請求項６】水中検査に使用できる遠隔操作のビークル
   である請求項１乃至５のいずれか一の水中ビークル。