JP2539563Y2 - 自動車の車輪軸受装置 - Google Patents

自動車の車輪軸受装置

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JP2539563Y2
JP2539563Y2 JP1994005228U JP522894U JP2539563Y2 JP 2539563 Y2 JP2539563 Y2 JP 2539563Y2 JP 1994005228 U JP1994005228 U JP 1994005228U JP 522894 U JP522894 U JP 522894U JP 2539563 Y2 JP2539563 Y2 JP 2539563Y2
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bearing
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JP1994005228U
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典男 山田
邦茂 乙竹
光隆 佐竹
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NTN Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車の駆動側車輪
或いは遊動側車輪を車体に回転自在に支持する軸受装
置、特にアンチロックブレーキ装置のスピードセンサを
備えた自動車の車輪軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 上記アンチロックブレーキ装置は急ブ
レーキ時の車輪ロックを防止する装置である。雨で濡れ
た路面、雪路、凍結路等のようにすべりやすい路面で急
ブレーキをかけると、車輪が容易にロックされてコーナ
リングフォース(路面上で車輪に作用する進行方向と直
角の力)がなくなり、何らかの外乱により車両が偏向す
る。特に、後輪のみがロックされた場合はスピンするこ
とがある。アンチロックブレーキ装置はこのような状態
を未然に防ぐように車輪の回転状態を常に監視し、自動
的にブレーキ油圧のコントロールを行い、車輪のロック
を防止しながら最大限のブレーキ力を確保して車両の方
向安定性、操縦性を維持すると共に停止距離の短縮を図
るものである。そして、このアンチロックブレーキ装置
は、歯車状のパルスリングを回転させ、それに近接した
電磁ピックアップで車輪回転数に比例した周波数のパル
スを発生させるスピードセンサと、該スピードセンサか
らのパルス信号を演算処理して車輪の状態を検出し、記
憶している理想的な制動条件を維持するように制動指令
を与えるコンピュータと、該コンピュータからの指令を
うけてブレーキ油圧を増減して車輪の回転状態をコント
ロールするアクチュエータとで構成され、制動を開始す
るとスピードセンサの信号からコンピュータは車輪速度
と加速度を算出し、その値の変化により車輪がロックさ
れそうかどうか判断し、ロックされそうになると減圧、
速度が回復されてくると増圧の指令をアクチュエータに
送り、アクチュエータはその指令によりミリセコンドの
応答速度でソレノイドバルブを作動してブレーキ油圧を
増減させるようにしたものである。
【0003】現在、上記アンチロックブレーキ装置はご
く一部の乗用車と大型トラックのみに採用されている
が、電子制御技術の進歩と共に今後普及が予想される。
【0004】そこで、近年、上記アンチロックブレーキ
装置のスピードセンサを一体的に組込んだ構造の車輪軸
受装置が注目され、その例が特公昭52−46331号
公報等に示されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】ところで、特公昭52
−46331号公報等で示される公知のものは、別に製
作されたスピードセンサのパルスリングを車輪軸受装置
の構成部材に取付けている。その為、部品点数が増加す
ることになり、組立に際して工数が増えて作業性を悪く
し、コスト高となる欠点を有する。
【0006】
【課題を解決するための手段】 この考案は、車輪と共
に回転する自動車の車輪軸受装置の構成部材の一部にパ
ルス歯列を形成することによって課題を解決したもので
ある。すなわち、この考案の自動車の車輪軸受装置は
車体に固定されるフランジ付で、かつ、内径面に複列の
軌道面を有する軸受外輪と、車輪取付用フランジを有
し、外径面に第一の軌道面を形成したハブと、外径面に
第二の軌道面を有し上記ハブと嵌合して軸受内輪を構成
する環状部材と、上記軸受外輪の複列の軌道面と上記第
一および第二の軌道面との間に介在する複列のボール
と、上記軸受外輪の両端開口部に位置して軸受空間を密
封するシールとからなり、パルス歯列と電磁ピックアッ
プを用いたアンチロックブレーキ装置用のスピードセン
サを具備し、上記ハブの上記環状部材の端部側に、上記
環状部材を嵌合保持する第2の環状部材を嵌合させ、上
記第2の環状部材の外周面に上記パルス歯列を形成さ
せ、かつ、上記軸受外輪の延長部に上記電磁ピックアッ
プを挿通保持させて上記パルス歯列と半径方向に対向さ
せたものである。
【0007】
【作用】自動車の車輪軸受装置の構成部材の一部にパル
ス歯列を形成したことにより当該部材がアンチロックブ
レーキ用のスピードセンサを構成するパルスリングを兼
ねる。したがって、従来のように別途製作したパルスリ
ングを付加する必要がない。
【0008】
【実施例】 図1は遊動側車輪を支持する車輪軸受装
示す縦断面図であって、(1)は外周面に軸受転動体
の軌道面(2)を形成したアクスルシャフトで、先端外
周面にネジ部(3)を刻設するとともに、後端に車輪取
付用フランジ(4)を外周に一体に形成したハブ(5)
を一体構造で設けている。内輪構成部材としては、車輪
軸受装置のロックナット、座金、軸受内輪等である。
(6)はアクスルシャフト(1)の軌道面(2)と所定
の位置関係を持ってアクスルシャフト(1)に圧入嵌合
された軸受内輪で、外周面に軌道面(7)を形成してい
る。(8)はアクスルシャフト(1)および軸受内輪
(6)の外周に対向配置された軸受外輪で、内周面に2
列の軌道面(9)(10)を形成し、外周に車体取付用
フランジ(11)を一体に形成している。この軸受外輪
(8)の軌道面(9)(10)とアクスルシャフト
(1)および軸受内輪(6)の軌道面(2)(7)との
間に保持器(図示せず)に保持されたボール(12)
(13)を介在させて複列アンギュラ玉軸受(14)を
構成している。(15)はアクスルシャフト(1)の先
端のネジ部(3)に座金(16)を介して螺合させたロ
ックナットで、これを締付けることにより、軸受(1
4)をアクスルシャフト(1)に一体的に結合すると
に、軸受(14)の軸方向スキマおよび予圧を調整す
る。このロックナット(15)は図2に示すように、
外周面に歯車状のパルス歯列(17)を形成させてスピ
ードセンサのパルスリングを兼用している。(18)は
軸受外輪(8)に支持リング(19)を介して取付け
られた電磁ピックアップで、ロックナット(15)のパ
ルス歯列(17)に近接させてパルス歯列(17)との
間で発生するパルス信号をアンチロックブレーキ装置の
コンピュータ(図示せず)に送信する。なお図中の符
号20は軸受(14)のシール部材を示す。
【0009】上記構造の車輪軸受装置では、ロックナッ
ト(15)の外周面にパルス歯列(17)を設けて該ロ
ックナット(15)にスピードセンサのパルスリングを
兼用させるようにしたので、別に製作されたパルスリン
グを取付ける必要がなく、部品点数の増加はない。
【0010】 図3は座金(16)にスピードセンサの
パルスリングを兼用させた場合を示しており、他の構成
は前述の図1のものと同様である。すなわち、座金(1
6)の外周縁に軸方向に直角に折曲したスリーブ部(2
1)を形成し、このスリーブ部(21)に、図4に示す
ような櫛状のパルス歯列(22)を形成している。
【0011】 駆動側車輪を支持する車輪軸受装置の場
合には、中空状の軸部の外周に車輪取付用フランジを一
体に形成したハブを有する。ハブは、軸部の外周面に軌
道面を形成し、内周面に等速自在継手の外方部材と結合
するためのスプラインを形成している。ハブの軸部に形
成した軌道面と所定の位置関係をもって、外周面に軌道
面を形成した環状部材をハブの軸部に圧入して嵌合さ
せ、それぞれ軌道面をもった軸部と環状部材とで軸受内
輪を構成させる。そして、この環状部材の外周面端部に
歯車状のパルス歯列を形成してスピードセンサのパルス
リングを兼用させる。なお、一体物の環状部材の、軌道
面よりも端部側の延長部外周面にパルス歯列を形成させ
るほか、パルス歯列を形成した延長部を、軌道面を形成
した部分とは別体の第2の環状部材とすることも可能で
ある。その場合、第2の環状部材は環状部材(の軌道面
を形成した部分)をハブの軸部に嵌合保持することとパ
ルス歯列を担持することの2つの役割を果たす。軸部と
環状部材とで構成される軸受内輪の外周に、内周面に2
列の軌道面を形成し外周に車体取付用フランジを一体に
形成した軸受外輪を配置する。ハブの軸部および環状部
材に形成した軌道面と、軸受外輪の軌道面との間に、保
持器に保持されたボールを介在させて複列アンギュラ玉
軸受を構成する。スピードセンサの電磁ピックアップは
軸受外輪の一方端部に挿通保持させて環状部材のパルス
歯列に近接させ、パルス歯列との間で発生するパルス信
号をアンチロックブレーキ装置のコンピュータに送信さ
せるようにする。
【0012】図面では省略されているが、軸受外輪(5
5)の両端開口部には、この種の軸受装置において通常
使用されるようなシールが取り付けられ、軸受空間内に
塵埃や水その他の異物が侵入するのを防止する。それゆ
え、パルス歯列(54)および電磁ピックアップ(6
2)の先端部は、シールで密封された軸受空間内に位置
する。
【0013】 なお、転動体としてボールを用いた複列
アンギュラ玉軸受の場合について説明したが、他に円す
いころを転動体として用いた複列円すいころ軸受を使用
い。また、この考案は、図示し、かつ上述した
実施例以外にも各種型式の車輪軸受装置に適すること
ができる
【0014】
【考案の効果】 この考案は、車輪と共に回転する軸受
構成部の一つである第2の環状部材にパルス歯列を設
けてスピードセンサのパルスリングを兼用させたので、
別に製作したパルスリングを取り付ける必要がなく、部
品点数を増やすことなく車輪軸受装置にスピードセンサ
を内蔵させることができる。このため、構造が簡単でコ
ンパクトとなり、軸受装置全体を小型軽量にすることが
でき、同時に組立作業も容易となる。加えて、軸受内輪
を構成する環状部材を、ロックナットや座金等の部材を
使用せず、ハブに嵌合した第2の環状部材によって固定
しているため、軸受全体の一層コンパクトな構造が実現
した。しかも、環状部材と第2の環状部材をハブに嵌合
させることにより、軸受を一体的に結合するとともに、
軸受の軸方向スキマおよび予圧を調整することができ
る。
【0015】また、この考案によれば、スピードセンサ
を構成する電磁ピックアップとパルス歯列がシールで密
封された軸受空間内に位置するため、塵埃や水その他の
異物から保護され、確実なセンサー機能が確保される。
また、軸受空間の中でもボールとシールとの間にパルス
歯列を配置したことにより、軸受の組立作業を複雑にす
ることなく、しかも部品点数が少なく全体として小型軽
量の、アンチロックブレーキ装置用のスピードセンサを
組み込んだ車輪軸受装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロックナットにパルスリングを兼用させた車輪
軸受装置の縦断面図である。
【図2】図1のロックナットの拡大部分正面図である。
【図3】座金にパルスリングを兼用させた車輪軸受装置
の縦断面図である。
【図4】図3の座金の拡大部分平面図である。
【符号の説明】
1 アクスルシャフト 2 軌道面 4 車輪取付用フランジ 5 ハブ 6 軸受内輪 7 軌道面 8 軸受外輪 9,10 軌道面 11 車体取付用フランジ 12,13 ボール 14 アンギュラ玉軸受 17,22 パルス歯列 18 電磁ピックアップ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に固定されるフランジ付で、かつ、
    内径面に複列の軌道面を有する軸受外輪と、車輪取付用
    フランジを有し、外径面に第一の軌道面を形成したハブ
    と、外径面に第二の軌道面を有し上記ハブと嵌合して軸
    受内輪を構成する環状部材と、上記軸受外輪の複列の軌
    道面と上記第一および第二の軌道面との間に介在する複
    列のボールと、上記軸受外輪の両端開口部に位置して軸
    受空間を密封するシールとからなり、パルス歯列と電磁
    ピックアップを用いたアンチロックブレーキ装置用のス
    ピードセンサを具備し、上記ハブの上記環状部材の端部
    に、上記環状部材を嵌合保持する第2の環状部材を嵌
    させ、上記第2の環状部材の外周面に上記パルス歯列
    を形成させ、かつ、上記軸受外輪の延長部に上記電磁ピ
    ックアップを挿通保持させて上記パルス歯列と半径方向
    対向させたことを特徴とする自動車の車輪軸受装置。
JP1994005228U 1994-05-16 1994-05-16 自動車の車輪軸受装置 Expired - Lifetime JP2539563Y2 (ja)

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JPH0721465U JPH0721465U (ja) 1995-04-18
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JP2004132474A (ja) * 2002-10-10 2004-04-30 Koyo Seiko Co Ltd 転がり軸受装置

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