JP2539210B2 - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置の駆動方法

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JP2539210B2 JP62033199A JP3319987A JP2539210B2 JP 2539210 B2 JP2539210 B2 JP 2539210B2 JP 62033199 A JP62033199 A JP 62033199A JP 3319987 A JP3319987 A JP 3319987A JP 2539210 B2 JP2539210 B2 JP 2539210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 強誘電性液晶を用いた液晶表示装置に於いて、液晶セ
ル内をマルチドメイン化し、その液晶セル内の一部の透
過光量が変化し始める電圧と、全体の透過光量が変化す
る電圧との間の電圧を、表示情報に対応して選択して液
晶セルに印加し、液晶に要求される応答速度を高くする
ことなく、階調表示を行わせるものである。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置に関す
るものである。
液晶表示装置は、平板型で且つ低電圧駆動できる利点
があるので、各種の表示装置として採用されている。こ
のような液晶表示装置に於いて、階調動画表示を可能と
することが要望され、これを実現し得る液晶として、記
憶機能を与えることができる強誘電性液晶が注目されて
いる。しかし、階調動画表示を行うには、液晶に高速応
答性が要求されることになり、実用化することが容易で
なかった。従って、液晶に要求される応答速度が低くて
も良い駆動方法が要望されている。
〔従来の技術〕
従来の強誘電性液晶を用いた液晶表示装置は、モノド
メインの液晶セルから構成され、その液晶セルの厚さ
は、記憶機能が現れる厚さ以下とし、階調表示を行う場
合に、1フレーム等の単位時間に於ける明状態(又は暗
状態)の時間割合を制御するものであった。例えば、16
階調表示を行う場合に、第5図に一部を示すように、1
フレームを16分割し、それぞれの分割期間t1〜t16内
を、書込みの為の選択期間tsと、その状態を維持する非
選択期間tnとに分け、選択期間tsに於いては、閾値電圧
以上の電圧を液晶セルに印加して、明状態又は暗状態の
切替えを行うものである。
例えば、分割期間t1の選択期間tsに、閾値電圧以上の
−Vの電圧を選択液晶セルに印加し、次に+Vの電圧を
印加すると、暗状態から明状態に変化し、透過光量は相
対値で0から100%に変化する。そして、非選択期間tn
に閾値電圧以下の電圧を印加して、透過光量が100%の
状態を維持し、次の分割期間t2の選択期間tsに、+Vの
電圧の次に−Vの電圧を印加すると、液晶セルは透過光
量100%の明状態から0%の暗状態に変化する。
従って、分割期間t1に於いて明状態に変更された後、
次の分割期間t2に於いて暗状態に変更されるから、透過
光量が100%の明状態の期間は、1/16の期間となり、1/1
6の輝度の表示となる。即ち、16分割された期間のうち
のどれだけの期間を明状態にするかを、選択期間tsに於
ける印加電圧の選択により決定して階調表示を行うもの
である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述の従来例に於いては、16階調表示の為に1フレー
ム期間を16分割して駆動するものであり、例えば、1/40
0デューティ階調動画表示を行う場合、1フレーム期間
を1/60Sとすると、液晶の応答速度は、約0.65μS以下
であることが必要となる。強誘電性液晶の応答速度は、
通常50〜100μS程度であるから、階調度を小さくする
か、デューティを大きくしなければならないことにな
り、階調動画表示に於いて所望の表示特性を得ることが
容易でなかった。
本発明は、液晶に要求される応答速度を大きくするこ
となく、階調動画表示を可能とすることを目的とするも
のである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、第1図を参照し
て説明すると、直交配置した複数のデータ電極と走査電
極との間に、強誘電性液晶からなる液晶セルを形成した
液晶表示装置に於いて、液晶セル内を、二方向ラビング
や高周波パルス印加等によって、ディスクリネーション
或いはディスロケーションによるドメインウォールによ
りマルチドメイン化し、強誘電性液晶が応答する周波数
より高い周波数の交流パルスACと、強誘電性液晶が応答
できる書込パルスWPとを組合せて液晶セルに印加する。
例えば、データ電極X1,X2に、VX1,VX2の電圧を印加
し、走査電極Y1,Y2に、VY1,VY2の電圧を印加すると、そ
のデータ電極X1,X2と走査電極Y1,Y2との交点の液晶セル
A,B,C,Dには、Va,Vb,Vc,Vdに示すように、初期化パルス
WOと書込パルスWPと交流パルスACとが印加される。
その時に、書込パルスWPの電圧を、マルチドメイン化
された液晶セル内の一部の透過光量が変化を開始する第
1の電圧V1(又は−V1)と、液晶セル内の全体の透過光
量が完全に変化する第2の電圧V2(又は−V2)との間の
値に選定して階調表示を行わせるものである。
〔作用〕
液晶セルをマルチドメイン化し、印加電圧を上昇させ
ると、マルチドメイン化された各部は均一な特性ではな
く、一部のドメインの状態が先に変化する。この時の電
圧を第1の電圧V1(又は−V1)とする。更に電圧を上昇
させると、マルチドメインの総ての状態が変化する。こ
の時の電圧を第2の電圧V2(又は−V2)とする。従っ
て、表示情報に対応して第1の電圧と第2の電圧との間
に選定された電圧を印加することにより、液晶セルは所
望の階調の表示状態となる。
選択走査電極にはVY1、非選択走査電極にはVY2が印加
されて、電圧Vaが印加される液晶セル(例えばA)は、
パルス幅がWで且つ電圧が+V2と−V2の初期パルスWOが
印加されて、例えば、透過光量が相対値で0%の暗状態
となり、次にパルス幅Wで且つ電圧がV1以下の書込パル
スWPが印加されて、透過光量が0%のままとなり、次の
交流パルスACによってその状態が維持される。
又電圧Vbが印加される液晶セル(例えばB)は、同様
に初期パルスWOが印加されて透過光量が0%の暗状態と
なり、次にパルス幅Wで且つ電圧がV2より低く、V1より
高い書込パルスWPが印加され、透過光量は0%から100
%の任意の中間値となり、非選択時の次の交流パルスAC
によってその状態が維持される。即ち、階調表示が可能
となる。なお、第1図に於けるVthは液晶の閾値電圧で
ある。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明の実施例について詳細に説
明する。
第2図は本発明の実施例のブロック図であり、1は液
晶表示パルスで、複数のデータ電極X1〜Xnと走査電極Y1
〜Ymとを直交して対向配置し、それらの間に強誘電性液
晶を介在させたものである。又2,3はドライバ、4はシ
フトレジスタ、5はデコーダ、6はシフトレジスタであ
る。又YCLはクロック信号、YVは書込パルス用の電圧、Y
ACは交流パルス用の電圧、XCLはクロック信号、XDは表
示データ、XV1〜XV16は階調表示用の電圧、XACは交流パ
ルス用の電圧である。
データ電極X1〜Xnと走査電極Y1〜Ymとの交点の液晶セ
ルは、マルチドメイン化されているものである。このマ
ルチドメインは、液晶セル内のディスクリネーション
(方向転移)或いはディスロケーション(位置転移)を
発生させ、それによるドメインウォールによって形成す
るものである。
通常は、基板を一方向にラビングすることにより、液
晶の配向を定めるものであるが、二方向にラビングする
ことにより、マルチドメイン化することができる。又液
晶の閾値電圧以上の高周波パルスを印加することにより
マルチドメイン化することもできる。例えば、交流パル
スの周波数を10KHz、電圧を±20Vとして駆動する液晶パ
ネル1の場合、±30Vで10KHzの交流パルスを印加するこ
とにより、液晶セルをマルチドメイン化することができ
た。このマルチドメイン化により、各液晶セルは、特性
の異なる多数のドメインの集合から形成されたことにな
る。
シフトレジスタ4に走査電極を選択する“1"がクロッ
ク信号YCLに従ってシフトされ、ドライバ2に於いて
は、走査電極対応のドライバ部からシフトレジスタ4の
“1"の出力対応に、書込パルス用の電圧YVを出力し、他
の走査電極に対しては交流パルス用の電圧YACを出力す
る。
又表示データXDは、16階調表示の場合、1画素当り4
ビット構成となり、この表示データXDは、シフトレジス
タ6にクロック信号XCLに従って1ライン分蓄積され、
その1ライン分がデコーダ5に加えられてデコードさ
れ、デコード出力がドライバ3に加えられる。ドライバ
3では、電圧XV1〜XV16をデコード出力に従って選択出
力し、ドライバ2からの電圧YVの書込パルスの直後に、
ドライバ3から選択された電圧を書込パルスとして出力
する。そして、交流パルス用の電圧XACを出力する。
従って、液晶セルには、ドライバ2からの電圧YVと、
ドライバ3からの電圧XV1〜XV16とが書込パルスとして
印加され、電圧YAC,XACとが交流パルスとし印加され
る。この交流パルスは、液晶が応答できる周波数以上の
周波数に選定するものである。又ドライバ3から選択し
て出力する電圧XV1〜XV16について、マルチドメイン化
された液晶セルの一部ドメインの透過光量が変化する電
圧V1をXV1、液晶セルの全部のドメインの透過光量が変
化する電圧V2をXV16とすると、16階調の輝度レベル1の
時に、電圧XV1が選択出力され、輝度レベル8の時に、
電圧XV8が選択出力され、輝度レベル16の時に、電圧XV
16が選択出力される。
第3図は電圧透過光量特性曲線図であり、液晶セルの
厚さを2μmで、書込電圧を−10Vから+10Vまで変化し
た時の相対値の透過光量を示し、この時のパルス幅は2.
8mS、交流パルスは、10KHzで±20Vとした。この場合、
正極性の電圧として、第1の電圧V1は約2V、第2の電圧
は約4Vとなった。従って、書込パルスの電圧XV1〜XV16
を、例えば、1V〜5Vの間で設定し、表示データXDに従っ
て選択出力することにより、透過光量0%の暗状態から
所望の透過光量となるように制御して、階調表示を行う
ことができる。例えば、書込電圧を3.3Vとすると、点線
矢印で示す方向の三角点の21%の透過光量となり、3.7V
とすると、67%の透過光量となる。
第4図はパルス幅による電圧透過光量特性曲線図であ
り、書込パルスのパルス幅について、曲線aは5.6mS、
曲線bは2.8mS、曲線cは1.4mS、曲線dは0.7mSの場合
を示し、交流パルスは、前述の場合と同様に、10KHzで
±20Vとした。即ち、マルチドメイン化された液晶セル
に於ける各ドメインの閾値電圧がパルス幅により影響を
受け、パルス幅が広い場合は液晶セル内の各ドメインの
閾値電圧がほぼ等しくなり、電圧と透過光量との関係は
急峻となる。しかし、パルス幅を狭くするに従って液晶
セル内の各ドメインの閾値電圧が異なり、それによって
電圧と透過光量との関係は緩くなる。なお、パルス幅は
液晶の応答速度との関係もあるから、極端に狭くするこ
とはできない。
前述のように、液晶セルをマルチドメイン化して、交
流パルスと書込パルスとを組合せて液晶セルに印加し、
書込パルスのパルス幅を液晶セル内のドメイン毎の閾値
電圧が異なるように選定することにより、書込電圧と透
過光量との特性曲線が傾斜してくるから、書込電圧を選
定して階調表示を行うことができる。その場合の書込電
圧やパルス幅は、強誘電性液晶の特性等に対応して選定
することは勿論である。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、強誘電性液晶からな
る液晶セル内を、ディスクリネーション或いはディスロ
ケーションによるドメインウォールによりマルチドメイ
ン化し、この液晶セルに書込パルスWPと交流パルスACと
を組合せて印加し、その書込パルスWPを、液晶セル内の
一部の透過光量が変化を開始する第1の電圧V1と、液晶
セル内の全体の透過光量が変化する第2の電圧V2との間
に選定した電圧として印加することにより、階調表示を
行わせるものであり、従来例のように16階調表示の時
に、1フレームを16分割して駆動するものではないか
ら、液晶に要求される応答速度は、従来例に比較して1/
16で良いことになる。従って、走査電極数を増大して大
型化し、且つ階調数を更に多くして、階調動画表示を行
うことも容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の原理説明図、第2図は本発明の実施例
のブロック図、第3図は電圧透過光量特性曲線図、第4
図はパルス幅による電圧透過光量特性曲線図、第5図は
従来の動作説明図である。 VX1,VX2はデータ電極に印加する電圧、VY1は走査電極に
印加する電圧、Va,Vbは液晶セルに印加される電圧、+V
1,−V1は第1の電圧、+V2,−V2は第2の電圧、WPは書
込パルス、ACは交流パルスを示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−231940(JP,A) 特開 昭61−295531(JP,A) 特開 昭58−42030(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直交配置した複数のデータ電極と走査電極
    との間に、強誘電性液晶からなる液晶セルを形成した液
    晶表示装置に於いて、 前記液晶セル内を、ディスクリネーション或いはディス
    ロケーションによるドメインウォールによりマルチドメ
    イン化し、 前記強誘電性液晶が応答する周波数より高い周波数の交
    流パルス(AC)を、該強誘電性液晶が応答する書込パル
    ス(WP)と組合せて前記液晶セルに印加し、 前記書込パルス(WP)の電圧を、マルチドメイン化され
    た前記液晶セル内の一部の透過光量が変化し始める第1
    の電圧(V1)と、該液晶セル内の全体の透過光量が完全
    に変化する第2の電圧(V2)との間の値に選択して、階
    調表示を行わせる ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】前記書込パルス(WP)は、前記液晶セル内
    の各部の透過光量が変化する閾値電圧に差が生じるパル
    ス幅以下のパルスに選定されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の液晶表示装置の駆動方法。
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JP3288426B2 (ja) * 1992-05-19 2002-06-04 シチズン時計株式会社 液晶表示装置およびその駆動方法
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