JP2539019B2 - 超音波探傷法 - Google Patents
超音波探傷法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、疲労やクリープ現象等により、ボイラ等の
管の付着金物溶接部に発生した欠陥の検査に適用される
超音波探傷法に関する。
管の付着金物溶接部に発生した欠陥の検査に適用される
超音波探傷法に関する。
従来の技術 火力ボィラでは、炉壁管の付着金物溶接部の検査法と
して、炉壁管内に水漲りを行ない炉内側管外表面から超
音波探傷にて対向側(炉外側)付着金物溶接部の検査を
実施している。
して、炉壁管内に水漲りを行ない炉内側管外表面から超
音波探傷にて対向側(炉外側)付着金物溶接部の検査を
実施している。
このような従来の超音波探傷法について第4〜第7図
に基づいて説明すると、第4図には炉壁管1の炉外側に
設けた付着金物2の溶接部、即ち溶接余盛3における欠
陥検査の状態を示している。
に基づいて説明すると、第4図には炉壁管1の炉外側に
設けた付着金物2の溶接部、即ち溶接余盛3における欠
陥検査の状態を示している。
この図において、炉壁管1には、炉内側から燃焼ガス
等による炉内圧Pが作用しているため、炉壁管1の炉外
側には炉壁管1の変形を防止するため付着金物2が溶接
されている。また、炉外側には炉壁管1とケーシング4
との間に火炉の断熱のために保温材5が充填されてい
る。
等による炉内圧Pが作用しているため、炉壁管1の炉外
側には炉壁管1の変形を防止するため付着金物2が溶接
されている。また、炉外側には炉壁管1とケーシング4
との間に火炉の断熱のために保温材5が充填されてい
る。
従って、本検査では、保温材5及びケーシング4を撤
去せずに、1つの超音波探触子6を使用して炉内側から
付着金物2の溶接部3に発生したき裂等の欠陥7を検査
しようとするもので、炉壁管1の内部には炉内側からの
超音波探傷を可能にするため媒質となる水が漲られてい
る。
去せずに、1つの超音波探触子6を使用して炉内側から
付着金物2の溶接部3に発生したき裂等の欠陥7を検査
しようとするもので、炉壁管1の内部には炉内側からの
超音波探傷を可能にするため媒質となる水が漲られてい
る。
なお、図中にはその超音波による検査方法の一つの例
として一つの超音波探触子6から入射される音波が被検
査物に対して透過性の良好なよう、入射角度をある適当
な斜角に設定した斜角探傷による方法を示す。
として一つの超音波探触子6から入射される音波が被検
査物に対して透過性の良好なよう、入射角度をある適当
な斜角に設定した斜角探傷による方法を示す。
また、図中、符号9はグリセリン、及び10は超音波探
傷子8から被検査対象物確認用のモニター(図示せず)
に連絡するテーブルを夫々示す。一方、第5図の(a)
には、超音波の伝播経路U及び、(b)にはブラウン管
波形を夫々示している。
傷子8から被検査対象物確認用のモニター(図示せず)
に連絡するテーブルを夫々示す。一方、第5図の(a)
には、超音波の伝播経路U及び、(b)にはブラウン管
波形を夫々示している。
そして、(a)図に示す如く検査の順序については準
備段階で炉内側管1表面に探触子6が密接し、走査し易
いようにグリセリン9を塗っておき、検査時には探触子
6から発信された超音波の伝播経路Uは、グリセリン→
管材(炉内側)1→水8→管材(炉外側)1の順に入射
させ、続いて、管材(炉外側)1→水8→管材(炉内
側)1→水8→・・・の順に繰返し伝播させることとな
る。
備段階で炉内側管1表面に探触子6が密接し、走査し易
いようにグリセリン9を塗っておき、検査時には探触子
6から発信された超音波の伝播経路Uは、グリセリン→
管材(炉内側)1→水8→管材(炉外側)1の順に入射
させ、続いて、管材(炉外側)1→水8→管材(炉内
側)1→水8→・・・の順に繰返し伝播させることとな
る。
その後、超音波の経路Uは水8と管材1の境界で減衰
(繰返し屈折)が起こるので最終的には消失する。
(繰返し屈折)が起こるので最終的には消失する。
また、(b)図に示す如く、この超音波の反射波を映
像するブラウン管波形については、縦軸に反射波の音圧
を取り、横軸に伝播時間を取ると、付着金物2の溶接部
3に欠陥(き裂)7が存在しない健全な場合は、炉外側
(探触子6の対向側)の管1内表面からの反射エコー、
S1エロー(炉内側)及びS2エコー(炉外側)のみがブラ
ウン管上で確認され、溶接部3に欠陥7が存在する場合
は、S1エコーとS2エコーの間に欠陥エコー(F1エコー)
が確認される。
像するブラウン管波形については、縦軸に反射波の音圧
を取り、横軸に伝播時間を取ると、付着金物2の溶接部
3に欠陥(き裂)7が存在しない健全な場合は、炉外側
(探触子6の対向側)の管1内表面からの反射エコー、
S1エロー(炉内側)及びS2エコー(炉外側)のみがブラ
ウン管上で確認され、溶接部3に欠陥7が存在する場合
は、S1エコーとS2エコーの間に欠陥エコー(F1エコー)
が確認される。
発明が解決しようとする課題 以上述べた従来の超音波探傷法は、しかし、次のよう
な問題があった。
な問題があった。
超音波探触子6は前述の如く一つのみで検査を実施し
ている。
ている。
しかして、第6及び第7図に示すように付着金物2と
管1との隙間(ルートギャップ)Rがその構造組成上大
きい場合は、本来、ブラウン管波形がエコーF1(第7図
(a)参照)で表示される欠陥7を最も効果的に検査可
能なA点(第6図参照)よりも、同じ入射角度で更に接
触子6を管軸線方向に沿って走査させてルートギャップ
Rの殊に端部付近に接近したB点にて超音波を発信する
と、ブラウン管波形はルートギャップR部からの反射エ
コーR1(第7図(b)参照)、即ち疑似エコーが確認さ
れる。
管1との隙間(ルートギャップ)Rがその構造組成上大
きい場合は、本来、ブラウン管波形がエコーF1(第7図
(a)参照)で表示される欠陥7を最も効果的に検査可
能なA点(第6図参照)よりも、同じ入射角度で更に接
触子6を管軸線方向に沿って走査させてルートギャップ
Rの殊に端部付近に接近したB点にて超音波を発信する
と、ブラウン管波形はルートギャップR部からの反射エ
コーR1(第7図(b)参照)、即ち疑似エコーが確認さ
れる。
ところが、第7図(a),(b)で明らかなように、
この反射エコーR1は、A点で確認されるき裂等の欠陥7
からの反射エコーF1とブラウン管波形がほぼ同一に現出
してしまうという不都合がある。
この反射エコーR1は、A点で確認されるき裂等の欠陥7
からの反射エコーF1とブラウン管波形がほぼ同一に現出
してしまうという不都合がある。
このように、一つの超音波探触子6で検査する場合に
は、溶接部3からの形状エコーR1等と欠陥エコーF1との
識別が困難であり、誤った判定を行なう場合が少なから
ずあり得る。
は、溶接部3からの形状エコーR1等と欠陥エコーF1との
識別が困難であり、誤った判定を行なう場合が少なから
ずあり得る。
課題を解決するための手段 本発明は、このような従来の課題を解決するために、
超音波探傷法において、ボイラ等を構成する管の付着金
物溶接部の欠陥検査に当たり、予め管内に水漲りした
後、管の付着物溶接部と反対側表面の同一軸線上に一組
の第1及び2超音波探触子を対向して配置し、第1超音
波探触子が溶接余盛からの反射エコーを捕らえたとき
に、第2超音波探触子が管表面及び付着金物間に形成さ
れるルートギャップの端部を避けて溶接部に発生したき
裂等の欠陥を捕らえるよう、管の材質、外径及び肉厚等
の仕様に合わせて距離調整用治具を介し、前記第1及び
2超音波探触間の距離を調整可能にしたものである。
超音波探傷法において、ボイラ等を構成する管の付着金
物溶接部の欠陥検査に当たり、予め管内に水漲りした
後、管の付着物溶接部と反対側表面の同一軸線上に一組
の第1及び2超音波探触子を対向して配置し、第1超音
波探触子が溶接余盛からの反射エコーを捕らえたとき
に、第2超音波探触子が管表面及び付着金物間に形成さ
れるルートギャップの端部を避けて溶接部に発生したき
裂等の欠陥を捕らえるよう、管の材質、外径及び肉厚等
の仕様に合わせて距離調整用治具を介し、前記第1及び
2超音波探触間の距離を調整可能にしたものである。
作用 このような手段によれば、第1探触子の発信する超音
波はルートギャップ部では干渉され反射エコーは消失す
るが、ルートギャップ端部を外れて溶接余盛に入射する
と、直接反射可能となってその部分の反射エコーを検出
できるので、このとき疑似エコーの発生するルートギャ
ップ端部位置を避けて、計算により概ね溶接余盛付近に
超音波の発信可能な2探触子を走査させて、欠陥の有無
を確認することができる。
波はルートギャップ部では干渉され反射エコーは消失す
るが、ルートギャップ端部を外れて溶接余盛に入射する
と、直接反射可能となってその部分の反射エコーを検出
できるので、このとき疑似エコーの発生するルートギャ
ップ端部位置を避けて、計算により概ね溶接余盛付近に
超音波の発信可能な2探触子を走査させて、欠陥の有無
を確認することができる。
実施例 以下第1〜3図を参照して本発明の一実施例について
詳述する。なお、これらの図において第4〜7図に示し
たものと同一の部分には同一の符号を付してその詳細な
説明は省略する。
詳述する。なお、これらの図において第4〜7図に示し
たものと同一の部分には同一の符号を付してその詳細な
説明は省略する。
しかして、第1図に示すように、予め水漲りされた被
検査対象用の管1の付着金物溶接部(溶接余盛)3Aと反
対側表面、つまり炉内側管1表面の同一軸線上に一組の
第1及び2超音波探触子6a及び6bを対向して配置する。
検査対象用の管1の付着金物溶接部(溶接余盛)3Aと反
対側表面、つまり炉内側管1表面の同一軸線上に一組の
第1及び2超音波探触子6a及び6bを対向して配置する。
この場合、図に示す如き配置において、便宜上一方の
第1超音波探触子6aを溶接余盛3Aの探索用、他方の第2
超音波探触子6bをき裂等の欠陥7の探索用に供するよう
設定している。
第1超音波探触子6aを溶接余盛3Aの探索用、他方の第2
超音波探触子6bをき裂等の欠陥7の探索用に供するよう
設定している。
そして、これら第1及び2探触子6a,6b間の位置関係
において、第1探触子6aが溶接余盛3Aからの反射エコー
を捕らえたときに第2探触子6bが溶接部に発生したとき
裂等の欠陥7を捕らえるように、管1の材質、外径及び
肉厚等の仕様に応じて、対向する第1及び2探触子6a,6
b間の距離を調整可能な距離調整用治具1が設けられて
いる。
において、第1探触子6aが溶接余盛3Aからの反射エコー
を捕らえたときに第2探触子6bが溶接部に発生したとき
裂等の欠陥7を捕らえるように、管1の材質、外径及び
肉厚等の仕様に応じて、対向する第1及び2探触子6a,6
b間の距離を調整可能な距離調整用治具1が設けられて
いる。
この治具11の両端部夫々には、一定の長さに穿孔した
案内溝12が設けられており、これらの溝12に通した各探
触子固定用ネジ13を介して、第1及び2探触子6a,6bが
前記治具11に一体的に取付けられる。
案内溝12が設けられており、これらの溝12に通した各探
触子固定用ネジ13を介して、第1及び2探触子6a,6bが
前記治具11に一体的に取付けられる。
なお、本発明によれば前述とは逆に第2探触子6bによ
る欠陥7を先に捕らえ、第1探触子6aによる溶接余盛3
が後に捕らえるようにされても良い。
る欠陥7を先に捕らえ、第1探触子6aによる溶接余盛3
が後に捕らえるようにされても良い。
以上のような構成により、ほぼ一定の距離に保持され
た一組の第1及び2探触子6a,6bの各ターゲットたる溶
接余盛3並びに欠陥7部を別個に探索し、ブラウン管波
形としてこれらの反射エコーW1,F1を捕らえることによ
り、従来の如きルートギャップR部からの反射エコー
R1、つまり疑似エコーの発生なしに、本来のき裂等の欠
陥7部を特定することができる。
た一組の第1及び2探触子6a,6bの各ターゲットたる溶
接余盛3並びに欠陥7部を別個に探索し、ブラウン管波
形としてこれらの反射エコーW1,F1を捕らえることによ
り、従来の如きルートギャップR部からの反射エコー
R1、つまり疑似エコーの発生なしに、本来のき裂等の欠
陥7部を特定することができる。
即ち、第2図(a),(b)にルートギャップR′を
モデル化した試験片を示しており、これらの図に基づい
て本発明による検査の原理及び作用について段階的に説
明すると、 (1) (a)図の如く溶接余盛3a探索用の第1探触子
6aの管軸線方向の連続的な走査を実施するが、この場
合、管1表面とその付着金物2との間に介在したルート
ギャップR′上に入射するよう任意の点から図に示す配
置の溶接部3a側に斜角に入射して行くと、その入射した
位置がまだルートギャップR′の途中からその端部まで
の区間では、超音波はルートギャップR′表面に当たっ
た後、第1探触子6aに反射せずにt線にて示す管1の内
外表面間に屈折する。
モデル化した試験片を示しており、これらの図に基づい
て本発明による検査の原理及び作用について段階的に説
明すると、 (1) (a)図の如く溶接余盛3a探索用の第1探触子
6aの管軸線方向の連続的な走査を実施するが、この場
合、管1表面とその付着金物2との間に介在したルート
ギャップR′上に入射するよう任意の点から図に示す配
置の溶接部3a側に斜角に入射して行くと、その入射した
位置がまだルートギャップR′の途中からその端部まで
の区間では、超音波はルートギャップR′表面に当たっ
た後、第1探触子6aに反射せずにt線にて示す管1の内
外表面間に屈折する。
従って、この状態ではブラウン管波形上には反射エコ
ーは消失している。
ーは消失している。
(2) ところが、続いて第1探触子6aを走査して超音
波がルートギャップR′端部から溶接余盛3aの区間に入
射させると、超音波はそのギャップR′端部の干渉を受
けることなく直接溶接余盛3a部へ進行して反射し、この
結果ブラウン管波形上には後述する反射エコーW1が検出
される。
波がルートギャップR′端部から溶接余盛3aの区間に入
射させると、超音波はそのギャップR′端部の干渉を受
けることなく直接溶接余盛3a部へ進行して反射し、この
結果ブラウン管波形上には後述する反射エコーW1が検出
される。
この反射エコーW1の伝播時間は、従来の如き溶接余盛
3aからルートギャップR方向へ逆に走査することにより
ルートギャップR端部付近で発生する反射エコー(疑義
エコー)R1に比べて長くなることが既に知られている。
3aからルートギャップR方向へ逆に走査することにより
ルートギャップR端部付近で発生する反射エコー(疑義
エコー)R1に比べて長くなることが既に知られている。
(3) 更に溶接余盛3aから先の方向に走査しても、今
度は入射した超音波は管1内外表面間を繰返し屈折して
しまい、反射エコーW1は消失し、その後は何も現出しな
い。
度は入射した超音波は管1内外表面間を繰返し屈折して
しまい、反射エコーW1は消失し、その後は何も現出しな
い。
(4) 一方、(b)図の如く欠陥7′探索用の第2探
触子6bの管軸線方向の連続的な走査を実施するが、この
場合、従来と同様に溶接余盛3aの任意の点からやはり斜
角に入射して行くと、その入射した位置がルートギャッ
プR′端部にまでは至らない溶接余盛3a付近では、もし
そこに欠陥7′が存在していれば第2探触子6bの発信す
る超音波vがこの欠陥7′部分を逐一捕えて反射エコー
F1として検出させることが可能となる。
触子6bの管軸線方向の連続的な走査を実施するが、この
場合、従来と同様に溶接余盛3aの任意の点からやはり斜
角に入射して行くと、その入射した位置がルートギャッ
プR′端部にまでは至らない溶接余盛3a付近では、もし
そこに欠陥7′が存在していれば第2探触子6bの発信す
る超音波vがこの欠陥7′部分を逐一捕えて反射エコー
F1として検出させることが可能となる。
ただし、本発明によれば、ルートギャップR′端部に
至るときにはその位置で欠陥7′からの反射エコーF1は
消失し、疑似エコーR1が現出してしまい、欠陥7′とル
ートギャップR′との判別が不可能となるため、第2探
触子6bの走査、即ち入射の範囲はルートギャップR′端
部付近が限度となるので、これ以上の走査は回避するも
のとする。
至るときにはその位置で欠陥7′からの反射エコーF1は
消失し、疑似エコーR1が現出してしまい、欠陥7′とル
ートギャップR′との判別が不可能となるため、第2探
触子6bの走査、即ち入射の範囲はルートギャップR′端
部付近が限度となるので、これ以上の走査は回避するも
のとする。
従って以上の(1)〜(4)項目の各探触子6a,6bの
位置関係、及び溶接余盛3a及び欠陥7′に対する反射エ
コーW1,F1の各特性に着目して、これらを組合せて利用
することにより、第1探触子6a(第1図参照)で溶接余
盛3の位置を的確に捕えたときに、第2探触子6bで欠陥
部7の位置をも的確に捕えられるためには、予め前述の
如く第1及び2探触子6a,6b間の概略の距離を計算によ
り求めておく必要がある。
位置関係、及び溶接余盛3a及び欠陥7′に対する反射エ
コーW1,F1の各特性に着目して、これらを組合せて利用
することにより、第1探触子6a(第1図参照)で溶接余
盛3の位置を的確に捕えたときに、第2探触子6bで欠陥
部7の位置をも的確に捕えられるためには、予め前述の
如く第1及び2探触子6a,6b間の概略の距離を計算によ
り求めておく必要がある。
即ち、斜角探傷の場合、第1及び2探触子6a,6bのど
ちらにしても、それらの使用する超音波の種類(縦波又
は横波)により、管材と水、又は管材と付着金物2との
夫々の境界面における入射角及び屈折角が公知であるの
で、主に管1の材質、外径や肉厚が判明すれば、更に付
着金物2の取付位置、幅、そして溶接余盛3Aの脚長等を
考慮して概算の距離が算出される。
ちらにしても、それらの使用する超音波の種類(縦波又
は横波)により、管材と水、又は管材と付着金物2との
夫々の境界面における入射角及び屈折角が公知であるの
で、主に管1の材質、外径や肉厚が判明すれば、更に付
着金物2の取付位置、幅、そして溶接余盛3Aの脚長等を
考慮して概算の距離が算出される。
なお、本発明によれば、この距離は前述の如き計算の
他に、第2図(a),(b)に示したものよりも更に単
純化し、検査対象物と同一寸法のルートギャップRを模
した人口スリット入りの対比試験片(図示せず)を使用
して、実験にて必要な測定値を得ることも可能である。
他に、第2図(a),(b)に示したものよりも更に単
純化し、検査対象物と同一寸法のルートギャップRを模
した人口スリット入りの対比試験片(図示せず)を使用
して、実験にて必要な測定値を得ることも可能である。
そこで、実際の操作においては、このような計算値に
基づいて対向する各第1及び2探触子6a,6bを距離調整
用治具11の案内溝12に沿って所定の間隔に設定し、各探
触子固定用ネジ13にて締付けて固定する。
基づいて対向する各第1及び2探触子6a,6bを距離調整
用治具11の案内溝12に沿って所定の間隔に設定し、各探
触子固定用ネジ13にて締付けて固定する。
従って、このように一体化した各探触子6a,6bを連続
的に走査することにより、実際にはどちらが早く夫々の
反射エコーW1,F1を検出した方を一旦固定しておき、残
りの探触子6a,又は6bだけを固定ネジ13を緩めて再度走
査し、微調整することにより他の反射エコーW1又はF1を
共に検出することとなる。
的に走査することにより、実際にはどちらが早く夫々の
反射エコーW1,F1を検出した方を一旦固定しておき、残
りの探触子6a,又は6bだけを固定ネジ13を緩めて再度走
査し、微調整することにより他の反射エコーW1又はF1を
共に検出することとなる。
そして、第3図(a),(b)には検出された夫々の
反射エコーW1及びF1を示し、その夫々第1探触子6a用の
溶接余盛モニター並びに第2探触子6b用の欠陥モニター
で得られるブラウン管波形について説明すると、溶接余
盛3からの反射エコーW1は、前述の如く伝播時間が長い
という特徴から、他の波形、つまり従来の疑似エコーR1
との相違を容易に確認することができる。
反射エコーW1及びF1を示し、その夫々第1探触子6a用の
溶接余盛モニター並びに第2探触子6b用の欠陥モニター
で得られるブラウン管波形について説明すると、溶接余
盛3からの反射エコーW1は、前述の如く伝播時間が長い
という特徴から、他の波形、つまり従来の疑似エコーR1
との相違を容易に確認することができる。
また、管1の仕様、つまりその材質、外径や肉厚によ
りき裂等の欠陥7部までの伝播時間は予め概ね明らかで
あるので、一方の第1探触子6aからの反射エコーW1をモ
ニターしながら他方の第2探触子6bで欠陥7の有無(F1
エコーの有無)を確認すれば、溶接部3Aからの形状エコ
ーW1と欠陥エコーF1との識別が簡単かつ容易となり、識
別を誤ることが解消される。
りき裂等の欠陥7部までの伝播時間は予め概ね明らかで
あるので、一方の第1探触子6aからの反射エコーW1をモ
ニターしながら他方の第2探触子6bで欠陥7の有無(F1
エコーの有無)を確認すれば、溶接部3Aからの形状エコ
ーW1と欠陥エコーF1との識別が簡単かつ容易となり、識
別を誤ることが解消される。
なお、第1図において、溶接部が3Aではなく3B側につ
いて探傷する場合には、前記第1及び第2探触子6a,6b
の位置関係が逆転する。即ち第1探触子6aが欠陥7探索
用及び第2探触子6bが溶接余盛3B探索用となる。
いて探傷する場合には、前記第1及び第2探触子6a,6b
の位置関係が逆転する。即ち第1探触子6aが欠陥7探索
用及び第2探触子6bが溶接余盛3B探索用となる。
発明の効果 以上詳述したように、本発明によれば、一組の超音波
探触子を対向させて配置するだけの簡単な構造でありな
がら、その間の距離が管の外径や肉厚等の仕様から求め
られるため、殊に溶接余盛部とルートギャップ部との位
置関係が判明することによりその超音波の走査範囲を正
確に限定して、ルートギャップR端部を除外し、即ち疑
似エコーR1を除外しつつ、その代わりに反射エコーW1の
鮮明な溶接余盛を一つの基準点として反射エコーF1によ
り欠陥部を確実に検出することができる。
探触子を対向させて配置するだけの簡単な構造でありな
がら、その間の距離が管の外径や肉厚等の仕様から求め
られるため、殊に溶接余盛部とルートギャップ部との位
置関係が判明することによりその超音波の走査範囲を正
確に限定して、ルートギャップR端部を除外し、即ち疑
似エコーR1を除外しつつ、その代わりに反射エコーW1の
鮮明な溶接余盛を一つの基準点として反射エコーF1によ
り欠陥部を確実に検出することができる。
しかも、ブラウン管波形上、従来のルートギャップに
おける疑似エコーと異なり特徴的な溶接余盛からの形状
エコーW1と欠陥エコーF1との識別が容易なため、超音波
探傷法の精度を高めると共に、熟練を要せずに欠陥の判
定を下すことができるため作業性が向上する。
おける疑似エコーと異なり特徴的な溶接余盛からの形状
エコーW1と欠陥エコーF1との識別が容易なため、超音波
探傷法の精度を高めると共に、熟練を要せずに欠陥の判
定を下すことができるため作業性が向上する。
第1図は本発明による超音波探傷法の一例を示す要部構
造及び使用状態図、第2図は超音波探触子から発信する
超音波の伝播状態を示し、(a)はその第1超音波探触
子の場合の模式図、(b)はその第2超音波探触子の場
合の模式図、第3図は本発明の超音波探傷法により検出
される反射エコーを示し、(a)はそのうち第1超音波
探触子による溶接余盛のブラウン管波形図、(b)は第
2超音波探触子による欠陥のブラウン管波形図、第4図
は従来の被検査対称管まわりの概略斜視断面図、第5図
は従来の一つの超音波探触子の使用状態を示し、(a)
はその超音波伝播経路図、(b)はその反射エコーの概
略波形図、第6図は従来の超音波探傷法を示す要部構造
及び使用状態図、第7図は従来の超音波探傷法により検
出される反射エコーを示し、(a)はそのうち第6図の
A点におけるブラウン管波形図、(b)は第6図のB点
におけるブラウン管波形図である。 1……管、2……付着金物、3A,3B……各溶接部(余
盛)、6a,6b……各第1及び2超音波探触子、7……欠
陥、8……水、11……距離調整用治具。
造及び使用状態図、第2図は超音波探触子から発信する
超音波の伝播状態を示し、(a)はその第1超音波探触
子の場合の模式図、(b)はその第2超音波探触子の場
合の模式図、第3図は本発明の超音波探傷法により検出
される反射エコーを示し、(a)はそのうち第1超音波
探触子による溶接余盛のブラウン管波形図、(b)は第
2超音波探触子による欠陥のブラウン管波形図、第4図
は従来の被検査対称管まわりの概略斜視断面図、第5図
は従来の一つの超音波探触子の使用状態を示し、(a)
はその超音波伝播経路図、(b)はその反射エコーの概
略波形図、第6図は従来の超音波探傷法を示す要部構造
及び使用状態図、第7図は従来の超音波探傷法により検
出される反射エコーを示し、(a)はそのうち第6図の
A点におけるブラウン管波形図、(b)は第6図のB点
におけるブラウン管波形図である。 1……管、2……付着金物、3A,3B……各溶接部(余
盛)、6a,6b……各第1及び2超音波探触子、7……欠
陥、8……水、11……距離調整用治具。
Claims (1)
- 【請求項1】ボイラ等を構成する管の付着金物溶接部の
欠陥検査に当たり、予め管内に水漲りした後、管の付着
金物溶接部と反対側表面の同一軸線上に一組の第1及び
2超音波探触子を対向して配置し、第1超音波探触子が
溶接余盛からの反射エコーを捕らえたときに、第2超音
波探触子が管表面及び付着金物間に形成されるルートギ
ャップの端部を避けて溶接部に発生したき裂等の欠陥を
捕らえるよう、管の材質、外径及び肉厚等の仕様に合わ
せて距離調製用治具を介し、前記第1及び2超音波探触
子間の距離を調製可能にしたことを特徴とする超音波探
傷法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63313736A JP2539019B2 (ja) | 1988-12-14 | 1988-12-14 | 超音波探傷法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63313736A JP2539019B2 (ja) | 1988-12-14 | 1988-12-14 | 超音波探傷法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02161349A JPH02161349A (ja) | 1990-06-21 |
JP2539019B2 true JP2539019B2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=18044905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63313736A Expired - Fee Related JP2539019B2 (ja) | 1988-12-14 | 1988-12-14 | 超音波探傷法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2539019B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5822616B2 (ja) * | 2011-09-20 | 2015-11-24 | 三菱重工業株式会社 | ロータディスクの翼溝部の探傷装置及びロータディスクの翼溝部の探傷装置を用いた探傷方法 |
CN106706763A (zh) * | 2017-01-18 | 2017-05-24 | 天津赛达鑫源检验检测有限公司 | 一种便携可调式管材内径超声波检测杆 |
-
1988
- 1988-12-14 JP JP63313736A patent/JP2539019B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02161349A (ja) | 1990-06-21 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |