JP2003194783A - パイプ継手部の非破壊検査方法 - Google Patents

パイプ継手部の非破壊検査方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1〜数ミリ程度の厚みの肉薄のパイプのチュ
ーブ継手内に位置した端部の損傷を、配管状態で安価か
つ容易に非破壊検査する。 【解決手段】 パイプ5のチューブ継手1近傍の表面に
SH波の超音波探触子7を接触し、この探触子7からパ
イプ5の端部の方向にSH波の超音波を送波し、探触子
7が受波した反射エコーの波形から損傷を非破壊検査す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1〜数ミリ程度の厚
みの肉薄のパイプにつき、チューブ継手によって締付け
られた端部継手部分の損傷を、配管状態で非破壊検査す
る非破壊検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種のプラント設備等において
は、弁の開閉制御等の計測制御に空気,油のような加圧
流体が用いられる。
【0003】この場合、設備内に計測制御の多数のパイ
プが配管され、これらのパイプにより、前記の加圧流体
が設備内各所に輸送される。
【0004】ところで、前記の計測制御の各パイプは、
通常、1〜数ミリ程度の極めて肉薄(以下極薄という)
であり、しかも、多くの場合、直径6mm前後の小径であ
り、主に、銅,ステンレス,鋼等の金属管からなる。
【0005】そして、これらのパイプの端部が、チュー
ブ継手を介して計器や他のパイプに接続される。
【0006】このとき、十分な気密性を得るため、チュ
ーブ継手は、例えば図9の斜視図に示すように形成され
る。
【0007】すなわち、同図の金属製のチューブ継手1
は、短筒状の本体2と、テーパがつけられた2個のフェ
ルール3a,3bと、ナット4とからなり、本体2は一
端側のおねじ2aが例えば計器(図示せず)のめねじに
螺合して計器に取付けられ、他端側のおねじ2bにナッ
ト4の内側のめねじが螺合する。
【0008】そして、チューブ継手1に前記の極薄かつ
小径のパイプを取付けてこのパイプを配管するときは、
図10の断面図に示すように、パイプ5の端部継手部
5′をナット4,フェルール3a,3bが順に貫通した
状態で本体2の他端側から差込む。
【0009】さらに、この差込によりパイプ5の先端が
本体2の中央段差部2′に当接すると、ナット4を回し
てその内側のめねじ4′をおねじ2bに螺合させ、継手
1を締付けて継手部5′を継手1内に位置させる。
【0010】このとき、パイプ5は例えば極薄,小径の
銅管からなり、継手1の締付けにより、フェルール3
a,3bがくさび状にパイプ5に食込み、継手1にパイ
プ5が気密に取付けられる。
【0011】しかし、この取付けによりパイプ5の継手
部5′は変形し、締付けが過度で不適当であれば、継手
部5′が損傷していわゆる割れ等が生じ、この状態で使
用し続けると、パイプ5が破断して空気が漏れ、プラン
ト設備の重大事故を招来する。
【0012】そのため、配管後(施工後)何らかの手法
で継手部5′の状態を定期的に検査して監視する必要が
あるが、継手部5′は継手1内に位置し、直接目視する
ことはできない。
【0013】ところで、いわゆるボイラ管等の厚みが2
0mm以上の肉厚かつ大型の金属管においては、従来、斜
角探傷法や垂直探傷法の超音波探傷により、管の厚み等
を非破壊検査することが行われている。
【0014】しかし、パイプ5のような1〜数ミリ程度
の厚みの極薄のパイプにおいては、前記の割れ等の損傷
は、パイプ表面に生じるものであり、斜角探傷や垂直探
傷の超音波探傷法では検査することができない。
【0015】そして、パイプ5が例えば数10cm間隔で
何本も配管されている場合、作業性等も考慮し、従来
は、配管後、定期的に継手1の表面に石けん水を垂して
いわゆるソープチェックを行い、泡の発生の有無から、
継手部5′の状態を非破壊検査することが行われてい
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のソープチェ
ックによる非破壊検査では、パイプ5の継手部5′が破
断して空気漏れ等が生じたか否かによってパイプ5の状
態を検査するしかなく、実際に空気漏れ等が生じるまで
はパイプ5の損傷の程度を知ることができない。
【0017】そのため、配管されたパイプ5の継手1の
締付けに起因した損傷の程度を把握し、未然にパイプ5
を交換等して突発的な空気漏れ等を確実に防止すること
ができない問題点がある。
【0018】そして、この突発的な空気漏れを防止する
ため、従来は、定期的に無条件でパイプ5を交換するし
かなく、極めて不経済である。
【0019】一方、パイプ5の損傷の程度を配管状態で
検査する方法として、従来、X線を用いた非接触検査方
法があるが、このX線検査方法は、大がかりな装置が必
要であり、しかも、検査対象のパイプ5の周囲に他のパ
イプ等が近接して配置されていると検査が困難であり、
多数のパイプが狭い間隔で配管されているような場合に
は適用することができない。
【0020】なお、パイプ5が1〜数ミリ程度の厚みの
極薄のパイプであれば、大径であっても前記と同様の問
題が生じる。
【0021】つぎに、継手1を締付けてパイプ5を継手
1に接続する際、継手部5′の端面5″を継手1の本体
2aの段差部2′に押付けていなければ、端面5″が段
差部2′から離れた抜け易い状態でパイプ5が配管され
て施工される。
【0022】この施工不良が発生すると、フェルール3
a,3bは、パイプ5の本来の食込み位置より端面5″
側の位置に食い込み、パイプ5が継手1から抜けるおそ
れがあり、このままの状態でパイプ5等を使用すると、
不用意に継手1からパイプ5が抜けたりする問題点があ
る。
【0023】本発明は、前記の諸点に留意してなされた
ものであり、この種の極薄のパイプにつき、チューブ継
手内に位置した端部継手部の損傷の程度を、配管状態で
安価かつ容易に非破壊検査することを課題とし、その
際、損傷の位置,程度を精度よく把握することも課題と
し、さらには、施工不良によるパイプ端部の位置不良の
検出も行えるようにすることを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明のパイプ継手部の非破壊検査方法の場合
は、パイプのチューブ継手近傍の表面にSH波の超音波
探触子を接触し、探触子からパイプの継手内に位置した
端部の方向にSH波の超音波を送波し、探触子が受波し
た反射エコーの波形から損傷を非破壊検査する。
【0025】この場合、SH(Shear Horizontal)波の
超音波は、前記の斜角探傷や垂直探傷に用いられる超音
波とは異なり、パイプの割れや破断の損傷面に水平な横
波であり、この横波の超音波を探触子からパイプの継手
内に位置した端部(継手部)方向に送波すると、継手の
締付けでパイプの端部に生じた損傷によって超音波が確
実に反射され、しかも、この反射エコーが探触子にほぼ
完全に受波され、超音波出力が小さくても、ノイズに埋
もれたりすることなく、損傷の位置や程度によって変化
する反射エコーの波形が得られることが判明した。
【0026】そして、探触子に受波された反射エコーの
波形から、パイプの前記端部の損傷が配管状態で非破壊
検査される。
【0027】そのため、プラント設備等に配管されたこ
の種の極薄のパイプにつき、従来は不可能であったその
端部継手部の損傷の配管状態での非破壊検査が、SH波
の超音波探触子を用いて安価かつ簡単に行え、この検査
に基づき、適切な時期にパイプの交換等を行って空気漏
れ等の事故を未然に確実に防止することができる。
【0028】そして、検査の際に、探触子をチューブ継
手に当接して位置決めし、反射エコーの位置からパイプ
の損傷の位置を検出すれば、簡単な位置決めにより、パ
イプの損傷の位置を精度よく検出することができる。
【0029】また、前記の割れの程度(深さ)が大きく
なる程、その位置からの反射エコーが多くなるため、反
射エコーの大きさからパイプの損傷の程度を検出するこ
とができる。
【0030】つぎに、施工不良による継手内のパイプ端
部の位置不良を検出するときは、パイプの継手近傍の表
面にSH波の超音波探触子を接触し、探触子からパイプ
の端部の方向にSH波の超音波を送波し、探触子が受波
したパイプの端面からの反射エコーに基づく端面の検出
位置と、端面の正常位置との比較により、端部の位置不
良を検出する。
【0031】この場合、正常に施工されてパイプが継手
に接続されていれば、パイプの端部が継手内に十分に差
込まれて端面の反射エコーの位置が探触子から一定距離
の位置になり、施工不良であれば、パイプの端部が継手
内に十分には差込まれていないため、パイプ端面の反射
エコーの位置が、探触子から近くなり、施工の良,不良
によって端面の反射エコーの位置が変わり、正常に施工
されたときの端面の反射エコーの位置を正常位置とし、
反射エコーの受波に基づく端面の検出位置と正常位置と
の比較からパイプ端部の位置不良を確実に検出すること
ができ、この検出に基づいて施工をやり直したり、パイ
プを交換したりすることにより、空気漏れ等の事故が一
層確実に防止される。
【0032】そして、パイプが銅管、ステンレス管、鋼
管の金属管であることが、極めて実用的である。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態につき、図
1〜図8を参照して説明する。この形態においては、図
9のパイプ継手1を用いて図10のように配管された極
薄かつ小径のパイプ5につき、継手1内に位置した端
部,すなわち継手部5′の損傷等を配管状態で非破壊検
査する。
【0034】この場合、図1の検査時の断面図に示すよ
うに、パイプ5は端部のビニール被覆6を取除いて継手
1内に差込まれ、この状態で継手1のナット4を締付け
て継手1に接続されている。
【0035】なお、パイプ5は例えば数10cmの間隔で
配管されたプラント設備の多数の計測制御用の複数の銅
管の1つであり、検査が行われる設備の運用中は加圧空
気が通る。
【0036】そして、検査時は、作業者がSH波の超音
波探触子7を手に持ち、その接触面7′を、超音波の接
触媒質を介して配管状態のパイプ5の継手1近傍の表面
に接触する。
【0037】このとき、探触子7は、ボイラ管の検査等
で用いられる一般的なSH波の超音波探触子より小型で
あり、図2に示すように、接触面7′はパイプ5の曲率
にほぼ合致した凹状曲面に形成される。
【0038】そのため、探触子7はパイプ5に安定に面
接触し、後述の受波エコーのノイズ特性の向上及びいわ
ゆるフィッティングの向上が図られる。
【0039】また、探触子7は探触子側コネクタ8,ケ
ーブル9,超音波探傷器側コネクタ10を介して波形観
測用の超音波探傷器11に接続される。
【0040】その際、探触子7の小型化を図るため、一
般的なSH波の超音波探触子では内蔵されるノイズ特性
向上用のマッチングコイル(図示せず)をコネクタ10
内に設けてもよい。
【0041】さらに、この形態では探触子7を簡単かつ
確実に位置決めして超音波探傷器11に画面表示された
反射エコーの位置からパイプ5の損傷位置を検出するた
め、探触子7は、ナット4のパイプ5側端面4″に当て
られて継手1に当接した状態に保たれる。
【0042】そして、この状態でパイプ5の表面に接触
した探触子7が20KHz以上の所定周波数の横波(SH
波)の超音波を出力し、この超音波がパイプ5の薄い厚
みの部分を、継手1内に位置したその端部5′の方向に
送波されて伝播する。
【0043】この超音波はパイプ5の端面5″で反射す
るが、途中に割れや破断等の損傷があれば、これらの損
傷でも反射し、これらの反射エコーが探触子7に受波さ
れ、その波形が超音波探傷器11に画面表示される。
【0044】ところで、従来はSH波の超音波を用いて
このような極薄のパイプを非破壊検査しても、受波され
た反射エコーとノイズとの判別が困難で、前記の割れや
破断を検出することができないと考えられていた。
【0045】しかし、種々の実験等をくり返して多数の
反射エコーを得たところ、パイプ5のような極薄のパイ
プについて、小型でフィッティングに優れた探触子7を
用いることにより、つぎに説明するように、SH波の超
音波の反射エコーの波形から、継手1の締付けによるパ
イプ5の継手部5′の割れや破断等の損傷を、配管状態
で非破壊検査して検出できることが判明した。
【0046】すなわち、SH波はパイプ5の損傷面に水
平な横波であり、パイプ5の端面5″で反射するのは勿
論、損傷によっても確実に反射し、それらの反射エコー
はほぼ完全に探触子7に戻って受波される。
【0047】そのため、探触子7の超音波出力が小さく
ても、探触子7をパイプ5表面に適切に接触することに
より、ノイズに埋れることなく、端面5″や損傷の反射
エコーを得ることができ、これらの反射エコーが超音波
探傷器11に画面表示される。
【0048】そして、パイプ5の場合、図1に示すよう
に端面5″が段差部2′に当接して継手部5′が継手4
内に正しく位置する正常施工時は、図中の基準位置Sか
ら端面5″までの距離L1 が15mm,基準位置Sからフ
ェルール3aの先端までの距離L2がほぼ5mm,基準位
置Sからフェルール3bの先端までの距離L3がほぼ1
0mmになる。
【0049】なお、基準位置Sは反射エコーの位置検出
の基準となる位置であり、探触子7を継手1に当接して
位置決めすることにより、検査中にずれることはなく、
超音波探傷器11の画面上ではエコー波の路程0mmの位
置になる。
【0050】そして、探触子7が受波する反射エコーの
波形は、パイプ5の損傷の有無や程度等に基づき、例え
ばつぎのようになる。
【0051】まず、継手1を締付けることにより、フェ
ルール3a,3bの先端はパイプ5に食込んで変形する
が、割れや破断等の損傷がなく、良好に施工されたとき
は、探触子7が受波する反射エコーの波形は、ほぼ図3
に示すようになる。
【0052】この図3において、ピークαは、フェルー
ル3aにより生じたパイプ5のほぼL2 =5mmの位置B
の変形等に基づく反射エコーであり、ピークβは、フェ
ルール3bにより生じたパイプ5のほぼL3 =10mmの
位置Cの変形等に基づく反射エコーであり、ピークγ
は、L1 =15mmの端面5″の位置Aでの反射エコーで
ある。
【0053】すなわち、損傷がなければ、ピークα,
β,γは、ほぼそれぞれの規定の位置5mm,10mm,1
5mmに発生し、いずれも比較的小さく、しかも、端面
5″のピークγがピークα,βよりも大きくなる。
【0054】つぎに、継手1の締付けにより、例えば図
4の部分的な拡大断面図に示すように、フェルール3a
の先端の食込みによってパイプ5の一部に割れ12の損
傷が生じていると、探触子7が受波する反射エコーの波
形は、図5に示すようになる。
【0055】そして、図5のピークα′,β′,γ′は
図3のピークα,β,γに対応するが、図5からも明ら
かなように割れ12によるピークα′が他のピーク
β′,γ′より大きくなる。
【0056】このことから、基準位置Sより約5mmのピ
ークα′の位置に損傷が発生していることが分かる。
【0057】なお、フェルール3bの先端の食込みによ
り、基準位置Sより10mmの位置に割れ12と同様の割
れが生じたときは、ピークβ′が最も大きくなり、この
ことから10mmのピークβ′の位置に損傷が発生してい
ることが分かる。
【0058】そして、割れが大きくなる程、ピーク
α′,β′が大きくなることから、ピークα′,β′の
大きさ(高さ)により、割れの状態(深さ)を把握する
ことができる。
【0059】つぎに、継手1の締付けにより、図6の部
分的な拡大断面図に示すように、パイプ5がフェルール
3aの先端位置で破断していると、探触子7が受波する
反射エコーの波形は図7に示すようになる。
【0060】この図7のピークα″は図3のピークα,
図5のピークα′に対応し、ピークα″が極めて大きい
ため、図7では図3のピークβ,γ,図5のピーク
β′,γ′に対応するピークは分からなくなっている。
【0061】そして、破断個所に極めて大きいピーク
α″が出現することから、パイプ5の継手部5′の破断
が検出され、その位置が基準位置Sからほぼ5mmの位置
であることも分かる。
【0062】したがって、超音波探傷器11に画面表示
された反射エコーの波形を観察すれば、その波形の特徴
から容易にパイプ5の継手部5′の損傷を検出し、さら
には、その位置及び大きさを知ることができ、パイプ5
の継手部5′の配管状態での非破壊検査が行える。
【0063】そして、実際の検査においては、作業者が
超音波探傷器11の画面を観察しながら探触子7を動か
してパイプ5の円周方向の各位置で測定をくり返し、継
手1内に位置した継手部5′の全周につき、損傷を非破
壊検査して検出する。
【0064】この場合、小型の探触子7をパイプ5の円
周方向に移動すればよく、パイプ5が狭い間隔で配管さ
れていても、容易に測定して検出することができ、従来
は不可能であったこの種の極薄かつ小径のパイプのチュ
ーブ継手の締付けによる損傷を、プラント設備の運用中
にも配管状態で非破壊検査することができる。
【0065】なお、探触子7が受波する反射エコーの波
形特性は、パイプの厚み,径,材質等によって異なるた
め、実際には、検査対象のパイプにつき、図3,図5,
図7のような種々の損傷状態での波形データを予め基準
の波形データとして収集しておき、各基準の波形データ
に基づき、超音波探傷器11に画面表示された波形か
ら、前記のようにして損傷状態を把握する。
【0066】つぎに、いわゆる施工不良により、パイプ
5の端面5″の位置が図1の左方にずれ、パイプ5が段
差部2′に当接しない状態で締付けられると、フェルー
ル3a,3bがパイプ5に食込む位置も端面5″寄りに
なり、この状態で使用すると、パイプ5が継手1から抜
ける等の重大な事故を招来する。
【0067】そして、探触子7を継手1に当接して位置
決めすれば、例えば図3,図5の反射エコーγ,γ′の
位置から、端面5″の位置を検出することができ、これ
らの検出位置と、正常に施工されたときの端面5″の正
常位置とを比較すれば、継手部5′の位置不良を検出し
て前記の施工不良を配管後に容易に検査することができ
る。
【0068】なお、端面5″の正常位置は、図1の状態
での基準位置Sから端面5″までの長さL1であり、1
5mmである。
【0069】そして、図3,図5の反射エコーγ,γ′
からも明らかなように、端面5″の反射エコーの後に
は、特徴的な反射エコーが出現しないため、超音波探傷
器11の画面上で基準位置Sから最も離れた位置に出現
する特徴的な反射エコーが端面5″の反射エコーにな
る。
【0070】そこで、この形態では超音波探傷器11に
画面表示された端面5″の反射エコーの位置を検出し、
この検出位置と、予め判明している前記の正常位置とを
比較し、検出位置が正常位置より一定長さ以上基準位置
S寄りになれば、施工不良を検出する。
【0071】そして、施工不良の場合に超音波探傷器1
1に画面表示される端面5″の反射エコーの波形の1例
は、例えば図8に示すようになる。
【0072】この図8においては、端面5″が基準位置
Sから10mmの位置にあることから、図3,図5のピー
クγ,γ′に対応するピークγ″の位置が、基準位置S
から10mmのA′の位置になっている。
【0073】したがって、この形態においては、探触子
7のSH波の超音波により、極薄かつ小径のパイプ5に
つき、継手部5′の損傷だけでなく、施工不良の配管状
態での非接触検査も行える。
【0074】ところで、前記形態では、パイプ5が銅管
の場合について説明したが、パイプ5がステンレス管,
鋼管等の金属管の場合にも同様に適用することができ
る。
【0075】また、1〜数ミリ程度の肉薄のパイプであ
れば、大径であっても、前記形態と同様の効果を得るこ
とができる。つぎに、チューブ継手の構造や形状等は前
記形態のものに限られるものではない。
【0076】そして、本発明は1〜数ミリ程度の肉薄の
パイプであって、チューブ継手を用いて他のパイプや計
器等に接続して配管されたものであれば、SH波の超音
波の反射エコーが得られる限り、パイプの材質やチュー
ブ継手の構造,形状等によらず、前記形態と同様に適用
することができる。
【0077】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。まず、請求項1の場合は、超音波探触子7から送波
されるSH波の超音波がパイプ5の割れや破断の損傷面
に水平な横波であり、この横波の超音波を探触子7から
パイプ5の継手1内に位置した端部方向に送波したた
め、継手1の締付けでパイプ5の端部(継手部5′)に
生じた損傷によって超音波が確実に反射され、しかも、
この反射エコーが探触子7にほぼ完全に受波され、超音
波出力が小さくても、ノイズに埋もれたりすることな
く、損傷の位置や程度によって変化する反射エコーの波
形が得られ、探触子7に受波された反射エコーの波形か
ら、パイプ5の端部の損傷を配管状態で非破壊検査する
ことができる。
【0078】したがって、プラント設備等に配管された
この種の極薄のパイプにつき、従来は不可能であったそ
の継手部の損傷の配管状態での非破壊検査が、SH波の
超音波探触子を用いて安価かつ簡単に行え、この検査に
基づき、適切な時期にパイプの交換等を行って空気漏れ
等の事故を未然に確実に防止することができる。
【0079】つぎに、請求項2の場合は、検査の際に、
探触子7を継手1に当接して位置決めし、反射エコーの
位置からパイプ5の損傷の位置を検出したため、簡単な
位置決めにより、パイプ5の損傷の位置を精度よく検出
することができる。
【0080】また、請求項3の場合は、パイプ5の損傷
の程度(深さ)が大きくなる程、その位置からの反射エ
コーが多くなるため、反射エコーの大きさからパイプの
損傷の程度を検出することができる。
【0081】つぎに、請求項4の場合は、パイプ5の端
面5″の反射エコーの検出位置と正常位置との比較に基
づき、SH波の超音波を用いた配管状態での検査によ
り、パイプ5の継手1内の端部の位置の不良を検出し、
施行不良の有無を容易に検査等することができる。
【0082】そして、パイプ5が銅管、ステンレス管、
鋼管の金属管であることが、極めて実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の検査状態の断面図であ
る。
【図2】図1の超音波探触子の接触面の形態を示した断
面図である。
【図3】図1のパイプに損傷がないときの反射エコーの
波形図である。
【図4】図1のパイプに割れの損傷が発生しているとき
の一部の拡大断面図である。
【図5】図4の状態での反射エコーの波形図である。
【図6】図1のパイプに破断の損傷が発生しているとき
の一部の拡大断面図である。
【図7】図6の状態での反射エコーの波形図である。
【図8】図1のパイプの端部位置がずれたときの反射エ
コーの波形図である。
【図9】チューブ継手の分解斜視図である。
【図10】図9のチューブ継手にパイプが接続された正
常施行状態の断面図である。
【符号の説明】
1 チューブ継手 5 パイプ 7 超音波探触子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 啓三 大阪市北区茶屋町18番21号 株式会社日本 アーム内 (72)発明者 中村 裕明 大阪市北区茶屋町18番21号 株式会社日本 アーム内 Fターム(参考) 2G047 AA07 AB01 BA03 BB04 BC10 CA01 CB02 EA10 EA14 EA16 GA03 GG24 GG28 GG30 GG33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部がチューブ継手内に位置した1〜数
    ミリ程度の厚みの肉薄のパイプにつき、前記継手の締付
    けにより前記端部に生じる損傷を、配管状態で非破壊検
    査するパイプ継手部の非破壊検査方法において、 前記パイプの前記継手近傍の表面にSH波の超音波探触
    子を接触し、 前記探触子から前記パイプの前記端部の方向に前記SH
    波の超音波を送波し、 前記探触子が受波した反射エコーの波形から前記損傷を
    非破壊検査することを特徴とするパイプ継手部の非破壊
    検査方法。
  2. 【請求項2】 SH波の超音波探触子を、チューブ継手
    に当接して位置決めした状態でパイプの表面に接触し、
    反射エコーの位置から前記パイプの損傷の位置を検出す
    ることを特徴とする請求項1記載のパイプ継手部の非破
    壊検査方法。
  3. 【請求項3】 反射エコーの大きさからパイプの損傷の
    程度を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のパイプ継手部の非破壊検査方法。
  4. 【請求項4】 端部がチューブ継手内に位置した1〜数
    ミリ程度の厚みの肉薄のパイプにつき、 前記パイプの前記継手近傍の表面にSH波の超音波探触
    子を接触し、 前記探触子から前記パイプの前記端部の方向に前記SH
    波の超音波を送波し、 前記探触子が受波した前記パイプの端面からの反射エコ
    ーに基づく前記端面の検出位置と、前記端面の正常位置
    との比較により、前記端部の位置不良を検出することを
    特徴とするパイプ継手部の非破壊検査方法。
  5. 【請求項5】 パイプが銅管、ステンレス管、鋼管の金
    属管であることを特徴とする請求項1,請求項2,請求
    項3又は請求項4記載のパイプ継手部の非破壊検査方
    法。
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