JP2538086Z - - Google Patents
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Description
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、静的には高い粘性を有し、筆記時のボールの回転で粘性が低下して
インクが流出される、所謂剪断減粘性を有したインクを使用したボールペンの改
良に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、高粘度のインクを使用した所謂油性ボールペンと繊維状の中綿にインク
を内蔵させ、ボールペンチップまでインク誘導芯を介してインクを誘導するよう
にした所謂水性ボールペンが知られている。夫々、幾つかの欠点を有しているが
端的な欠点として、油性ボールペンはインクが高粘度が故にボテや筆記濃度が薄
いという欠点がある。又、水性ボールペンはインクを内蔵させる中綿を使用する
が故に部材費が掛かりコスト高になることと、インクの消費が判らないという欠
点がある。又、そのような状況下で夫々の欠点を改良する目的で静的には高い粘
性を有し、筆記時のボールの回転で粘性が低下してインクが流出される剪断減粘
性を有したインクを使用したボールペンも知られている。しかしながら、剪断減
粘性を有したインクを使用したボールペンは、インクが蒸発し易い性質と、イン
クの流出量が多く(筆記濃度を上げるため)インク収容管の径を太くしてインク
の搭載量を多くしている。又、インクの粘度は油性ボールペンのインクに比べて
小さいのでインク収容管に対する流動抵抗は小さい。従って、大気圧や温度の変
化によりインク漏れ(インク収容管の後端にインクが逆流する)が生じやすい。
その為に、通常はインクの後端にインクの蒸発を防止すると共に、筆記時のイン
クの消耗に追随して移動するが、大気圧や温度の変化に対してインクの逆流を抑
制するグリース状のフォロワが設けられている。しかしながら、フォロワを設け
ても上向き筆記をした時にはチップのボール直下のインクが無くなると、インク
のヘッドが直に加わる為に顕著な逆流が生じ、軸筒内を汚すと共に軸筒に設けた
通気孔からインクが漏れて手や衣服を汚す危険がある。その状況は油性ボールペ
ンで生じる状況の比ではない。又、インクの逆流を防止する手段としてボールバ
ルブを用いたボールペンが知られている。ボールバルブの一例としては実開昭−
57−193578号公報で開示されたように先端にボールを抱持し、ボール受
け座には軸心にボールに通ずるインク通孔が設けられたチップ筒内にスプリング
部材を収容して、スプリング部材の直線状部をインク通孔に挿通してボールの背
面を弾発的に先端方向に押圧してボールの側周を先端部内壁に密接させた水性ボ
ールペンの先端部が知られている。此のものは上向き放置や落下衝撃で軸方向後
方にインクがドロップバックする欠陥(インクの逆流によるインク切れ現象)を
解消するものである。又、ボールバルブの二例として同出願人により実開昭62 −73980号公報でボール(ボール弁)を遊嵌した弁室を設けたボールペンの
インクの逆流防止機構を開示している。此のものは合成樹脂製の口プラでボール
弁を遊嵌する弁室内にボール弁を抜出不能とする突条を所要数設けて、筆記時に
は突条と突条との間に形成される隙間を連通してチップ内にインクが流入するよ
うに成されており、インクが逆流する欠陥を解消するものである。又、係止部の
ないチップは主としてその後端部を他部品に圧入嵌合して保持されている。又、
チップの圧入嵌合部は緩すぎるとインクがで漏出したりチップが抜けたりする問
題があるので、その寸法精度は極めて厳密さが要求されており工程の減少や不良
率の低下等が困難でコスト低減には無理がある。又、圧入嵌合部は温度環境の変
化等を原因として時間的に劣化し品質が損なわれる問題もある。又、口金を外し
て筆記部を交換可能とするボールペン構造に於いては、チップが突出する口金の
孔とチップとの間に隙間を生じる為に筆記に際してガタつく欠点がある。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 本考案は、前記従来技術の知見に基づいて改良工夫を重ねた成果であって、目
的とするところは静的には高い粘性を示し、筆記時のボールの回転で粘性が低下
してインクが流出される剪断減粘性を有したインクを使用したボールペンの改良
にある。一つとして大気圧や温度変化、又、上向き筆記に際してもインクが逆流
して軸筒内や手、衣服の汚れを防止可能とする。二つとして口金を外して筆記部
を交換可能とするボールペンであって、チップの圧入嵌合部の寸法制度を緩くし
ても工程の減少や不良率の低下によりコスト低減を可能とし、テーパー部の角度
の異なる口金との互換性や、テーパー部のバラツキが大きい場合にも融通性を有
して、筆記時に於ける口金とチップのガタつきを防止可能とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成する為に案出された本考案のボールペンは、インクの逆流を防
止するためのボールバルブを有したボールペンであって、静的に高い粘性を有し
筆記時の先端ボールの回転で粘性が低下してインクが流出される所謂剪断減粘性
を有したインクを充填したインク収容管におけるインクの後端にインクの蒸発を 防止すると共にインクの消耗と共に追随するグリース状のフォロワを設け、かつ
、筆記時にインクを紙面に導出するような流路を確保したボールペンのチップを
先端の嵌着孔に止着した合成樹脂により成形された継ぎ手の軸心に弁室を設ける
と共にその弁室の後部にボール受け座を形成し更に継ぎ手の後方に弁室と連通す
るように上記のインク収容管を接続して、その継ぎ手の弁室にチップ上向きでボ
ール受け座に密接してインクの逆流を防止するボール弁を遊嵌し、さらに、弁室
の前部内面に軸方向の突条を所要数設けてその突条と弁室の後部に形成したボー
ル受け座との間にボール弁を抜出不能に遊嵌し、弁室と連通するインク収容管は
継ぎ手後端の嵌合筒部に固着したことを特徴とする。即ち、本考案のボールペン
は、前述したように基本的には低粘度である剪断減粘性を有したインクを使用し
て太径のインク収容管に充填した場合には、上向き筆記や衝撃に対してインクの
逆流を防止するために充填インクの前方にボールバルブを、インクの後方にフォ
ロワを備えることが必須であるという知見と、又、水性インクの場合にはインク
の蒸発を防止する機能と、インクの消耗と共に追随する機能とが安定して作用す
ることと、コストが安いことからグリース状のフォロワとするのが望ましいとい
う知見に基づいて案出されたものである。また、上記のボールペンは、継ぎ手の
先端の嵌着孔の外周部にスリットを設けて縮径方向に弾性変形可能な係止筒部と
なし、該係止筒部の内径にはチップの外周を挟持する部位と先端にはチップの外
周に当接しない隙間を設け、継ぎ手の係止筒部の後端縁に軸筒の前端縁を衝合さ
せると共に、内面部にテーパー部を設けた口金をそのテーパー部を係止筒部の前
端縁に衝合せしめた状態で軸筒に対し止着することにより、口金の互換性及びチ
ップのガタつきを防止可能とすることもできる。 【0005】 【実施例】 図1及び図2に示した本考案の実施例は、前半に係止筒部7と後半に嵌合筒部
13を設け、前側の係止筒部7には円周上の所要位置に軸方向のスリット8を設
けて先方を縮径方向に弾性変形可能とした継ぎ手3が設けられている。係止筒部
7の内孔には後端よりチップ嵌着孔12とチップ5の外径と略同一の挟持部11
と先端にチップ5の外径より適宜大きい内径を有した隙間10が形成されて、係 止筒部7の内孔にはチップ5が後端側から圧入されている。 【0006】 継ぎ手3は弾性変形可能な合成樹脂により一体成形で構成されており、前記チ
ップ嵌着孔12に連通して後方に弁室14が設けられている。弁室14の後部に
は凹状球面のボール受け座15が、又、前部の内面にはその仮想内接円の直径が
後述するボール弁19の直径よりも小さくなるように軸方向の突条16を円周上
の複数箇所に設けて、ボール受け座15と突条16との間にボール弁19をその
突条16の方向から突条16を弾性変形させながら挿入して弁室14内に遊嵌さ
せている。又、弁室14の後方にはボール受け座15と連通する導孔18が形成
されている。 【0007】 又、継ぎ手3の前記係止筒部7の後端には鍔部17が設けられ、鍔部17の後
方には嵌合筒部13が延設されている。嵌合筒部13の外周には筒状のインク収
容管4がその先端を鍔部17の後端に当接して圧入固着され、インク収容管4の
内径部が継ぎ手3の導孔18に連通している。インク収容管4内には静的には高
い粘性を有し、筆記時のボールの回転で粘性が低下してインクが流出可能となる
剪断減粘性を有したインク21が充填され、更にインク21の後端にインクの蒸
発を防止すると共に、インクの消耗と共にインク面に接触して追随して移動可能
なグリース状のフォロワが充填されている。尚、上記インク収容管4はインクの
蒸発を抑制する例えば透明のPP樹脂成形品等が使用される。 【0008】 次に、軸筒1の先端から継ぎ手3にチップ5とインクを充填したインク収容管
4を固着した筆記部を挿入して、軸部6の前面に継ぎ手3の鍔部17の後端縁を
衝合させて、内面部にテーパー部9を設けた口金2を、そのテーパー部9を継ぎ
手3の係止筒部7の前端縁に衝合せしめた状態で軸筒1の軸部6に螺着させてい
る。又、軸筒1の適宜位置で軸筒の内孔部に連通する通気孔20が穿設され、軸
筒1の後端には尾栓が圧入固着される。尚、軸筒1はインクの消費量が判るよう
に透明な樹脂成形品が使用される。 【0009】 【作用】 図1はチップ5を下向きにした筆記状態を示しており、その時ボール弁19は
弁室14の突条16に当接した状態となり、インク収容管4から導孔18を経て
弁室14に入ったインク21はボール19の脇を通り、突条16の間を通過して
チップ5の先端に誘導される。インクは静的には高い粘性を示しているが、チッ
プ5先端のボールの回転で粘性が低下してインクが多量に流出され、ボテが無く
、濃度の高い筆記が可能となる。又、図2はチップ5を上向きにした状態を示し
ており、その時ボール弁19は弁室14のボール受け座15に位置して導孔18
を密閉するので、上向きで筆記されてチップのボール直下のインクがなくなって
も、インクにヘッドが掛かり逆流することがない。又、本考案ではチップ5が継
ぎ手3の係止筒部7のチップ嵌着孔12に圧入された上、係止筒部7の前端縁が
口金2の内面テーパー部9に衝合するので、係止筒部7の先方にはテーパー部9
によって軸心へ向かう半径方向(縮径方向)の外力が作用することになり、その
内部に位置するチップ5が挟持部11によって締付け力が増大する。又、隙間1
0により係止筒部7の先端がテーパー部9により適宜縮径してチップ5が口金2
との間でガタ止めされる。 【0010】 【考案の効果】 本考案のボールペンの構成及び作用は以上の如くであり、ボールバルブとグリ
ース状のフォロワとの共同作用で上向き筆記や衝撃でインクの逆流が防止可能と
なる。又、実施例に示すものはチップとインク収容管を連通する中間部に弁室を
設けて、弁室内に遊嵌するボールにより上向き筆記でインク収容部と弁室との間
を密閉するようにしたのでインクが逆流して軸筒内や手、衣服等を汚す事故が防
止可能となる。又、チップと継ぎ手の圧入嵌合部の固定力が強化されるので、多
少嵌合を緩めにしてもインクの漏出やチップの抜けのおそれがなく、又、圧入嵌
合部の時間的劣化に対しても保証することになるので、寸法精度の緩和による工
程の減少や不良率の低下がもたらされてコスト低減を可能とすると共に、チップ
の圧入嵌合状態が長期的に安定化した高品質の製品の提供を可能とする。又、チ
ップと口金がガタ止めされるので筆感が良い。
インクが流出される、所謂剪断減粘性を有したインクを使用したボールペンの改
良に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、高粘度のインクを使用した所謂油性ボールペンと繊維状の中綿にインク
を内蔵させ、ボールペンチップまでインク誘導芯を介してインクを誘導するよう
にした所謂水性ボールペンが知られている。夫々、幾つかの欠点を有しているが
端的な欠点として、油性ボールペンはインクが高粘度が故にボテや筆記濃度が薄
いという欠点がある。又、水性ボールペンはインクを内蔵させる中綿を使用する
が故に部材費が掛かりコスト高になることと、インクの消費が判らないという欠
点がある。又、そのような状況下で夫々の欠点を改良する目的で静的には高い粘
性を有し、筆記時のボールの回転で粘性が低下してインクが流出される剪断減粘
性を有したインクを使用したボールペンも知られている。しかしながら、剪断減
粘性を有したインクを使用したボールペンは、インクが蒸発し易い性質と、イン
クの流出量が多く(筆記濃度を上げるため)インク収容管の径を太くしてインク
の搭載量を多くしている。又、インクの粘度は油性ボールペンのインクに比べて
小さいのでインク収容管に対する流動抵抗は小さい。従って、大気圧や温度の変
化によりインク漏れ(インク収容管の後端にインクが逆流する)が生じやすい。
その為に、通常はインクの後端にインクの蒸発を防止すると共に、筆記時のイン
クの消耗に追随して移動するが、大気圧や温度の変化に対してインクの逆流を抑
制するグリース状のフォロワが設けられている。しかしながら、フォロワを設け
ても上向き筆記をした時にはチップのボール直下のインクが無くなると、インク
のヘッドが直に加わる為に顕著な逆流が生じ、軸筒内を汚すと共に軸筒に設けた
通気孔からインクが漏れて手や衣服を汚す危険がある。その状況は油性ボールペ
ンで生じる状況の比ではない。又、インクの逆流を防止する手段としてボールバ
ルブを用いたボールペンが知られている。ボールバルブの一例としては実開昭−
57−193578号公報で開示されたように先端にボールを抱持し、ボール受
け座には軸心にボールに通ずるインク通孔が設けられたチップ筒内にスプリング
部材を収容して、スプリング部材の直線状部をインク通孔に挿通してボールの背
面を弾発的に先端方向に押圧してボールの側周を先端部内壁に密接させた水性ボ
ールペンの先端部が知られている。此のものは上向き放置や落下衝撃で軸方向後
方にインクがドロップバックする欠陥(インクの逆流によるインク切れ現象)を
解消するものである。又、ボールバルブの二例として同出願人により実開昭62 −73980号公報でボール(ボール弁)を遊嵌した弁室を設けたボールペンの
インクの逆流防止機構を開示している。此のものは合成樹脂製の口プラでボール
弁を遊嵌する弁室内にボール弁を抜出不能とする突条を所要数設けて、筆記時に
は突条と突条との間に形成される隙間を連通してチップ内にインクが流入するよ
うに成されており、インクが逆流する欠陥を解消するものである。又、係止部の
ないチップは主としてその後端部を他部品に圧入嵌合して保持されている。又、
チップの圧入嵌合部は緩すぎるとインクがで漏出したりチップが抜けたりする問
題があるので、その寸法精度は極めて厳密さが要求されており工程の減少や不良
率の低下等が困難でコスト低減には無理がある。又、圧入嵌合部は温度環境の変
化等を原因として時間的に劣化し品質が損なわれる問題もある。又、口金を外し
て筆記部を交換可能とするボールペン構造に於いては、チップが突出する口金の
孔とチップとの間に隙間を生じる為に筆記に際してガタつく欠点がある。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 本考案は、前記従来技術の知見に基づいて改良工夫を重ねた成果であって、目
的とするところは静的には高い粘性を示し、筆記時のボールの回転で粘性が低下
してインクが流出される剪断減粘性を有したインクを使用したボールペンの改良
にある。一つとして大気圧や温度変化、又、上向き筆記に際してもインクが逆流
して軸筒内や手、衣服の汚れを防止可能とする。二つとして口金を外して筆記部
を交換可能とするボールペンであって、チップの圧入嵌合部の寸法制度を緩くし
ても工程の減少や不良率の低下によりコスト低減を可能とし、テーパー部の角度
の異なる口金との互換性や、テーパー部のバラツキが大きい場合にも融通性を有
して、筆記時に於ける口金とチップのガタつきを防止可能とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成する為に案出された本考案のボールペンは、インクの逆流を防
止するためのボールバルブを有したボールペンであって、静的に高い粘性を有し
筆記時の先端ボールの回転で粘性が低下してインクが流出される所謂剪断減粘性
を有したインクを充填したインク収容管におけるインクの後端にインクの蒸発を 防止すると共にインクの消耗と共に追随するグリース状のフォロワを設け、かつ
、筆記時にインクを紙面に導出するような流路を確保したボールペンのチップを
先端の嵌着孔に止着した合成樹脂により成形された継ぎ手の軸心に弁室を設ける
と共にその弁室の後部にボール受け座を形成し更に継ぎ手の後方に弁室と連通す
るように上記のインク収容管を接続して、その継ぎ手の弁室にチップ上向きでボ
ール受け座に密接してインクの逆流を防止するボール弁を遊嵌し、さらに、弁室
の前部内面に軸方向の突条を所要数設けてその突条と弁室の後部に形成したボー
ル受け座との間にボール弁を抜出不能に遊嵌し、弁室と連通するインク収容管は
継ぎ手後端の嵌合筒部に固着したことを特徴とする。即ち、本考案のボールペン
は、前述したように基本的には低粘度である剪断減粘性を有したインクを使用し
て太径のインク収容管に充填した場合には、上向き筆記や衝撃に対してインクの
逆流を防止するために充填インクの前方にボールバルブを、インクの後方にフォ
ロワを備えることが必須であるという知見と、又、水性インクの場合にはインク
の蒸発を防止する機能と、インクの消耗と共に追随する機能とが安定して作用す
ることと、コストが安いことからグリース状のフォロワとするのが望ましいとい
う知見に基づいて案出されたものである。また、上記のボールペンは、継ぎ手の
先端の嵌着孔の外周部にスリットを設けて縮径方向に弾性変形可能な係止筒部と
なし、該係止筒部の内径にはチップの外周を挟持する部位と先端にはチップの外
周に当接しない隙間を設け、継ぎ手の係止筒部の後端縁に軸筒の前端縁を衝合さ
せると共に、内面部にテーパー部を設けた口金をそのテーパー部を係止筒部の前
端縁に衝合せしめた状態で軸筒に対し止着することにより、口金の互換性及びチ
ップのガタつきを防止可能とすることもできる。 【0005】 【実施例】 図1及び図2に示した本考案の実施例は、前半に係止筒部7と後半に嵌合筒部
13を設け、前側の係止筒部7には円周上の所要位置に軸方向のスリット8を設
けて先方を縮径方向に弾性変形可能とした継ぎ手3が設けられている。係止筒部
7の内孔には後端よりチップ嵌着孔12とチップ5の外径と略同一の挟持部11
と先端にチップ5の外径より適宜大きい内径を有した隙間10が形成されて、係 止筒部7の内孔にはチップ5が後端側から圧入されている。 【0006】 継ぎ手3は弾性変形可能な合成樹脂により一体成形で構成されており、前記チ
ップ嵌着孔12に連通して後方に弁室14が設けられている。弁室14の後部に
は凹状球面のボール受け座15が、又、前部の内面にはその仮想内接円の直径が
後述するボール弁19の直径よりも小さくなるように軸方向の突条16を円周上
の複数箇所に設けて、ボール受け座15と突条16との間にボール弁19をその
突条16の方向から突条16を弾性変形させながら挿入して弁室14内に遊嵌さ
せている。又、弁室14の後方にはボール受け座15と連通する導孔18が形成
されている。 【0007】 又、継ぎ手3の前記係止筒部7の後端には鍔部17が設けられ、鍔部17の後
方には嵌合筒部13が延設されている。嵌合筒部13の外周には筒状のインク収
容管4がその先端を鍔部17の後端に当接して圧入固着され、インク収容管4の
内径部が継ぎ手3の導孔18に連通している。インク収容管4内には静的には高
い粘性を有し、筆記時のボールの回転で粘性が低下してインクが流出可能となる
剪断減粘性を有したインク21が充填され、更にインク21の後端にインクの蒸
発を防止すると共に、インクの消耗と共にインク面に接触して追随して移動可能
なグリース状のフォロワが充填されている。尚、上記インク収容管4はインクの
蒸発を抑制する例えば透明のPP樹脂成形品等が使用される。 【0008】 次に、軸筒1の先端から継ぎ手3にチップ5とインクを充填したインク収容管
4を固着した筆記部を挿入して、軸部6の前面に継ぎ手3の鍔部17の後端縁を
衝合させて、内面部にテーパー部9を設けた口金2を、そのテーパー部9を継ぎ
手3の係止筒部7の前端縁に衝合せしめた状態で軸筒1の軸部6に螺着させてい
る。又、軸筒1の適宜位置で軸筒の内孔部に連通する通気孔20が穿設され、軸
筒1の後端には尾栓が圧入固着される。尚、軸筒1はインクの消費量が判るよう
に透明な樹脂成形品が使用される。 【0009】 【作用】 図1はチップ5を下向きにした筆記状態を示しており、その時ボール弁19は
弁室14の突条16に当接した状態となり、インク収容管4から導孔18を経て
弁室14に入ったインク21はボール19の脇を通り、突条16の間を通過して
チップ5の先端に誘導される。インクは静的には高い粘性を示しているが、チッ
プ5先端のボールの回転で粘性が低下してインクが多量に流出され、ボテが無く
、濃度の高い筆記が可能となる。又、図2はチップ5を上向きにした状態を示し
ており、その時ボール弁19は弁室14のボール受け座15に位置して導孔18
を密閉するので、上向きで筆記されてチップのボール直下のインクがなくなって
も、インクにヘッドが掛かり逆流することがない。又、本考案ではチップ5が継
ぎ手3の係止筒部7のチップ嵌着孔12に圧入された上、係止筒部7の前端縁が
口金2の内面テーパー部9に衝合するので、係止筒部7の先方にはテーパー部9
によって軸心へ向かう半径方向(縮径方向)の外力が作用することになり、その
内部に位置するチップ5が挟持部11によって締付け力が増大する。又、隙間1
0により係止筒部7の先端がテーパー部9により適宜縮径してチップ5が口金2
との間でガタ止めされる。 【0010】 【考案の効果】 本考案のボールペンの構成及び作用は以上の如くであり、ボールバルブとグリ
ース状のフォロワとの共同作用で上向き筆記や衝撃でインクの逆流が防止可能と
なる。又、実施例に示すものはチップとインク収容管を連通する中間部に弁室を
設けて、弁室内に遊嵌するボールにより上向き筆記でインク収容部と弁室との間
を密閉するようにしたのでインクが逆流して軸筒内や手、衣服等を汚す事故が防
止可能となる。又、チップと継ぎ手の圧入嵌合部の固定力が強化されるので、多
少嵌合を緩めにしてもインクの漏出やチップの抜けのおそれがなく、又、圧入嵌
合部の時間的劣化に対しても保証することになるので、寸法精度の緩和による工
程の減少や不良率の低下がもたらされてコスト低減を可能とすると共に、チップ
の圧入嵌合状態が長期的に安定化した高品質の製品の提供を可能とする。又、チ
ップと口金がガタ止めされるので筆感が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の実施例であるボールペンの要部縦断面図で、チップを下向きにした状
態を示している。 【図2】 本考案の実施例であるボールペンの要部縦断面図で、チップを上向きにした状
態を示している。 【符号の説明】 1 軸筒 2 口金 3 継ぎ手 4 インク収容管 5 チップ 6 軸部 7 係止筒部 8 スリット 9 テーパー部 10 隙間 11 挟持部 12 嵌着孔 13 嵌合筒部 14 弁室 15 ボール受け座 16 突条 17 鍔部 18 導孔 19 ボール弁 20 通気孔 21 インク 22 フォロワ 23 尾栓
態を示している。 【図2】 本考案の実施例であるボールペンの要部縦断面図で、チップを上向きにした状
態を示している。 【符号の説明】 1 軸筒 2 口金 3 継ぎ手 4 インク収容管 5 チップ 6 軸部 7 係止筒部 8 スリット 9 テーパー部 10 隙間 11 挟持部 12 嵌着孔 13 嵌合筒部 14 弁室 15 ボール受け座 16 突条 17 鍔部 18 導孔 19 ボール弁 20 通気孔 21 インク 22 フォロワ 23 尾栓
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 静的に高い粘性を有し筆記時の先端ボールの回転で粘性が低下
してインクが流出される所謂剪断減粘性を有したインクを充填したインク収容管
におけるインクの後端にインクの蒸発を防止すると共にインクの消耗と共に追随
するグリース状のフォロワを設け、かつ、筆記時にインクを紙面に導出するよう
な流路を確保したボールペンのチップを先端の嵌着孔に止着した合成樹脂により
成形された継ぎ手の軸心に弁室を設けると共にその弁室の後部にボール受け座を
形成し更に継ぎ手の後方に弁室と連通するように上記のインク収容管を接続して
、その継ぎ手の弁室にチップ上向きでボール受け座に密接してインクの逆流を防
止するボール弁を遊嵌し、さらに、弁室の前部内面に軸方向の突条を所要数設け
てその突条と弁室の後部に形成したボール受け座との間にボール弁を抜出不能に
遊嵌し、弁室と連通するインク収容管は継ぎ手後端の嵌合筒部に固着したことを
特徴とするボールペン。 【請求項2】 継ぎ手の先端の嵌着孔の外周部にスリットを設けて縮径方向に
弾性変形可能な係止筒部となし、該係止筒部の内径にはチップの外周を挟持する
部位と先端にはチップの外周に当接しない隙間を設け、継ぎ手の係止筒部の後端
縁に軸筒の前端縁を衝合させると共に、内面部にテーパー部を設けた口金をその
テーパー部を係止筒部の前端縁に衝合せしめた状態で軸筒に対し止着したことを
特徴とする請求項1記載のボールペン。
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