JP2537897Y2 - 移動式シェルタ - Google Patents

移動式シェルタ

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JP2537897Y2
JP2537897Y2 JP7669090U JP7669090U JP2537897Y2 JP 2537897 Y2 JP2537897 Y2 JP 2537897Y2 JP 7669090 U JP7669090 U JP 7669090U JP 7669090 U JP7669090 U JP 7669090U JP 2537897 Y2 JP2537897 Y2 JP 2537897Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は移動式シェルタに関する。すなわち、機器等
を収容し車輛等に積載して移動され目的地で設置使用さ
れる、移動式シェルタに関するものである。
「技術背景」 このような移動式シェルタは、トラックの荷台等での
車載移動時において道路交通法その他の法規の規制対象
となり、その大きさつまり幅,長さ,高さ等が制約され
る。そしてこのような制約のためその内部において、機
器等の収容空間、そして設置使用時に機器等の操作,調
整,点検等を行うための作業空間や居住空間等が狭く、
それらの確保に困難を伴うことも多かった。
そこで従来まず、折り畳み・展開構造の移動式シェル
タが開発使用されていた。すなわち、この移動式シェル
タは車載移動時においては、拡大部が本体部に折り畳み
収納されて縮小し法規の制約を充足し、他方設置使用時
においては、拡大部が本体部から展開組み立てられ拡大
して作業空間や居住空間等が内部中央部に確保されるよ
うになっていた。しかしながら、このような折り畳み・
展開構造の移動式シェルタは、折り畳み収納作業および
展開組立作業が煩雑で縮小拡大に手間と時間がかかり、
又折り畳み・展開構造のため密封性が悪く、防水性,気
密性・断熱性等に難があり収容された機器等への悪影響
も見られた。
そこで従来、入れ子構造の移動式シェルタが開発使用
されていた。第3図および第4図はこのような従来例を
示し、第3図はその従来例1の正断面図であり、第4図
は従来例2の正断面図である。
すなわち、この入れ子構造の移動式シェルタでは、車
載移動時には各図において右側に示すごとく、拡大部1
が本体部2に押し込まれ収納されて縮小し法規の制約を
充足し、他方設置使用時には各図において左側に示すご
とく、拡大部1が本体部2から引き出され拡大して作業
空間や居住空間等が内部中央部に確保されるようになっ
ていた。しかもこの移動式シェルタは入れ子式なので、
拡大部1の押し込み作業および引き出し作業も容易で縮
小拡大に手間と時間を要しないとともに、密封性も良く
防水性,気密性,断熱性等に優れる等、前述の折り畳み
・展開構造の移動式シェルタの欠点も同時に解消されて
いた。なお、このよう入れ子構造の移動式シェルタにあ
っては、拡大部1の側壁3の下方に延出された下端部か
ら本体部2に向け横に突設されたレール部4が、本体部
2の床部5下面の適宜位置に設けられたガイド部6に保
持されつつ、スライドして出し入れされるようになって
いた。7はレール部4先端のレールローラであり、8は
ガイド部6側端下側のアンダーローラである。
「従来の技術」 ところでこのような入れ子構造の移動式シェルタにお
いて、第3図の従来例1のごとく、拡大部1の下面にそ
の床Aを固定して設けた構成とすると、次の難点が生じ
ることになる。すなわち図面において左側に示すごと
く、設置使用時に引き出し拡大状態にある拡大部1の床
Aの上面A1と、本体部2の床部5の上面51との間に段差
が生じ、中で作業がしずらく作業性に難点があった。又
本体部2の床部5の上面51に収容された機器等がある
と、拡大部1を本体部2に押し込んで収納し、縮小状態
とすることができないという難点もあった。
そこで入れ子式の移動式シェルタにあっては、第4図
の従来例の2のごとく、落とし床Bを設けた構成のもの
が従来一般に用いられていた。すなわち、拡大部1の下
面を開放するとともに、拡大部1の側壁3に枢着され拡
大部1の開放された下面に見合った大きさよりなる落と
し床Bを設け、もって、拡大部1の引き出し拡大状態に
おいて、落とし床Bを拡大部1の開放された下面を介
し、拡大部1に従動してガイド部6から引き出されたレ
ール部4上に直接載せて支持させ、もって拡大部1の床
とすることが一般に行われていた(図において実線表示
参照)。そしてこの従来例2によると、前述の従来例1
において指摘されていた難点は解消され、拡大状態で拡
大部1の落し床Bの上面B1と本体部2の床部5の上面51
間に段差が生じないようになり中での作業が容易である
とともに、本体部2の床部5の上面51に機器等があって
も、落し床Bは上方等の退避位置に回動せしめられてい
るので(図において想像線表示参照)、容易に拡大部1
を本体部2に押し込んで収納でき縮小状態とすることが
可能となっていた。
「考案が解決しようとする課題」 ところで、このような従来の落し床Bを設けた入れ子
構造の移動式シェルタにあっては、次の問題が指摘され
ていた。
第1に、拡大状態において拡大部1の落し床Bをレー
ル部4上に直接載せて支持させつつ、落し床Bの上面B1
と本体部2の床部5の上面51間を面一に段差が生じない
ようにするため、落し床Bの肉厚が図示のごとくかなり
厚いものとなっていた。つまり構造上レール部4の上面
と床部5の上面51とは上下差が大きく、対応して落し床
Bの肉厚が厚くなっていた。このように落し床Bは、そ
の肉厚が本体部2の床部5の肉厚と比べてもかなり厚い
ものが用いられ、もって重量が重くその回動等移動に大
きな力を要し作業性が悪いという問題があった。
第2に、上述のごとく面一に段差が生じないようにす
るためには、各部材に極めて高い製作精度が要求されて
いた。つまり落し床Bを始めレール部4,床部5,レールロ
ーラ7,アンダーローラ8,その他各部材の要求される製作
精度が高く、コスト面にも問題があった。
第3に、しかも長期間使用すると段差が発生しやすか
った。すなわち長期間使用すると、落し床B,レール部4,
床部5,レールローラ7,アンダーローラ8,その他各部材に
歪,摩耗等が生じ、もって拡大部1の落し床Bの上面B1
と本体部2の床部5の上面51間に、段差が発生してい
た。
従来例ではこのような点が指摘されていた。
本考案は、このような実情に鑑み上記従来例の問題点
を解決すべくなされたものであって、落し床の下面側に
所定の高さ調整機構を配しなることにより、第1に落し
床の肉厚を薄くでき、第2に各部材の製作精度も特に問
題とならず、第3に使用による段差の発生にも容易に対
処できる、移動式シェルタを提案することを目的とす
る。
「課題を解決するための手段」 この目的を達成する本考案の技術的手段は、次のとお
りである。
この移動式シェルタは、機器等を収容し、車輛等の荷
台に積載して目的地まで移動された後、目的地において
設置使用され、箱状をなす。そして、次の本体部,拡大
部,ガイド部等を有してなる。すなわち、側面に開口を
備えた外箱たる本体部と、外箱たる上記本体部の内箱と
して形成され、該開口を介し本体部に入れ子式に移動可
能に組み付けられ、本体部の開口と対応する内側面が開
口として開放されるとともに、該内側面の開口と対向す
る外側面が側壁とされ、更に天井や前後壁を備え下面が
開放された箱状をなし、本体部に対し押し込まれ収納さ
れて縮小されるとともに引き出されて拡大される拡大部
と、上記本体部の床部の下面に対し、その適宜位置にお
いて側方向に固設された複数のガイド部と、を有してな
る。そして、上記拡大部の側壁は、拡大部が内箱として
外箱たる上記本体部に対し押し込まれたり引き出された
りする箱状部分よりも、下端部が更に下方に突出すべく
延出されており、該側壁のこのように下方に延出された
該下端部は、本体部の床部の高さレベルより更に下方に
位置して、本体部の床部の下面に固設された該ガイド部
と対向位置している。
かつ、この移動式シェルタは、更に、次のレール部,
落し床を有してなる。すなわち、上記拡大部の側壁の下
方に延出された該下端部に基端部が固定されるととも
に、上記本体部の床部の下面に固設された対応する該ガ
イド部に向かって横に突出し、該ガイド部に保持されス
ライドして出し入れ可能な複数のレール部と、上記拡大
部の開放された下面に見合った大きさの平板状をなし、
基端が拡大部の該側壁内面寄りに枢着され、拡大部の収
納縮小状態では、上方に回動されて側壁と平行をなす縦
姿勢の退避位置をとり、又、拡大部の引き出し拡大状態
では、下方に回動されて降ろされ拡大部の開放された下
面を介し、該ガイド部から引き出された該レール部上に
高さ調整機構を介し載せられた横姿勢で支持され、もっ
て下面が開放された拡大部の床として機能する落とし床
と、を有してなる。該高さ調整機構は、該落し床の下面
側に配されその介装長さが調節可能となっている。
「作用」 本考案は、このような手段よりなるので次のごとく作
用する。
機器等が収容されるこの移動式シェルタは、車載移動
時においては拡大部が本体部に押し込まれ収納されて縮
小され、設置使用時においては拡大部が本体部から引き
出されて拡大される。そしてこのような縮小拡大は、拡
大部側の各レール部が本体部側の対応するガイド部に保
持されつつ、スライドして出し入れされることにより行
われる。
さてこの移動式シェルタは拡大部に落し床を備えてな
り、落し床は、車載移動時等の収納縮小状態では退避位
置に移動せしめられ、設置使用時等の引き出し拡大状態
では、拡大部に従動してガイド部から引き出されたレー
ル部上に、拡大部の開放された下面を介し、高さ調整機
構を介し支持され、下面が開放された拡大部の床として
機能する。又この状態では、高さ調整機構の介装長さを
調節して落し床の高さを調整することにより、拡大部側
の落し床の上面と本体部側の床部の上面とは段差なく面
一となっている。
そこで第1に、このように段差の解消は、高さ調節機
構による落し床の高さ調整により実現されている。そこ
で段差を生じないようにするため、落し床自体の肉厚を
特に厚くする必要はなく、落し床の肉厚を薄くできる。
第2に、同様に段差の解消は、高さ調節機構による落
し床の高さ調整により実現されている。そこで落し床、
レール部,床部,その他各部材について、段差を生じな
いようにするため、特に高い製作精度が要求されるよう
なことはない。
第3に、長期間使用すると、落し床,レール部,床
部,その他各部材に歪,摩耗等が生じるが、高さ調整機
構による落し床の高さ調整により、段差の発生は容易に
回避できる。
「実施例」 以下本考案を、図面に示すその実施例に基づいて詳細
に説明する。
第1図および第2図は本考案の実施例を示し、第1図
はその全体の正断面図であり、第2図はその要部の正断
面図である。第5図は全体の斜視図である。
まずその構成等について、この移動式シェルタの概
要、その本体部、拡大部、落し床等の順に説明する。
移動式シェルタの概要は次のとおり。
この移動式シェルタは、機器等を収容し車輛等に積載
して移動され箱状をなす。すなわちこの移動式シェルタ
は、内部にレーダー装置,無線通信装置等の電子機器そ
の他の機器や機材等を収容搭載し、トラック等の自動車
や鉄道車輛その他の輸送手段の荷台に積載されて目的地
まで移動運搬され、目的地において設置使用される。
そしてこの移動式シェルタは伸縮自在な入れ子構造よ
りなり、側面に開口9を備えた本体部2と、開口9を介
し本体部に入れ子式に移動可能に組み付けられた拡大部
1とを、有してなる。なお図示例にあっては、本体部2
の両側面に開口9が形成されそれぞれに左右の拡大部1
が組み付けられているが、勿論このような図示例によら
ず、例えば本体部2の左右いずれか一方の側面のみに開
口9が形成され他方は壁とし、かつ、その一方の開口9
に1個の拡大部1が組み付けられた移動式シェルタも可
能である。
移動式シェルタは、概略このようになっている。
次のその本体部2について述べる。
本体部2は、図示例では対向する両側面がそれぞれ開
口9として開放され、かつ床部5と天井部10と前後壁部
11(第5図参照)とを備えた箱状をなし、これらは例え
ば、金属製で直交するフレーム枠にハニカムサンドイッ
チパネルを壁として組み付けることにより、構成されて
いる。本体部2の側方向Sの幅は、例えばトラックの荷
台に積載可能な寸法に設定されている。第5図中12は、
前後壁部11に付設された出入用の扉である。本体部2の
床部5の外面つまり下面の適宜位置には、側方向Sのほ
ぼ全幅にわたり、複数のガイド部6が固設されており、
ガイド部6の側端下側にはアンダーローラ8が取り付け
られている。すなわちガイド部6は、例えば両側端が開
放された角筒状・角パイプ状をなし、床部5の幅とほぼ
同じ長さで、床部5下面の適宜位置における側方向Sに
固定されている。ガイド部6の数・位置等は各種可能で
あり、更に後述のごとく1本のレール部4が出し入れさ
れるものではなく、左右で2本のレール部4が並んで出
し入れされる大きさ等とすることも可能である。そして
このようなガイド部6において、レール部4が出し入れ
される方の側端下側には、それぞれアンダーローラ8が
水平の回動軸で取り付けられている。
本体部2は、このようになっている。
次に拡大部1について述べる。
拡大部1は、本体部2に対し押し込まれて収納されて
縮小されるとともに引き出されて拡大され、図示例で
は、両開口9を介し本体部2の左右両側にそれぞれ組み
付けられてなり、その大きさは左右ほぼ同じで本体部2
の約半分程度となっている。
すなわち左右の拡大部1は、本体部2を外箱としその
内箱として形成され、本体部2の開口9と対応する内側
面が開口13として開放され、かつこの開口13と対向する
外側面をそれぞれ側壁3とし、更に天井,前後壁等の壁
部14を備えた箱状をなす。なお拡大部1の下面つまり床
面は開放されている。そしてこれらも前述の本体部2と
同様に、例えば、金属製で直交するフレーム枠にハニカ
ムサンドイッチパネルを壁として組み付けることによ
り、構成されている。又左右の拡大部1は図示のごと
く、それぞれ側方向Sの幅が本体部2の幅の約半分程度
で長手方向の長さが本体部2より若干短く、かつ高さが
本体部2より若干低く形成され、もってその大きさ・容
積・形状が、左右ほぼ同じで本体部2の約半分程度とな
っている。
そして、拡大部1の側壁3は、第1図(更には第3図
や第4図も参照)中に示したように、拡大部1が内箱と
して外箱たる本体部2に対し押し込まれたり引き出され
たりする箱状部分よりも、その下端部が更に下方に突出
すべく延出されており、側壁3のこのように下方に大き
く延出された下端部は、本体部2の床部5の高さレベル
よりも更に下方に位置して、本体部2の床部5の下面に
固設されたガイド部6と対向位置している。
さて、このような拡大部の側壁3の下方に延出された
下端部には、レール部4が、横に突出して複数設けられ
ている。すなわち、上述したように左右の拡大部1の側
壁3の下端部は、本体部2の床部5よりも更に下方に延
出され、床部5下のガイド部6と同じ高さレベルで対向
位置している。そして係る側壁3の下端部に各レール部
4の基端が固定され、各レール部4は、本体部2の対応
するガイド部6に向かって突出し、図示例ではその長さ
が本体部2の側方向Sの幅とほぼ同一で(図示例では僅
かに短く設定されている)、かつ、左右で対応するもの
どうしが互い違いにずれて位置している。このようなレ
ール部4の数,位置等は前述のガイド部6と同様各種可
能である。
そしてこのようなレール部4において、本体部2側の
先端にそれぞれレールローラ7が水平の回動軸で取り付
けられている。もってレール部4は対応するガイド部6
に対し、ガイド部6側のアンダーローラ8とレール部4
側のレールローラ7を介し保持され、スライドしてガイ
ド部6内を出し入れ可能となっている。
拡大部1は、このようになっている。
次に落し床C等について述べる。
落し床Cは、上面C1と下面C2を有する平板状をなし、
拡大部1の側壁3内面寄りに枢着されている。そして落
し床Cは、拡大部1の引き出し拡大状態(第1図に示し
た状態)において、拡大部1の開放された下面を介し、
拡大部1に従動してガイド部6から引き出されたレール
部4上に、高さ調整機構Dにて支持され、下面が開放さ
れた拡大部1の床となる(図において実線表示参照)。
この高さ調整機構Dは、落し床Cの下面C2側に適宜数配
され、その介装長さが調節可能となっている。
これらについて詳述するとまず落し床Cは、拡大部1
の開放された下面に見合った大きさの平板状をなし、そ
の基端が拡大部1の側壁3寄りに枢着されている。従っ
て落し床Cは、上方に回動されて側壁3等と平行をなす
縦姿勢の退避位置(図において想像線表示参照)と、こ
の退避位置から上方に回動されて降ろされレール部4等
と平行をなす横姿勢で拡大部1の床となる位置(図にお
いて実線表示参照)とに、回動可能となっている。
高さ調整機構Dは、第2図等に示した例では、落し床
Cの下面C2側に設けられためくら穴D1と、このめくら穴
D1に固定された埋め込みナットD2と、この埋め込みナッ
トD2に上部等が螺合されるとともに下部にフットD3が固
定された長ねじ部D4と、埋め込みナットD2下にて長ねじ
部D4に螺合されるロックナットD3等よりなる。
そしてこの高さ調整機構Dは、第1に常時は、埋め込
みナットD2にロックナットD5が螺合されロック状態とな
って(第2図に示された状態)、全体が所定介装長さに
設定保持されている。そして第2にその介装長さを短縮
させる場合には、まずスパナ等でロックナットD5を(図
においては下方に)緩め、次にフットD3等を回し長ねじ
部D4を埋め込みナットD2に更に(図においては上方に)
ねじ込み、事後必要な場合には再びスパナ等でロックナ
ットD5を(図においては上方に)ねじ込むことにより、
高さ調整機構D全体の介装長さが短縮される。第3に逆
に介装長さを伸長させる場合には、スパナ等でロックナ
ットD5を(図においては下方に)少し緩めた後、フット
D3等を回し長ねじ部D4を埋め込みナットD2に対し緩めて
(図においては下方に)出し、事後必要に応じ再びスパ
ナ等でロックナットD5を(図においては上方に)ねじ込
むことにより、高さ調整機構D全体の介装長さが伸長さ
れる。
なおこの高さ調整機構Dでは、拡大部1の拡大状態に
おいて、フットD3が、拡大部1に従動してガイド部6か
ら引き出されたレール部4に当接支持されるようになっ
ている。又高さ調整機構Dは、このような図示例に限定
されるものではなく、その他その介装長さが調節可能な
各種方式のものを使用可能である。例えば、落し床Cの
下面C2にめくら穴を設け、このめくら穴にスライド可能
にロッドの上部等を挿入し、かつこのロッドの上部等を
適宜位置で横からピン等にて係止ロック可能とすること
により、介装長さが調節可能な高さ調整機構Dが得られ
る。落し床C等は、このようになっている。
以上が構成等の説明である。
以下その作動等について説明する。
電子機器その他の機器が内部に収容された移動式シェ
ルタは、トラック等による車載移動時においては、左右
の拡大部1が開口9を介し本体部2に側方向Sから押し
込まれ、本体部2に収納されて縮小される(第1図にお
ける右側部分参照)。他方、目的地での設置使用時にお
いては、拡大部1が開口9を介し本体部2から側方向S
に引き出され、開口9と開口13を介し内部が広く開放さ
れ拡大される(第1図の左側および第5図参照)。
そしてこのような拡大部1の縮小拡大は、拡大部1側
の各レール部4が本体部2側の対応するガイド部6に対
し、レールローラ7とアンダーローラ8を介して上下で
保持されつつ、スライドして出し入れされることにより
行われる。つまりレール部4は、その先端のレールロー
ラ7を介しガイド部6の上部分にて保持されるととも
に、その下面がアンダーローラ8を介しガイド部6の下
部分にて保持されつつ、スライドして出し入れされる。
なお各レール部4は、左右のものが互い違いにずれて位
置しているので、縮小状態等でも対向するガイド部6内
に支障なく入れ込まれる。
さてこの移動式シェルタは拡大部1に落し床Cを備え
てなり、この落し床Cは、車載移動時等の収納縮小状態
では上方の縦姿勢の退避位置に回動せしめられ(図にお
いて想像線表示参照)、又設置使用時等の引き出し拡大
部状態では退避位置から下方に回動されて横姿勢をと
り、拡大部1に従動してガイド部6から引き出されたレ
ール部4上に、拡大部1の開放された下面を経由し、高
さ調節機構Dを介して支持され、下面が開放された拡大
部1の床として機能する(図において実線表示参照)。
そしてこのような拡大状態では、高さ調整機構Dの介装
長さを調節して落し床Cの高さを調整することにより、
拡大部1側の落し床Cの上面C1と本体部2側の床部5の
上面51とは、段差なく面一となっている。
そこでこの移動式シェルタにあっては、次の第1,第2,
第3,第4のごとくなる。
第1に、このように落し床Cと床部5との段差の解消
は、高さ調整機構Dの介装長さを調節して、落し床Cの
高さを調整することにより実現されている。そこで段差
を生じないようにするため、落し床C自体の肉厚を特に
厚くする必要はなく、落し床Cの肉厚を薄くすることが
できる。つまり構造上レール部4の上面と床部5の上面
51とは上下差が大きいが、従来例のごとく係る上下差を
落し床Cの肉厚を厚くすることによりカバーして、その
上面C1と床部5の上面51とに段差が生じないようにする
のではなく、本発明では主に高さ調整機構Dにより、係
る上下差をカバーして段差が生じないようにしているの
で、落し床Cの肉厚を例えば本体部2側の床部5と同程
度まで薄くすることができる。
第2に、同様に落し床Cと床部5との段差の解消は、
高さ調整機構Dによる落し床Cの高さ調整により実現さ
れている。そこで落し床C,レール部4,床部5,レールロー
ラ7,アンダーローラ8,その他各部材について、従来例の
ごとく段差を生じないようにするため、特に高い製作精
度が要求されるようなことはない。
第3に、長期間使用すると、落し床C,レール部4,床部
5,レールローラ7,アンダーローラ8,その他各部材に歪,
摩耗等が生じるが、高さ調整機構Dによる落し床Cの高
さ調整により、落し床Cと床部5との段差の発生は容易
に回避できる。つまり従来例のごとく、長期間の使用に
より段差が発生するようなことは回避される。
第4に、勿論このように段差が生じないので、この移
動式シェルタは拡大状態における中での作業が容易で作
業性が向上するとともち、縮小状態とすることも、落し
床Cを高さ調整機構Dとともに退避位置に回動せしめる
ことにより支障なく容易に行われる。
以上が作動等の説明である。
「考案の効果」 本考案に係る移動式シェルタは、以上説明したごと
く、拡大部の落し床の下面側に所定の高さ調整機構を配
してなることにより、次の効果を発揮する。
第1に、高さ調整機構を用いてなるので、落し床の肉
厚を薄くすることができる。そこで落し床は、重量が軽
量化されその回動等の移動も容易であり、作業性が向上
する。
第2に、各部材の製作精度も特に問題とはならない。
つまり高さ調整機構により段差を容易になくすことがで
きるので、落し床を始めレール部,床部,レールロー
ラ,アンダーローラ,その他各部材について、段差を生
じないようにすべく特に高い製作精度が要求されるよう
なことはなく、コスト面に優れている。
第3に、使用による段差の発生にも容易に対処でき
る。つまり長期間使用すると、落し床,レール部,床
部,レールローラ,アンダーローラ,その他各部材に歪
・摩耗等が生じるが、高さ調整機構により段差の発生は
容易に回避される。
このようにこの種従来例に存した問題点が一掃される
等、本考案の発揮する効果は顕著にして大なるものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案に係る移動式シェルタの実
施例を示し、第1図はその全体の正断面図であり、第2
図はその要部の正断面図である。 第3図および第4図は従来例の移動式シェルタを示し、
第3図は従来例1の全体の正断面図であり、第4図は従
来例2の全体の正断面図である。 第5図は、移動式シェルタの拡大状態の全体斜視図であ
る。 1……拡大部、2……本体部 3……側壁、A1……上面 4……レール部、B……落し床 5……床部、B1……上面 51……上面、C……落し床 6……ガイド部、C1……上面 7……レールローラ、C2……下面 8……アンダーローラ、D……高さ調整機構 9……開口、D1……めくら穴 10……天井部、D2……埋め込みナット 11……前後壁部、D3……フット 12……扉、D4……長ねじ部 13……開口、D5……ロックナット 14……壁部、S……側方向 A……床

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】機器等を収容し、車輛等の荷台に積載して
    目的地まで移動された後、目的地において設置使用され
    る箱状の移動式シェルタであって、 側面に開口を備えた外箱たる本体部と、 外箱たる上記本体部の内箱として形成され、該開口を介
    し本体部に入れ子式に移動可能に組み付けられ、本体部
    の開口と対応する内側面が開口として開放されるととも
    に、該内側面の開口と対向する外側面が側壁とされ、更
    に天井や前後壁を備え下面が開放された箱状をなし、本
    体部に対し押し込まれ収納されて縮小されるとともに引
    き出されて拡大される拡大部と、 上記本体部の床部の下面に対し、その適宜位置において
    側方向に固設された複数のガイド部と、を有してなり、 上記拡大部の側壁は、拡大部が内箱として外箱たる上記
    本体部に対し押し込まれたり引き出されたりする箱状部
    分よりも、下端部が更に下方に突出すべく延出されてお
    り、該側壁のこのように下方に延出された該下端部は、
    本体部の床部の高さレベルよりも更に下方に位置して、
    本体部の床部の下面に固設された該ガイド部と対向位置
    しており、 かつ、この移動式シェルタは、更に、 上記拡大部の側壁の下方に延出された該下端部に基端部
    が固定されるとともに、上記本体部の床部の下面に固設
    された対応する該ガイド部に向かって横に突出し、該ガ
    イド部に保持されスライドして出し入れ可能な複数のレ
    ール部と、 上記拡大部の開放された下面に見合った大きさの平板状
    をなし、基端が拡大部の該側壁内面寄りに枢着され、拡
    大部の収納縮小状態では、上方に回動されて側壁と平行
    をなす縦姿勢の退避位置をとり、又、拡大部の引き出し
    拡大状態では、下方に回動されて降ろされ拡大部の開放
    された下面を介し、該ガイド部から引き出された該レー
    ル部上に高さ調整機構を介して載せられた横姿勢で支持
    され、もって下面が開放された拡大部の床として機能す
    る落とし床と、を有してなり、 該高さ調整機構は、該落とし床の下面側に配されその介
    装長さが調節可能となっていること、を特徴とする移動
    式シェルタ。
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