JP2537692B2 - 甲虫類の飼料 - Google Patents

甲虫類の飼料

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    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/87Re-use of by-products of food processing for fodder production

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  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はカブトムシやクワガタムシ等の甲虫類の幼虫
を飼育する飼料に関するものである。
[従来の技術] 従来、甲虫類の幼虫の飼育に有効な飼料として、クヌ
ギ、ナラ、サクラ、クリ、カシ等の落葉樹の醗酵した腐
木を細かく粉砕してなる粉砕片が知られている。これら
の粉砕片を飼育箱の底にマット状に敷き詰めて適当に湿
らせておくと、幼虫はこれらの粉砕片を恰好のすみかと
してその中で棲息するとともに、該粉砕片を食べて成長
する。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前記クヌギ等の腐木の粉砕片だけでは栄養
価及び幼虫の嗜好性が必ずしも十分ではなく、幼虫が余
り大きく育たない場合もあった。また、例えばカブトム
シの幼虫は数回脱皮した後にさなぎに変態し、さらに幼
虫に変態するが、成長が悪いとこれらの変態が遅れるこ
とがあった。
そこで、本発明者は前記粉砕片に栄養価が高く幼虫の
嗜好性の高い材料を混合することについて種々検討を行
った。その検討中、業者が甲虫類の成虫を遠隔地まで移
送するときに、種々の果実の生くずを該甲虫類に与えて
いることに注目したが、該生くずを幼虫用の飼料として
出荷するのは保存性等の点で難しく、またいかなる種類
の果実が幼虫に適しているのかについても不明であっ
た。
その後、さらに検討を重ねた結果、パイナップルの実
が甲虫類の幼虫に適しているとの知見を得、試験・研究
の結果、本発明の完成に至った。
本発明の目的は、栄養価が高くかつ甲虫類の幼虫が好
んで食べて早く大きく育つ甲虫類の飼料を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、請求項1の甲虫類の飼料
は、乾燥したパイナップルの実の粉砕片を5重量%以上
含んでいるものとした。この粉砕片は、皮と果肉が完全
な状態のパイナップルの実を切り刻み、これを乾燥させ
て粉砕したものでも勿論よいが、主な果肉を取り去った
後のパイナップルの実の生くず(すなわち、果肉の薄く
付いた皮)を乾燥させて粉砕したものでもよく、後者の
方が経済上一般的である。また、「5重量%以上」とし
たのは、5重量%未満では該粉砕片による飼料全体の栄
養価を高める効果や幼虫の嗜好性を高める効果が薄くな
るからである。
請求項2の甲虫類の飼料は、5重量%以上の乾燥した
パイナップルの実の粉砕片と、残部の落葉樹の腐木の粉
砕片とからなるものとした。ここで落葉樹としてはクヌ
ギ、ナラ、サクラ、クリ、カシ等を例示することができ
る。
[作用] 請求項1の甲虫類の飼料によると、乾燥したパイナッ
プルの実の粉砕片には繊維質の他に粗蛋白質や糖分等が
多量に含まれているため、大変栄養価が高く、また甲虫
類の幼虫の嗜好性も高い。従って、該幼虫はこの飼料を
非常によく食べて大きな図体に早く成長する。
請求項2の甲虫類の飼料によると、上記パイナップル
の粉砕片に落葉樹の腐木の粉砕片が混合されているの
で、該飼料が甲虫類の恰好のすみかになる。また、上記
の通り栄養価と嗜好性を高めるパイナップルの実の粉砕
片の存在により、甲虫類の幼虫は混合された落葉樹の腐
木の粉砕片をも非常によく食べるようになり、大きな図
体に早く成長する。ここで落葉樹とするのは、マツやス
ギ等の常緑樹では甲虫類の幼虫が好まないからである。
[実施例] 以下、本発明を具体化した実施例について、図を参照
して説明する。
本実施例の甲虫類の飼料1は乾燥したパイナップルの
実の粉砕片2と、落葉樹の腐木の粉砕片3とから構成さ
れている。図においてパイナップルの実の粉砕片2には
斜線を入れて、落葉樹の腐木の粉砕片3には斜線を入れ
ないで示した。前者のパイナップルの実の粉砕片2は前
記パイナップルの実の生くずを乾燥させた後に粉砕した
もので、皮と果肉、そして多少の茎が混在した状態とな
っている。また、後者の前記落葉樹の腐木の粉砕片3と
しては、椎茸の栽培に使用した後のクヌギとナラとの混
合腐木を粉砕したものを使用した。
上記パイナップルの実の粉砕片2と、落葉樹の腐木の
粉砕片3との配合割合は、前者が5〜50重量%、後者が
残部という範囲が好ましい。前者が5重量%未満だと飼
料全体の栄養価を高める効果や幼虫の嗜好性を高める効
果が薄くなるからであり、前者が50重量%を越えると該
飼料を使用しているうちに前者にかびが生え易くなるか
らである。本実施例では前者を20重量%、後者を80重量
%とした。
もっとも、前者を醗酵させたりかび防止剤を使用した
りすることにより、前者の配合割合を50重量%超〜100
重量%(すなわち後者を配合しない)とすることも可能
である。この醗酵は微生物を利用した堆肥化処理により
行うことができる。また、かび防止剤としては、三菱油
化社製の商品名タンマッシュを例示することができる。
次に、上記構成の甲虫類の飼料1の使用方法について
説明する。
まず、飼育箱4の底に前記甲虫類の飼料1を約20cm
の厚さになるように敷き詰め、該飼料1の中に水分を加
えて飼料1を手で握ると形が崩れない程度に湿らせてお
く。
次に、カブトムシの幼虫5を前記飼料1の上に置
く。この幼虫5は該飼料1を恰好のすみかとしてその中
に潜り込むとともに、該飼料1を食べながら成長する。
このとき飼料1は乾燥させないように適宜水分を加えて
湿らせておくように注意する。
本実施例の飼料1内に配合されたパイナップルの実の
粉砕片2には、繊維質の他に粗蛋白質や糖分等が多量に
含まれており大変栄養価が高く、幼虫はこれを落葉樹の
腐木の粉砕片3とともに大変好んで食べるのですぐに大
きな図体に成長する。
その後、幼虫はこの飼料1の中で卵形の穴を作り変
態してさなぎとなり、2〜3週間でさらに変態して成虫
となる。
また、本発明者はカブトムシの幼虫の本実施例の飼料
に対する嗜好性についての実験を行った。
これには従来の落葉樹の腐木の粉砕片だけの飼料と本
実施例のパイナップルの実の粉砕片2を配合した飼料1
とを同じ飼育箱の両側に区分して敷き詰めることによっ
た。(勿論、幼虫はどちらの粉砕片へも自由に移動する
ことができる。)そして、複数匹のカブトムシの幼虫を
該飼育箱中に入れ、しばらく時間を経てから観察した。
すると全ての幼虫が本実施例の飼料1の中に集まってい
ることが認められ、本実施例の飼料1がカブトムシの幼
虫の嗜好に合致していることが確認された。
以上の作用効果を次の表にまとめる。
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるもので
はなく、例えば以下のように発明の趣旨から逸脱しない
範囲で任意に変更して具体化することもできる。
(1)落葉樹はクヌギ、ナラに限定されず、例えばサク
ラ、クリ、カシ等でもよい。
(2)パイナップルの実の粉砕片と、落葉樹の腐木以外
の例えば堆肥化した稲藁の粉砕片等とを配合して飼料と
してもよい。
[発明の効果] 本発明の甲虫類の飼料は、上記の通り構成されている
ので、栄養価が高く、甲虫類の幼虫が好んで食べて早く
大きく育つという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図は本発明を具体化した甲虫類の飼料の実施例の使用状
態を示す断面図である。 1…甲虫類の飼料、2…パイナップルの実の粉砕片、3
…落葉樹の腐木の粉砕片。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥したパイナップルの実の粉砕片(2)
    を5重量%以上含んでいる甲虫類の飼料。
  2. 【請求項2】5重量%以上の乾燥したパイナップルの実
    の粉砕片(2)と、残部の落葉樹の腐木の粉砕片(3)
    とからなる甲虫類の飼料。
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