JP2537227Y2 - 自動越流ゲート装置 - Google Patents
自動越流ゲート装置Info
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- JP2537227Y2 JP2537227Y2 JP1991092232U JP9223291U JP2537227Y2 JP 2537227 Y2 JP2537227 Y2 JP 2537227Y2 JP 1991092232 U JP1991092232 U JP 1991092232U JP 9223291 U JP9223291 U JP 9223291U JP 2537227 Y2 JP2537227 Y2 JP 2537227Y2
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Description
【0001】本考案は、河川や発電設備、灌漑施設への
導水路などで用いられる可動水門に係り、特に取水量を
一定に保持するための自動式の越流ゲート(オーバーフ
ローゲート)に関する。
導水路などで用いられる可動水門に係り、特に取水量を
一定に保持するための自動式の越流ゲート(オーバーフ
ローゲート)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川から取水して発電設備などに
水を供給する場合、その導水経路の途中に取水口を設け
ることにより取水量の調整が行われている。この取水口
では、取水量調整手段としてフロートに機械要素を介し
て連動する引き上げ式又は旋回式のゲートや電動制御式
のゲートなど、取水量を自動的に調節できる装置が設け
られる場合もある。しかし、山間の奥地に設けられる場
合や小水門を多数設置する場合には、点検、整備及び動
力を要することを嫌い、実際には手動の可動ゲートや角
落し(角材の装着本数により流量を調節する越流ゲー
ト)が設置されるこどが多い。
水を供給する場合、その導水経路の途中に取水口を設け
ることにより取水量の調整が行われている。この取水口
では、取水量調整手段としてフロートに機械要素を介し
て連動する引き上げ式又は旋回式のゲートや電動制御式
のゲートなど、取水量を自動的に調節できる装置が設け
られる場合もある。しかし、山間の奥地に設けられる場
合や小水門を多数設置する場合には、点検、整備及び動
力を要することを嫌い、実際には手動の可動ゲートや角
落し(角材の装着本数により流量を調節する越流ゲー
ト)が設置されるこどが多い。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上述したように、従来
の導水経路に設置される取水用ゲートでは、フロートを
用いた自動式ゲートがゲート開口調整用の複雑な機械要
素及び水位や水量の検出部分、例えば電動制御式のゲー
ト駆動装置及び各種センサ等を必須の構成とし、さらに
これらを駆動させるための電力供給も必要となる。そし
て、これらの複雑な設備を山間地に建設し、これらを故
障なく維持管理することは、手動ゲートや角落しを人手
により調整する以上の負担となる場合が多い。さらに小
規模の取水設備においては、河川や貯水池などの水供給
源の水位が所定範囲内に収まっている状況において一定
の取水量が確保されれば充分であり、複雑な構成を以て
水位調整や逆流防止措置などを講ずる必要もない。
の導水経路に設置される取水用ゲートでは、フロートを
用いた自動式ゲートがゲート開口調整用の複雑な機械要
素及び水位や水量の検出部分、例えば電動制御式のゲー
ト駆動装置及び各種センサ等を必須の構成とし、さらに
これらを駆動させるための電力供給も必要となる。そし
て、これらの複雑な設備を山間地に建設し、これらを故
障なく維持管理することは、手動ゲートや角落しを人手
により調整する以上の負担となる場合が多い。さらに小
規模の取水設備においては、河川や貯水池などの水供給
源の水位が所定範囲内に収まっている状況において一定
の取水量が確保されれば充分であり、複雑な構成を以て
水位調整や逆流防止措置などを講ずる必要もない。
【0004】 そこで、本考案は上記問題点に鑑み、動力
を必要としない簡素な構造でかつ耐久性が高く、所定の
上流水位範囲において一定の取水量を確保することので
きる自動ゲート装置を提供することを目的とする。
を必要としない簡素な構造でかつ耐久性が高く、所定の
上流水位範囲において一定の取水量を確保することので
きる自動ゲート装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の自動越流ゲート
装置は、導水経路の両側に導水方向に並行して形成され
導入水位の供給された左右のフロート槽と、該フロート
槽内にそれぞれ収容され導水方向に延長した形状に形成
された一対のフロートと、前記フロート槽の間の前記導
水経路途中に形成され所定の開口上下幅を有する取水口
と、両フロートの略中央間に接続されるとともに、前記
取水口を封鎖可能な状態で昇降自在に案内された越流ゲ
ートとを設け、前記取水口の間口上下幅を前記越流ゲー
トの上下幅よりも小さく形成し、前記越流ゲートの天端
高を前記フロートの喫水線よりも低く設定するととも
に、前記越流ゲートの上昇を前記取水口が封鎖される位
置を上限として制限する上昇制限手段を設けたことを特
徴とする。
装置は、導水経路の両側に導水方向に並行して形成され
導入水位の供給された左右のフロート槽と、該フロート
槽内にそれぞれ収容され導水方向に延長した形状に形成
された一対のフロートと、前記フロート槽の間の前記導
水経路途中に形成され所定の開口上下幅を有する取水口
と、両フロートの略中央間に接続されるとともに、前記
取水口を封鎖可能な状態で昇降自在に案内された越流ゲ
ートとを設け、前記取水口の間口上下幅を前記越流ゲー
トの上下幅よりも小さく形成し、前記越流ゲートの天端
高を前記フロートの喫水線よりも低く設定するととも
に、前記越流ゲートの上昇を前記取水口が封鎖される位
置を上限として制限する上昇制限手段を設けたことを特
徴とする。
【0006】 また、前記フロートを、前記越流ゲートが
接続された 中央部に最大喫水をもち、該中央部から導水
方向の前後に向かい略対称に喫水の減少する底郭形状に
形成するとともに、前記フロート内に、該中央部に対し
導水方向の前後に略対称でそれぞれ浮力調整用材料の導
入口を備えた複数の分室構造を設けることが好ましい。
接続された 中央部に最大喫水をもち、該中央部から導水
方向の前後に向かい略対称に喫水の減少する底郭形状に
形成するとともに、前記フロート内に、該中央部に対し
導水方向の前後に略対称でそれぞれ浮力調整用材料の導
入口を備えた複数の分室構造を設けることが好ましい。
【0007】
さらに、上記手段に加えて、前記越流ゲー
トに連動して昇降し前記越流ゲートの天端高を基準とし
た水位を計測するための量水目盛りを、前記越流ゲート
から上流側に隔離した位置に設ける場合もある。
トに連動して昇降し前記越流ゲートの天端高を基準とし
た水位を計測するための量水目盛りを、前記越流ゲート
から上流側に隔離した位置に設ける場合もある。
【0008】
【作用】かかる手段によれば、導入水位とフロート槽内
の水位とが連動するため、フロート槽内のフロート及び
これに接続された越流ゲートは、導入水位の昇降ととも
に昇降する。ここで、越流ゲートの天端高はフロートの
喫水線よりも低く形成されているので、越流ゲートが取
水口を閉鎖しない限りは、越流ゲートの天端高は導入水
位よりも常に低いために、越流ゲートの天端を越えてほ
ぼ一定量の水が取 水口を通過する。導入水位が取水口の
上端位置よりも上昇すると、越流ゲートの天端と取水口
の上端位置との間で水流の通過断面が制限され、やがて
越流ゲートは取水口を完全に閉鎖する。この位置より導
入水位が上昇しても、越流ゲートは、上昇制限手段によ
って上昇を制限されるため、取水口は閉鎖された状態に
保持される。
の水位とが連動するため、フロート槽内のフロート及び
これに接続された越流ゲートは、導入水位の昇降ととも
に昇降する。ここで、越流ゲートの天端高はフロートの
喫水線よりも低く形成されているので、越流ゲートが取
水口を閉鎖しない限りは、越流ゲートの天端高は導入水
位よりも常に低いために、越流ゲートの天端を越えてほ
ぼ一定量の水が取 水口を通過する。導入水位が取水口の
上端位置よりも上昇すると、越流ゲートの天端と取水口
の上端位置との間で水流の通過断面が制限され、やがて
越流ゲートは取水口を完全に閉鎖する。この位置より導
入水位が上昇しても、越流ゲートは、上昇制限手段によ
って上昇を制限されるため、取水口は閉鎖された状態に
保持される。
【0009】 また、 対称的に喫水が前後に減少した底郭
形状及び対称的な内部分室構造を備えたフロートとする
ことにより、フロート槽内の水面揺動に対する越流ゲー
トの安定性が高まるとともに、フロートの各分室に浮力
調整のための流動物(水や砂など)を導入口から注入す
ることにより、フロートの姿勢引いては越流ゲートの姿
勢を正すことかできるとともに、フロートの喫水量を調
整することかできるので、フロートに接続された越流ゲ
ートの天端高の喫水線に対する位置を変えることもでき
る。
形状及び対称的な内部分室構造を備えたフロートとする
ことにより、フロート槽内の水面揺動に対する越流ゲー
トの安定性が高まるとともに、フロートの各分室に浮力
調整のための流動物(水や砂など)を導入口から注入す
ることにより、フロートの姿勢引いては越流ゲートの姿
勢を正すことかできるとともに、フロートの喫水量を調
整することかできるので、フロートに接続された越流ゲ
ートの天端高の喫水線に対する位置を変えることもでき
る。
【0010】 さらに、越流ゲートに連動する量水目盛り
を設置することにより、導入水位と越流ゲートの天端と
の差が量水目盛りにより視認可能になるため、越流ゲー
トが導入水位に正常に追随しているか否かを容易に目視
することができる。
を設置することにより、導入水位と越流ゲートの天端と
の差が量水目盛りにより視認可能になるため、越流ゲー
トが導入水位に正常に追随しているか否かを容易に目視
することができる。
【0011】
【実施例】次に、添付図面を参照して本考案の実施例を
説明する。図1は本考案に係る自動越流ゲート装置の実
施例の構造を示す平面図であり、図2は図1に示すII
−II面に沿って切断した様子を示す断面矢視図であ
る。この自動越流ゲート装置は、河川10を横断して形
成された堰堤11の上流側側部に設けられており、河川
10の水を引き込んだ導水経路1の先において形成され
た、中央に取水口2を持つ胸壁23、この胸壁23の前
面側で導水経路1の両側に並行して形成されたフロート
槽4L,4R、そして、フロート槽4L,4Rに収容さ
れたフロート5L,5Rとこれらの間に取り付けられた
越流ゲート3とから概略構成される。
説明する。図1は本考案に係る自動越流ゲート装置の実
施例の構造を示す平面図であり、図2は図1に示すII
−II面に沿って切断した様子を示す断面矢視図であ
る。この自動越流ゲート装置は、河川10を横断して形
成された堰堤11の上流側側部に設けられており、河川
10の水を引き込んだ導水経路1の先において形成され
た、中央に取水口2を持つ胸壁23、この胸壁23の前
面側で導水経路1の両側に並行して形成されたフロート
槽4L,4R、そして、フロート槽4L,4Rに収容さ
れたフロート5L,5Rとこれらの間に取り付けられた
越流ゲート3とから概略構成される。
【0012】 堰堤11の自動越流ゲート装置側には、導
入水位調整用の角落し11aと、導入部に堆積した土砂
を流下させるための排砂門11bが形成されている。こ
れらの上部側面に導水口が設置され、この下部には土砂
流入防止用の角落し12、上部にはゴミの通過を妨げる
スクリーン13が取り付けられている。導水口を通過し
た水は、混入した土砂を沈澱させるとともに水面の揺動
を鎮めるための前段槽14に入り、そのまま自動越流ゲ
ート装置に導入される。なお、この前段槽14の底面に
は導入口から導入経路1に沿って導入溝14aが形成さ
れている。また、15は既設の角落し、6はフロート槽
4Lから水平管6aを通して垂直管6b内に導かれた導
入水位を測定する自記水位計、7は点検口である。
入水位調整用の角落し11aと、導入部に堆積した土砂
を流下させるための排砂門11bが形成されている。こ
れらの上部側面に導水口が設置され、この下部には土砂
流入防止用の角落し12、上部にはゴミの通過を妨げる
スクリーン13が取り付けられている。導水口を通過し
た水は、混入した土砂を沈澱させるとともに水面の揺動
を鎮めるための前段槽14に入り、そのまま自動越流ゲ
ート装置に導入される。なお、この前段槽14の底面に
は導入口から導入経路1に沿って導入溝14aが形成さ
れている。また、15は既設の角落し、6はフロート槽
4Lから水平管6aを通して垂直管6b内に導かれた導
入水位を測定する自記水位計、7は点検口である。
【0013】 前段槽14に流入した水は導水経路1に流
入するが、同時にその左右両側の前面板41L,41R
に形成された開口を通してフロート槽4L,4Rに出入
りし、フロート槽4L,4R内の水位を導水経路1と同
一に保つ。このフロート槽4L,4Rは導水方向に長い
矩形平面を持つコンクリート製の水槽で、それらの内側
の側面壁43L,43Rはそのまま導入経路1の側壁と
なっている。
入するが、同時にその左右両側の前面板41L,41R
に形成された開口を通してフロート槽4L,4Rに出入
りし、フロート槽4L,4R内の水位を導水経路1と同
一に保つ。このフロート槽4L,4Rは導水方向に長い
矩形平面を持つコンクリート製の水槽で、それらの内側
の側面壁43L,43Rはそのまま導入経路1の側壁と
なっている。
【0014】 通水管42がこの側面壁43L,43Rの
下部を通過して左右のフロート槽4L,4Rを連結して
おり、導入水の流速が偏って左右のフロート槽4L,4
Rの水位に差が生ずることを防止する。この通水管42
は後述する取水口2の下流側に設けてもよいが、水位の
均衡を応答性良く保つ観点からは前面板41L,41R
近傍に設けることが望ましい。
下部を通過して左右のフロート槽4L,4Rを連結して
おり、導入水の流速が偏って左右のフロート槽4L,4
Rの水位に差が生ずることを防止する。この通水管42
は後述する取水口2の下流側に設けてもよいが、水位の
均衡を応答性良く保つ観点からは前面板41L,41R
近傍に設けることが望ましい。
【0015】 フロート槽4L,4Rの上部には、導入水
位が規定値以上に上昇した場合、越流ゲートの上昇を所
定高さで止めるためにフロート5L,5Rの上面に当接
する浮止め45が前後の2か所に取り付けられている。
この浮止め45の代わりに越流ゲート3の上端に当接す
る停止部材を設けて、フロート5L,5Rと越流ゲート
3との接続をスプリングなどの弾性部材を介して行い、
停止部材が越流ゲート3の上昇を停止させる水位以上に
導入水位が上昇した場合には、フロート5L,5Rの上
昇は許容する構造としてもよい。
位が規定値以上に上昇した場合、越流ゲートの上昇を所
定高さで止めるためにフロート5L,5Rの上面に当接
する浮止め45が前後の2か所に取り付けられている。
この浮止め45の代わりに越流ゲート3の上端に当接す
る停止部材を設けて、フロート5L,5Rと越流ゲート
3との接続をスプリングなどの弾性部材を介して行い、
停止部材が越流ゲート3の上昇を停止させる水位以上に
導入水位が上昇した場合には、フロート5L,5Rの上
昇は許容する構造としてもよい。
【0016】 胸壁23は、左右のフロート槽4L,4R
の後端側から途中で下流側側面壁を兼ねて前方に伸び、
中央の導入経路1の部分において越流ゲート3に平行な
面を持つコンクリート壁で形成されており、その平行面
には矩形の開口形状を持つ取水口2を備えている。
の後端側から途中で下流側側面壁を兼ねて前方に伸び、
中央の導入経路1の部分において越流ゲート3に平行な
面を持つコンクリート壁で形成されており、その平行面
には矩形の開口形状を持つ取水口2を備えている。
【0017】 この部分の詳細を、図1のIII−III
面に沿って切断した様子を示す図3を参照して説明す
る。取水口2の周囲には、後述する越流ゲート3を支持
するために案内枠21が取り付けられており、この案内
枠21は垂直方向に延長した左右の昇降ガイド21L,
21Rと、取水口2の上端及び下端を保護する水平枠2
1U,21Dとから成り、これらはL型断面の鋼材で形
成されている。また、取水口2の下端の水平枠21Dの
上端面には断面コ字状の鋼材から成る調節板22が取り
付けられ、この着脱により取水口2の開口下端を上下で
きるようになっている。この調節板22は複数枚連接し
て取り付けるか、あるいは調節板の高さを必要に応じて
変更できるようにスライド式にしてもよい。
面に沿って切断した様子を示す図3を参照して説明す
る。取水口2の周囲には、後述する越流ゲート3を支持
するために案内枠21が取り付けられており、この案内
枠21は垂直方向に延長した左右の昇降ガイド21L,
21Rと、取水口2の上端及び下端を保護する水平枠2
1U,21Dとから成り、これらはL型断面の鋼材で形
成されている。また、取水口2の下端の水平枠21Dの
上端面には断面コ字状の鋼材から成る調節板22が取り
付けられ、この着脱により取水口2の開口下端を上下で
きるようになっている。この調節板22は複数枚連接し
て取り付けるか、あるいは調節板の高さを必要に応じて
変更できるようにスライド式にしてもよい。
【0018】 図4には左右同形(若しくは対称形)のフ
ロート5L,5Rと越流ゲート3とが一体となった可動
部分の正面図を示す。この可動部分は、左右のフロート
5L,5Rの間を越流ゲート3が連結する構造となって
おり、越流ゲート3は、支持ビーム31の下に、支持枠
32、この支持枠32の裏面側に取り付けられたスキン
プレート35、及びスキンプレート35の上端表面側に
取り付けられた水切り板34が下垂する構造である。水
切り板34の上方には開口部33が形成され、この部分
を通して水が手前から取水口2の下流側に流れ落ちるよ
うになっている。この水切り板34近傍の拡大断面図を
図5に示す。
ロート5L,5Rと越流ゲート3とが一体となった可動
部分の正面図を示す。この可動部分は、左右のフロート
5L,5Rの間を越流ゲート3が連結する構造となって
おり、越流ゲート3は、支持ビーム31の下に、支持枠
32、この支持枠32の裏面側に取り付けられたスキン
プレート35、及びスキンプレート35の上端表面側に
取り付けられた水切り板34が下垂する構造である。水
切り板34の上方には開口部33が形成され、この部分
を通して水が手前から取水口2の下流側に流れ落ちるよ
うになっている。この水切り板34近傍の拡大断面図を
図5に示す。
【0019】 また、図6に示すように、この越流ゲート
3に、前方に水平に伸びる支持板37を介して量水板3
6を取り付ける。この量水板36には水切り板34の天
端高さを基準とした目盛りを付し、越流の高さを視認で
きるようになっている。量水板36は、越流ゲート3の
近傍では水位が低下するので、導入経路1内の上流側で
なるべく離れた位置に設けることが正確な計測の観点か
ら見て望ましい。
3に、前方に水平に伸びる支持板37を介して量水板3
6を取り付ける。この量水板36には水切り板34の天
端高さを基準とした目盛りを付し、越流の高さを視認で
きるようになっている。量水板36は、越流ゲート3の
近傍では水位が低下するので、導入経路1内の上流側で
なるべく離れた位置に設けることが正確な計測の観点か
ら見て望ましい。
【0020】 図7にはフロート5L,5Rの側面図及び
平面図を示す。このフロート5L,5Rは、導水方向に
延長した矩形平面を備え、越流ゲート3の連結する中央
部の対称面50に対し前後に面対称に形成されたステン
レススチール製の箱体である。その上面はほぼ平坦であ
るが、その底面は喫水が中央部から前後端に向かうに従
って減少するように対称形の斜面となっている。また、
箱体内部は中室51、前室52及び後室53から成る分
室構造となっており、この分室構造も対称面50に対し
て前後対称となっている。これらの各分室には、フロー
ト5L,5Rの姿勢制御のために水、砂などを注入する
ための導入口51a,51b,52a,53aが設けら
れている。
平面図を示す。このフロート5L,5Rは、導水方向に
延長した矩形平面を備え、越流ゲート3の連結する中央
部の対称面50に対し前後に面対称に形成されたステン
レススチール製の箱体である。その上面はほぼ平坦であ
るが、その底面は喫水が中央部から前後端に向かうに従
って減少するように対称形の斜面となっている。また、
箱体内部は中室51、前室52及び後室53から成る分
室構造となっており、この分室構造も対称面50に対し
て前後対称となっている。これらの各分室には、フロー
ト5L,5Rの姿勢制御のために水、砂などを注入する
ための導入口51a,51b,52a,53aが設けら
れている。
【0021】 以上説明した可動部分は、図1又は図2に
示すように、フロート5L,5Rが左右のフロート槽4
L,4R内に収容される一方で、支持ビーム31が側面
壁43L,43Rの後端と胸壁23との間に形成された
垂直溝44L,44Rを通して取水口2周囲の案内枠2
1の前面側に来るように配置される。
示すように、フロート5L,5Rが左右のフロート槽4
L,4R内に収容される一方で、支持ビーム31が側面
壁43L,43Rの後端と胸壁23との間に形成された
垂直溝44L,44Rを通して取水口2周囲の案内枠2
1の前面側に来るように配置される。
【0022】 次に、図8乃至図10を参照して本実施例
の自動越流ゲートの動作を説明する。図8は導入水位が
設計水位範囲(取水量一定を確保した導入水位の変動範
囲)内にある場合の越流ゲート3の位置を示す。ここで
フロート5L,5Rと越流ゲート3とは相互に固定され
ているので、導入水位如何に拘わらずフロート5L,5
Rの喫水線(すなわち導入水位)と越流ゲート3の天端
高との差dは一定である。したがって下流側の水位が異
常に上昇しない限り、取水口2を通過する水量は一定に
保持される。差dの値は、導入口51a,51b,52
a,53aから水や砂などを入れてフロート5L,5R
の喫水線位置を変更することにより調節することができ
る。
の自動越流ゲートの動作を説明する。図8は導入水位が
設計水位範囲(取水量一定を確保した導入水位の変動範
囲)内にある場合の越流ゲート3の位置を示す。ここで
フロート5L,5Rと越流ゲート3とは相互に固定され
ているので、導入水位如何に拘わらずフロート5L,5
Rの喫水線(すなわち導入水位)と越流ゲート3の天端
高との差dは一定である。したがって下流側の水位が異
常に上昇しない限り、取水口2を通過する水量は一定に
保持される。差dの値は、導入口51a,51b,52
a,53aから水や砂などを入れてフロート5L,5R
の喫水線位置を変更することにより調節することができ
る。
【0023】 なお、引き上げ式のゲートやラジアルゲー
トなどとは異なり、本実施例では越流ゲートであるため
に導入水位が上下しても通過断面における水圧は常時一
定であるから、流速検出値を帰還させて流量制御を行う
などの複雑な機構なしで取水量の変動を抑えることがで
きる。この場合、越流ゲート3の昇降は昇降ガイド21
L,21R及び垂直溝44L,44Rに沿って行われる
が、導水方向へ延長した形状と上述した底郭形状を備
え、左右一対設けられたフロート5L,5Rにより、越
流ゲート3の直立状態が安定的に維持されるので、簡素
な構造であるにも拘わらず導入水位に対する追随性が高
い。この簡素な構造は建造コストの低減、維持管理の容
易及び耐久性の向上を招来するから、高い取水性能(取
水量の高い制御性能)と低い建造・維持コストとを相両
立させるものとなる。
トなどとは異なり、本実施例では越流ゲートであるため
に導入水位が上下しても通過断面における水圧は常時一
定であるから、流速検出値を帰還させて流量制御を行う
などの複雑な機構なしで取水量の変動を抑えることがで
きる。この場合、越流ゲート3の昇降は昇降ガイド21
L,21R及び垂直溝44L,44Rに沿って行われる
が、導水方向へ延長した形状と上述した底郭形状を備
え、左右一対設けられたフロート5L,5Rにより、越
流ゲート3の直立状態が安定的に維持されるので、簡素
な構造であるにも拘わらず導入水位に対する追随性が高
い。この簡素な構造は建造コストの低減、維持管理の容
易及び耐久性の向上を招来するから、高い取水性能(取
水量の高い制御性能)と低い建造・維持コストとを相両
立させるものとなる。
【0024】 図9は設計水位以下に導入水位が低下した
場合の様子を示すもので、越流ゲート3の天端が取水口
2の下端以下に下がる(水位aになる)と、水の通過断
面は次第に小さくなるから取水量は漸減し、導入水位自
体が取水口2の下端よりも低下する(水位bになる)
と、取水量はゼロになる。したがって、取水量一定を維
持できる導入水位の下限値及び取水停止に至る導入水位
の値は、取水口2の下端位置に依存する。そして、この
下端位置は上述の調整板22の着脱によって変更するこ
とができる。なお、この取水量の減少又は取水停止状態
にあっても導入水位が設計水位範囲内に戻れば、自動的
に図8に示す取水量一定の状態に復帰する。
場合の様子を示すもので、越流ゲート3の天端が取水口
2の下端以下に下がる(水位aになる)と、水の通過断
面は次第に小さくなるから取水量は漸減し、導入水位自
体が取水口2の下端よりも低下する(水位bになる)
と、取水量はゼロになる。したがって、取水量一定を維
持できる導入水位の下限値及び取水停止に至る導入水位
の値は、取水口2の下端位置に依存する。そして、この
下端位置は上述の調整板22の着脱によって変更するこ
とができる。なお、この取水量の減少又は取水停止状態
にあっても導入水位が設計水位範囲内に戻れば、自動的
に図8に示す取水量一定の状態に復帰する。
【0025】 図10は河川の増水などにより導入水位が
設計水位範囲以上に上昇した場合の様子を示すもので、
越流ゲート3はフロート5L,5Rの上昇に伴って上昇
し、ある水位になると取水口2を完全に封鎖する。そし
て、この封鎖状態においてフロート5L,5Rの上面が
浮止め45に当接するので、導入水位がそれ以上上昇し
ても、この封鎖状態すなわち取水停止状態は継続する。
このようにして、本実施例では所定の設計水位範囲を越
えると取水量が漸減し、さらにある水位以上になると取
水量がゼロになる。したがって、洪水などの増水時に大
量に流される土砂、流木その他のごみが導入経路1に侵
入すること、及びそれらが中水口を通して下流側に流れ
落ちることを防止できる。この場合にも、導入水位が低
下すれば再び自動的に取水量の一定状態に復帰すること
はもちろんである。
設計水位範囲以上に上昇した場合の様子を示すもので、
越流ゲート3はフロート5L,5Rの上昇に伴って上昇
し、ある水位になると取水口2を完全に封鎖する。そし
て、この封鎖状態においてフロート5L,5Rの上面が
浮止め45に当接するので、導入水位がそれ以上上昇し
ても、この封鎖状態すなわち取水停止状態は継続する。
このようにして、本実施例では所定の設計水位範囲を越
えると取水量が漸減し、さらにある水位以上になると取
水量がゼロになる。したがって、洪水などの増水時に大
量に流される土砂、流木その他のごみが導入経路1に侵
入すること、及びそれらが中水口を通して下流側に流れ
落ちることを防止できる。この場合にも、導入水位が低
下すれば再び自動的に取水量の一定状態に復帰すること
はもちろんである。
【0026】 なお、本考案に係る自動越流ゲート装置
は、上記実施例におけるフロート槽と胸壁に対応する部
分を鋼材、鉄、又はステンレススチールなどの材料から
成る一体の箱体構造にすることもできる。この箱体構造
を工場内で予め形成しておき、建設現場まで運搬して定
置する工法によれば、工期の短縮や建造コストの低減を
図ることができる。
は、上記実施例におけるフロート槽と胸壁に対応する部
分を鋼材、鉄、又はステンレススチールなどの材料から
成る一体の箱体構造にすることもできる。この箱体構造
を工場内で予め形成しておき、建設現場まで運搬して定
置する工法によれば、工期の短縮や建造コストの低減を
図ることができる。
【0027】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、フ
ロートに連動する越流ゲートを採用し、越流ゲートの天
端高をフロートの喫水線よりも低く設定したため、導入
水位の所定範囲内では常時ほぼ一定の水量を取水するこ
とができるとともに、導入水位が所定範囲を越えると取
水量か減少し、さらに導入水位が上昇すると、自動的に
越流ゲートが取水口を閉鎖し、取水を停止させるため
に、河川の増水時において流されてきた土砂、流木等が
用水路等に取り込まれることや用水路が不要な増水を起
こすことも防止できる。また、上記のように簡単な構造
にも拘わらず、取水量の調節を自動的に行うことができ
るため、建造コスト及び維持コストの低減を図ることが
できる。
ロートに連動する越流ゲートを採用し、越流ゲートの天
端高をフロートの喫水線よりも低く設定したため、導入
水位の所定範囲内では常時ほぼ一定の水量を取水するこ
とができるとともに、導入水位が所定範囲を越えると取
水量か減少し、さらに導入水位が上昇すると、自動的に
越流ゲートが取水口を閉鎖し、取水を停止させるため
に、河川の増水時において流されてきた土砂、流木等が
用水路等に取り込まれることや用水路が不要な増水を起
こすことも防止できる。また、上記のように簡単な構造
にも拘わらず、取水量の調節を自動的に行うことができ
るため、建造コスト及び維持コストの低減を図ることが
できる。
【図1】本考案に係る自動越流ゲート装置の実施例の構
造を示す平面図である。
造を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断した状態を示す断
面図である。
面図である。
【図3】(a)は図1のIII −III 線に沿って切断した
状態を示す部分断面図、(b)は(a)のB−B線に沿
って切断した状態を示す部分断面図である。
状態を示す部分断面図、(b)は(a)のB−B線に沿
って切断した状態を示す部分断面図である。
【図4】同実施例の可動部分の全体構成を示す正面図で
ある。
ある。
【図5】越流ゲートの水切り板近傍の構造を示す拡大断
面図である。
面図である。
【図6】越流ゲートに量水板を取り付けた状態を示す断
面図である。
面図である。
【図7】(a)はフロートの構造を示す側面図、(b)
は同平面図である。
は同平面図である。
【図8】通常の導入水位範囲における自動越流ゲート装
置の動作を説明するための説明図である。
置の動作を説明するための説明図である。
【図9】導入水位が異常に低下した場合における自動越
流ゲート装置の動作を説明するための説明図である。
流ゲート装置の動作を説明するための説明図である。
【図10】導入水位が異常に上昇した場合における自動
越流ゲート装置の動作を説明するための説明図である。
越流ゲート装置の動作を説明するための説明図である。
1−導水経路 2−取水口 21−案内枠
3−越流ゲート 36−量水板 4R,4L−フロート槽 45
−浮止め 5L,5R−フロート 51−中室 52−前室 53−後室 51a,51b,52a,53a−導入口
3−越流ゲート 36−量水板 4R,4L−フロート槽 45
−浮止め 5L,5R−フロート 51−中室 52−前室 53−後室 51a,51b,52a,53a−導入口
Claims (3)
- 【請求項1】 導水経路の両側に導水方向に並行して形
成され導入水位の供給された左右のフロート槽と、該フ
ロート槽内にそれぞれ収容され導水方向に延長した形状
に形成された一対のフロートと、前記フロート槽の間の
前記導水経路途中に形成され所定の開口上下幅を有する
取水口と、両フロートの略中央間に接続されるととも
に、前記取水口を封鎖可能な状態で昇降自在に案内され
た越流ゲートとを設け、 前記取水口の開口上下幅を前記越流ゲートの上下幅より
も小さく形成し、前記越流ゲートの天端高を前記フロー
トの喫水線よりも低く設定するとともに、前記越流ゲー
トの上昇を前記取水口が封鎖される位置を上限として制
限する上昇制限手段を設けた ことを特徴とする自動越流
ゲート装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記フロートを、前
記越流ゲートが接続された中央部に最大喫水をもち、該
中央部から導水方向の前後に向かい略対称に喫水の減少
する底郭形状に形成するとともに、前記フロート内に、
該中央部に対し導水方向の前後に略対称でそれぞれ浮力
調整用材料の導入口を備えた複数の分室構造を設けるこ
とを特徴とする自動越流ゲート装置。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2の何れか1項にお
いて、前記越流ゲートに連動して昇降し前記越流ゲート
の天端高を基準とした水位を計測するための量水目盛り
を、前記越流ゲートから上流側に隔離した位置に設けた
ことを特徴とする自動越流ゲート装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991092232U JP2537227Y2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 自動越流ゲート装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991092232U JP2537227Y2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 自動越流ゲート装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0596127U JPH0596127U (ja) | 1993-12-27 |
JP2537227Y2 true JP2537227Y2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=14048695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991092232U Expired - Fee Related JP2537227Y2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 自動越流ゲート装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2537227Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR960041547A (ko) * | 1996-08-07 | 1996-12-19 | 한상관 | 부력식 무동력 자동 수문 |
KR960041548A (ko) * | 1996-08-12 | 1996-12-19 | 한상관 | 부력식 무동력 자동 수문의 물저장통 개폐장치 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0346604A (ja) * | 1989-07-15 | 1991-02-27 | Shimadzu Corp | 光集積回路 |
-
1991
- 1991-10-14 JP JP1991092232U patent/JP2537227Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0596127U (ja) | 1993-12-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |