JP2536839Y2

JP2536839Y2 - 避雷器内蔵形開閉器

Info

Publication number: JP2536839Y2
Application number: JP1989043912U
Authority: JP
Inventors: 三郎戸上
Original assignee: 株式会社戸上電機製作所
Priority date: 1989-04-13
Filing date: 1989-04-13
Publication date: 1997-05-28
Anticipated expiration: 2004-04-13
Also published as: JPH02134631U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、柱上用開閉器等の開閉器のケース内に取り
付け、接触子を支持する絶縁台に電圧非直線抵抗素子を
内蔵する構造に関する。

〔従来の技術〕

高圧配電線路等の主要な雷害保護装置として使用され
る避雷器は、雷等によって回路に侵入した衝撃電圧の波
高値を制限して電気施設の絶縁を保護し、かつ、続流を
短時間に遮断して線路の正規状態を乱すことなく現状に
自復させる機能を有している。

現状では、開閉器を保護するために、その開閉器設置
個所近くに導線を介して避雷器を個別に施設している場
合が多いが、このような配置によっても避雷器動作時の
制限電圧に雷放電電流による導線の電圧降下等が加わる
ため、開閉器の受ける異常電圧がその絶縁強度を超えて
事故に進展する事例がしばしば発生している。従って、
さらに有効な保護を期待するためには、この開閉器に避
雷器を極力接近して配置することが必要となる。

また、開閉器施設個所における避雷器取付工事は線路
側導線および接地側配線等が複雑であるため、かなりの
労力を要し、しかもこれらの避雷器は吸湿、導線切れ、
汚損および工事中の打撃損傷等に起因する事故が発生す
る場合がある。従って、雷サージに対する保護性能に優
れ、かつ、形状を小形化し得る電圧非直線抵抗素子、例
えばZnO素子等を用いた避雷器を内蔵した開閉器が提案
されている（実公昭64−3149号公報，実公昭64−4198号
公報，実公昭64−4199号公報，実公昭64−5799号公報
等）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、これらは磁器製の絶縁容器内に電圧非直線抵
抗素子を収納し、これに充電側端子とアース端子とを備
えた構造からなり、柱上等に取り付けて使用する一般形
の避雷器と大差のないものが使用されている。つまり、
避雷器をケース内に単に内蔵したに過ぎない構造であ
る。

このように、開閉器のケース内に避雷器を単に内蔵す
る場合には、ケース内の絶縁強度、インパルス耐圧など
の性能を確保するため、ケース内のスペースを大きくし
なければならず、かつ、価格が比較的に高価となるなど
の問題点があった。

本考案は、このような従来の問題に鑑みて案出された
ものであり、ケース内のスペースを拡張することなく、
避雷器に要求される性能を満たすことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案の避雷器内蔵形開閉
器は、ケース内に避雷器を内蔵した柱上用開閉器におい
て、接地側端子と、電圧非直線抵抗素子と、直列ギャッ
プ素子と、スプリングと、線路側端子とを順に直列に連
結したものを、素子容器内に密封した避雷器の外周に緩
衝剤を塗布したものを、前記柱上用開閉器の可動接触子
の先端が投入される固定接触子を支持する絶縁台のモー
ルド内に、前記固定接触子に接続している導線と前記線
路側端子とが接続されるようにして埋め込んで、一体成
形したことを特徴とする。

絶縁台に電圧非直線抵抗素子を内蔵する場合、他の手
段として、接地側端子と、電圧非直線抵抗素子と、直列
ギャップ素子と、スプリングと、線路側端子とを順に直
列に連結して保持枠で保持したものからなる避雷器の外
周に緩衝剤を塗布したものを、前記柱上用開閉器の固定
接触子を支持する絶縁台のモールド内に、前記固定接触
子に接続している導線と前記線路側端子とが接続される
ようにして埋め込んで、一体成形した構成とすることが
できる。

なお、本明細書において、直列ギャップ素子とは、２
枚の導電体の導電性の平板の間に直列の空隙が形成され
るように絶縁物で隔離している避雷器の構成部分を言
う。

〔実施例〕

以下、本考案を実施例に基づいて具体的に説明する。

第１図は本考案の要部の縦断側面図、第２図は本考案
を実施した気中開閉器の正面図、第３図は同側面図、第
４図は避雷器の詳細図、第５図は避雷器を樹脂充填によ
り密封した部分縦断側面図、第６図は避雷器の要素素子
を内包し絶縁台と一体成形した部分の縦断側面図であ
る。

第２図において、１はケース、２はケース１の下部開
口部を覆うカバー、3a,3bは電源側及び負荷側の外部導
線、4a,4bは電源側及び負荷側のブッシングである。

５は消弧室部で、ケース１の上内面1aに絶縁台６を介
して固定されており、第１図に拡大して示すように、固
定接触子７、固定接触子７を内包する消弧室内筒８、消
弧室内筒８を抱持する消弧室外筒９、消弧室内筒８の入
口を開閉するシャッター駒10、シャッター駒10が閉じる
ように付勢する反発スプリング11、消弧室内筒８の上端
面に当接するパッキン12よりなる。

消弧室内筒８の上部8aは、固定接触子７を囲繞する消
弧室空間13を形成し、下部8bはシャッター駒嵌入部を形
成し、シャッター駒10が嵌合されている。

固定接触子７の基端7aは絶縁台６に固定されており、
また、導体15を接続し、導体15は消弧室５の外部へ延長
され、第２図に示すように接続導体16により電源側ブッ
シング4aを通じて電源側外部導線3aに連結されている。
可動接触子支持金具17は負荷側ブッシング4bに固定さ
れ、負荷側外部導線3bに接続されている。可動接触子18
は支持金具17に回動可能に支持されており、支持金具1
9、連結レバー20を介して、ハンドル21（第３図参照）
によって回動可能な駆動軸22に固着され、同時に回動す
る駆動アーム23に連結されている。可動接触子18は回動
することにより、その先端部18aが消弧室５を通って固
定接触子７に接触可能に配置されている。

24は可動接触子18の相間絶縁のための絶縁カバーであ
り、この実施例では、カバー２に取り付けられている。
25はハンドル21と駆動軸22との間に介在するハンドル操
作機構である。26は固定接触部などの線路側の充電部と
避雷器30との間を接続する導線である。

第４図は第１図に示された避雷器30の詳細図である。
この避雷器30は、素子容器31内に、電圧非直線性を有す
るZnO（酸化亜鉛）等の抵抗素子32と、直列ギャップ素
子33と、スプリング34を直列に接続して、気密に収納
し、接地側端子35と線路側端子36の両端子を設けてい
る。

素子容器31内には、乾燥剤37を入れている。この避雷
器30を絶縁台６内に設けた空洞6a内に収納するか、また
は第５図のように収納した避雷器30と絶縁台６の空洞6a
とのスペースに樹脂等の絶縁充填剤38を充填し、または
一体形成する。この場合、避雷器30の素子容器の周囲に
は、外部衝撃や熱収縮膨張による応力を緩和するため、
緩衝剤を塗布する。

さらにまた、第６図のように絶縁台６を成形時に素子
容器31を設けずに接地端子35と、電圧非直線抵抗素子32
と、直列ギャップ素子33と、スプリング34と、線路側端
子36とを順に直列に連結し、スプリング34を圧縮した状
態で全体を保持枠（治具）で保持し、その表面に緩衝剤
39を塗布したものを、モールド内に直接埋め込んで一体
成形することもできる。

次に、以上のように構成されたものの動作について説
明する。

まず、投入動作時には、第３図に示すハンドル21によ
りハンドル操作機構25を介して駆動軸22が回動され、こ
の駆動軸22の回動により、第２図に示すように駆動アー
ム23、連結レバー20、支持金具19を介して可動接触子18
が駆動され、消弧室５に挿入され、固定接触子７に達す
る。

次に、投入通電状態において、ハンドル21を切り側へ
回動すると、前記と逆の工程を経て接触子が開放され
る。

回路に雷撃があった場合、その衝撃電圧は、充電部か
ら避雷器30の線路側端子36→絶縁台６中の避雷器30→接
地側端子35→ケース１→ケース１に接続された接地線を
通じてアースへ放電される。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案では、固定接触子を支
持する絶縁台中に避雷器を収納するようにしたので、避
雷器を内蔵するためのスペースを新たに設ける必要がな
い。また、避雷器は絶縁台中に収納されているので、他
の充電部とは隔離され、絶縁のためのスペースを必要と
しない。したがって、従来の開閉器のスペースを拡張す
ることなく、避雷器内蔵形としては、小形、省スペース
を図った開閉器を得ることができる。また、避雷器の周
囲の絶縁のために従来の絶縁台を兼用するので、価格も
抑えることができる。

さらに、要素素子を素子容器内に密封した避雷器を絶
縁台内に収納したので、内部の要素素子が湿気によって
絶縁不良を起こすおそれがない。また樹脂等の絶縁物で
さらに充填したり、一体成形すれば、二重の絶縁効果が
得られ、絶縁性能をさらに高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の要部の縦断側面図、第２図は本考案を
実施した気中開閉器の正面図、第３図は同側面図、第４
図は避雷器の詳細図、第５図は避雷器を樹脂充填により
密封した部分縦断側面図、第６図は避雷器の要素素子を
内包し絶縁台と一体成形した部分の縦断側面図である。 1:ケース、2:カバー 3a,3b:外部導体、4a,4b:ブッシング 5:消弧室部、6:絶縁台 7:固定接触子、8:消弧室内筒 9:消弧室外筒、10:シャッター駒 11:反発スプリング、12:パッキン 13:消弧室空間、14:ガイド部 15:導体、16:接続導体 17:可動接触子支持金具 18:可動接触子、19:支持金具 20:連結レバー、21:ハンドル 22:駆動軸、23:駆動アーム 24:絶縁カバー、25:ハンドル操作機構 26:導線 30:避雷器、31:素子容器 32:電圧非直線素子（ZnO素子） 33:直列ギャップ素子、34:スプリング 35:接地側端子、36:線路側端子 37:乾燥剤、38:充填剤 39:緩衝剤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭61−284902（ＪＰ，Ａ) 実願昭58−113568号（実開昭60− 21139号）の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ，Ｕ) 実願昭60−81928号（実開昭61− 196503号）の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ，Ｕ)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ケース（１）内に避雷器を内蔵した柱上用
開閉器において、接地側端子（35）と、電圧非直線抵抗
素子（32）と、直列ギャップ素子（33）と、スプリング
（34）と、線路側端子（36）とを順に直列に連結したも
のを、素子容器（31）内に密封した避雷器（30）の外周
に緩衝剤を塗布したものを、前記柱上用開閉器の可動接
触子（18）の先端が投入される固定接触子（７）を支持
する絶縁台（６）のモールド内に、前記固定接触子
（７）に接続している導線（26）と前記線路側端子（3
6）とが接続されるようにして埋め込んで、一体成形し
たことを特徴とする避雷器内蔵形開閉器。
【請求項２】ケース（１）内に避雷器を内蔵した柱上用
開閉器において、接地側端子（35）と、電圧非直線抵抗
素子（32）と、直列ギャップ素子（33）と、スプリング
（34）と、線路側端子（36）とを順に直列に連結して保
持したものからなる避雷器の外周に緩衝剤を塗布したも
のを、前記柱上用開閉器の固定接触子（７）を支持する
絶縁台（６）のモールド内に、前記固定接触子（７）に
接続している導線（26）と前記線路側端子（36）とが接
続されるようにして埋め込んで、一体成形したことを特
徴とする避雷器内蔵形開閉器。