JP2536799B2 - 軌条走行リニア式懸垂搬送装置の逆走防止装置 - Google Patents

軌条走行リニア式懸垂搬送装置の逆走防止装置

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JP2536799B2
JP2536799B2 JP3169247A JP16924791A JP2536799B2 JP 2536799 B2 JP2536799 B2 JP 2536799B2 JP 3169247 A JP3169247 A JP 3169247A JP 16924791 A JP16924791 A JP 16924791A JP 2536799 B2 JP2536799 B2 JP 2536799B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リニアモータによって
推進駆動され、走行軌条に沿って転走する走行機に搬器
を懸垂して搬送を行う搬送装置における逆走防止装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】スキー場または山岳観光地等に架設され
スキーヤー又は観光客等を輸送するリフト等として、従
来から索道方式、即ち循環する索条に搬器を固着又は脱
着可能に握索させて索条の循環移動と共に搬器を移動し
て輸送を行う装置が主流をなして用いられている。
【0003】このような索道方式の設備において、該索
条を支承するための支柱は許容の距離をおいて間欠的に
設置すれば足りるので、比較的長大な支持径間を地形の
制約を受けずに設備できる特徴を有している。しかし、
搬器は索条の移動と共に移動するものであるため、個別
の搬器の運転の断続や速度の緩急制御を行うことは困難
であり、また、搬送経路が直線的な場合には好適である
が、曲線をなして設備したい場合にも困難であるという
問題点があった。
【0004】このような問題点を解消するものとして、
近時は、リニアモータを利用した懸垂搬送装置が提案さ
れている。例えば、特開平3−38462号公報「可変
速リフト」においては、高架の走行軌条に懸垂式搬器を
用いて固定側一次方式のリニアモータによって推進駆動
が行われる装置が提案されている。また、本願出願人ら
によって平成3年5月17日に特許出願された「軌条走
行リニア式懸垂搬送装置」においては、走行軌条が直
線、曲線、勾配またはこれらの合成よりなる搬送経路を
なして架設されている場合にも、搬器の走行機は該走行
機を構成する走行機ユニットが搬器進行方向と直角の方
向に揺動変位可能に構成されていて、走行軌条の架設姿
勢が三次元的に変化しても、これに柔軟に追従して走行
できることを特徴とした固定側一次方式のリニア推進の
装置が提案されている。
【0005】これらの提案された懸垂搬送装置は、従来
の索道方式の装置の欠点を解消するものとして、従来の
装置の代替用途のみでなく、その好適な利用例として、
屋内スキー場施設におけるスキーヤー輸送への適用が志
向されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなス
キー場用の乗客輸送用の施設としての利用目的の場合に
は、高低差を有する区間に走行軌条が架設され、特に乗
客の搬送は勾配区間の主として上り過程でのみ行われる
ので、搬器が上昇勾配の途中で停止し、又は不時停止し
た場合にも逆走を生じないような安全対索ないし設備が
必要である。
【0007】本発明は前記のごとく上昇勾配区間で搬送
を行うとき、搬器の逆走を防止して安全な搬送を行うこ
とのできる軌条走行リニア式懸垂搬送装置の逆走防止装
置の提供を課題ないし目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して本発
明は、この高架位置に架設された走行軌条と、複数の走
行車輪を具えて前記走行軌条を転送する走行機と、前記
走行機に懸垂された搬器と、前記走行軌条において前記
搬器の進行方向に沿って並設された固定子巻線と、前記
走行機において前記固定子巻線と対向位置に固設された
移動子と、を用いて前記固定子巻線と前記移動子で構成
するリニアモータの相互作用によって前記搬器を推進駆
動して搬送を行う搬送装置において、前記走行軌条には
前記搬器の進行前後方向に沿ってリンクチェンを延設す
ると共に、前記走行機には前記リンクチェンと噛み合う
スプロケット車をクラッチ手段を介在させて枢着しかつ
前記スプロケット車を前記リンクチェンと噛み合い及び
離脱する位置に変位させるアクチュエータを具えてな
り、前記クラッチ手段は前記スプロケット車の一方方向
回転のみを許容し、他の方向回転は制止するワンウェイ
クラッチを用いてなるものである軌条走行リニア式懸垂
搬送装置の逆走防止装置、として構成したものである。
【0009】
【作用】本発明の軌条走行リニア式懸垂搬送装置の逆走
防止装置を具えるべき搬送装置の本体部分は、高架の走
行軌条と、走行軌条を転走する平衡式走行機に搬器本体
を懸垂した搬器、とよりなっている。平衡式走行機は複
数の車輪を具えた走行機ユニットを用いてなるもので、
走行軌条の架設姿勢の変化に自在に追従して走行でき
る。また、走行軌条にはリニアモータの固定子巻線を具
えており、これに対応して走行機にはリニアモータの移
動子を具えており、これらの相互作用によって搬器の推
進駆動が行われる。
【0010】逆走防止装置としては、搬器側のスプロケ
ット機構と、走行軌条側に延架したリンクチェン及び圧
下装置を具えている。
【0011】走行機側のスプロケット機構は、クラッチ
手段と圧下ローラを具えたスプロケット車をばねで常時
は上方に向かうように付勢してなるものである。一方、
走行軌条側には、これに沿ってリンクチェンがチェンガ
イドレール内に収納されて延架されている。また、圧下
装置の圧下軌条がアクチュエータによって上下に昇降移
動可能に設けられている。
【0012】前記のような構成において、搬器の走行時
は圧下軌条を上昇させておくと走行機側の前記のばねの
復元力によって圧下ローラは上昇位置となって、スプロ
ケット車はリンクチェンから外れて噛み合いは行われ
ず、スプロケット車とリンクチェンとの噛合騒音を発生
しない。
【0013】リニアモータによる搬器運転を停止したと
きには、これと共に圧下装置を作動させて圧下軌条を下
降位置とし、これに沿って転動していた圧下ローラは下
方に押圧されスプロケット車はリンクチェンに噛み合わ
される。
【0014】スプロケット車にはクラッチ手段が内蔵さ
れ、該クラッチ手段は搬器進行方向への回転は自由で、
逆転方向への回転は阻止するワンウェイクラッチを用い
ているので、これによって搬器の逆走は阻止される。
【0015】前記のリンクチェン及びチェンガイドレー
ルは複数区間ごとに分割して軌条に据え付け、これらの
チェンガイドレール端末部付近においてはリンクチェン
を下方に湾曲誘導し退避させているので、一のリンクチ
ェンの区間から他のリンクチェンの区間への連通箇所に
おいてはスプロケット車の係脱は円滑に行なわれる。走
行機にはスプロケット車を複数個設けておくようにし、
よってこの連通箇所において少なくとも一のスプロケッ
ト車は噛合い状態となっており、常に逆走防止を有効に
作用させることができる。
【0016】リンクチェンにはカーブドチェンを用いる
ことによって、走行軌条の平面視における緩曲線区間に
も設備可能である。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の逆走防止装置を装備した軌
条走行リニア式搬送装置の全体を示したものである。
【0018】走行軌条3は支持構造物2、例えば建築物
の天井梁、または地上に立設された支柱等に懸架された
高架軌条であり、該走行軌条3は直線、曲線、水平、ま
たは勾配区間、あるいはこれらの合成よりなる線形をな
している。
【0019】搬器10は、大別して走行機20と、該走
行機20に懸垂された搬器本体11とよりなり、走行機
20によって前記の走行軌条3を転走する。本実施例の
走行機20は2組の走行機ユニット22,22を相互に
平衡ビーム40で連結してなる複平衡式走行機21を用
いている。
【0020】ここで走行機ユニット22を図3によって
説明する。該走行機ユニット22は2個のハンガーアー
ム23a,23bを連結部材34およびピン33で枢着
連結したものである。
【0021】まづ、一方のハンガーアーム23aについ
て説明すると、概形U字状ないし、上に凹の形状に形成
された部材で、例えば角型管材等を用いて形成されてい
る。該ハンガーアーム23aの一方および他方の上端部
24,24付近にはそれぞれ片持状のピン25または2
5が固着されていて、これに走行車輪26または26が
枢着されている。この走行車輪26,26位置のやや下
位にも同様にそれぞれ片持状にピン27または27が固
着されて、これには衝上車輪28または28が枢着され
ている。更に、それぞれの上端部24,24のやや下方
においては、水平方向にブラケット29,29または2
9,29が固着され延出して、垂直なピン30または3
0によって横圧車輪31または31が枢着されている。
また該ハンガーアーム23aの中央付近には後記のピン
33のための孔32が貫通穿孔されている。
【0022】他方のハンガーアーム23bも、後記する
逆走防止装置60のスプロケット機構61を付した構成
の部分を除いては、前記のハンガーアーム23aとほぼ
同様な構成をなしている。即ち、片持状のピン25,2
5によって走行車輪26または26を枢着し、同じく片
持状のピン27,27によって衝上車輪28または28
を枢着し、かつ、ブラケット29,29,29,29と
ピン30,30とによって横圧車輪31または31を枢
着している点は前記の場合と均等である。
【0023】ここで、ハンガーアーム23bの場合に
は、孔32が穿孔されていない点が異なっている。ま
た、ハンガーアーム23bの一方の上端部24bは更に
上方に延出していて、ここにはスプロケット車機構61
が枢着されているが、これについては後述する。
【0024】次に、2つのハンガーアーム23aと23
bとは、連結部材34とピン33とを用いて相互に連結
されている。連結部材34の固着端部35付近において
は段落をなして先のハンガーアーム23b上に係止固着
されている。他方、枢着端部36付近においては、下方
に開口した係合凹部37が形成されていて、ここにはハ
ンガーアーム23aが遊挿、挿入されている。
【0025】ピン33は両端を連結部材34に支持ない
し固着されていて、かつ、中間付近においてハンガーア
ーム23aの孔32内を貫通しているので、よってハン
ガーアーム23aは連結部材34ないしハンガーアーム
23bに対してピン33を中心として揺動変位可能に枢
着された構成となっている。
【0026】この連結部材34の上面には図1の如くに
リニアモータ12の移動子13,13…が固着されてい
る。ただし、図3においては錯綜を避けるために図示は
省略されている。
【0027】複平衡式走行機21は前記のような走行機
ユニット22,22を計2組用いて、これらをやや長尺
状部材である平衡ビーム40を以て相互に連結してなっ
ている。ここで平衡ビーム40と先の走行機ユニット2
2,22との間の連結は、それぞれピン41または41
と、自在軸受ないし球面軸受43,43を介して連節さ
れており、三次元方向にそれぞれ自在な連節関係となっ
ている。
【0028】平衡ビーム40にはチェアー式の搬器本体
11が懸垂されている。すなわち、平衡ビーム40の中
央付近においてピン51、懸垂連結部材52およびピン
53を介して懸垂機54、チェアー55が懸垂されてい
る。ここでピン51,53によって搬器本体11はピッ
チング揺動、ローリング揺動が可能となっている。
【0029】ここまでに記述した構成は、本願出願人ら
によって平成3年5月17日に特許出願された「軌条走
行リニア式懸垂搬送装置」によって提案されており、こ
の搬送装置においてはリニアモータ12の固定子巻線1
3,13…と、移動子15,15…との相互作用によっ
て、搬器の推進駆動が行われ、かつ、前記の走行機ユニ
ット22,22の揺動構成と、および前記の球面軸受4
3,43による連節との共働によって走行軌条3が三次
元的に捩られた姿勢に架設されている場合にも無理なく
柔軟に追従して転走できるようになっている。
【0030】次には、本発明の特徴的な構成である逆走
防止装置60に関して説明する。図1に示されている如
くに、各々の走行機ユニット22,22にはそれぞれス
プロケット機構61または61が装備されている。スプ
ロケット機構61の詳細は図3および、特に図4並びに
図5に示されているのでこれらの図を用いて以下説明を
する。
【0031】走行機ユニット22のハンガーアーム23
bにおいては、一方の上端部24bが更に上方に延出し
ていることは前記した通りである。この上端部24b付
近にはピン62が固着され片持状に延出し、このピン6
2にはレバー63が枢着されている。
【0032】図5は、レバー63の端部付近を断面図で
示したものである。レバー63の端部付近にはピン64
が固着され段付きをなして片持状に延出している。該ピ
ン64にはクラッチ手段73,73を介してほぼ円筒状
ないしスリーブ状の外筒部材65が外嵌されており、こ
の外筒部材65には同心状一体関係をなしスプロケット
車66が嵌着されている。
【0033】ここで、クラッチ手段73,73には図6
に略図で示したような構成のものが用いられている。即
ち、ピン64には、内輪74が嵌着され、一方、外筒部
材65の内周部65aには外輪75が内嵌されている。
これらの内輪74と外輪75との間の環状空間には放射
状等角度に複数個の係脱片76,76…が配設されてい
る。該係脱片76,76…は、それぞれ例えば図示のご
とく外輪75が内輪74に対して相対的に時計方向回転
するときと、反時計方向回転する時とでは、係脱片7
6,76…と、内輪74または外輪75との接触の接触
角が異なるような関係形状に定められている。従って、
搬器10ないし走行機20の走行の順方向に対しては係
脱片76,76…が倒伏姿勢となって内輪74と外輪7
5との相対回動が許容され、搬器10ないし走行機20
の走行の逆方向に対しては係止片76,76…が起立状
態となって内輪74と外輪75との相対回動が阻止され
る。このような構成のものはワンウェイクラッチ等と称
されてよく知られているが、本装置におけるクラッチ手
段73にはこのような構成のものを利用している。
【0034】なお、スペーサ68a,68b,68c,
68dと、およびキャップ67a,67bとはピン64
に対するクラッチ手段73,73及び外筒部材65との
関係位置を定めるために用いているものである。
【0035】前記のピン64の先端付近には圧下ローラ
69が回動自由に枢着されている。また、図4に示すよ
うにハンガーアーム23bの上端部24bからは突出部
材70が固着されていて、この突出部材70と前記のレ
バー63に固着した係止部材70との間には引張ばね7
1が介在している。この引張ばね71によってレバー6
3は常時、ピン62を中心に上方に引き上げられるよう
に付勢されている。
【0036】以上は一の走行機ユニット22について記
したものであるが、他の一の走行機ユニット22につい
ても図1から明らかな通り、同様にスプロケット機構6
1を具えており、ただ、レバー63の取付の向きが図反
となっている点のみが異なっている。
【0037】ここまでの説明は、移動側の搬器10ない
し走行機20上における構成の説明であったが、次に、
これらに対応して固定側である走行軌条3に付されてい
る構成について説明する。
【0038】走行軌条3のウェブ部5に沿っては、リン
クチェン81が延架され、また圧下装置90が装備され
ている。
【0039】まづ、図1、図2、図7及び図8を用い
て、リンクチェン81の延架の構成について説明する。
走行軌条3のウェブ部5に沿っては溝型長尺状のチェン
ガイドレール80が添設されている。該チェンガイドレ
ール80は走行軌条3の上昇勾配の全区間を連通した構
成としてもよいが、より実際的には製造、据付の利便を
考慮して所要間隔ごとに複数区間に分割した構成とす
る。
【0040】図7、図8は、チェンガイドレール80及
びリンクチェン81の構成を示したものである。チェン
ガイドレール80は上方に開口した溝状をなしていて、
所定間隔ごとに複数箇所で支持部材82によって走行軌
条3のウェブ部5に固着支持されている。該チェンガイ
ドレール80の両端のガイドレール端末部83において
は、溝底切欠部84が開穿され、この溝底切欠部84に
到るチェンガイドレール80の溝底にはリンクチェン8
1を下方に退避誘導するための円弧底部85が形成され
ている。
【0041】リンクチェン81は、複数のリンクプレー
ト、ピン及びローラを具えて連鎖状に連成してなるもの
を用いて、前記のチェンガイドレール80の溝内に沿っ
て引き延べ据付し、かつ、該リンクチェン81の端部に
おいてはそれぞれ前記の円弧底部85に沿って溝底切欠
部84内を経て下方に偏向させ誘導退避させている。一
方、チェンガイドレール80のガイドレール端末部83
には下方に向かって係止部材86を固着突出させ、前記
のリンクチェン81の端末をねじ式のテークアップ87
を用いて前記の係止部材86にチェン張力の緊緩調節可
能に引留め固定する。また必要によっては、リンクチェ
ン81の中間区間においては適宜間隔ごとにチェンガイ
ドレール80との間に位置ぎめ固定してもよい。
【0042】図7において実線で示したチェンガイドレ
ール80においては、一方のガイドレール端末部83の
みが示されており、他端は図示省略されているが、他端
においても全く同様な構成となっている。図7において
鎖線で示した如く、連通状に設けられた隣のチェンガイ
ドレール80との関係を図示したものであり、このよう
なリンクチェン81,81の退避箇所を有することによ
ってスプロケット車の66の離脱、再噛合いが円滑に行
われる。
【0043】リンクチェン81としては、緩曲線をなし
て屈曲が許容されるいわゆるカーブドチェンを用いれ
ば、走行軌条3が曲線をなして設備される場合にも柔軟
に追従して設備することができる。
【0044】次には、前記の圧下ローラ69を押圧する
ための圧下装置90について図1、図2及び図4を用い
て説明する。
【0045】走行軌条3のウェブ部5には所定の間隔ご
とに複数のレバー63,63…が枢着されている。即
ち、ウェブ部5の側面には複数の支持ピン92,92…
が固着され水平片持状に延出している。該支持ピン9
2,92…には概形L字状をなしたレバー93,93…
が一個宛枢着されている。一方、圧下軌条91は、ほぼ
角型管状断面を有した長尺状部材で、該圧下軌条91の
側面において前記のレバー93,93…位置に対応した
位置にピン97,97…が固着され水平に延出してお
り、これらのピン97,97…はそれぞれ前記のレバー
93,93の下端部95,95…付近に枢着連結されて
いる。また、レバー93,93…の上端部94,94…
付近においてはそれぞれピン96,96…を介して共通
の連結ロッド98に枢着されている。このような構成に
おいて、図9に示したように、圧下装置90のそれぞれ
一端部にアクチュエータ99を連結し、このアクチュエ
ータ99の押圧、牽引動作によって圧下軌条91を上下
に移動させることができる。
【0046】即ち、アクチュエータ99によって連結ロ
ッド98を矢印100a方向に移動させると、これにそ
れぞれ連結されているレバー93,93…は支持ピン9
2,92…を中心に同一方向に回動して圧下軌条91を
下方に移動させ、この動作によって前記の圧下ローラ6
9を圧下する。また、アクチュエータ99によって連結
ロッド98を矢印100bの方向に移動させれば、これ
にそれぞれ連結されているレバー93,93…は支持ピ
ン92,92を中心に前記の場合とは反対方向に回動
し、よって圧下軌条91は上昇移動する。
【0047】なお、ここで用いるアクチュエータ99と
しては油圧、空圧等を含む流体圧シリンダや電動ねじ式
シリンダ等、連結ロッド98の軸方向へ正逆の推力を発
生することのできる公知の装置を利用することができ
る。
【0048】以上の如き構成の装置において、次に作
用、ないし動作について説明する。まず、本逆走防止装
置を装備すべき軌条走行リニア式懸垂搬送装置本体の動
作については、前記した通り、本願出願人らによって既
に提案、記載されているので、ここには簡潔に述べる。
【0049】即ち、軌条走行リニア式懸垂搬送装置は、
大別して固定側である走行軌条3と、移動側である搬器
10とからなっている。搬器10は、走行機20と、こ
れに懸垂された搬器本体11とよりなっている。走行機
20は、走行車輪26,26…と衝上車輪28,28…
と、及び横圧車輪31,31…とを具えた走行機ユニッ
ト22,22を自在に連結した複平衡式走行機21であ
り、前記の各々の車輪が共働して走行軌条3の懸架姿勢
の三次元的な変化にもよく柔軟に追従して転走する。
【0050】走行軌条3の下面にはリニアモータ12の
複数の固定子巻線13,13…が固設されており、これ
と対応して走行機20の走行機ユニット22,22には
複数の永久磁石よりなる移動子15,15…が固着され
ている。固定子巻線13,13…に通電することによっ
て、移動子15,15…との相互作用により搬器10の
推進、駆動が行われる。
【0051】次に、本発明の特徴的部分である逆走防止
装置の動作ないし作用について説明する。走行軌条3の
ウェブ部5に沿っては、所定間隔ないしは適宜間隔ごと
に分割されたチェンガイドレール80,80…が、連通
状に延架されこれらにリンクチェン81,81…が内挿
され延架されている。
【0052】また、同じく走行軌条3には複数のレバー
93,93…及び連結ロッド98を経てアクチュエータ
99により上下に昇降する圧下軌条91が設けられ、常
時は上昇位置となっている。
【0053】走行機20の走行機ユニット22に具えた
スプロケット車66は常時は上昇位置にあるように引張
ばね71によって付勢され、圧下ローラ69は圧下軌条
91の下面に当接し転動可能となっている。搬器10な
いし走行機20の走行軌条3の転走は常時はこの状態で
行われ、このときスプロケット車66または66とリン
クチェン81との噛合いは引き外されている。
【0054】リニアモータ12の固定子巻線13への通
電が断たれ搬器運転が停止または不時停止したときは、
アクチュエータ99もこれと連動動作させて圧下軌条9
1を下降位置に切換えする。これによって圧下ローラ6
9が圧下されレバー63は引張ばね71の付勢力に抗し
てピン62を中心に回動し、スプロケット車66はリン
クチェン81との噛合状態となる。
【0055】スプロケット車66にはクラッチ手段73
を内蔵しているので搬器10がもし走行軌条3の上昇勾
配区間にあって逆走しようとすれば、クラッチ手段73
の係脱片76,76…が起立状態となって逆転が抑止さ
れる。
【0056】ガイドレール端末部83,83付近におい
てはリンクチェン81または81の退避が形成されてい
るので、連通する2条の隣り合うリンクチェン81,8
1間をスプロケット車66が通過するときは、スプロケ
ット車との噛合いの離脱、再噛合いは円滑に行われる。
【0057】また、走行機20には複数のスプロケット
車66,66を設けることにより、前記のような連通箇
所の通過時に一のスプロケット車66の噛合いが引き外
されていても少なくとも他の一のスプロケット車66は
噛合い状態にあって、逆走防止は常時有効に作動する。
【0058】図10は走行軌条3の経路の一部を展開し
て示した説明図である。走行軌条3はA,B,C,D…
ゾーンに区分されており、これに対応してリニアモータ
12の固定子巻線13,13…も前記各ゾーンに対応し
てセクションに分割されている。このように構成する
と、各ゾーンA,B,C,D…ごとに個別に搬器10ま
たは10…の運転の断続及び制御が可能である。このよ
うな構成の場合には前記のA,B,C,D…の各ゾーン
に対応して圧下レール91,91,91,91…も各セ
クション毎に分割した構成とすれば、それぞれのゾーン
A,B,C,D…の各々ごとに独立に搬器10または1
0…の逆走防止を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】高架の固定位置にある軌条に固定子巻線
を並設し、搬器側には移動子を並設して、これらの相互
作用によって搬器の推進駆動を行う固定側一次リニア式
の懸垂搬送装置は、従来の索道方式のリフトと比較し
て、個別の搬器の運転の断続および速度の緩急切換の容
易、曲線や勾配及びこれらの合成よりなる搬送経路設定
の容易等の特徴等を有しているので、従来の屋外におけ
る索道方式のリフトの代替用途のみでなく、屋内スキー
場施設等における多様な搬送経路のレイアウト要求にも
特に好適に対応できる。
【0060】しかしこのような用途の場合、その搬送経
路は常に勾配を伴った区間に架設され、かつ乗客の搬送
は主として走行軌条の上り過程においてのみで行われる
ので搬器停止の際における逆走の防止対策は特に重要要
件であった。
【0061】本発明の逆走防止装置はクラッチ手段を内
蔵したスプロケット車を圧下軌条によって圧下して噛み
合わせを行うものであるから、動作が迅速であること、
常時は噛み合いをしていないので騒音の発生がないこ
と、隣り合うリンクチェンとの連通箇所においてもスプ
ロケット車の引き外し、再噛合いが円滑であること、及
び比較的簡単な構成よりなり前記実施例に例示した以外
のリニア式懸垂搬送装置の場合にも適用可能であること
などの利点ないし効果を有し、搬送の安全上有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】逆走防止装置を備えた軌条走行リニア式懸垂搬
送装置の全体を示す側面図である。
【図2】逆走防止装置を備えた走行機ユニットを示す正
面図である。
【図3】逆走防止装置を備えた走行機ユニットを示す斜
視図である。
【図4】逆走防止装置を示す斜視図である。
【図5】逆走防止装置のクラッチ手段の部分を一部断面
図で示した平面図である。
【図6】逆走防止装置のクラッチ手段の構成を略図で示
した説明図である。
【図7】リンクチェンおよびチェンガイドレールの側面
図である。
【図8】リンクチェンおよびチェンガイドレールを断面
図で示した正面図である。
【図9】チェン、チェンガイドレールおよび押圧レール
の分割配設関係を略図で示した展開図である。
【符号の説明】
1 軌条走行リニア式懸垂搬送装置 2 支持構造物 3 走行軌条 4 下縁フランジ部 5 ウェブ部 6 上縁フランジ部 10 搬器 11 搬器本体 12 リニアモータ 13 固定子巻線 14 調節支持装置 15 移動子 20 走行機 21 複平衡式走行機 22 走行機ユニット 23a,23b ハンガーアーム 24 上端部 24b 上端部 25 ピン 26 走行車輪 27 ピン 28 衝上車輪 29 ブラケット 30 ピン 31 横圧車輪 32 孔 33 ピン 34 連結部材 35 固着端部 36 枢着端部 37 係合凹部 38 ブラケット 40 平衡ビーム 41 ピン 42 孔 43 球面軸受 50 搬器本体 51 ピン 52 懸垂連結部材 53 ピン 54 懸垂機 55 チェアー 60 逆走防止装置 61 スプロケット機構 62 ピン 63 レバー 64 ピン 65 外筒部材 65a 内周部 66 スプロケット車 67a,67b キャップ 68a,68b,68c,68d スペーサ 69 圧下ローラ 70 突出部材 71 引張ばね 72 係止部材 73 クラッチ手段 74 内輪 75 外輪 76 係脱片 80 チェンガイドレール 81 リンクチェン 82 支持部材 83 ガイドレール端末部 84 溝底切欠部 85 円弧底部 86 係止部材 87 テークアップ 90 圧下装置 91 圧下軌条 92 支持ピン 93 レバー 94 上端部 95 下端部 96 ピン 97 ピン 98 連結ロッド 99 アクチュエータ 100a,100b 矢印 A,B,C,D ゾ―ン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000228523 日本ケーブル株式会社 東京都江戸川区西葛西4丁目2番28号 (72)発明者 嶋津 忠廣 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 内田 一義 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 松井 信行 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 越智 達之 大阪府大阪市西区阿波座一丁目3番15号 鹿島建設株式会社 大阪支店内 (72)発明者 宮澤 敬治 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 小林 保則 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 仙波 実 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 株式会社高岳製作所内 (72)発明者 萩野 博幸 三重県三重郡朝日町大字縄生2121番地 株式会社東芝 三重工場内 (72)発明者 石橋 文徳 三重県三重郡朝日町大字縄生2121番地 株式会社東芝 三重工場内 (72)発明者 小豆澤 照男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式 会社東芝 総合研究所内 (72)発明者 宮島 直人 千葉県習志野市茜浜三丁目1番4号 日 本ケーブル株式会社 本社工場内 (56)参考文献 特開 平3−95021(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高架位置に架設された走行軌条と、複数
    の走行車輪を具えて前記走行軌条を転送する走行機と、
    前記走行機に懸垂された搬器と、前記走行軌条において
    前記搬器の進行方向に沿って並設された固定子巻線と、
    前記走行機において前記固定子巻線と対向位置に固設さ
    れた移動子と、を用いて前記固定子巻線と前記移動子と
    で構成するリニアモータの相互作用によって前記搬器を
    推進駆動して搬送を行う搬送装置において、前記走行軌
    条には前記搬器の進行前後方向に沿ってリンクチェンを
    延設すると共に、前記走行機には前記リンクチェンと噛
    み合うスプロケット車をクラッチ手段を介在させて枢着
    かつ前記スプロケット車を前記リンクチェンと噛み合
    い及び離脱する位置に変位させるアクチュエータを具え
    てなり、前記クラッチ手段は前記スプロケット車の一方
    方向回転のみを許容し、他の方向回転は制止するワンウ
    ェイクラッチを用いてなるものである軌条走行リニア式
    懸垂搬送装置の逆走防止装置。
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JPH0395021A (ja) * 1989-09-08 1991-04-19 Ube Ind Ltd ブレーキ機構を備えたリニア搬送装置

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