JP2536492B2 - 工具材料 - Google Patents
工具材料Info
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- JP2536492B2 JP2536492B2 JP61209151A JP20915186A JP2536492B2 JP 2536492 B2 JP2536492 B2 JP 2536492B2 JP 61209151 A JP61209151 A JP 61209151A JP 20915186 A JP20915186 A JP 20915186A JP 2536492 B2 JP2536492 B2 JP 2536492B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、工具用の母材の表面に高硬度の膜を形成
した工具材料に関する。
した工具材料に関する。
従来から、工具用の母材の表面に、例えば熱CVD法、
プラズマCVD法、光CVD法等によって、窒化ホウ素(BN)
あるいは窒化シリコン(典型的にはSi3N4)から成る高
硬度の膜を形成することによって、工具寿命を延長させ
ることが行われている。
プラズマCVD法、光CVD法等によって、窒化ホウ素(BN)
あるいは窒化シリコン(典型的にはSi3N4)から成る高
硬度の膜を形成することによって、工具寿命を延長させ
ることが行われている。
所が、窒化ホウ素から成る膜は高硬度を示すが靱性が
劣るため、当該膜を被覆した工具材料を工具に使用し場
合、刃先のチッピング脱落を起こし易いという欠点があ
る。一方、窒化シリコンから成る膜は靱性は良いが硬度
が窒化ホウ素に比べて劣るため、当該膜を用いた場合は
寿命等の点で劣るという欠点がある。
劣るため、当該膜を被覆した工具材料を工具に使用し場
合、刃先のチッピング脱落を起こし易いという欠点があ
る。一方、窒化シリコンから成る膜は靱性は良いが硬度
が窒化ホウ素に比べて劣るため、当該膜を用いた場合は
寿命等の点で劣るという欠点がある。
そこでこの発明は、高硬度と良靱性度とを両立させる
ことができる膜を表面に形成した工具材料を提供するこ
とを主たる目的とする。
ことができる膜を表面に形成した工具材料を提供するこ
とを主たる目的とする。
この発明の工具材料は、工具用の母材の表面に、ホウ
素、窒素およびシリコンから成る膜を形成しており、し
かもこの膜におけるシリコンの原子濃度が1〜5%であ
ることを特徴とする。
素、窒素およびシリコンから成る膜を形成しており、し
かもこの膜におけるシリコンの原子濃度が1〜5%であ
ることを特徴とする。
上記膜においては、そこに含ませるシリコンの原子濃
度を上記のような範囲にすることによって、高硬度と良
靱性度とを両立させることができる。
度を上記のような範囲にすることによって、高硬度と良
靱性度とを両立させることができる。
第1図は、この発明の一実施例に係る工具材料を模式
的に示す断面図である。この実施例の工具材料2は、工
具用の母材4の表面に、ホウ素、シリコンおよび窒素か
ら成る膜6を形成している。
的に示す断面図である。この実施例の工具材料2は、工
具用の母材4の表面に、ホウ素、シリコンおよび窒素か
ら成る膜6を形成している。
工具用の母材4としては種々のもの、例えば超硬合金
材料や工具鋼等が採り得る。またその形状も種々のもの
が採り得る。
材料や工具鋼等が採り得る。またその形状も種々のもの
が採り得る。
上記膜6は、例えば熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD
法、イオンプレーティング等によって形成することがで
きる。
法、イオンプレーティング等によって形成することがで
きる。
上記膜6においては、そこに含ませるシリコン原子濃
度を盛業することによってその硬度および靱性度を制御
することができ、しかも両者を両立させることができ
る。
度を盛業することによってその硬度および靱性度を制御
することができ、しかも両者を両立させることができ
る。
実験例を示すと、第2図のような装置を用いて、超硬
チップ等から成る工具用の母材4上に上記のような膜6
を形成した。
チップ等から成る工具用の母材4上に上記のような膜6
を形成した。
第2図はプラズマCVD装置の一例を示す概略図であ
り、真空ポンプ10によって排気される真空容器8内に、
電極兼用のホルダ12と電極16とを対向させて両者間に高
周波電源18を接続している。真空容器8内には、反応ガ
スGとして、ガス源22a〜22dからの後述するようなガス
を流量調節器20a〜20dによって調節して混合したものが
導入される。ホルダ12上には上記母材4が装着され、そ
れはヒータ14によって加熱される。
り、真空ポンプ10によって排気される真空容器8内に、
電極兼用のホルダ12と電極16とを対向させて両者間に高
周波電源18を接続している。真空容器8内には、反応ガ
スGとして、ガス源22a〜22dからの後述するようなガス
を流量調節器20a〜20dによって調節して混合したものが
導入される。ホルダ12上には上記母材4が装着され、そ
れはヒータ14によって加熱される。
使用したガスの種類とその流量は、ジボラン(B2H6)
が0〜50ml/min、アンモニア(NH3)+窒素(N2)が0
〜300ml/min、モノシラン(SiH4)が0〜50ml/minであ
る。
が0〜50ml/min、アンモニア(NH3)+窒素(N2)が0
〜300ml/min、モノシラン(SiH4)が0〜50ml/minであ
る。
処理に際しては、真空容器8内を10-7Torr台まで排気
した後、反応ガスGを導入して真空容器8内の圧力を0.
01〜10Torr程度に保ち、ホルダ12と電極16間に高周波電
源18から高周波電力を供給してプラズマ24を生成させ、
それによって母材4の表面に前述したような膜6を形成
した。その場合、母材4の温度は室温〜700℃程度と
し、ホルダ12と電極16間に供給する高周波電力は0〜15
0W程度とした。
した後、反応ガスGを導入して真空容器8内の圧力を0.
01〜10Torr程度に保ち、ホルダ12と電極16間に高周波電
源18から高周波電力を供給してプラズマ24を生成させ、
それによって母材4の表面に前述したような膜6を形成
した。その場合、母材4の温度は室温〜700℃程度と
し、ホルダ12と電極16間に供給する高周波電力は0〜15
0W程度とした。
上記のようにして得られた膜6の特性の一例を第3図
に示す。図中の横軸は膜6中のシリコンの原子濃度
〔%〕を、縦軸は硬度および靱性値を示す。硬度は3ビ
ッカース硬度であり、マイクロビッカース硬度計を用い
て圧子荷重10gfで測定した。靱性値は、圧子跡から伸び
るクラックの長さ〔μ〕とした。また、上記の場合の窒
素の原子濃度はほぼ一定とし、ホウ素の原子濃度はシリ
コンのそれにほぼ反比例させるようにした。
に示す。図中の横軸は膜6中のシリコンの原子濃度
〔%〕を、縦軸は硬度および靱性値を示す。硬度は3ビ
ッカース硬度であり、マイクロビッカース硬度計を用い
て圧子荷重10gfで測定した。靱性値は、圧子跡から伸び
るクラックの長さ〔μ〕とした。また、上記の場合の窒
素の原子濃度はほぼ一定とし、ホウ素の原子濃度はシリ
コンのそれにほぼ反比例させるようにした。
第3図から分かるように、シリコンの原子濃度を変え
ることによって膜6の硬度および靱性度を制御すること
ができた。例えば、シリコンの原子濃度を0に近付ける
と、硬度は非常に高くなるが靱性度はやや劣るようにな
る。これは、そのようにすると膜6が窒化ホウ素(BN)
膜に近付くためと考えられる。一方、シリコンの原子濃
度を増やしていくと、靱性度はある段階で最高に達して
飽和し、硬度は徐々に低下するようになる。これは、シ
リコンの原子濃度が50%に近付くにつれて膜6が窒化シ
リコン(SiNx)膜に近付くためと考えられる。
ることによって膜6の硬度および靱性度を制御すること
ができた。例えば、シリコンの原子濃度を0に近付ける
と、硬度は非常に高くなるが靱性度はやや劣るようにな
る。これは、そのようにすると膜6が窒化ホウ素(BN)
膜に近付くためと考えられる。一方、シリコンの原子濃
度を増やしていくと、靱性度はある段階で最高に達して
飽和し、硬度は徐々に低下するようになる。これは、シ
リコンの原子濃度が50%に近付くにつれて膜6が窒化シ
リコン(SiNx)膜に近付くためと考えられる。
いずれにしても、膜6中のシリコンの原子濃度が50%
未満(0を含まない)の場合は、高硬度を保ちつつ靱性
度の良い膜6が得られるが、その内でも特に、シリコン
の原子濃度が1〜5%程度の場合は、硬度および靱性度
の非常に良い膜6が得られた。
未満(0を含まない)の場合は、高硬度を保ちつつ靱性
度の良い膜6が得られるが、その内でも特に、シリコン
の原子濃度が1〜5%程度の場合は、硬度および靱性度
の非常に良い膜6が得られた。
従って上記のような膜6を母材表面に形成した工具材
料2は、当該膜6の高硬度と良靱性度とを生かすことが
できるので、従来の窒化ホウ素膜を被覆した工具材料を
用いた工具で発生していた刃先のチッピング脱落を防止
しつつ工具の長寿命化を図ることができる。
料2は、当該膜6の高硬度と良靱性度とを生かすことが
できるので、従来の窒化ホウ素膜を被覆した工具材料を
用いた工具で発生していた刃先のチッピング脱落を防止
しつつ工具の長寿命化を図ることができる。
以上のようにこの発明の工具材料においては、工具用
母材の表面に形成した膜におけるシリコンの原子濃度を
1〜5%にしたので、当該膜自体において高硬度と良靱
性度とを両立させることができ、従ってこのような膜を
工具用母材の表面に形成したこの発明の工具材料は、耐
摩耗性と耐欠損性の両方に優れたものとなる。その結
果、この発明の工具材料によれば、工具の長寿命化を図
ると共に刃先のチッピング脱落を防止することができ、
非常に優れた工具を実現することができる。
母材の表面に形成した膜におけるシリコンの原子濃度を
1〜5%にしたので、当該膜自体において高硬度と良靱
性度とを両立させることができ、従ってこのような膜を
工具用母材の表面に形成したこの発明の工具材料は、耐
摩耗性と耐欠損性の両方に優れたものとなる。その結
果、この発明の工具材料によれば、工具の長寿命化を図
ると共に刃先のチッピング脱落を防止することができ、
非常に優れた工具を実現することができる。
第1図は、この発明の一実施例に係る工具材料を模式的
に示す断面図である。第2図は、プラズマCVD装置の一
例を示す概略図である。第3図は、実験によって得られ
た膜の特性の一例を示す図である。 2……この発明に係る工具材料、4……母材、6……
膜。
に示す断面図である。第2図は、プラズマCVD装置の一
例を示す概略図である。第3図は、実験によって得られ
た膜の特性の一例を示す図である。 2……この発明に係る工具材料、4……母材、6……
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−155508(JP,A) 特開 昭55−150941(JP,A) 特開 昭57−43981(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】工具用の母材の表面に、ホウ素、窒素およ
びシリコンから成る膜を形成しており、しかもこの膜に
おけるシリコンの原子濃度が1〜5%であることを特徴
とする工具材料。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61209151A JP2536492B2 (ja) | 1986-09-04 | 1986-09-04 | 工具材料 |
US07/092,537 US4866746A (en) | 1986-09-04 | 1987-09-03 | Coated material and X-ray exposure mask |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61209151A JP2536492B2 (ja) | 1986-09-04 | 1986-09-04 | 工具材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6365065A JPS6365065A (ja) | 1988-03-23 |
JP2536492B2 true JP2536492B2 (ja) | 1996-09-18 |
Family
ID=16568157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61209151A Expired - Fee Related JP2536492B2 (ja) | 1986-09-04 | 1986-09-04 | 工具材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2536492B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100227184B1 (ko) * | 1996-03-07 | 1999-10-15 | 겐지 아이다 | 시아노기를 가지는 핵할로겐화 방향족 화합물의 제조방법 |
JP5860734B2 (ja) * | 2012-03-13 | 2016-02-16 | 株式会社ライテック研究所 | 硬質皮膜被覆部材およびその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55150941A (en) * | 1979-05-09 | 1980-11-25 | Mitsubishi Metal Corp | Cutting tool of coated sintered hard alloy |
JPS5743981A (en) * | 1980-08-27 | 1982-03-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | High toughness coating tool and preparation thereof |
JPS60155508A (ja) * | 1984-08-02 | 1985-08-15 | Res Dev Corp Of Japan | 耐湿性にすぐれた透明性非晶質窒化ホウ素組成物 |
-
1986
- 1986-09-04 JP JP61209151A patent/JP2536492B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6365065A (ja) | 1988-03-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |