JP2536403B2 - 液晶駆動装置 - Google Patents

液晶駆動装置

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JP2536403B2
JP2536403B2 JP5148786A JP14878693A JP2536403B2 JP 2536403 B2 JP2536403 B2 JP 2536403B2 JP 5148786 A JP5148786 A JP 5148786A JP 14878693 A JP14878693 A JP 14878693A JP 2536403 B2 JP2536403 B2 JP 2536403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドットマトリクスの液
晶表示パネルを駆動する液晶駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯用の小型テレビジョン受像
機、小型電子式計算機等の表示部には、一般にドットマ
トリクスの液晶表示パネルが使用されている。NTSC
方式によるテレビジョン受像機では、垂直周波数が60
Hzであるので、各フィールドの画像は17[ms]
(=1/60[s])毎に表示しなければならず、液晶
表示パネルの応答速度は必然的に17[ms]より充分
速いことが望まれる。しかしながら、現状における液晶
表示パネルの応答速度は50〜100[ms]程度であ
り、また、累積応答性のために動画表示の際に残像が見
えてしまうという欠点があった。
【0003】そこで、応答速度を向上させ、残像が出な
くなる液晶駆動装置として次のような方法が提案されて
いる。すなわち、液晶表示パネル中の一画素に着目する
と、1F(フレーム:本願明細書中に言う「フレーム」
とは、表示パネルの1画面を構成する絵素全てが1通り
走査される期間を示し、例えばTV信号の1フィールド
毎に1画面を構成する絵素全てを1通り走査して表示を
行なう場合においては、TV信号の1フィールドと本願
中にいう1フレームとは等しいものとみなし、TV信号
の1フレームとは必ずしも一致しない。)に1回選択状
態となり、画像データがリフレッシュされる。液晶表示
パネルが累積応答性を有することは周知であるが、この
累積応答性を数式のモデルとして表すと、 yn =(1−K)xn +Kyn-1 …(1) (ただし、K:定数 xn :入力画像データ yn :出力画像データ(表示されるデータ) となる。この(1)式をZ変換すると、 Y(z) =(1−K)X(z) +KZ-1Y(z) Y(z) =(1−K)X(z) /(1−KZ-1) …(2) (ただし、Z-1:1フレーム分の遅延演算子)となる。
したがって、液晶表示パネルの伝達関数H(z) は、 H(z) =(1−K)/(1−KZ-1) …(3) と考えることができる。ここで液晶表示パネルの伝達関
数とは逆の伝達関数で信号の前処理を行なえば、表示の
応答速度を改善することができる。すなわち、 X(z) =(1−KZ-1)W(z) /(1−KZ-1) …(4) この(4)式をZ逆変換すると、 xn =(wn −Kwn-1 )/(1−K) …(5) の式が得られる。
【0004】更に、この(5)式は、 xn =K(wn −wn-1 )/(1−K)+wn …(6) と表すことができる。
【0005】なお、上記の信号処理は、動画領域につい
てのみ行なうようにする必要がある。また、こうして得
られた信号xn は、その振幅が大きくなってしまい、そ
のまま液晶表示パネルで表示させることは不可能である
ので、リミッタによってxnとwn の振幅を等しくする
必要がある。
【0006】また、上記のような信号xn は、動きの速
い画像の応答性を改善することは有効であるが、反面、
動きが少なく、静止画に近い画像に対しては僅かな変化
が強調されてしまうため、ノイズが多くなってしまうと
いう問題がある。従って、上記のような信号xn の処理
は、画像の変化がある程度以上の画素、領域に対して行
なう必要がある。
【0007】図2は上記(6)式を実現するための回路
構成を示すもので、アナログ映像入力信号は、A/D変
換器11によりデジタル信号wn に変換された後、1フ
レーム遅延回路12、減算器13の+入力側及び加算器
15に入力される。また、1フレーム遅延回路12によ
り1フレーム分例えば1/60[s]あるいは1/30
[s]だけ遅延された信号wn-1 は、減算器13の−入
力側に入力される。減算器13は、A/D変換器11か
らの信号wn と1フレーム遅延回路12からの信号w
n-1 とにより、「wn −wn-1 」の減算を行ない、その
差を乗算器14及び動き検出回路16に出力する。
【0008】この動き検出回路16は、減算器13から
送られてくる減算結果、即ち、1フレーム分の時間差を
有する2つの信号wn ,wn-1 の減算結果が所定以上で
あった場合に、画像の変化が大きいと判断して動画領域
として処理するもので、静止画領域では定数Kの値を
「0」とし、動画領域では定数Kの値を「0<K<1」
の範囲内で予め設定された値を出力する。そして、動き
検出回路16から出力される定数Kに基づく「K/(1
−K)」の値が乗算器14に乗数値として与えられる。
【0009】乗算器14は、減算器13から入力された
信号を「K/(1−K)」倍し、加算器15に出力す
る。この加算器15は、A/D変換器11からのデジタ
ル信号wn と乗算器14からの信号とを加算し、その加
算結果をリミッタ17に出力する。このリミッタ17
は、加算器15から送られてきた信号がA/D変換器1
1の出力信号wn の振幅を越えていた場合に、これを演
算によって制限するもので、その出力が信号xn として
セグメントドライバ18に送られる。そして、セグメン
トドライバ18及びコモンドライバ20によって液晶表
示パネル19が駆動される。上記液晶表示パネル19、
コモンドライバ20及び上記A/D変換器11は、タイ
ミング信号発生回路21から送られてくるタイミング信
号に同期して動作する。
【0010】しかして、A/D変換器11から出力され
るデジタル信号wn と1フレーム遅延回路12から出力
される信号wn-1 は、減算器13に入力されて減算処理
され(wn −wn-1 」)、その減算結果が動き検出回路
16に送られる。この動き検出回路16は、1フレーム
分の時間差を有する2つの信号wn ,wn-1 の差からそ
の画素の画像の変化(動き)が大きいか否かを判断し、
その判断結果に応じて定数Kを出力する。そして、この
定数Kに基づいて「K/(1−K)」の値が上記乗算器
14に与えられる。
【0011】例えばA/D変換器11の出力するデジタ
ル信号wn 及びこれを1フレーム遅延回路12で1フレ
ーム分遅延させた信号wn-1 は、映像信号の輝度成分を
mビットの重みを持ったデータで表したものであるの
で、これらの差分がある所定ビット以上あるか否かで画
像の変化が大きいか否かを判断する。この判断結果によ
って動き検出回路16から出力される定数Kのとり得る
範囲は「0≦K<1」である。変化が小さいと判断され
た場合は定数Kの値は「0」となり、その結果、乗算器
14の出力は「0」となり、画像変化を強調する信号処
理を行なわない回路となる。また、変化が大きいと判断
された場合は、定数Kは「0<K<1」の範囲内で予め
設定された値とされる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の回路構成とする
ことにより、画像の変化が大きかった場合に予めその画
像変化を強調する信号処理を施したデータによって液晶
表示パネルを駆動することができるので、残像となる影
響成分を除去することが可能となり、液晶表示パネルの
応答速度を改善することができる。
【0013】しかし、上記の液晶駆動装置は、減算器1
3から出力される信号に基づいて動き検出回路32が画
像の動き検出を行なっているが、静止画であっても非常
に大きな輝度変化を有する輪郭部分などでは動画領域で
あると誤検出する可能性がある。これは特に、テレビ信
号の偶数フィールドと奇数フィールドとを各々1フレー
ムとして表示するような液晶表示装置において偶数フィ
ールドと奇数フィールドとで動き検出を行なうと可能性
が高い。
【0014】本発明は上記実情に鑑みて成されたもの
で、静止画における輪郭部分等の輝度変化が大きい部分
に対して動画領域であると誤検出する虞れがなく、動画
領域のみ画像変化を強調する信号処理を行なうことがで
き、静止画の輪郭部分におけるノイズの発生を確実に防
止し得る液晶駆動装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、第nフレーム
のデータから第n−1フレームのデータを減算し、その
減算出力を設定基準値と比較し、設定基準値より小さい
場合に静止画領域、設定基準値より大きい場合に動画領
域であると判断して定数Kを出力するようにし、かつ、
現ラインのデータと1ライン前のデータとを比較し、そ
の変化量がある設定値以上となった場合に上記動き検出
手段に対し、動画領域としての検出動作を行なわないよ
うに構成したものである。
【0016】
【作用】上記のように現ラインのデータと1ライン前の
データとの間の変化量が大きい場合に、動き検出手段に
対し、静止画領域を検出したものとして処理させること
により、静止画における輪郭部分等の輝度変化の大きい
部分が動画領域であると誤検出されることがなくなり、
安定した動作が行なわれる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1に示すようにアナログ映像入力信号は、A
/D変換器11によりデジタル信号wn に変換された
後、1フレーム遅延回路12、減算器13の+入力側及
び加算器15に入力される。また、1フレーム遅延回路
12により1フレーム分例えば1/60[s]あるいは
1/30[s]だけ遅延された信号wn-1 は、減算器1
3の−入力側に入力される。減算器13は、A/D変換
器11からの信号wn と1フレーム遅延回路12からの
信号wn-1 とにより、「wn −wn-1 」の減算を行な
い、その差を乗算器14及び動き検出回路16に出力す
る。この動き検出回路16には、更にA/D変換器11
の出力信号wn が直接及びラインメモリ31を介して入
力される。
【0018】上記動き検出回路16は、減算器13から
送られてくる減算結果、即ち、1フレーム分の時間差を
有する2つの信号wn ,wn-1 の減算結果が所定以上で
あった場合に、画像の変化が大きいと判断して動画領域
として処理するもので、静止画領域では定数Kの値を
「0」とし、動画領域では定数Kの値を「0<K<1」
の範囲内で予め設定された値を出力する。この場合、動
き検出回路16は、A/D変換器11から現ライン信号
n とラインメモリ31から出力される1ライン前の信
号とのレベル差が、ある設定されたビット以上であった
場合は、静止画におけるエッジ部分を含んでいると判断
し、静止画領域として処理する。そして、上記動き検出
回路16から出力される定数Kに基づく「K/(1−
K)」の値が乗算器14に乗数値として与えられる。
【0019】乗算器14は、減算器13から入力された
信号を「K/(1−K)」倍し、加算器15に出力す
る。この加算器15は、A/D変換器11からのデジタ
ル信号wn と乗算器14からの信号とを加算し、その加
算結果をリミッタ17に出力する。このリミッタ17
は、加算器15から送られてきた信号がA/D変換器1
1の出力信号wn の振幅を越えていた場合に、これを演
算によって制限するもので、その出力が信号xn として
セグメントドライバ18に送られる。そして、セグメン
トドライバ18及びコモンドライバ20によって液晶表
示パネル19が駆動される。
【0020】上記の構成において、A/D変換器11か
ら出力されるデジタル信号wn と1フレーム遅延回路1
2から出力される信号wn-1 は、減算器13に入力され
て減算処理され(wn −wn-1 )、その減算結果が動き
検出回路16に送られる。この動き検出回路16は、減
算器13から送られてくる1フレーム分の時間差を有す
る2つの信号wn ,wn-1 の差からその画素の画像の変
化(動き)が大きいか否か、つまり、動画領域であるか
静止画領域であるかを判断し、静止画領域では定数Kの
値を「0」とし、動画領域では定数Kの値を「0<K<
1」の範囲内で予め設定された値を出力する。このとき
動き検出回路16は、上記現ライン信号wn と1ライン
前の信号とのレベル差をチェックし、そのレベル差があ
る設定されたビット以上であった場合は、「wn −w
n-1 」の値が動画領域にある場合でも、静止画における
エッジ部分を含んでいると判断し、静止画領域としての
処理動作を行ない、定数Kの値を「0」とする。
【0021】そして、上記動き検出回路16から出力さ
れる定数Kに基づく「K/(1−K)」の値が乗算器1
4に乗数値として与えられ、乗算器14の乗算動作が制
御される。即ち、動き検出回路16において静止画領域
であると判断された場合は定数Kとして「0」が出力さ
れ、乗算器14の出力は「0」となる。この結果、xn
=wn となり、画像変化の強調は行なわれない。
【0022】また、動き検出回路16において動画領域
であると判断された場合は、定数Kとして「0<K<
1」の範囲内で予め設定された値が出力され、乗算器1
4から「K(wn −wn-1 )/(1−K)」の信号が出
力される。この結果、加算器15よりリミッタ17を介
して出力される信号は、「K(wn −wn-1 )/(1−
K)+wn 」となり、画像変化を強調する信号処理が施
される。
【0023】上記のようにして画像の変化が大きかった
場合に予めその画像変化のを強調する信号処理を施した
データにより液晶表示パネル19が駆動され、残像とな
る影響成分が除去される。しかし、現ラインのデータと
1ライン前のデータとの間の変化量が大きい場合には、
動き検出回路16が静止画領域を検出したものとして動
作する。これにより静止画における輪郭部分等の輝度変
化の大きい部分であっても、動画領域であると判断され
ることはなく、静止画に対する正しい処理が実行され
る。
【0024】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、第
nフレームのデータから第n−1フレームのデータを減
算し、その減算出力を設定基準値と比較し、設定基準値
より小さい場合に静止画領域、設定基準値より大きい場
合に動画領域であると判断して定数Kを出力するように
し、かつ、現ラインのデータと1ライン前のデータとを
比較し、その変化量がある設定値以上となった場合に上
記動き検出手段に対し、動画領域としての検出動作を行
なわないように構成したので、静止画における輪郭部分
等の輝度変化が大きい部分に対しても動画領域であると
誤検出する虞れがなく、動画領域でのみ画像変化を強調
する信号処理を行なうことができ、静止画の輪郭部分に
おけるノイズの発生を確実に防止して画像品質を向上し
得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る液晶駆動装置の回路構
成を示すブロック図。
【図2】現在提案されている残像防止のための液晶駆動
装置の回路構成を示すブロック図。
【符号の説明】
11 A/D変換器 12 1フレーム遅延回路 13 減算器 14 乗算器 15 加算器 16 動き検出回路 17 リミッタ 18 セグメントドライバ 19 液晶表示パネル 20 コモンドライバ 31 ラインメモリ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第nフレームのデータから第n−1フレ
    ームのデータを減算する減算手段と、 この減算手段の出力データを設定基準値と比較し、設定
    基準値より小さい場合に静止画領域、設定基準値より大
    きい場合に動画領域であると判断して定数Kを出力する
    動き検出手段と、 上記第nフレームにおける現ラインのデータと1ライン
    前のデータとを比較し、その変化量がある設定値以上と
    なった場合に上記動き検出手段から静止画領域に対する
    定数を出力させる制御手段と、 上記減算手段から出力されるデータをK/(1−K)倍
    する乗算手段と、 この乗算手段から出力されるデータと上記第nフレーム
    のデータとを加算する加算手段と、 この加算手段から出力されるデータにより液晶表示パネ
    ルを駆動する駆動手段と、 を具備したことを特徴とする液晶駆動装置。
JP5148786A 1993-06-21 1993-06-21 液晶駆動装置 Expired - Lifetime JP2536403B2 (ja)

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