JP2536350Y2 - 菓子パック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、複数種類の菓子を１
組として組み合わせて成る菓子パックに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、あられ・一口チョコレート・
煎餅などのスナック菓子類の販売の際の形態は大別する
と以下のような２つのものがある。

【０００３】通常最も一般的な形態は、図４に示すよう
に同一種類のもののみ（例えば、おかきのみや一口チョ
コレートのみ）をそのままで或いは小分け袋７に包装し
更にこれらを一定量プラスチック・フィルム等より作製
された包装用化粧袋８に収容して販売するものである。

【０００４】この形態の場合には単一種類の菓子ばかり
が収容されているので、その味も収容されているものが
単独で有する味わいのみに過ぎない。

【０００５】上記形態の他に、図５に示すように、同一
業種に属する生産者等で製造される菓子のうち数種類
（例えば、あられ３・煎餅６などの餅菓子のうち種類）
を一定量集め、これらをプラスチック・フィルム等より
作製された包装用化粧袋８に収容して所謂「お好み」と
して販売するものがある。

【０００６】この形態は単に数種類の菓子を寄せ集めて
いるだけであり、味わいの方も同様にこれらの菓子が単
独で有する味の単なる寄せ集めに過ぎない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】そこでこの考案では、
菓子が単独で持っている味の寄せ集め以上の味わいを有
する菓子パックを提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この考案は以下のような手段を採用した。

【０００９】即ち、たまり醤油つきあられと、ピーナッ
ツと、エビ入り煎餅との３種の中からそれぞれ１個また
は数個が組み合わされ、これらがその組合せで食するべ
き１組として包装されていることとした。

【００１０】前記たまり醤油つきあられには海苔が巻か
れていることとしてもよく、前記ピーナッツには粉糖が
まぶされていることとしてもよく、前記エビ入り煎餅が
エビ、及び澱粉若しくは小麦粉を主成分とすることとし
てもよい。

【００１１】

【作用】上述のような手段を採用した結果、この考案は
次のような作用を有する。

【００１２】この考案の菓子パックによると、単に雑多
な味の組み合わせで味覚が多様化されるのではなくて、
たまり醤油つきあられの醤油の芳ばしさと、エビ入り煎
餅の塩味の上品さと、ピーナッツのコクのある奥深さと
の３種がミックスされ、今までにはなかった味わいが相
乗効果的に口の中に生じる。

【００１３】そして、これら３種がその組合せで食する
べき１組として包装されていることと相まって、３種が
ミックスされたことにより相乗効果的に生じた今までに
はなかった味わいは、その組み合わせで食べるという経
験により、味覚によって一定の確実性をもって生理学的
に見出すことができる。

【００１４】つまり、この考案の菓子パックでは、たま
り醤油つきあられと、ピーナッツと、エビ入り煎餅のそ
れぞれが有する味の単なる総和以上の味わいが、上記３
種の菓子の味の相乗効果により生じる。

【００１５】たまり醤油つきあられに海苔が巻かれてい
るとふくよかな海の薫りが、ピーナッツには粉糖がまぶ
されているとほのかな旨みが、エビ入り煎餅がエビ、及
び澱粉若しくは小麦粉を主成分とすることとするとさっ
くりとした歯応えを得ることができ、その味わいはさら
に卓越したものとなる。

【００１６】

【実施例】以下、この考案に係る菓子パックを実施例と
して示した図面に従って更に詳細に説明する。

【００１７】第１図および第２図はこの実施例に係る菓
子パック１を示したもので、海苔２が巻かれたたまり醤
油つきあられ３が１個、粉糖４がまぶされているピーナ
ッツ５が３個、澱粉若しくは小麦粉を主成分とするエビ
入り煎餅６が２枚から成る組合せを１組とし、プラスチ
ックフィルム製の小袋７に収容した。

【００１８】ある一定の異種の食物の組合せを同時に又
は順次食べることによって、それぞれ単独のものが本来
有している味以上の味わいが相乗効果的に生じることは
経験的に知られるところであり、例えば生ハムとメロ
ン、ハム・ステーキとパイナップルの如きのものであ
る。

【００１９】この異種の食物の組合せとして上記３種３
・５・６を選んだのは、本考案者の研究・経験によりこ
の３種３・５・６をこの組合せでほぼ同時に又は順次食
べていくと、前記３種の菓子３・５・６のそれぞれが有
する味が渾然一体となり、それぞれを単独で食べる際と
は比較にならないほど芳醇な味わいが相乗効果的に醸し
だされるからである。

【００２０】ここで、たまり醤油つきあられ３、ピーナ
ッツ５、エビ入り煎餅６はそれぞれ次のような特徴を有
している。

【００２１】たまり醤油つきあられ３の特徴は、たまり
醤油の焦げたような芳ばしさという長所にある一方、こ
ればかりを食べていると醤油味特有のしつこさに辟易し
てくるという欠点がある。ピーナッツ５の特徴はコクの
深さを有するという長所にある一方、こればかりを食べ
ているとその脂肪分により胃が重くなってくるという欠
点がある。エビ入り煎餅６の特徴はあっさりとした塩味
という長所にある一方、こればかりを食べているとその
淡い塩味に舌が馴れてきて物足りなさを感じてくるとい
う欠点がある。

【００２２】ところが、この菓子パック１では醤油の焦
げたような芳ばしさの刺激と、あっさりとした塩味の上
品さという餅菓子３・６の２大長所が、どちらか一方ば
かりのみを食べている場合に生じる上記他方の欠点を互
いに補い合い、更にこれにピーナッツ５の有するコクの
有る奥深さが加味される。また、ピーナッツ５ばかりを
食べ続けることに起因する前記欠点は、合間合間に上記
他の二種のさっくりとした歯触りを有する餅菓子３・６
を食べることにより解消でき、これら３種の菓子３・５
・６の総和が奏でる魅惑的な味わいには抗しがたいもの
がある。

【００２３】つまり、上記３種３・５・６を組み合わせ
ることにより、それぞれが一体となって、これらが単独
で有する味の総和以上の味わいが相乗効果的に生じる。

【００２４】上記３種３・５・６をプラスチックフィル
ム製の小袋７に収容したのは、味の相乗効果を発揮させ
るためには、これらをこの組合せでほぼ同時に又は順次
食べていくことが必要であるからである。

【００２５】この菓子パック１は、店頭等で販売される
際には、第３図に示すように複数個、プラスチック・フ
ィルムより作製された包装用化粧袋８に収容されてい
る。

【００２６】飲食に供する際は、先ず包装用化粧袋８を
開封し、この中から菓子パック１を取り出す。次に、こ
の菓子パック１を破き、中に収容されているたまり醤油
つきあられ３、ピーナッツ５、エビ入り煎餅６を取り出
して食べる。

【００２７】菓子パック１の内容物が未だ残っている状
態では、通常、次の菓子パック１を開封することはまず
なく、その内容物を食べ終えてから次の菓子パック１を
開封していくものである。よって、たまり醤油つきあら
れ３、ピーナッツ５、エビ入り煎餅６の３種からなる相
乗効果的な味わいが常に消費者の口の中に広がる。

【００２８】

【効果】この考案は上述のような構成を有するものであ
り、３種の菓子の味の単なる総和以上の味わいが相乗効
果的に生じるので、菓子単独で有する味の寄せ集め以上
の味わいを有する菓子パックを提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る菓子パックの実施例を説明する
全体斜視図

【図２】図１の菓子パックの袋を破いて中身を取り出し
た状態を説明する全体斜視図

【図３】図１の菓子パック複数枚を一定量集めこれらの
ものをプラスチック・フィルム等より作製された包装用
化粧袋に収容した状態を説明する全体斜視図

【図４】従来の菓子の販売の際の形態を説明する全体斜
視図

【図５】従来の菓子の販売の際の他の形態を説明する全
体斜視図

【符号の説明】

２ 海苔 ３ たまり醤油つきあられ ４ 粉糖 ５ ピーナッツ ６ エビ入り煎餅

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 たまり醤油つきあられと、ピーナッツ
   と、エビ入り煎餅との３種の中からそれぞれ１個または
   数個が組み合わされ、これらがその組合せで食するべき
   １組として包装されていることを特徴とする菓子パッ
   ク。
2. 【請求項２】 前記たまり醤油つきあられには海苔が巻
   かれていることを特徴とする請求項１記載の菓子パッ
   ク。
3. 【請求項３】 前記ピーナッツには粉糖がまぶされてい
   ることを特徴とする請求項１または２記載の菓子パッ
   ク。
4. 【請求項４】 前記エビ入り煎餅がエビ、及び澱粉若し
   くは小麦粉を主成分とすることを特徴とする請求項１乃
   至３のいずれかに記載の菓子パック。