JP2535642B2 - 水耕栽培用内鉢及びその製造方法 - Google Patents

水耕栽培用内鉢及びその製造方法

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JP2535642B2
JP2535642B2 JP2100797A JP10079790A JP2535642B2 JP 2535642 B2 JP2535642 B2 JP 2535642B2 JP 2100797 A JP2100797 A JP 2100797A JP 10079790 A JP10079790 A JP 10079790A JP 2535642 B2 JP2535642 B2 JP 2535642B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、水耕栽培用内鉢に関するものであり、特に
その内鉢の構造及び製造方法並びに該内鉢を使用した取
り木方法に関するものである。
[従来の技術] 近年、建造物内に大型の樹木が配置されることが多
い。例えば、インテリジェントビルのグリーンスケープ
の形成等にこの大型樹木の設置が行われる。
このように建造物内へ大型樹木を配置する場合は、一
般に取り木方法によって樹木を切断し移送して設置す
る。この取り木とは次のような樹木の繁殖手法である。
まず取り木を行う場合は、分離しようとする幹又は枝の
下部に該当する部分の樹木の樹皮の皮層を環状に剥ぎ取
り環状剥皮部を形成する。そして、環状剥皮部に水苔や
ロックウール等を巻きつける。ロックウールとは輝緑岩
を溶かし繊維状にして正方体に形成したものである。こ
の為、細かい隙間が多く保水性、通気性に優れており植
物の育成に効率がよい。環状剥皮部に水苔やロックウー
ル等を巻きつけた後、ビニールフィルムなどで覆いその
内部に水を貯める。この状態を所定の期間(通常、数週
間から数か月)維持すると、環状剥皮部から発根が起こ
る。こうして発根した後、親木から所望する樹木を切り
離すのである。一般に、環状剥皮部から約100mm下方を
切断する。
建造物内における大型樹木の植えつけには、一般に土
壌による露地植えが行われるのが普通である。すなわ
ち、取り木方法により切断した樹木を水苔が巻きついた
状態で鉢に移し鉢内に土壌を充填する。そして、所定の
建造物へ移送し、建造物内部に配置するのである。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の大型樹木の植付けには以下の様な
問題があった。
土壌による露地植えを行った場合は、植木鉢内で根が
張り根づまりを起こし、根の腐食が生じて土壌臭が発生
することがある。そしてこの土壌臭が、例えば空調機等
によりビル内に拡散され悪臭が広がる等の問題がある。
このような土壌臭を発生させずに樹木を配置する為に
は、土壌を用いない水耕方式を採るとよい。この水耕栽
培方式は通常、草花や底木の樹木等比較的小さな植物の
栽培に用いられる。水耕方式による栽培とは、水に無機
質の栄養分を溶かしこの水のみで植物を育成する栽培方
式をいう。水耕栽培は次の様にして行われる。まず植物
を複数の孔が設けられている内鉢に入れる。内鉢に複数
の孔が設けられているのは、通水性や通気性を担保する
為であり、又成長する植物の根が根づまりを起こさず、
内鉢の外側に張り出すことができるようにである。この
内鉢は軽量化等を図るために通常、高発泡プラスチック
(いわゆる発泡スチロール)によって形成されている。
植物を内鉢に入れた後、礫やハイドロボール等を内鉢
に充填する。そして内鉢に礫又はハイドロボール等を充
填した後、外鉢の中に入れる。そしえ、この内部に栄養
分を含んだ水等を入れて植物を育成する。
ところが、取り木によって親木から切断した大型樹木
を、この水耕栽培方式を用いて設置する場合には次の様
な新たな問題を生じる。建造物内に配置される樹木は、
一般に100kgないし500kgの重量を有する。このような大
型樹木を取り木により切断した後、樹木の根部分を高発
泡プラスチック製の内鉢に入れると移送中に内鉢の損壊
が生じることがある。すなわち、樹木の移送作業の間に
例えば移送の振動により樹木が他のものと接触して、内
鉢に急激に重圧が加わり内鉢が損壊する。樹木の環状剥
皮部から生えている根は取り木直後は微細である為、内
鉢の損壊があった場合はこの発根も損傷してしまう。発
根の損傷は樹木にとって致命的であり、従って樹木の製
品価値に重大な影響を及ぼすという問題がある。
又、切断した後の大型樹木の発根部分を内鉢に入れる
には多くの作業時間を要するという問題も生じる。
そこで、本発明は樹木を設置しても土壌臭が生じない
水耕栽培方式に用いる内鉢であって、取り木作業の作業
効率を向上させることができる水耕栽培用内鉢を提供す
ることを目的とする。
[課題を解決する為の手段] 請求項1の水耕栽培用内鉢は、 管形状を有する管本体であって、所定の大きさを備え
た複数の孔が設けられている管本体、 管本体の一端とつながる底座部であって、その中心部
に所定の大きさの底座部貫通穴を有する底座部、 管本体の中心軸とほぼ同一方向にその中心軸が位置す
る管状保持部であって、その一方の端部が前記底座部貫
通穴の周辺とつながっており、他方の端部は底座部貫通
穴の半径よりも短い半径を有する管状仮保持部、 を備えており、 前記管本体、前記底座部および前記管状仮保持部に
は、連続する切断部が形成されており、当該切断部を境
に前記管本体、前記底座部および前記管状仮保持部を開
くことが可能である、 ことを特徴としている。
請求項2の水耕栽培用内鉢は、 請求項1の水耕栽培用内鉢において、 管本体には、管形状を有する一以上の補助管本体が装
着されて、多層構造を形成しており、 補助管本体には、管本体に設けられている孔とは異な
る大きさの孔が複数設けられている、 ことを特徴としている。
請求項3の水耕栽培用内鉢は、 請求項1又は請求項2の水耕栽培用内鉢において、 管本体、底座部、管状仮保持部又は補助管本体が合成
樹脂により形成されている、 ことを特徴としている。
請求項4の水耕栽培用内鉢の製造型は、 管形状を有する製造型本体、 製造型本体の一端とつながる製造型底面であって、そ
の中心部に所定の大きさの底座貫通穴を有する製造型底
面、 製造型本体の中心軸とほぼ同一方向にその中心軸が位
置する製造型管部であって、製造型底面と接する側の端
部の直径が、他方の端部の直径よりも大きい製造型管
部、 を備えたことを特徴としている。
請求項5の水耕栽培用内鉢の製造方法は、 請求項4の製造型を用いる水耕栽培用内鉢の製造方法
であって、 前記製造型本体の外周面に、加熱収縮性を有し製造型
本体の中心軸方向における長さよりも長い管状部材を装
着する工程であって、前記製造型底面がつながれた製造
型本体の一端よりも該管状部材が突出して突出部を形成
するように管状部材を装着する工程、 管状部材の突出部を加熱して、軟化収縮させる工程、 製造型底面及び製造型管部の所定の面に、軟化収縮さ
れた突出部を押しつけて沿わせる工程、 管状部材を冷却する工程、 請求項4の製造型から管状部材を取り出す工程、 を備えたことを特徴としている。
請求項6の取り木方法は、 請求項1、請求項2又は請求項3の水耕栽培用内鉢を
用いる取り木方法であって、 所望の樹木の所望箇所の皮層を剥ぎ取り、環状剥皮部
を形成する工程、 前記水耕栽培用内鉢の前記底座部貫通穴及び管状仮保
持部に所望の樹木が貫通、内設され、環状剥皮部が前記
管本体内部に位置するように水耕栽培用内鉢を該樹木に
固定する工程、 水耕栽培用内鉢の所定の面に柔軟性を有する液体保持
部材を巻きつけ、水耕栽培用内鉢に注入される液体を保
持し得るようにする工程、 水耕用内鉢内部に液体を注入し、環状剥皮部からの発
根に必要な所定の措置を施す工程、 環状剥皮部からの発根後、樹木の所定箇所を切断する
工程、 を備えたことを特徴としている。
[作用] 請求項1又は請求項2の水耕栽培用内鉢は、管本体の
中心軸とほぼ同一方向にその中心軸が位置する管状仮保
持部を備えており、この管状仮保持部はその一方の端部
が前記底座部貫通穴とつながっており、他方の端部は底
座部貫通穴の半径よりも短い半径を有している。
又、請求項6の取り木方法は、請求項1、請求項2又
は請求項3に係る水耕栽培用内鉢の底座部貫通穴及び管
状仮保持部に所望の樹木を貫通、内設させる。そして、
環状剥皮部を管本体内部に位置させ、当該樹木に水耕栽
培用内鉢を固定して取り木を行う。
従って、樹木に内鉢を備え付けた状態で環状剥皮部か
ら発根させて樹木を切断するので、切断後に内鉢にいれ
る作業を行う必要がない。
又、請求項1の水耕栽培用内鉢は、管本体に複数の孔
が設けられている。
従って、成長した樹木の根が複数の孔から外部に張り
出し、水耕栽培用内鉢内部で根づまりを起はない。
又、請求項1に係る水耕栽培用内鉢は、管本体、底座
部および管状仮保持部に連続する切断部が形成されてお
り、この切断部を境に管本体、底座部および管状仮保持
部を開くことが可能である。
従って、管本体、底座部および管状仮保持部を開くこ
とによって、容易に樹木に水耕栽培用内鉢を取り付ける
ことができる。又上述のように、管状仮保持部の他方の
端部は底座部貫通穴の半径より短い半径を有しているた
め、水耕栽培用内鉢を開いて樹木に取り付けた後は、管
状仮保持部の形状復帰による閉じ作用によって水耕栽培
用内鉢は樹木に確実に固定される。
更に、請求項2の水耕栽培用内鉢は、管本体に一以上
の補助管本体が装着されており、補助管本体には管本体
に設けられている孔とは異なる大きさの孔が複数設けら
れている。
従って、環状剥皮部からの発根に必要な礫等を水耕栽
培用内鉢内部に充填した場合、小さな孔により当該礫等
が外部にこぼれ落ちるのを防止しつつ、大きな孔を有す
る管本体又は補助管本体で水耕栽培用内鉢の耐久性を維
持することができる。
請求項3の水耕栽培用内鉢は、管本体、底座部、管状
仮保持部又は補助管本体が合成樹脂により形成されてい
る。
従って、水耕栽培用内鉢に錆が生じるのを防止するこ
とができる。又、管状仮保持部の可撓性を高めることが
でき、より確実に管状仮保持部の形状復帰による閉じ作
用を得ることができる。
請求項4の水耕栽培用内鉢の製造型は、製造型底面と
接する側の端部の直径が、他方の端部の直径よりも大き
い製造型管部を備えている。
又、請求項5の水耕栽培用内鉢の製造方法は、請求項
4の水耕栽培用内鉢の製造型の製造型本体の外周面に管
状部材を装着し、製造型本体の一端から突出した管状部
材の突出部を加熱して軟化収縮させる。そして、その後
製造型底面及び製造型管部の所定の面に、軟化収縮され
た突出部を押しつけて沿わせる。
従って、管状仮保持部を備えた請求項1、請求項2又
は請求項3の水耕栽培用内鉢を製造することができ、内
鉢を樹木に備え付けた状態で環状剥皮部から発根させる
ことができる。
[実施例] 本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
まず第1図A及び第1図Bに、本発明に係る水耕栽培
用内鉢の一実施例を示す。管本体としての内鉢外筒20は
第1図Aに示すように管形状を有している。そして内鉢
外筒20の一端には、底座部貫通穴22aを有する底座部22
がつながれている。更に底座部貫通穴22a周囲には管状
仮保持部24がつながり一体に形成されている。こうし
て、内鉢外筒20、底座部22及び管状仮保持部24により内
鉢2が形成されている。
第1図Bに示すように管状仮保持部24には第一の補助
切込み部26(J-K)及び第二の補助切込み部27(L-M)が
切断され切込みが設けられている。又内鉢外筒20、底座
部22及び管状仮保持部24は切断部25(F-G,G-H,H-I)に
て連続的に切断されている。すなわち、切断部25が設け
られていることによって内鉢2は、第1図Aに示す矢印
150及び152の方向に開くことが可能なようになってい
る。
水耕栽培用内鉢は第2図に示すようなものでもよい。
この内鉢2は、管状仮保持部24が内鉢外筒20の外部に突
出するように設けられている。尚、第2図に示す内鉢2
も第1図A,Bに示すものと同様に第一の補助切込み部26,
第二の補助切込み部27及び切断部25を備えている(切断
部25は図示せず)。
内鉢2は、樹木の根系部を入れて水耕栽培を行うもの
である。従って、内鉢2には一定以上の耐久性、強度性
が必要である。それは内鉢2を大型樹木の水耕栽培に用
いた場合、樹木の移送中等に内鉢が容易に損壊しないよ
うにである。
更に、内鉢2には所定の大きさを有する複数の孔が設
けられていなければならない(但し、内鉢2の孔は図示
せず)。通気性や通水性を保持し又成長する樹木の根が
根づまりを起こさず内鉢2の外側に張り出すことができ
るようにである。
この為、本実施例では内鉢2の形成に、合成樹脂材料
からなる網目形状を備えた管形状体を用いる。この管形
状体は、合成樹脂ストランドを縦横に編み又は織ったも
の(以下「合成樹脂網目シート」という)により形成さ
れる。合成樹脂網目シートは、例えば第13図に示すもの
の様に、縦ストランド800と横ストランド820との太さが
異なるものであってもよい。又、第14図に示すように所
定の間隔をおいて太いストランド830が形成されている
ものでもよい。
又、内鉢2は取り木作業工程において管形状を有して
いればよい。すなわち、例えば合成樹脂網目シートを巻
いて管形状を形成してもよい。
内鉢2の製造には、例えばプラスチック材料からなる
網状押し出し管状体(特公昭41-19349公報)等を用いる
ことも可能である。このプラスチック材料からなる網状
押し出し管状体(以下「網状押し出し管状体」と略記す
る)は、本来土木排水管として用いられるものである。
すなわち、この網状押し出し管状体は、その内部に石礫
が充填されて地下へ埋没させる。そして、雨水等を管状
体の網目から浸入させて所望の箇所に排水するものであ
る。この為、この網状押し出し管状体は、網状に形成さ
れて多数の孔を有しており、又地下へ埋没されるもので
ある為、一定の強度性を備えている。従って、取り木に
使用する内鉢にこの網状押し出し管状体を使用すること
も可能である。
網状押し出し管状体は、第8図に示すように表層510
と裏層520との二重構造になっており、管形状を有して
いる。表層510と裏層520とは共にプラスチック材からな
り、複数の波型に形成されている。そして、この波型形
状の表層510と裏層520とが互いに交差し、接触部550が
接着して一体形成されているものでる。尚、矢印500
は、管状体の中心軸の配設方向を示している。
又この網状押し出し管状体は、異なる大きさのものが
種々あり、その内径も様々である。従って、あらゆる太
さの樹木に対応させることもできる。尚、内鉢の内径は
通常、200mmないし600mmである。
こうして、プラスチック材料からなる網状押し出し管
状体に二次加工を施せば、有孔性及び強度性を備えた内
鉢2を得ることができる。尚、この実施例においては、
網状押し出し管状体を適当な軸方向長さに切断して使用
する。この切断長さは取り木の対象となる樹木の大きさ
等によって異なる。しかし、後の内鉢製造工程におい
て、底座部22及び管状仮保持部24を形成し得る十分な長
さに切断する必要がある(第1図A参照)。
内鉢2に用いられる管形状体は、管形状を備えていれ
ばよい。すなわち、次の実施例に示すように多数の孔を
有するシート状の部材を巻き込み、管形状を形成して管
形状体として用いてもよい。
以下に、内鉢2の製造に第12図Aに示す合成樹脂網目
シート700を使用するものを掲げる。合成樹脂網目シー
ト700は、第10図に示すように縦横のストランド410によ
って構成されており、多数の孔402が形成され網目状に
なっている(第12図Aにはストランド410及び孔402は示
していない)。縦横のストランド410は、例えば互いに
融着又は一体成形されることによって、網目に目ずれが
生じないようになっている。仮に目ずれが生じると孔40
2の内径408が変ってしまうからである。
この合成樹脂網目シート700を円筒形にして管形状を
構成し、内鉢2の製造に使用する。合成樹脂網目シート
が重なり合うように巻き込み、多層構造に形成してもよ
い。又、円筒ではなく多角形の管形状を構成して内鉢2
を製造することもできる。
但し、合成樹脂網目シートを予め任意の形状(例え
ば、円筒形状や多角形の管形状)に形付けておいた方が
後の作業を容易に行うことができる。例えば、多角形の
管形状を形成する場合は合成樹脂網目シート700を折込
部706(第12図A参照)で折り、第12図Bに示すような
形状に形付けを行う(第12図Bにはストランド410及び
孔402は示していない)。
尚、合成樹脂網目シートの両端部705,706の接触部707
(第12図参照)を、第1図Aに示す切断部25(F-G,G-H,
H-I)として使用してもよい。
次に、内鉢2の製造工程の一実施例を以下に示す。こ
の実施例においては、網状押し出し管状体を用いた製造
工程を示すが、合成樹脂網目シートその他の部材を使用
した場合であっても以下と同様の製造工程で内鉢2を製
造することができる。
まず、第1図A及び第1図Bの内鉢2の製造工程につ
いて説明する。第3図Aに示す製造型本体50の一端には
底面貫通穴52aを有する製造型底面52がつながってい
る。そして、底面貫通穴52aの周辺には更に製造型管部5
4が位置する。製造型管部54の中心軸は、製造型本体50
の中心軸とほぼ同一方向に位置している。そして、製造
型管部54の一方の端部であって、製造型底面52と接する
側の端部の内径l6は、他方の端部の内径であるl5よりも
大きく設けられている。すなわち、底面貫通穴52a近辺
の製造型管部54は、内部に略円錐形の空間54Sを形成し
ている。こうして製造型本体50、製造型底面52及び製造
型管部54により製造型が形成されている。
この製造型本体50の外周面に、図に示すようにまず網
状押し出し管状体30を装着する。網状押し出し管状体30
の長さl2は、製造型本体50の長さl1よりも長い。そし
て、この網状押し出し管状体30は製造型本体50の一端か
ら突出して突出部30Tを形成している。網状押し出し管
状体30を装着した後、固定ベルト35を巻付けて網状押し
出し管状体30を製造型本体50の外周面に固定する。
次に網状押し出し管状体30の突出部30Tを、例えば高
温のオイルバスの中へ浸す等して加熱する。網状押し出
し管状体30は加熱収縮性を有している。この為、加熱さ
れた突出部30Tは軟化収縮して、第3図Aに示す収縮位
置32に位置する。
この後、製造型を矢印102の示す方向に移動させ、円
錐形治具58に押しつける。この円錐形治具58は、製造型
管部54が有する略円錐形の空間54Sに填り合う形状を備
えている。円錐形治具58は、収縮した突出部30Tを押上
げて略円錐形の空間54Sに挿入する。そして円錐形治具5
8は、空間部54Sを形成している製造型管部54の内周面に
突出部30Tを沿わせて押圧する。尚、円錐形治具58の先
端58Tは鋸刃状になっている。従って、突出部30を押上
げて製造型管部54の内周面に沿って押圧させ易い。
円錐形治具58の押上げ、押圧の後、網状押し出し管状
体30を冷却して硬化させる。冷却は製造型本体50、製造
型底面52及び製造型管部54が形成する製造型空間50Sに
水等を入れて行う。この水等は、予め製造型空間50Sに
入れておいてもよい。
そして、固定ベルト35を解除し、製造型及び円錐形治
具58から網状押し出し管状体30を取り出す。その後、第
一の補助切込み部26、第二の補助切込み部27及び連続的
な切断部25(F-G,G-H,H-I)の箇所に切込み、切断を行
い、第1図Aに示す内鉢2を得る。
又、第1図Aに示す内鉢2の他の製造工程の実施例を
第3図Bに示す。第3図Aに示す場合と同様に、製造型
本体50の外周面に網状押し出し管状体30を装着して、固
定ベルト35で固定する。その後、突出部30Tを加熱して
軟化収縮させる。
突出部30Tの先端部には、予めその網目に複数のフッ
ク37が掛けられている。そして、このフック37には各々
ワイヤー39が接続されており、各ワイヤー39は製造型管
部54の内部を通過している。製造型管部54の内部を通過
した各ワイヤー39は、ワイヤー保持部(図示せず)で一
つに束ねられている。この保持された部分から各ワイヤ
ー39の先端に位置する各フック37までの長さは、ほぼ等
しく形成されており、各ワイヤー39に加わる張力が同等
であるようになっている。
突出部30Tを軟化収縮させた後、各ワイヤー39が束ね
られているワイヤー保持部(図示せず)を矢印100の示
す方向に同時に引上げる。ワイヤー39の引上げによっ
て、突出部30Tは空間部54Sを形成している製造型管部54
の内周面に沿って押圧される。その後、網状押し出し管
状体30を冷却して硬化させ、各フック37を網目から取り
外す。
そして、固定ベルト35を解除し、製造型及び円錐形治
具58から網状押し出し管状体30を取り出す。取り出した
網状押し出し管状体30に第一の補助切込み部26、第二の
補助切込み部27及び連続的な切断部25(F-G,G-H,H-I)
を形成して、第1図Aに示す内鉢2を得る。
内鉢製造の加熱工程には、オイルバスではなくセラミ
ック熱板を用いた遠赤外線加熱炉を使用することもでき
る。
尚、遠赤外線加熱炉を使用する場合は、固定ベルト35
として鏡面を有するアルミ板等を用いるとよい。アルミ
板は熱反射性がよいので赤外線を反射し、網状押し出し
管状体30の突出部30T以外の部分が加熱されることはな
い(第3図A及び第3図B参照)。この為、必要以上の
熱収縮を防止して、突出部30Tのみを収縮させることが
できる。
遠赤外線加熱炉を用いて突出部30Tを加熱し、その後
第3図Bに示すように各ワイヤー39を引上げる。又、加
熱後に第3図Aに示す円錐形治具58を押しつけてもよ
い。
次に、第2図に示す内鉢2の製造工程の一実施例を第
4図に基づいて説明する。製造型本体50の一端には底面
貫通穴52aを有する製造型底面52がつながっている。ま
ず製造型本体50の外周面に、網状押し出し管状体30を装
着する。網状押し出し管状体30の長さl1は、製造型本体
50の長さl2よりも長い。そして、この網状押し出し管状
体30は製造型本体50の一端から突出して突出部30Tを形
成している。網状押し出し管状体30を装着した後、固定
ベルト35を巻付けて網状押し出し管状体30を製造型本体
50の外周面に固定する。
次に網状押し出し管状体30の突出部30Tを、高温のオ
イルバスの中へ浸す等して加熱する。網状押し出し管状
体30は加熱収縮性を有している。この為、加熱された突
出部30Tは軟化収縮して収縮位置32に位置する。
突出部30Tの先端部には、予めその網目に複数のフッ
ク37が掛けられている。そして、このフック37には各々
ワイヤー39が接続されており、各ワイヤー39は補助製造
型59の補助製造型貫通穴59aを通過している。この補助
製造型59には、製造型管部54が設けられている。製造型
管部54の中心軸は、製造型本体50の中心軸とほぼ同一方
向に位置している。そして、製造型管部54の一方の端部
であって、製造型底面52と接する側の端部の内径l6は、
他方の端部の内径であるl5よりも大きく設けられてい
る。
突出部30Tを軟化収縮させた後、補助製造型59を矢印1
00の示す方向に引上げ、補助製造型59の接続面59Tと製
造型底面52とを接圧する。これによって、突出部30Tは
補助製造型59の接続面59T及び補助製造型貫通穴59aの内
周面に沿って押圧される。
このとき、各ワイヤー39を矢印102の示す方向に引下
げ、突出部30Tを所望の長さに調整する。各ワイヤー39
に加える張力が大きすぎれば、突出部30Tが必要以上の
長さに伸ばされる為、張力は微小なものがよい。
こうして突出部30Tを所望の形状に加工した後、網状
押し出し管状体30を冷却して硬化させる。その後、固定
ベルト35を解除して、製造型及び補助製造型59から網状
押し出し管状体30を取り出す。そして、第一の補助切込
み部26、第二の補助切込み部27及び連続的な切断部25の
箇所に切込み、切断を行い、第2図に示す内鉢2を得
る。
このようにして製造した内鉢2を用いて取り木を行
う。この取り木方法を第5図を用いて以下に示す。ま
ず、取り木を行う場合は取り木の対象となる樹木10の皮
層を環状に剥ぎ取り、環状剥皮部10aを形成する。この
環状剥皮部10aは、後に発根を起こさせる為のものであ
る。尚、環状剥皮部10aは、取り木により分離しようと
する幹又は枝の下部に該当する部分に形成する。環状剥
皮部10aの剥ぎ取り幅は通常約10mmないし100mm程度であ
り、幹又は枝の大きさに応じて形成する。
環状剥皮部10aを形成した後、内鉢2を樹木10に仮固
定する。使用される内鉢2は、その管状仮保持部24の端
部内径l31(第1図B参照)が、樹木10の外径l39よりも
小さく形成されている。又、内鉢2の底座部貫通穴22a
の内径l35(第1図B参照)は、樹木10の外径l39よりも
大きく形成されている。尚、内鉢2の内径l19は、樹木1
0の外径l39の約1.5倍から3倍のものが適当である。
仮固定は、第5図に示すように環状剥皮部10aが内鉢
2の内部に位置するように行ない、又樹木10が内鉢2の
有する底座部貫通穴22a及び管状仮保持部24の内部を貫
通、内設するように行う。内鉢2は合成樹脂によって形
成されており、第1図Aに示すように連続的な切断部25
(F-G,G-H,H-I)が設けられている。従って、内鉢2を
矢印150及び矢印152の示す方向に開いて樹木10に取り付
けることができる。
尚、管状仮保持部24には第一の補助切込み部26(J-
K)、第二の補助切込み部27(L-M)及び切断部25(H-
I)が設けられており(第1図A参照)、管状仮保持部2
4は外側へ広がることが可能なようになっている。この
為、内鉢2を第5図に示す状態に取り付けた場合、管状
仮保持部24が広げられその形状復帰作用により樹木10を
押圧して樹木10に仮固定される。
内鉢2を仮固定した後に、内鉢外筒20の切断部25(F-
G)(第1図A参照)を熔接して固着する。この固着に
は内鉢外筒20と同一材質の樹脂熔接棒(図示せず)を、
内鉢外筒20の切断部25(F-G)に付着させて熔接を行う
とよい。熔接棒を内鉢2の外周に巻きつけて熔接しても
よい。
又、切断部25(F-G)の固着には、第7図に示す固着
シート610を用いることもできる。固着シート610は合成
樹脂からなるシート本体630と、シート本体630を貫通す
る複数の固着ワイヤー640を備えている。この固着シー
ト610の軸600を切断部25(F-G)に重ね合わせて装着
し、管状仮保持部24の網目から固着ワイヤー640を貫
通、突出させる(図示せず)。そして、突出した固着ワ
イヤー640を折曲げ又は捩り合わせて切断部25(F-G)を
固着するのである。尚、固着ワイヤー640はステンレス
で形成すると、固着部の錆を防止することができる。
切断部25(F-G)の固着の他の実施例として、第9図
に示すようなものがある。内鉢外筒20の切断部25を境に
して、切断部25(F-G)近辺に図に示すように二本の切
断部固着ボルト300を設けておく。切断部固着ボルト300
は内鉢外筒20の網目を貫通し、固着ボルト突出部300bを
形成する。そして、この固着ボルト突出部300bに固着プ
レート304を取り付ける。取り付けは次のようにして行
う。固着プレート304には、二本の固着ボルト突出部300
bに対応するプレート貫通穴304aが設けられている。こ
のプレート貫通穴304aに固着ボルト突出部300bを貫通さ
せる。その後、固着ナット302を図に示す矢印108の方向
に締め込み、切断部25(F-G)を固定させる。
又、固着プレート304を用いずに、二本の固着ボルト
突出部300bに紐やワイヤー等を巻きつけてもよい。
更に、切断部25(F-G)を固着する為の他の実施例と
して、オレフィン系バンドやビニール等の合成樹脂バン
ドを用いることもできる。オレフィン系バンドや合成樹
脂バンドを管状仮保持部24に巻付けて切断部(F-G)を
接合させるのである。
次に、内鉢外筒20の外周面に柔軟性を有する液体保持
部材を巻きつけ、一部重ね合わせて重なり部分を接着又
は熔着する。この実施例においては柔軟性を有する液体
保持部材としてビニールフィルム80を使用する。このビ
ニールフィルム80には、延伸による加熱収縮性を有する
ものを用いるとよい。ビニールフィルム80の長さl
25は、内鉢外筒20の長さl21よりも長く、ビニールフィ
ルム80には内鉢外筒20から突出するフィルム突出部80T
が形成されている。
次にフィルム突出部80Tに熱風を吹きつける。ビニー
ルフィルム80は熱収縮性を有するので、突出部80Tは収
縮し第5図に示すフィルム収縮位置82に位置する。フィ
ルム突出部80Tには、熱湯をかけて収縮させてもよい。
収縮したフィルム突出部80Tの先端82Tを、樹木10と管状
仮保持部24との間に形成されている樹木空間部10Sに挿
入する。そして、樹木10と管状仮保持部24との接触部10
Gに挿入し挟み込む。この状態で更にフィルム突出部80T
に熱風を吹きつけて収縮させ、樹木10に密着させる。
その後、第6図に示すような螺旋状のバネ部材11を用
いて内鉢2を樹木10に固定する。固定はバネ部材11を広
げて樹木10に巻きつけ、バネ部材11の取り付け位置11K
(第5図参照)に取り付けて行う。バネ部材11の内径l
110は樹木の外径l39よりも短く形成されているので、バ
ネ部材11の収縮作用により管状仮保持部24が樹木10に押
圧されて、内径2が樹木10に固定される。
尚、このバネ部材11を底座部22に向かう方向(矢印11
3に示す方向)に押し下げると固定がより確実となる。
次に、内鉢2の内部空間2Sに水耕用のハイドロボール
を投入し(図示せず)、環状剥皮部10aから水耕根圏を
生成させる。内鉢2内の樹木10に例えば薄いロックウー
ル綿や水苔等を巻付けて、ハイドロボールを内鉢2の内
部空間2Sに密着充填する。この水耕用のハイドロボール
は、後に内鉢2の内部に注入する水等の保水の為であ
る。従って、保水性を高める為にハイドロボールは可能
な限り小さい方がよく、その断面直径は7mm以下である
必要がある。
内鉢2内に投入される水耕用のハイドロボールは小さ
なものである為、内鉢2に設けられている孔も小さなも
のでなければならない。すなわち、第10に示すような孔
402が設けられている場合は、孔の内径408はハイドロボ
ールの外径よりも小さくなければならない。孔の内径40
8が大きいときは、水耕用のハイドロボールが外にこぼ
れ落ちてしまうからである。
しかし一方、内鉢2の開孔率は可能な限り高いほうが
よい。この開孔率とは、一定の面積(一定範囲のストラ
ンド410と孔402との面積の和)における孔402の面積の
占める割合である。高い開孔率が必要なのは、成長する
根が根づまりを起こさず、内鉢2の外側に張り出すこと
ができようにである。又、通水性を高めて、内鉢2を境
とした内外の水等の平均化を容易にする為である。開孔
率は20%から80%である必要がある。
このように、内鉢2は孔の内径408が小さくかつ開孔
率が高いものでなければならない。この為、第10図に示
すように内鉢2の孔402に近接して設けられる。すなわ
ち、縦横のストランド410の外径405,406は細くなる。
このストランドの繊細化に伴い、内鉢2の強度性が低
くなるという問題を生じる。各ストランドが繊細で強度
性が低い為、仮にストランド410の数を増加させても強
度を上げることはできない。
そこで、内鉢2を多層構造にするとよい。すなわち、
内鉢2の外周面又は内周面に、複数の孔が設けられてい
る補助管本体を装着する(図示せず)。この補助管本体
には、例えば第11図に示すような補助管本体450を用い
る。補助管本体450の有するストランド460の外径455,45
6は、第10に示すストランド410の外径405,406に比べて
大きい。このように、太いストランド460を有する補助
管本体450を内鉢2の外周面に装着することにより、内
鉢2の強度性を向上させるのである。
尚、補助管本体450にも、内鉢2とほぼ同様の開孔率
が維持されている必要がある。すなわち、補助管本体45
0はストランド460が太くかつ開孔率が高いものが用いら
れる。この為、孔452の内径458,459は大きくなる。しか
し、内鉢2の孔の内径408(第10図参照)は小さい為、
水耕用のハイドロボールが外にこぼれ落ちることはな
い。
こうして内鉢2に多層構造を施すことにより、小さな
網目でハイドロボールがこぼれ落ちるのを防止しつつ、
大きな網目の補助管本体450で内鉢2の耐久性を維持す
ることができる。
内鉢2と補助管本体とは、熔接やボルト止め等により
固定する。尚、内鉢2に大きな孔のものを用いて、補助
管本体に孔の小さなものを使用してもよい。又、補助管
本体を複数装着してもよい。
内鉢2内に水耕用のハイドロボールを投入した後、更
に内部空間2Sに水や発根剤を注入し、水耕根圏を十分に
発生させる。内鉢2の外周にはビニールフィルム80が巻
きついており、そのフィルム突出部80Tの先端82Tは樹木
10と管状仮保持部24との間に挟み込まれている。この
為、注入した水が内鉢2から漏れることはなく、十分な
水位を保っている。
こうして環状剥皮部10aから発根させ、この後に樹木1
0の切断位置91を切断し分離する。内鉢2は樹木10に固
定されているので、内鉢2をそのまま水耕用内鉢として
用い、外鉢(図示せず)に入れて建造物内に設置するこ
とができる。
樹木10に固定されている内鉢2を外鉢に入れ、内鉢2
と外鉢との間にハイドロボールや礫等を充填して内鉢2
の位置を固定させる。尚、外鉢内部での内鉢2の安定性
は高いほうがよい。この為、内鉢外筒20と底座部22とが
形成する底座角22M(第5図参照)を鋭角として形成す
ると、内鉢2の安定性が向上する。
この実施例では第1図A及び第1図Bに示す内鉢を用
いて取り木を行ったが、第2図に示す内鉢2を使用して
取り木を行ってもよい。この内鉢2の管状仮保持部24に
も第一の補助切込み部26、第二の補助切込み部27及び連
続的な切断部25が設けられている。従って樹木10に取り
付けた際、管状仮保持部24が樹木10を押圧し内鉢2が仮
固定される。
尚、第2図に示す内鉢2を使用した取り木方法におい
ては、環状剥皮部10aから発根後の樹木の切断は、切断
位置92(第2図参照)を切断して分離する。
[発明の効果] 請求項1又は請求項2の水耕栽培用内鉢及び請求項6
の取り木方法は、樹木に内鉢を備え付けた状態で環状剥
皮部から発根させて樹木を切断するので、切断後に内鉢
にいれる作業を行う必要がない。
従って、取り木作業の作業効率を向上させることがで
きる。
又、請求項1の水耕栽培用内鉢は、成長した樹木の根
が複数の孔から外部に張り出し、水耕栽培用内鉢内部で
根づまりを起こすことはない。
従って、樹木の製品価値の低下を防止することができ
る。
又、請求項1に係る水耕栽培用内鉢は、管本体、底座
部および管状仮保持部を開くことによって、容易に樹木
に水耕栽培用内鉢を取り付けることができ、水耕栽培用
内鉢を開いて樹木に取り付けた後は、管状仮保持部の形
状復帰による閉じ作用によって水耕栽培用内鉢は樹木に
確実に固定される。
従って、取り木作業の作業効率を向上させることがで
きる。
更に、請求項2の水耕栽培用内鉢は、環状剥皮部から
の発根に必要な礫等を水耕栽培用内鉢内部に充填した場
合、小さな孔により当該礫等が外部にこぼれ落ちるのを
防止しつつ、大きな孔を有する管本体又は補助管本体で
水耕栽培用内鉢の耐久性を維持することができる。
従って、水耕栽培用内鉢の耐久性によって、水耕栽培
用内鉢の損壊等を防止することができる。
請求項3の水耕栽培用内鉢は、水耕栽培用内鉢に錆が
生じるのを防止することができる。
従って、水耕栽培用内鉢の製品価値を維持することが
できる。
又、管状仮保持部の可撓性を高めることができ、より
確実に管状仮保持部の形状復帰による閉じ作用を得るこ
とができる。
従って、取り木作業の作業効率をさらに向上させるこ
とができる。
請求項4の水耕栽培用内鉢の製造型及び請求項5の水
耕栽培用内鉢の製造方法は、管状仮保持部を備えた請求
項1、請求項2又は請求項3の水耕栽培用内鉢を製造す
ることができ、内鉢を樹木に備え付けた状態で環状剥皮
部から発根させることができる。
従って、樹木を切断した後に内鉢にいれる作業を行う
必要がなく、取り木作業効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは、本発明の一実施例に係る内鉢を示す斜視
図、 第1図Bは、第1図Aの内鉢の拡大一部断面図、 第2図は、本発明の他の実施例に係る内鉢を示す側面断
面図、 第3図A及び第3図Bは、本発明の一実施例に係る水耕
用内鉢の製造型を示す側面断面図、 第4図は、本発明の他の実施例に係る水耕用内鉢の製造
型を示す側面断面図、 第5図は、本発明の一実施例に係る内鉢を樹木に取り付
けた状態を示す側面断面図、 第6図は、内鉢を樹木に固定する為のバネ部材を示す側
面図、 第7図は、内鉢の切断部を固着する為の固着シートを示
す側面図、 第8図は、網状押し出し管状体の一部拡大図、 第9図は、内鉢の切断部を固着するボルト止めの状態を
示す平面図、 第10図は、内鉢に設けられている孔及びストランドを示
す図、 第11図は、補助管本体に設けられている孔及びストラン
ドを示す図、 第12図Aは、合成樹脂網目シートを示す図、 第12図Bは、第12図Aに示す合成樹脂網目シートを折り
曲げた状態を示す図、 第13図は、他の合成樹脂網目シートを示す図、 第14図は、更に他の合成樹脂網目シートを示す図であ
る。 2……内鉢 10……樹木 20……内鉢外筒 22……底座部 24……管状仮保持部 50……製造型本体 52……製造型底面 54……製造型管部 402,452……孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−35912(JP,A) 実開 平1−140241(JP,U) 実開 昭56−41562(JP,U) プラスチック加工技術便覧、日刊工業 新聞社S39.7.30,5版発行P.42− 43

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管形状を有する管本体であって、所定の大
    きさを備えた複数の孔が設けられている管本体、 管本体の一端とつながる底座部であって、その中心部に
    所定の大きさの底座部貫通穴を有する底座部、 管本体の中心軸とほぼ同一方向にその中心軸が位置する
    管状仮保持部であって、その一方の端部が前記底座部貫
    通穴の周辺とつながっており、他方の端部は底座部貫通
    穴の半径よりも短い半径を有する管状仮保持部、 を備えており、 前記管本体、前記底座部および前記管状仮保持部には、
    連続する切断部が形成されており、当該切断部を境に前
    記管本体、前記底座部および前記管状仮保持部を開くこ
    とが可能である、 ことを特徴とする水耕栽培用内鉢。
  2. 【請求項2】請求項1の水耕栽培用内鉢において、 管本体には、管形状を有する一以上の補助管本体が装着
    されて、多層構造を形成しており、 補助管本体には、管本体に設けられている孔とは異なる
    大きさの孔が複数設けられている、 ことを特徴とする水耕栽培用内鉢。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2の水耕栽培用内鉢に
    おいて、 管本体、底座部、管状仮保持部又は補助管本体が合成樹
    脂により形成されている、 ことを特徴とする水耕栽培用内鉢。
  4. 【請求項4】管形状を有する製造型本体、 製造型本体の一端とつながる製造型底面であって、その
    中心部に所定の大きさの底面貫通穴を有する製造型底
    面、 製造型本体の中心軸とほぼ同一方向にその中心軸が位置
    する製造型管部であって、製造型底面と接する側の端部
    の直径が、他方の端部の直径よりも大きい製造型管部、 を備えたことを特徴とする水耕栽培用内鉢の製造型。
  5. 【請求項5】請求項4の製造型を用いる水耕栽培用内鉢
    の製造方法であって、 前記製造型本体の外周面に、加熱収縮性を有し製造型本
    体の中心軸方向における長さよりも長い管状部材を装着
    する工程であって、前記製造型底面がつながれた製造型
    本体の一端よりも該管状部材が突出して突出部を形成す
    るように管状部材を装着する工程、 管状部材の突出部を加熱して、軟化収縮させる工程、 製造型底面及び製造型管部の所定の面に、軟化収縮され
    た突出部を押しつけて沿わせる工程、 管状部材を冷却する工程、 請求項4の製造型から管状部材を取り出す工程、 を備えたことを特徴とする水耕栽培用内鉢の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1、請求項2又は請求項3の水耕栽
    培用内鉢を用いる取り木方法であって、 所望の樹木の所望箇所の皮層を剥ぎ取り、環状剥皮部を
    形成する工程、 前記水耕栽培用内鉢の前記底座部貫通穴及び管状仮保持
    部に所望の樹木が貫通、内設され、環状剥皮部が前記管
    本体内部に位置するように水耕栽培用内鉢を該樹木に固
    定する工程、 水耕栽培用内鉢の所定の面に柔軟性を有する液体保持部
    材を巻きつけ、水耕栽培用内鉢に注入される液体を保持
    し得るようにする工程、 水耕用内鉢内部に液体を注入し、環状剥皮部からの発根
    に必要な所定の措置を施す工程、 環状剥皮部からの発根後、樹木の所定箇所を切断する工
    程、 を備えたことを特徴とする取り木方法。
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