JP2535326B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は静電写真用液体現像剤、特に負荷電性液体
現像剤に関する。

従来技術 一般の静電写真用液体現像剤はカーボンブラックのよ
うな着色剤と樹脂の混合物を石油系脂肪族炭化水素の担
体液中に分散したものであり、負荷電性を与える方法と
して、この現像液にレシチン、高級脂肪酸、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、
アルキルリン酸エステル、ホウ酸エステル、フタル酸エ
ステル等を添加する方法、あるいは、着色剤として用い
られる顔料を特殊な処理剤で処理したものを用いる方法
等が提案されている。

しかし、樹脂に上記添加剤を混合したものでは現像剤
として貯蔵安定性が悪く、繰り返し使用によりその性状
変化が大きいのが欠点であり、顔料を特殊な処理剤で処
理したものは、現像剤の粒子径が大きくなるのでその分
散安定性が低下し、沈澱や凝集が起り易いのが欠点であ
った。

目的 この発明の目的は上記欠点を改善し、優れた荷電安定
性、分散安定性を示し、長期間の保存、使用に耐える負
荷電性液体現像剤を提供することである。

構成 上記目的を達成するためのこの発明の構成は、高絶縁
性、低誘電率の担体液中に着色剤および樹脂を主成分と
するトナーを分散させて成る静電写真用液体現像剤にお
いて、前記トナーの樹脂成分の少なくとも一部としてオ
キシカルボン酸の縮合重合物を含有する静電写真用液体
現像剤である。

上記オキシカルボン酸の縮合重合物は一分子中にヒド
ロオキシ基とカルボキシル基をもつオキシカルボン酸化
合物を常法により酸触媒下で脱水または脱アルコール縮
合重合することにより得られる。

上記オキシカルボン酸を例示するとα−オキシ−ｎ−
酪酸、α−オキシイソ酪酸、α−オキシ−ｎ−吉草酸、
α−オキシイソ吉草酸、２−オキシ−２−メチルブタン
酸、α−オキシ−ｎ−カプロン酸、α−オキシイソカプ
ロン酸、２−エチル−２−オキシブタン酸、２−オキシ
−3,3−ジメチルブタン酸、２−オキシ−２−メチルペ
ンタン酸、２−オキシ−５−メチルヘキサン酸、２−オ
キシ−2.4−ジメチルペンタン酸、β−オキシ酪酸、β
−オキシイソ酪酸、β−オキシ−ｎ−吉草酸、β−オキ
シイソ吉草酸、α−エチルヒドロアクリル酸、オキシピ
バル酸、３−オキシ−２−メチルペンタン酸、コリノマ
イコール酸、コンボルブリノール酸、ヤラピノール酸、
14−オキシヘキサデカン酸、12−オキシドデカン酸、16
−オキシヘキサデカン酸、12−オキシステアリン酸、22
−オキシドコサン酸、３−オキシ−２−メチレンブタン
酸、３−オキシ−２−テトラデシル−11−オクタデセン
酸、リシノール酸、12−オキシ−trans−９−オクタデ
セン酸、９−オキシ−12−オクタデセン酸、α−カムロ
レン酸、β−カムロレン酸、リシンステアロール酸、ホ
モリシンステアロール酸等が挙げられる。

この発明の縮合重合物は単独でも用いられるが、従来
用いられている公知の樹脂との混合使用もできる。この
従来公知の樹脂としては、水添ロジンおよびそのエステ
ル等のロジン類、iso−ブチルメタクリレートとｎ−ブ
チルメタクリレートとの共重合体、炭素数６個以上のア
ルキル基を有するアルキルメタクリレート重合体および
共重合体、スチレン−ブタジエンのグラフト重合体およ
びその非水溶媒中でのグラフト重合体；変性または非変
性フェノール樹脂；ペンタエリトリットフタレート；ク
マロンインデン樹脂、エステルガム樹脂；植物油変性ポ
リアミド、大豆油またはアマニ油等で変性したアルキッ
ド樹脂、フタル酸樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン化ア
ルキッド樹脂等のアルキッド樹脂が挙げられる。

着色剤としてはカーボンラック、ニグロシン顔料、ク
リスタルバイオレット、ビクトリアブルー、フタロシア
ニンブルー、ハンザイエロー、マルチウスイエロー、ク
ロムファストレッド、セリトンファストレッド等公知の
ものがいずれも用いられる。

担体液も公知の石油系脂肪族炭化水素が用いられる。
例えば、イソオクタン、ｎ−ノナン、ｎ−デカン、イソ
デカン、ｎ−ウンデカン、イソウンデカン、ｎ−ドデカ
ン、イソドデカン、ｎ−トリデカン、イソトリデカン、
ｎ−テトラデカン、イソテトラデカン、またはそれらの
混合物（市販品としてはエッソ社製アイソパーＧ、Ｈ、
Ｌ、Ｋ等）が挙げられる。

以下実施例によって、この発明を具体的に説明する。

実施例１ カーボンブラック＃40（三菱化成製） ５ ｇ クリスタルバイオレット 0.5g 1,2−オキシドデカン酸の縮合物 10 ｇ アイソパーＨ（エクソン化学製） 84.5 ｇ 上記成分をボールミルで72時間混練して濃縮トナーと
し、この濃縮トナー2gを２のアイソパーＨに分散させ
て静電写真用液体現像剤とした。

この現像剤を用いてリーダープリンター（リコーMRP
610S）で現像したところ、黒色の鮮明な画像が得ら
れ、0.2mm幅の画像部をナルミ濃度計で測定したとこ
ろ、0.95であった。

ついで、この現像液を50℃の環境下に14日間保存後、
上記現像条件と同じ条件で撮像した複写物の画像濃度は
0.93で性状変化は僅少であるといえる。また、この保存
後の現像液にはほとんど沈澱物は見られなかった。

実施例２ カーボンブラック＃40 ４ ｇ フタロシアニングリーン 0.2g 14−オキシヘキサデカン酸の縮合物 ７ ｇ ポリラウリルメタクリレート ３ ｇ アイソパーＨ 88.8g 上記成分をボールミルで72時間混練して濃縮トナーと
し、その濃縮トナー3gを２のアイソパーＨ中に分散し
て現像剤を調整し、実施例１同じ条件で現像して得られ
た複写物の画像濃度は0.93であった。

ついで濃縮トナーを機械にセットし、現像液を補給し
ながらＡ−２版の複写物を連続コピーしたところ1,000
枚後の画像濃度は0.91であり、繰り返し使用による変化
は僅少であるといえる。

比較例 比較のために、上記実施例２の成分のうち14−オキシ
ヘキサデカン酸の縮合重合物を用いず、ポリラウリルメ
タクリレートを10gに増量した外は実施例２と同様の方
法で現像剤を作製し、実施例１と同じ条件で現像したと
ころ、ネガ像に反転した画像が得られた。

効果 以上、説明したように、この発明の現像剤はオキシカ
ルボン酸の縮合重合物を含有することにより、荷電安定
性、分散安定性が優れているので長期間の保存、繰返し
使用によってもその性能が低下しない。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】石油系脂肪族炭化水素の担体液中に着色剤
   および樹脂を主成分とするトナーを分散させて成る静電
   写真用液体現像剤において、前記トナーの樹脂成分の少
   なくとも一部としてオキシカルボン酸の縮合重合物を含
   有することを特徴とする静電写真用液体現像剤。