JP2535265Y2 - ジグソーパズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はジグソーパズルの改良に
関し、更に詳しくはパズル片の表面に描かれた絵や写真
等の図柄模様が温度変化により変化する他、延いては一
つのジグソーパズルで複数パターンのはめ絵が楽しめる
趣向性に富んだジグソーパズルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ジグソーパズルは、所定形状の
台紙と、該台紙の表面に着脱自在に組み付けされた複数
のパズル片とを備えており、一旦ばらばらに遊離させた
前記パズル片を、同パズル片の表面にそれぞれ描かれた
絵や写真等の図柄模様を整合させるべく前記台紙上に組
み合わせることにより所定の図柄模様に復元せしめる、
所謂パズル玩具として子供から大人に至るまで広く親し
まれている。

【０００３】従来、斯かるジグソーパズルは、特に昨今
にあっては遊技具のみならず教育や宣伝にも使用される
に至っており、大型で多数のパズル片を要する難度の高
いジグソーパズルの他、パズル片を台紙に嵌め込むこと
によって音が発生するように音発生装置を台紙に埋設し
てなるジグソーパズル（実開昭６１−２６５８１号公報
参照）や、パズル片から臭気を発散すべく香料を含侵さ
せたジグソーパズル（実開昭６１−５１８８５号公報参
照）など、種々の趣向性を付加せしめたジグソーパズル
が既に案出されていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のジグソーパズルのうち、大型で多数のパズル片
を要する難度の高いジグソーパズルにあっては、パズル
片を細かくし不明瞭でまぎわらしい図柄模様を多くする
ことで、各パズル片の関連を見い出せづらくし、かつ難
解さを醸し出させていることから、大人でも復元でき得
ない程の複雑多岐なものになっており、ばらしたものを
復元せしめるといったジグソーパズル本来の面白味を欠
き、最終的には未完成のまま放置されることも少なくな
かった。

【０００５】また、上褐した音発生装置を台紙に埋設し
てなるジグソーパズルにあっては、音発生回路やスピー
カー並びにスイッチ手段を搭載させなければならないこ
とから部品点数が増加し、コストがかかってしまうとい
った問題があった。

【０００６】一方、上褐の香料を含侵させたジグソーパ
ズルにあっては、パズル片を触っているうちに臭気が減
衰されるといった欠点があり、まして斯かる臭気を長持
ちさせるために臭気の透過性の少ない材質からなるフィ
ルム素材で被装させなければならないため、製造に手間
がかかるものであった。

【０００７】しかも、上褐した従来のジグソーパズル
は、復元完成した後は、完成させたことの喜びと満足感
を讃えるがごとく部屋内に飾って置きたくなるものであ
るが、時間が経つに連れて次第にその満足感が薄れてゆ
き、一度征服したパズルを再度ばらして組み上げるには
面白味に欠け、やがてはその図柄模様に飽きてしまうと
いった問題があり、室内の装飾としては趣向性に欠ける
ものであった。

【０００８】他方、近年では温度変化によって色彩が異
なるインキ（以下、単に熱変色性インキという）が開発
されており、例えば、実公昭６３−４３０９４号公報の
絵本の如く、既に一部製品には応用されてはいるが、斯
かるジグソーパズルに応用したものは見あたらなかっ
た。

【０００９】本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたも
ので、ジグソーパズル本来の面白味を失なわせることな
くして需要者に低廉で供給でき、しかもパズル片表面の
図柄模様が温度変化に応じて変化するのみならず、一つ
のジグソーパズルで複数パターンのはめ絵を楽しむこと
のできる趣向性に富んだ有用なジグソーパズルを提供す
ることを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題点
を解決し、所期の目的を達成するため本考案の要旨とす
る構成は、所定形状の台紙と、該台紙の表面に着脱自在
に組み付けされた複数のパズル片とを備え、一旦ばらば
らに遊離させた前記パズル片を、同パズル片の表面にそ
れぞれ描かれた絵や写真等の図柄模様を整合させるべく
前記台紙上に組み合わせることにより所定の図柄模様に
復元せしめるジグソーパスルにおいて、前記パズル片
は、温度変化によってその表面の色彩若しくは図柄模様
が変化するジグソーパズルに存し、延いては前記パズル
片の表面が温度変化により当初の図柄模様とは異なった
図柄模様をその表面に現出させ、各温度帯域に応じた別
異のはめ絵パターンが得られるように形成されたジグソ
ーパズルに存する。

【００１１】

【作用】このように構成される本考案のジグソーパズル
は、温度変化によってその表面の色彩若しくは図柄模様
が変化し、全体をして別のイメージをも醸し出させるこ
とによって、完成したジグソーパズルを部屋内に飾り付
けて置いても、室内の温度に応じてそのパズル表面の図
柄模様がその都度変化することから、看者をして飽きる
ことなく興味をもって見れることとなる。

【００１２】しかも、前記パズル片の表面が温度変化に
より当初の図柄模様とは異なった図柄模様をその表面に
現出させ、各温度帯域に応じた別異のはめ絵パターンが
得られるように形成すれば、一度完成させたパズルであ
っても再度ばらすことにより他のはめ絵をパターンを試
みれることから、面白味に富み、ジグソーパズルとして
の商品価値をより高めることとなる。

【００１３】

【実施例】次に本考案の実施の一例を図面を参照しなが
ら説明する。図中Ａは、本考案に係るジグソーパズルで
あり、このジグソーパズルＡは、矩形状に形成された台
紙１と、該台紙１の表面に着脱自在に組み付けされた複
数のパズル片２，２…とを備えている。

【００１４】前記台紙１は、図２に示すように、その表
裏両面に前記パズル片２，２…を配列させるための凹部
１ａ，１ｂが形成されている。また、この凹部１ａ，１
ｂの外周を囲繞すべく段差を介して区画された表裏両面
の縁部には、色分けされた前記パズル片２，２…の表裏
両面と整合する色調が付されている（図示せず）。換言
すれば、一つのパズルで二通りのはめ絵が楽しめるよう
に、パズル片２，２…の表裏両面には別異な図柄模様が
施されているもので、斯かる別々な図柄模様が互いに混
同されないようにパズル片２，２…の表裏を色別し、使
用者をして組み付け面が分別できるように示唆せしめる
ものである。

【００１５】一方、前記パズル片２，２…の図柄模様
は、熱変色性インキで描かれており、温度差によってそ
の色彩、モチーフ若しくは構図が変化し、全体をして別
のイメージを醸し出させるようになっている。例えば、
常温では、図１に示すように、紫色を主調とした葡萄の
図柄模様が、ある温度領域になれば、赤や青色等を主調
とした葡萄に変色したり或は図３に示すように局部的に
色合いが変わったり（色彩変化）、更には葡萄とは全く
異なった洋梨の図形模様に変わるようにも（構図変化）
できるものである（図４参照）。

【００１６】尚、上記した色彩変化並びに構図変化は、
同一組み付けでの表面変化すなわちパズル片２，２…の
組み付けパターンはそのままで表面の図柄模様のみを変
化させた場合である。換言すれば、所望の温度変化で紫
色（常温）から赤色等に変色する熱変色性インキを用い
て葡萄を描くことで上記色彩変化は可能となり、更には
普通の印刷で描かれた洋梨の図柄模様の上に、所望の温
度変化で紫色（常温）から無色に変色する熱変色性イン
キを用いて葡萄の図柄模様を重ねて印刷することによ
り、所定温度で葡萄の図柄模様が消えて洋梨の図柄模様
が浮かび出て来るといった上記構図変化が可能となるも
ので、その際、パズル片２，２…の嵌め変えは全く必要
ないものである。

【００１７】このように構成される本考案のジグソーパ
ズルでは、完成したジグソーパズルを部屋内に飾り付け
て置いても、室内の温度に応じてその表面の図柄模様が
その都度、変化することとなるため、例えば、５度〜１
０度前後で熱変色するインキを用いれば、夏の暑い時
（室温３０度前後）と冬の寒い時（室温１０度前後）で
は全くイメージの異なる色彩模様を醸し出すこととな
り、春、夏、秋、冬の四季に見合った図柄模様に変化さ
せることもできるものである。

【００１８】尚、本考案のジグソーパズルは、斯かる実
施例に限定されることなく、パズル片２，２…の嵌め変
えを必要とすべく前記パズル片２，２…の表面が温度変
化により当初の図柄模様とは全く異なった図柄模様に変
化し、各温度帯域に応じた別異のはめ絵パターンが得ら
れるように形成しても良いものである。

【００１９】例えば、上褐した果物を例に説明すれば、
普通のインキで印刷された洋梨のジグソーパズル（第２
パターン）を一旦ばらして、この第２パターンとは別異
のはめ絵パターンにパズル片２，２…を嵌め変えた後に
（第１パターン）、その上から所望の温度変化で無色に
変色するインキを用いて上褐の葡萄を重ねて印刷してお
けば、常温では、図１に示すように、紫色を主調とした
葡萄の図形模様（第１パターン）であっても、所定温度
になれば、斯かる葡萄の図柄模様が消えて下地の洋梨の
図形模様がばらばらになった状態で現出することとなり
（図示せず）、従ってそのパズル片２，２…を再度嵌め
変えることで、図４の如き別異の洋梨のジグソーパズル
（第２パターン）が得られるようにもできるものある。
尚、この場合には各パズル片２，２…同士が各種パター
ンに応じて何れにも組み変えできるようにパズル片の形
状を統一させておく必要があることは云うまでもない。

【００２０】以上、説明したように本考案のジグソーバ
ズルは、一つのパズル片２，２…に（表裏使用すること
なく）複数のはめ絵パターンを兼備させることが可能と
なることから、例えば、１０度、２０度、３０度でそれ
ぞれ変色する３種の熱変色性インキを用いて別異パター
ンの図柄模様を重ね印刷しておけば、各温度帯域に応じ
てその色彩若しくは構図等が変化することから、斯かる
色彩、構図を見るだけで室内温度を逆に認識することも
できるものであり、更には上褐したように各温度帯域に
応じて別異のはめ絵パターンが得られるように形成して
おけば、その室内温度に応じた複数の図柄パターンを試
みれるもので、ジグソーパズルとしての趣向性を倍加さ
せるものである。

【００２１】尚、本考案は本実施例に限定されることな
く、本考案の目的の範囲内で自由に設計変更し得るもの
であり、本考案はそれらの全てを包摂するものである。
例えば、本明細書で言及されている熱変色性インキは、
不可逆性、可逆性を問わず温度変化で変色するものであ
れば如何なる熱変色性材料を用いても良く、また、図５
に示すように、パズル片２，２…の数（ピース数）を無
制限に増加させるべく台紙１の枠組みを取り除いた所謂
抜き落ちの難度の高いジグソーパズルに応用できること
は云うまでもない。また更に、斯かるパズル面の図柄模
様は本実施例の果物に限定されるものではなく、難度に
応じて所望の図柄模様を採用し得るものである。

【００２２】

【考案の効果】本考案は上述のように構成され、前記パ
ズル片は温度変化によってその表面の色彩若しくは図柄
模様が変化し、全体をして別のイメージをも醸し出させ
ることによって、完成したジグソーパズルを部屋内に飾
り付けて置いた場合でも、室内の温度に応じてその表面
の図柄模様がその都度変化するため、看者をして飽きる
ことがなく、また、春、夏、秋、冬の四季に見合った図
柄模様に変化させることもできるなど、ジグソーパズル
として新たな趣向性を付加せしめた斬新なるジグソーパ
ズルを提供できることとなった。

【００２３】更に、前記パズル片の表面が温度変化によ
り当初の図柄模様とは異なった図柄模様をその表面に現
出させ、各温度帯域に応じた別異のはめ絵パターンが得
られるように形成すれば、一度完成させたパズルであっ
ても再度ばらすことにより他のはめ絵パターンを試みれ
ることから、面白味に富み、ジグソーパズルとしての商
品価値をより高めることができるものである。

【００２４】このように本考案は、ジグソーパズル本来
の面白味を失なわせることなく、低コストで製造等に手
間がかからず、しかも表面の図柄模様が温度変化によっ
て変化するのみならず、一つのジグソーパズルで複数の
はめ絵パターンが楽しめる趣向性に富んだジグソーパズ
ルを提供できるものであり、更には、構成が単純である
ため大量生産に適し、価格も低廉なものとして需要者に
供給できる等、本考案を実施することはその実益的価値
が甚だ大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので、

【図１】本考案に係るジグソーパズルの正面図である。

【図２】同横断面図である。

【図３】葡萄の図柄模様が所望温度下で変色した状態を
示す同パズルの正面図である。

【図４】図１の図柄模様が所望温度下で洋梨の図柄模様
に変化した状態を示す同パズルの正面図である。

【図５】本考案に係るジグソーパズルの他の実施例を示
す横断面図である。

【符号の説明】

Ａ ジグソーパズル １ 台紙 １ａ 凹部 １ｂ 凹部 ２ パズル片

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定形状の台紙と、該台紙の表面に着脱自
   在に組み付けされた複数のパズル片とを備え、一旦ばら
   ばらに遊離させた前記パズル片を、同パズル片の表面に
   それぞれ描かれた絵や写真等の図柄模様を整合させるべ
   く前記台紙上に組み合わせることにより所定の図柄模様
   に復元せしめるジグソーパスルにおいて、前記パズル片
   は、温度変化によってその表面の色彩若しくは図柄模様
   が変化することを特徴とするジグソーパズル。
2. 【請求項２】前記パズル片は、温度変化により当初の図
   柄模様とは異なった図柄模様をその表面に現出させ、各
   温度帯域に応じた別異のはめ絵パターンが得られるよう
   に形成されたことを特徴とする請求項１記載のジグソー
   パズル。